初心者のレジスタンストレーニングの最近のブログ記事


 良くある質問や、間違いで多いものを挙げてみました。
 前半はトレーニングの流れに沿って、後半は理論的なものを書く様にしました。

 
Q、ストレッチを先にして、それからウォーミングアップをするようにと教わりました。
A、ウォーミングアップで体温を温め、それからストレッチをするのが正しい順番です。


Q、上げ下げの時間はどの程度にすれば良いですか?
A、その人が上げ下げをコントロールできる時間で結構です。
 通常は片道1〜3秒程度で、上下とも同じ秒数を基本としましょう。


Q、一つの種目を3セット行うとしたら、それを3セット終わらせてから別な種目をするのですか?
A、例えば、スクワット3セット、ベンチプレス3セットのトレーニングプログラムがあったとすると、基本的に、スクワットを3セット終えてから、次にベンチプレスを行います。高度になるといろいろな組み合わせがあります。勉強して必要性が生じてきたらそれらもしてみましょう。


Q、フォームを覚えるときの負荷はどのくらいにすれば良いですか? 書いてある指定の重量が良いのですか?
A、フォームを覚える時期は、楽にコントロールできる重量で行います。
 目安の重量を書きましたが、人により異なりますので、自分のコントロールできる重さで結構です。


Q、フォームを覚える期間でも、慣れてきたら挙上重量は増やすのですか?
A、慣れてくると、重量が軽いと却って分かりにくくなります。
 そのため、自分に自信がついたら、重量を少しずつ上げましょう。
 これは当日に増やして行っても良いですし、次回に増やしても良いです。
 ただし、自分でコントロールできないまで重くしたり、疲れてどうにもならない重量にまで増やすのは止めましょう。


Q、フォーム習得でも疲れてしまい、3セットも出来ません。
A、何が何でも3セットする必要はありませんが、3セットくらいしないとフォームの善し悪しの感覚が掴めません。
 そのため、もうちょっと楽にできる様に重量を軽くしてみましょう。


Q、上げきったときに、関節を伸ばしきっても良いのですか?
A、関節を伸ばしきることを「関節をロックする」といいます。このときは負荷は抜けて筋はリラックスします。そのためこれは、自重でのスロートレーニングではしない方が良いと書かれている事が多いです。
 今回の初心者の段階で覚える事として重要視しているのは、正しいフォームを取得するのが目的で、今後のトレーニングの発展を順調に行う為のステップです。
 そのため、今回は関節のロックの有無は、重要な要素ではありません。

 数秒間休めば続けられそうなら、ウエイトを保持したまま関節をロックして少し休憩をしても良いです。主にスクワットなどで用いられ、ウエイトを担いだままの状態で膝の関節を伸ばしきり、ちょっと休憩します(レストポーズと呼びます)。
 続けられないと思ったら、予定の反復回数に満たなくても一旦それで終わりにしましょう。


Q、終わった後のクーリングのウォーキングやエアロバイクが面倒です
A、心拍数を下げる為にもゆっくりとクーリングをしましょう。
 発生した乳酸等を血流に乗せて運ぶ効果があります。


Q、終わった後のストレッチが面倒です
A、トレーニングをした後は筋が張ることがあるので、それをほぐす事もコンディショニングに重要です。
また、トレーニングをすると体温が上がり、可動域が広くなっているので、柔軟性を向上させるのに良い状態です。


Q、60歳ですが、筋トレを始めたいのですが、効果は出ますか?
A、生理学的に筋肉の変化は年齢条件ありません。何歳から始められても問題ありません。


Q、既往症があります。筋トレは問題ないですか?
A、症状によって異なります。詳しくは主治医の先生、トレーナー等に確認してください。
こちらもご覧下さい。
http://hisajp.info/2008/11/post_134.html


Q、運動神経が無いのですが、筋トレできますか?
A、トレーニングは競技スポーツではないので、上手下手はありません。
 目的に向けた正しいプログラムに沿って本人が努力をすれば、欲しい結果を得る事やそれに近づく事が出来ます。


Q、RM 、rep って何ですか?
A、RM とは「最大限反復回数(Repetition Maximum)」の意味で、最大限頑張ってそれ以上出来ない挙上回数の事を指します。「10kg のバーベルを精一杯頑張って 10 回挙上出来て、もうそれ以上出来ない」という場合は、10kg が 10RM 重量となります。
 rep は単に「回数(repetition)」ということです。例えば、「2kg のバーベルをフォーム練習で 10 回反復した。もっとたくさん出来そうだけどとりあえず 10 回(rep)で止めた」。というような状態を表します。

 レジスタンス運動の負荷は、筋肥大は10RM、筋持久は 20RM、筋出力は1~3RMと、それぞれ目的に応じて RM 回数が解明されていますが、その指定の RM 重量を最大回数まで反復しないと効果があまり出ません。
 例えば筋肥大をしたいときに 10RM 重量を 5rep しても、また 20RM 重量なら何回しても、理想的な効果は出ません。


Q、フォームを覚えるときも 10RM 重量で行うのですか?
A、フォームを覚える時期は、楽にコントロールできる重量で行います。


Q、10RM 重量というと何キロですか?
A、10RM 重量というのは人それぞれ違います。身体の大きな男性は重い物を何度も持ち上げられますが、子供や女の人は1回も持ち上がらないかもしれません。
 そのように 10RM 重量というのは人それぞれで異なります。


