競技者のトレーニングの最近のブログ記事


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 図は、体力、技術力、総合力、年齢の模式図である。

 競技力は、体力と、メンタル含む技術力のトータルで決まる。
 体力のピークは、技術力のピークより先に来る事が多い。

 体力要素、技術要素の割合は、競技によって異なる。

 例えば、サッカーと野球を比べると、サッカーのほうが体力要素が高く、野球は技術要素が高いと言えるだろう。
 そのため、サッカーはフィジカル能力の高いチームが有利になりやすい。そのため比較的引退も早い。
 しかし野球は技術が高いほうが有利になりやすいので、経験を積んだ長い選手の活躍の場が多い。

 このように、体力要素の高い競技は競技年齢が若い傾向があり、技術要素の割合が高い競技では年齢が伸びる傾向がある。

 これは競技だけに関わらず、例えば工芸品の職人技などにもこの傾向が見られる。


 競技練習は、主に技術要素を向上させる。
 トレーニングは、主に体力要素を向上させる。

 技術要素は、体力要素に支えられる面がある。
 そのため同じ技術力だと、体力の高いほうが有利になる。

 また、強強度なトレーニングが必要な場合は、それに耐えうる基礎的な体力が必要になる。
 このように、技術は体力に支えられる面がある。

 また、今回は技術面に入れて説明しているメンタル面(精神面)は、体力に支えられる割合が高い。
 体力的にしっかりしていると自信がみなぎるが、病気やけがなどで体力が低下すると弱気になった経験は、誰しもしているだろう。

 これらのトータルで競技成績が向上する。


 また、体力が低い場合は、コンタクトの多い競技では当たり負けをしたり、怪我に繋がる場合もあり、たとえ技術力が高いとしても、試合を有利に運べない事や、けがで引退が早まるような事もあり得る。


 このように、競技者のトレーニングでは、競技成績を向上させる為のトレーニングと、選手生命を延長させる為のトレーニングを考える事が重要となる。
 


http://hisajp.info/2009/10/post_345.html


 競技者のトレーニングについて書いて行きたいと思う。


1、競技者のトレーニングの目的

 競技者のトレーニングの目的は、
1、競技成績の向上
2、選手生命の延長
にほぼ絞られる。

 競技成績の向上に繋がらないトレーニングはする意味が無く、同じ時間を費やすのなら効果の出やすい競技技術練習に使うべきだろう。

 しかし反面、競技だけしていると、身体のバランスがそれ専用にずれてくるので、選手生命が短くなる場合もあり、競技練習だけだと選手生命の延長には繋がらない。
 例えば野球で投球練習ばかりしているピッチャーは、そのような傾向がある。

 そのため、選手生命の延長の為に基礎的な体力やバランスを保つようなトレーニングと、競技成績の向上につながるトレーニングの双方が必要である。
 
 
 
2、競技者のトレーニングの範囲

 競技選手のトレーニングというと「筋トレ」を想定する場合が多いが、それは様々な広い範囲のトレーニングの中の特定の分野だけをさしている。
 競技力の向上につながる総合的なトレーニングは、それよりも遥かに広い。

 トレーニングを基礎的な段階から書いて行くと、

1、基礎的なトレーニング
・レジスタンストレーニング(筋力要素のトレーニング<筋肥大、筋持久、筋出力など>。
 俗にいう「筋トレ」)
・心肺持久トレーニング
・柔軟性

2、発展的なトレーニング
・筋パワートレーニング(レジスタンストレーニングの発展や応用)
・プライオメトリクス
・SAQ(スピード、アジリティ、クイックネス)
・間欠的持久力
・視野

3、競技特性に応じたトレーニング

の3段階程度には分ける事が出来る。

 また、競技を続けて行くと、ある弱点を改善すると別な弱点が見えてくる事が多い。
 その弱点が筋力要素のような基礎的な用件から来ているとしたら、たとえ十分な筋肉を持っていたとしても、1の基礎段階に戻って強化する必要がある。

 また、2や3のタイプのトレーニングを集中して行っていると、負荷が強すぎたり、身体のバランスを欠くような事に繋がり、故障に繋がる事がある。
 そのためこの場合でも1の基礎段階のトレーニングを定期的に行い、基礎的な体力バランスを高く保つ必要がある。

 また、競技によってはほとんど必要のない体力要素もあり、そういうのはする必要がない。
 しかしこの難しい点は、例えば長距離走者に必要のないと思われていたプライオメトリクスは、実はタイムの向上に相当重要な要素だというのが、後から分かったりするので、根拠のない思い込みは良くないのである。
 
 
 
3、トレーニングと競技技術

 トレーニングには、身体的なトレーニングと、メンタルのトレーニングがある。
 トレーニングと呼ばれるものは、基礎的なトレーニングの段階では競技の種類は問わないが、高度になるとある一定の範囲の競技でしか用いられないトレーニングである。
 メンタルトレーニングも同じように発展する。

 競技技術は競技そのものに必要なものである。ルールも知る必要がある。

 競技で良い成績を残すには、身体特性、メンタル面、競技技術を、それぞれの競技に応じた良いバランスを保ち、総合的な競技能力を向上させる必要がある。

 例えば、野球とサッカーでは必要な要素が違うし、マラソンと相撲でも違う。
 野球は最も走ってランニングホームランで、100m くらいだ。
 サッカーは試合中ずうっと走っていて、12km 位走ると言う。
 そのため、野球は比較的筋骨隆々だが、サッカー選手は細いと、身体特性が異なる。

 マラソンは2時間以上の競技時間だが、相撲はせいぜい1分間である。
 これはさらに身体特性が異なる。


 また、これに経験年数というのも加わる。
 野球のピッチャーはある程度の経験を積んだほうが強いように思う。
 逆に、水泳のようにオリンピックでも若い選手の台頭が目立つ競技もある。
 前者は競技技術で磨ける要素の割合が高く、後者は体力要素の割合が高いように思う。

 しかし、体力要素の割合が高い競技は若い選手が強いかというとそうでもなく、体力要素が高いと思われるマラソンなどは10代の選手はトップの成績を残すのは難しい。
 そのためマラソンは体力要素の向上に時間がかかるのだろうし、かつ経験も重要な要素なのであろう。

 このように競技の特性は様々である。

 結果的に、最も適合した選手が優勝する。
 その優勝を目指して積み重ねて行く行為がトレーニングであり競技練習だが、これは結果ではなく事前にコントロール出来るものである。

 勝つ為にはきちんと組み立てる必要があり、そうすれば着実に勝ちに近づく。



http://hisajp.info/2009/10/post_346.html 

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