Q、筋トレは危険じゃないのですか?
A、正しいフォームで行えば、10RM くらいの重量での怪我や損傷に繋がる事はほぼありません。
 問題が発生するとしたら、間違ったフォーム、重すぎる負荷、ウォーミングアップやクーリング、栄養補給、などが正しくないのだと思います。
 ウエイトを自分の足の上に落としたりする怪我の可能性はありますが、私が指導している限りその経験はありません。

 また、ウエイトを扱っている人の近くを急に横切ったりすると、ウエイトを手放したときに自分の足の甲に落ちたり、その人がこらえて怪我や損傷に繋がる事があります。そのためトレーニングをしている人のすぐ近くは通らない様にしてください。
http://hisajp.info/2008/12/post_158.html


Q、女性です。筋トレをすると筋肉が太くなりませんか?
A、例えばヒップアップを狙う場合は、出すところは出す様に筋肉を付ける必要があります。
 筋トレをしても、筋肥大に適切な負荷(例:10RM でその回数)を掛けないと筋肉は肥大しませんので、不要なところはしない様にするか、負荷を少なくするなどで、トレーニングプログラムを組むと良いでしょう。
 しかし脚を細くしたいから全くしないで良いかというと、そうでもありません。やはり全身の筋バランスを整える様に組む必要があるでしょう。
 脂肪燃焼を計るには、その目的に沿う様に適切にプログラムを組めば良いでしょう。


Q、男性です。ちょっとだけマッチョになりたいのですが、筋肥大トレーニングをするとビルダーみたいになりそうでイヤです。そのため 20RM 程度の方が良いと思うのですがどうでしょうか。
A、筋肥大のスピードはどの程度になるかは自分ではコントロールできません。
 そのため必要なところまで筋肉が付いた時点で肥大トレーニングを止め、それを維持する様にすれば良いでしょう。
 それに、ビルダーの方のように肥大をするには何年も続けないとならないので、始める前から心配する必要は無いでしょう。
 また、20RM 重量では筋肉は肥大しません。


Q、10RM 重量よりも軽い重量の方が安全な気がしますが、どうですか?
A、これは一概にいえません。
 軽いと筋肉が肥大しません。そうすると基礎体力が不足したままなので、その先の行える高度なトレーニングが出来ません。
 20RM 重量程度と軽い場合は「筋持久力」という性質が向上します。
 「筋肉は 60% 以上の出力をしないと変わらない」という性質があるのですが、60% 重量は 20RM 重量になります。

 それより軽すぎると、筋肉に充分な負荷を与えるには何度も反復しないとなりません。
 このような強度は有酸素運動に該当し、身体組成の分解に働くホルモンの分泌が増える場合もある為ため、レジスタンストレーニングに求める効果は得れないとなり、効果と安全を取り違えているとなります。


Q、30RM 重量で 15rep 行うとどうなりますか?
A、これは「サーキットトレーニング」という、いくつかの種目を順繰りに行う場合に用いられやすい負荷です。
 心肺機能と筋力の向上を同時に求める方法です。
 これはこれで良い方法なのですが、充分な心肺機能の向上や、筋肥大やシェイプアップの効果を求めるには、きちんとプログラムを組む必要があり、却って難しいです。
 それなら別に分けて行う方が確実でしょう。


Q、筋肥大には 6RM ~ 15RM 程度の重量という話しを聞くのですが、実際はどのくらいがベストなのですか?
A、10RM 重量を基準にその前後 8RM ~ 12RM 程度であればほぼ同じ効果が得られます。
 それより広がると、あまり向いていないような気がします。
 また、コア種目なのか補助種目なのかで異なりますが、主観的な感想が多く信憑性に欠けるように思います。
 そのため分かりやすい様に 10RM を基準にお勧めしています。


Q、すぐに効果を出したいので、最初から強い強度でトレーニングをしたいです
A、今まで運動やトレーニングをしていなかった人が急に強度なトレーニングをすると、怪我や故障に繋がったり、疲労が溜まったりします。
 また、レジスタンストレーニングというのはきちんとしたフォームで行わないと、効果が出なかったり、予定と違うところに筋肉が付いたりします。
 そのような事を防止する為に、最初の1ヶ月間くらいは習う期間、順応期間だと思って、じっくりと行いましょう。そうすればそれから後の進歩が速いです。
 または、専門のトレーナーに付いてもらってください。


Q、栄養は何か特別な物を摂る必要がありますか?
A、初期の段階では通常の食事で問題ないでしょう。
 ただし、思ったより疲れているので、運動直後に早めに糖質を 0.7g/1kg、タンパク質をその 1/3 程度摂って下さい。
 徐々に勉強してください。


Q、トレーニング直後に栄養を補給すると、せっかく消費したのが無駄になる気がしますが、どうでしょうか。
Q、痩せたいから、トレーニング後の栄養補給は要らないと思うのですが、どうでしょうか。
A、レジスタンストレーニングで使うエネルギーは、主に筋肉の中の筋グリコーゲンという糖質です。
 これは使った後に補給しないと、筋肉を分解して使った糖質を補充しようとします。これを糖新生と呼びます。
 また、トレーニングの初期の段階ほど身体の慣れが少ないので、弱い強度でも糖質の消費が多くなり、そのためそれを補給しないと疲労や筋分解が多くなる可能性が高いです。

 今回の初心者の期間のトレーニングでも、少なく見積もっても 200Kcal 程度の運動消費にはなるので、上記の量の運動後の摂取をしましょう。
 そうしないと、筋肉を分解して栄養に補充しますので、トレーニングの効果が無くなるどころか、筋肉が痩せて衰えて行きます。筋肉痛もひどくなりやすいです。


Q、筋肉を付けるには脂肪も同時に増えるといわれました。それは嫌なので栄養を少なくすれば筋肉だけ増える気がするのですが、どうですか?
A、それは現実的には相当難しいです。
 結果的に上手く行く事もありますが、このような質問をされる方はそもそもトレーニングの経験が少ないでしょうから、ほぼ不可能です。
 まず、筋肉は増えるには充分な栄養が無いとなりません。子供が大きく育つときに、栄養を与えないで身体が大きくなるかというと、それは無理な話しです。
 身体が大きくなるから、それに合わせて筋肉が付くと考えてください。
 これは大人も同じです。
 また、たとえ脂肪が増えたとしても 1 ~ 2% 程度です。
 肥大期で身体を大きくして、減量期で脂肪だけ減らすのを数回繰り返せば、半年程度の期間でだいぶ良い身体が手に入ります。


Q、肥満ってなんですか?
A、明確な定義は無い様です。
体脂肪率が男性 30%、女性35% 以上(成人)の事を指す事が多い様です。
BMI を指標とする場合もあります。


Q、BMI なんですか?
A、ボディマスインデックス Body Mass Index とは、体重と身長より計算する指標です。
 体重 kg / 身長m / 身長m (体重÷身長の二乗)で、
18 未満を痩せ気味、18~(22標準)~25 を標準、25以上を肥満傾向、30以上を肥満、35以上を高度の肥満
としています。

 ただし運動選手の場合は、 BMI が 25 を越えていても体脂肪率が低い場合が有ります。
例えば野球選手などで身長 180cm 100kg とすると、BMI は約 31 になりますが、体脂肪率は標準(15%)程度が多いです。
このような場合は肥満とは呼ばないでしょう。


Q、痩身ってなんですか?
A、広義では体重を軽くする事全般を指します。減量とほぼ同じ意味です。
狭義では明確な定義は無い様です。

 高度肥満状態から痩身を行う場合は、体脂肪率率を男性 30%、女性35% 以下(成人)にする事を指標としていたり、または BMI で 30 未満とする事とする場合が多い様です。


Q、ダイエットとはなんですか?
A、ダイエットとは、食事療法の事を指します。
「痩身の為の食事療法(ダイエット)」という言い方が正しいです。
 ときどき「自転車でダイエット」というような記述を見かけますが、「自転車で食事療法」という意味不明なもので、専門家はそういう間違った使い方はしません。


Q、肥大期、減量期ってなんですか?
A、比較的トレーニングで使われる用語で、肥大期とは身体全体を大きくさせる時期で、減量期とは身体全体を小さくさせる時期を指します。
 運動やトレーニング上では、なるべく筋肉を増やして、脂肪を減らす様にしていきます。
 これを繰り返して理想の身体を手に入れます。


Q、トレーニングや身体に良い食事を続けないと、理想的な身体は維持できないのですか?
A、ご自信の理想をどこに置くかでしょう。
 理想を得たり維持するには、その為の努力が必要です。
 理想とする身体が、健康的なものやスポーティーなものだとしたら、運動やトレーニングが大事でしょう。
 
 
 
 用語はこちらをご覧下さい。
http://xn--hex348a.jp/modules/smartfaq/
 
 
 

http://hisajp.info/2008/12/post_163.html

次回より、シリーズを変えて連載していきます。


 名称

・クランチ Crunch(イメージとしては、上腹部を丸める)

・シットアップ Sit Up(イメージとしては、ベッドで寝ている姿勢から上体を起こす)
 
 
 
 道具

・クランチ
 基本的に不要。
 有ればベンチ(イス等でも可能)
 
・シットアップ
 足を固定できる腹筋台
 または足を固定してくれる補助者
 
 
 
 動員筋

 腹筋群。
 クランチは腹直筋上部
 シットアップは腹直筋全体 
 
 
 ポジションの説明

クランチ

1、仰向けに寝て、股関節と膝を屈曲し、踵をベンチに乗せるか、自力で保持する(床に寝てイスに座っているかっこうになる)。

2、手は胸の前で組むか、慣れたら手の指で軽く頭を支える。
 または、タオルで頭を包む様にして、片手でぶら下げる様に保持する。

3、顎を閉じヘソを覗き込む様にして上腹部を丸め、肩をわずかに持ち上げる。

4、持ち上がったらゆっくりと戻す。


シットアップ

1、腹筋台に仰向けに寝て、膝を軽く曲げ、足首を固定する。

2、手は胸の前で組むか、慣れたら手の指で軽く頭を支える。
 または、タオルで頭を包む様にして、片手でぶら下げる様に保持する。

3、顎を膝に近づける感じに、背中全体を持ち上げる様にする。

4、持ち上げたら、ゆっくりと戻す。

・上体または膝がまっすぐだと腰の負担が強いので、上体はやや丸め、膝は曲げる。
・弾みをつけないで、自力で行う様にする。
 
 
 
 補助

・不要
 
 
 
 初心者の方がフォームを覚える為に適していると思われる重量とセットの組み方

・男女とも 自分でコントロールできる範囲でなるべくゆっくり、数多く行う。
・固定重量法で 3 set

 最低10回は出来る様に負荷を調整してください。

 負荷の調整
 高い <ーー> 低い

 足を高くする <ー> 足を低くする
 手を頭の裏 <ー> 手を胸の前
 重りを持つ <ー> 何も持たない
 
 
 
 バリエーション

・ツイスティング(捻りを入れる)
・リバースカール
・ハンギング
・その他多種

 
 トレーニングを行う順番の注意
 腹筋群のトレーニングは、腹圧を保つ為に、一番最後に行う。



http://hisajp.info/2008/12/post_162.html


http://hisajp.info/2008/12/faq.html


 名称

 バーベル・フロント・ショルダー・プレス Barbell Front Shoulder Press

 近似した肩の種目全般をショルダープレスとよぶが、顔の前後、バーベル、ダンベルを用い行う種目で何種類かある。
 
 
 
 道具

・バーバル(またはダンベル)
・ラックが有ると良い(スクワットラック、ベンチプレスラックのいづれか。後者の場合はベンチに座ってのシーテッドで行う)
 
 
 
 動員筋

 主に三角筋(肩、ショルダーの部分)、上腕三頭筋。
 
 
 
 ポジションの説明(スタンディングで説明)

1、両脚は軽く開く。

2、ラックに乗せたバーを顎(あご)より若干高めにセットする。

3、レギュラーグリップで肩幅より若干開めにバーを持つ。グリップ幅は下げたときに前腕が垂直になるくらいにする。

4、バーを顎くらいまで下げ、そこから肘が伸びるまで挙上する。

5、ゆっくりおろし、反復する。

・弾みをつけて持ち上げたり、背中を丸めたり、腰を反らせたりしない。 
 
 
 
 補助

・基本的に不要。
 
 
 
 初心者の方がフォームを覚える為に適していると思われる重量とセットの組み方

・男性 体重の 20% 程度(10kg バーバル)
・女性 体重の 10% 〜 20%程度(10kg バーベルで出来ないときは、有れば軽めのバー。無ければ 2kg 〜 3kg 程度のダンベル)
・固定重量法で 3 set

 不安な場合には重量を下げてください。
 
 
 
 バリエーション

・シーテッド
・バックプレス(頭の後ろ。慣れてきたらこちらの方が良い)
 
 
 
 ダンベルで行うときの注意

 このフォームを覚える期間では、左右同一の動作を行う事で、アライメントを整える事も意識しています。
 そのため、今回はバーベルの使用をお勧めします。

 しかしロングバーが重いと出来ない事も有るので、その場合はショートバーを使うか、それが無い場合になって初めてダンベルを選択します。

 ダンベルで行うときは、左右同一の動作になる様に行ってください。
 
 
 
 トレーニングを行う順番の注意
 Big-3 に足すときは、最後。
 アームカールもするときは、フロントプレスが先。



http://hisajp.info/2008/12/post_161.html


http://hisajp.info/2008/12/post_163.html


 名称

 アームカール Arm Curl
 
 
 
 道具

・バーバル(またはダンベル)
 今回は出来ればバーベルで行いましょう。
 バーベルバーが軽いのは 10kg のものが多いですが、それで出来ない場合は軽いバーバルが有ればそれを使用し、それが無ければダンベルで行う様にしましょう。
 
 
 
 動員筋

 主に上腕二頭筋(力こぶの出来る部分を鍛える)。
 
 
 
 ポジションの説明

1、両脚は軽く開く。

2、アンダーグリップで肩幅とする。

3、バーを持ち、バーが身体に触れるまで下げる。このとき上腕は垂直で、肘が若干曲がる程度とする。

4、両肘を同時に曲げ、肘がほぼ曲がりきる所までバーを持ち上げる。

5、徐々に力を抜き、ゆっくり下げて行く。

・弾みをつけて持ち上げたり、背中を丸めたりしない。
 
 
 
 補助

・基本的に不要
 
 
 
 初心者の方がフォームを覚える為に適していると思われる重量とセットの組み方

・男性 体重の 20% 程度(10kg バーバル)
・女性 体重の 10% 〜 20%程度(10kg バーベルで出来ないときは、有れば軽めのバー。無ければ 2kg 〜 3kg 程度のダンベル)
・固定重量法で 3 set

 不安な場合には重量を下げてください。
 
 
 
 バリエーション

・ハンマーカール(上腕筋の関与が増える)
・プリーチャーカール(スコットカール)
・EZ バーを使用する(上腕筋の関与が増える)
・他 
 
 
 
 ダンベルで行うときの注意

 このフォームを覚える期間では、左右同一の動作を行う事で、アライメントを整える事も意識しています。
 そのため、今回はバーベルの使用をお勧めします。

 しかしロングバーが重いと出来ない事も有るので、その場合はショートバーを使うか、それが無い場合になって初めてダンベルを選択します。

 ダンベルで行うときは、左右同一の動作になる様に行ってください。
 慣れないうちはダンベル同士をくっつける様にするのも方法です。
 
 
 
 トレーニングを行う順番の注意
 Big-3 に足すときは、最後。
 フロントプレスも一緒にするときは、フロントプレスが先。



http://hisajp.info/2008/12/post_160.html


http://hisajp.info/2008/12/post_162.html


 30分間のレジスタンストレーニングで出来る事

 当初は30分間でレジスタンストレーニングを終える様に考えています。

 例えば、
・10 reps * 往復4秒としても、40 秒間で 1set が終わります。前後に多少時間を入れて 1set 1分間としましょう
・セット間の休憩を2分としましょう。
・合計 3 sets するとしましょう。
・前後のセットで 2 分ずつ掛かるとしましょう。

 そうすると、セットが3分、休憩が4分、準備と片付けで4分、合計11分間が1種目するのに必要となります。

 休憩や、準備と後片付けで変わるので、およそ30分間として考えましょう。
 そうすると、だいたい3種目が出来るとなります。

 最初のうちは、集中を途切れずにするには、短いくらいがちょうど良いです。
 
 
 
 レジスタンストレーニングを組むルール

 レジスタンストレーニングを復習すると、

1、コア種目(メイン種目)を先に行う。
2、デッドリフトをする場合は、一番最初に行う。
3、補助種目は後で行う。
4、全身をまんべんなくトレーニングする。
とあります。


 そうすると、Big-3 を一度にする場合は、

 デッドリフト ーー> スクワット ーー> ベンチプレス

の順番が良いとなります。
 
 
 
 ある程度慣れてきたら Big-3 の他にいくつか足しましょう

 Big-3 で鍛えられる部位は、ほぼ体幹全部と四肢の上腕や大腿に及びます。

 しかし、もうちょっと加えた方が良いと思われる部分として、上から順に、
・上腕二頭筋(ーー> アームカール)
・肩(ーー> バーベルフロントプレス)
・腹筋(ーー> クランチ、シットアップ、他)
が上げられます。これらの種目は後ほど説明します。

 これらの種目を Big-3 に足して行うと、だいたい全身をまんべんなくトレーニングする事が出来ます。

 あまり種目が多くなると覚えられないですし、かといって Big-3 だけで重量を増やして行くと疲れてしまいますし、3種類だけでは飽きてしまうかもしれないです。

 そのため、Big-3 のフォームがある程度できる自信がついてきたら、これらの種目から1〜2種目を最後に追加してみましょう。

 この場合も、レジスタンストレーニングにかける時間は、集中する為にも、疲労を押さえる為にも、50分程度にしましょう。



http://hisajp.info/2008/12/post_159.html


http://hisajp.info/2008/12/post_161.html

初心者のレジスタンストレーニング 25、初心者のレジスタンストレーニングプログラムの実施1

 レジスタンストレーニングをするにあたり、初心者のうちに覚えること

 この期間はおよそ一ヶ月間くらいで、目的として
1、レジスタンストレーニングのコア種目のフォームの取得
2、運動へ順応する
3、安全の確保

について、やりながら進めていきましょう。

 これらはその後も継続して必要な「初心のときに覚える技術」です。

 実際に始める前に、それぞれの頁を再度読み直してください。
  
 
 
 週にトレーニングはどのくらいするか

 トレーニングをする回数は、週に2〜3回くらいで良いでしょう。

 目安として、このように考えましょう。
・トレーニングを連続して行わない(中1日以上休む)。
・休んだとしても、筋肉痛が有るときはトレーニングを行わない。

 そうすると、最初の一ヶ月間では、8回〜12回のトレーニングが出来ます。
 焦らずにゆっくり進めていきましょう。
 
 
 
 一回のトレーニングの流れ

0、水分補給など。
 運動の1時間前くらい前から、合計500cc 程度の水を、少しづつ摂っておきましょう。
 食事は2時間くらい前には終えましょう。

1、ウォーミングアップ ウォーキングやエアロバイク 5分間程度
 心拍数で 120〜130 拍/分程度を目指します。
 PAR-Q で問題無いとされる心拍数以下に押さえてください。
 心拍数の設定法
  http://body-labs.jp/hrreserve.htm
 (ジョグは膝の負担が多くレジスタンス運動にどう影響するか分からないので、今まで特に運動をしていない人は、もし好きでも止めておきましょう)

2、ストレッチ 5分間程度
 身体が冷えない程度に軽くで結構です。
 あまり無理に引っ張る必要は無いです。
 最後に軽くジャンプをするなりして、再度心拍数をちょっと上げましょう。

3、レジスタンストレーニング(本運動)。30分間程度
(次章)

4、クーリングダウンのウォーキングやエアロバイク 5分間程度

5、ストレッチ 5分程度
(ここまでの運動時間で50分間)

6、運動後の栄養補給。

7、シャワーなど。
 
 
 
 なぜウォーミングアップや、クーリングダウンをするのか?

 ウォーミングアップは、本運動の前に血液の循環量を上げることや体温を上げる事を目的としています。
 ウォーミングアップも段階が有り、弱い運動(歩く)から徐々に上げて行き、最終的に心拍数を 120 程度まで上げて行きます。
 通常、立っている時の心拍数は 60 〜 70 拍/分 程度なので、1分間に 10 拍上がるくらいに進めていきます。 

 クーリングダウンは、本運動で高くなった心拍数を下げたり、体温を徐々に下げる為に行います。
 心拍数が高いまま身体活動を停止すると、心臓から出る血流量は多いですが受け手となる身体が停止しているので、心臓の負担が多くなりがちです。
 それを避ける為に行います。
 
 
 
 なぜストレッチをするのか?

 ストレッチは、関節の可動範囲を広げたり、コリや張りを取り除いたり、自分の身体に違和感が無いかを確認する為に行います。
 それが身体へ刺激を与えるのと、これから運動をする、運動が終わったという自分の目安にもなります。
 ストレッチは、静的、動的など色々有りますが、初心者の段階ではあまり細かく気にする必要は無いでしょう。
 
 
 
 トレーニング中に注意する事

1、安全の確保。
2、心拍数(これも広義の安全に含まれます)。
3、フォームの取得。
 
 
 
 休憩でする事

 レジスタンストレーニングでの種目間やセット間の休憩では、セットを変えたり、水を飲むなりしてください。
 忘れないうちにトレーニングメモに記入するとよいでしょう(後述します)。



http://hisajp.info/2008/12/post_158.html


http://hisajp.info/2008/12/post_160.html


 トレーニング中は、自己の安全とともに、回り人への安全も意識する様にしましょう。

 自己の安全

 まず、自己の安全では、健康面の向上を計るとともに、トレーニングによる直接間接的な怪我や障害を発生させない様にします。

 そのため、どのような運動をするにしても、ウォーミングアップとクーリングダウンをきちんとする事と、必要な水や栄養を摂りましょう。
 休養もきちんと取りましょう。

 レジスタンストレーニング中は、セーフティバーやベルトが必要な場合はそれを必ず用い、無理な重量で行わない事や、慢心して行わない事も大事です。
 
 
 
 回りの人への安全

 レジスタンストレーニングで「ウエイトの鉄を振り回して他人に怪我をさせる」というような事はほぼなく、突発的な事故の防止や、人に迷惑をかけない事を意識すれば、ほとんどの安全は保たれます。

 その為に重要な点として、
・トレーニング中の人のすぐ近くを通らない
・他人の集中を妨げる行為(トレーニングに関係ないおしゃべり、大声を出す、携帯電話等)をしない
を最低限守る様にしましょう。


 トレーニング中の人のすぐ近くを通らない

 ウエイトトレーニング中は、怪我の防止の為にウエイトを手放す事が有ります。これは「無理だ」と思ったときにウエイトを手放して怪我を防ぐ為です。

 通常にコントロールできる範囲でトレーニングを行えている場合は、大きな音を立てない様になるべく静かに置くべきですが、怪我をしそうなときにまで我慢する必要は有りません。

 他の種類のトレーニングではこの様な行為はほとんどなく、レジスタンストレーニングにだけあるといえるでしょう。


 そのため、こういう事を知らない人は、トレーニングをしている人に触れるような所を平気で通る事があります。

 そうすると、そのトレーニングをしている人は、誰かが通る度にトレーニングを停止したり、最悪の場合、無理してこらえ怪我をする事もありえるのです。
 もしかしたら、こらえきれなくて、あなたの足の甲の上にウエイトを落とすかもしれません。

 お互いの安全を守るには、
ウエイトが転がってくる可能性のある範囲に自分から近づかなければ良い
のです。

 トレーニングをしている時間は、普通は長くても 30 秒程度です。
 自分がウエイトを変えるときまで焦る必要は無く、セット間休憩だと思えば良いでしょう。

 もしどうしても通る必要があるときは、相手と目が合うまでちょっと待ち、相手に「通ります」などと声をかける様にしましょう。
 
 
 
 他人の集中を妨げる行為(トレーニングに関係ないおしゃべり、大声を出す、携帯電話等)をしない

 これに限らず、他の人の集中を妨げない様にしましょう。
 変なタイミングで笑い声が出たり、大声が出たりすると、吃驚してしまいます。

 そのトレーニング場に人に迷惑をかける人が少ないほど、自分への迷惑も減るので、そのような良い環境を作る様に自分からしましょう。


 これらのように自分の安全を保つ事が人の安全に直結するという事を、認識してください。

 

http://hisajp.info/2008/12/post_157.html


http://hisajp.info/2008/12/post_159.html


 ベンチプレスでは腹圧は不要?

 ベンチプレスは、スクワットやデッドリフトほどでは有りませんが、これも体幹を使う種目です。
 
 
 
 フルレンジで上下させないと気が済まない

 最初のうちはフォームを正しく取得する事を優先するので、比較的フルレンジになります。
 フルレンジとは胸に着くまで下げて、そこから一番上まで挙げる事です。
 それよりも下げすぎると、ローテーターカフに障害が発生する事もありますので、気をつけましょう。
 高度なトレーニングになると、あえて域を狭くして行う事も有ります。
 
 
 
 ベンチプレスが好きなのでそれだけしている

 ベンチプレスだけをしていると、成績の向上が止まる事が有ります。
 ベンチプレスで重い重量を挙げれる様な必要な体幹を作りましょう。これにはデッドリフトやスクワットも含まれます。
 
 
 
 ベンチプレスで足を上げたり尻を上げて記録を良くしている

 これはトレーニングとして見るのか、競技として考えるのかによって異なります。
 身体の能力を向上させるのがトレーニング本来の目的ですから、最初のうちはきちんとしたフォームで行う様にしましょう。

(続けて補記して行きます)



http://hisajp.info/2008/12/post_156.html


http://hisajp.info/2008/12/post_158.html


 名称

 ベンチ・プレス Bench Press
 ほとんどバーベルで行うため、バーベルベンチプレスとはあまり言わない。
 
 
 
 ベンチプレスは大胸筋を主に鍛える種目

 ベンチプレスは分かりやすく、挙上が楽しくなる種目です。
 仰向けになって行う種目ですが、この場合も腹圧を入れ、脊柱のアーチを保つ様にしましょう。
 
 
 
 道具

・バーベル
・ベンチプレスラック(重量が軽いうちは、人に手伝ってもらえれば無くても可能)
・セーフティバー(持ち上げられなかったとき用。無くてもどうにかなるかも)
・必要に応じてトレーニングベルト
 
 
 
 動員筋

・大胸筋、三角筋前部、前鋸筋、上腕三頭筋
・インナーマッスルはローテーターカフです。
 下げすぎると損傷を及ぼす場合が有りますので、下げすぎない様に注意しましょう。
 
 
 
 ポジションの説明

1、ラックに掛けてあるバーの真下辺りが目の位置になる様にベンチに仰向けに寝る。

2、肩幅より広めでレギュラーグリップでバーを握る。
・手首は返らない様に、親指と人差し指の間に出来る V から垂直に重量が掛かる様にする。
・グリップの幅は、下げて上腕(二の腕、力こぶの出る部分)が水平になったときに、
 上腕(肘から先)が垂直になる様にグリップ幅を調整する。

3、バーを乳頭の当たりにおろす。
・肘はバーの真下。ほぼ真横に張る感じ。
・バーが胸に触れたら挙上する。
・下げる下限は、二の腕が水平程度。あまり下げすぎると、ローテーターカフの障害に繋がる恐れが有る。
・左右のバランスを保つ様にする。強い腕が先行して挙上すると、弱い方の障害に繋がる恐れが有る。
・脊柱のアーチをあまり極度にしない程度に保つ。
・足や尻を浮かさない様にする。


081203benchpress.JPG
 
 
 
 
 補助

・頭の位置に立ち、バーをオルタネイトグリップで持ち、スティッキングポイントを超える時に補助する。
 
 
 
 初心者の方がフォームを覚える為に適していると思われる重量とセットの組み方

・男性 体重の 20 ~ 40% 程度(10kg~20kg バーバル)
・女性 体重の 20% 程度(10kg バーベル)
・固定重量法で 3 set

 不安な場合には重量を下げてください。
 
 
 
 バリエーション
・インクライン・ベンチプレス(大胸筋上部)
・デクライン・ベンチプレス(大胸筋下部)
・ダンベル・ベンチプレス
・パーシャル域でのベンチプレス(フルに上げない、フルに下げない)
・ベンチプレスの天地を返すと腕立て伏せになる
・その他

・お腹コロコロ
http://xn--hex348a.jp/modules/mytube/singlevideo.php?cid=1&lid=37



http://hisajp.info/2008/12/post_154.html


http://hisajp.info/2008/12/post_157.html


 脚が太くなるから深くしゃがまない

 こういわれるのは比較的女性の方に多いのですが、浅いほど前腿が太くなります。
 また、奇麗なヒップラインを作るには、しっかりとしゃがむ必要が有ります。
 
 
 
 腰が怖いから上体を前傾させない

 これはデッドリフトのところで説明した様に、腰のアーチの問題です。前傾角度の問題では有りません。
 
 
 
 膝が怖いから深くしゃがまない

 膝や周辺部位に何らかの障害が有る場合は別として、フルスクワット(大腿骨が水平)の位置まではほぼ問題は無いと考えられています。
  
 
 
 疲れるからスクワットではなくてレッグプレスをしている

 スクワットはクローズキネティック(過重動作。体重がかかる事)、レッグプレスはオープンキネティック(非荷重動作)に分けられます。

 前者は動作に体重が乗る事で負荷が高まります。また実際のスポーツ等では体重は掛かっている動作がほとんどです。

 後者は体重がかからないため、体幹を支える必要がないので楽なのですが、反面実際の動作に直結する形で体幹が鍛えられません。また、その分負荷を増やす必要があります。

 まずは軽い重量からきちんとしたスクワットを行い、負荷に耐えられる様にして行きましょう。



http://hisajp.info/2008/12/post_155.html


http://hisajp.info/2008/12/post_156.html


 スクワットがうまく出来ない例として、足首の屈曲が浅いて、深くしゃがめないことが上げられます。

 このような場合では、足首がきちんと屈曲しないため臑が立ったままになるので、深くしゃがむと後にひっくり返りそうになります。

 そのため、きちんとした「スクワットのフォームが取れない」となります。


 本来足首は、踵を床に着けたままでも、膝がつま先よりも前に出るくらいの背屈(屈曲)角度を持っています。

 ときどき、
 「足首の柔軟性が低くて問題のある人は、踵に板を入れるなりして、後にひっくり返らない様にしましょう」
 というような説明を見かけます。

 この様に「足首の柔軟性」に問題が有るとしているものあるのですが、もしそうだとすると、アキレス腱やふくらはぎの筋の柔軟性に問題が有るとなるのですが、実はこれらの部位の緊張で足首が曲がらないというのはあまり無いです。

 そのため、踵に板を入れるのは対処療法となり、本来は正しい方法でないと思います。


 この足首が曲がらない原因となっているものは、大抵は足裏のアーチの不足によるショパール(横足根)関節やリスフラン(足根中足)関節の背屈(屈曲)角に制限が掛かっている事で発生する事が多いです。

 参照
http://www.akimoto.ecweb.jp/bone-fracture04.htm


 そのため、スクワットの際に足首がきちんと曲がらない場合は、うちみたいなところで原因をきちんと探るのが大事です。

 その状況により、ちゃんとしたインソールを作ることや、足裏の強化などを行う事が良いでしょう。

 こういうのは相当マニアなところでないと分からないでしょうから、普通のお店や機関では無理だと思います。
 また、ちゃんとした所だと「どうしてそうなっているか」がきちんと説明できます。
 そういう説明が無いところは「原因が分からない」という事です。


 足裏の強化は、足裏ニギニギタオル引きなどがあります。
 また、青竹踏みや足のマッサージも有効です。
 

http://hisajp.info/2008/12/post_153.html


http://hisajp.info/2008/12/post_154.html


・臑と上体は常に平行になる様に意識する。


 初心者の方の多くみられる悪いフォーム

 初心者の方に多くみられる悪いフォームは、上体は垂直のまま膝だけを屈曲/伸展させるものです。

○-



 \
 /

 ̄ ̄  
(スクワットの悪いフォーム)


 この「悪いフォーム」の場合は、股関節(腰)の伸展が無いので、膝関節の屈曲/伸展を司る大腿四頭筋(前腿)を主に上下する事になり、比較的前腿が発達します。

 特に女性の方は脚(つま先)の開き方が弱いので、それらが奏効して前腿の「外側広筋」と呼ばれる外へ張り出す部分が肥大するので、前影投影面積が増えスカートを履くのにあまり向かなくなります。
 
 
 
 欲しい動きは臑と上体が平行する動き

  ○-
 /


 \
 /

 ̄ ̄ 
(スクワットの良いフォーム。しかしこれだとハーフスクワット)


 この「良いフォーム」の場合は、膝と股関節(大腿骨関節)の屈曲/伸展の出力が同じ程度の割合になるので、比較的大腿四頭筋前腿の関与は減ることになります。

 しかしこれだとハーフスクワットです。 

 しゃがみつつ、膝がつま先に並んだところで下がる動きが終了するのが、簡単にいうとハーフスクワットです。
 多くの方がこれがフルスクワットだと思っていますが、実際は半分しかしゃがんでいません。

 まだ充分に臀部やハムストリングスに効いていません。

 しかし同じ割合でしゃがんで行くと、膝がつま先よりも遥かに前へ出てしまい、悪いフォームになってしまいます。
 
 
 
・ダッグテイルとなる様に後方へ臀部を突き出すと、きちんとフルスクワットになり、
 ハムストリングスや臀筋群に効かせやすい。


  ○-
 /

 ̄ ̄/ (←膝の位置をここでブロックし、大腿を下げて行く)
 /
  ̄ ̄ 
(フルスクワットのフォーム)


 それではどうするのかというと、膝の位置はその位置より前へ出ない様にし(私は「膝をブロックする」と言います)、「お尻」を後方へ突き出す様にして、大腿骨が水平になるまで下げて行きます。
 この動きをダッグテイル(アヒルのケツ)と呼びます。

 これがスクワットで一番難しい動きです。
 これは上記の「臑と上体を平行にする」の延長上に有ります。
 ここまできちんと下げて、やっとフルスクワットになります。


 この際、臑の傾きが変わらないため、上体の傾き(前傾)も変えない様にします。

 腰を下げるにつれ腰椎の部分の湾曲が強まる方もおられますが、そうなると胸の辺りは立ってくるので、そうならない様に腹圧に注意してください。
 注意してもそうなる場合は、重量が重すぎて耐えられないのでしょうから、重量を軽くしてみて下さい。
 これは比較的女性の方に見られやすい現象ですが、体幹の強化が足りない男性にも見られます。

 上級者になり、本質的に重重量を扱う必要が出てくると、上体の前傾を強める場合も有ります(後述予定)。


 ここまで下げて、やっとハムストリングスと臀部筋が大きくストレッチ(伸展)させらます。
 大きく伸びたところから大きく縮むから、出力が大きく増えて肥大の効果も高いとなります

 そうすると、大腿四頭筋よりもハムストリングスや臀部筋の関与割合が増えて、それらの部位が縦方向(前後方向)へ発達してきます。

 これにより運動に最も重要と考えられる臀部筋の発達が促されます。
 また、脚の筋肉の付く部位が後方へ移動するので、見た目はだいぶすっきりして女性の求める脚にふさわしいとなります。
 
 
 
4、大腿骨(大腿、太もも)が水平になるまで下げ、
そこから膝と腰を同時に平行に伸展しながら上げる。

・重さに負けて背中を丸めない様に注意する。
・重さに負けて上体の前傾が増えない様に注意する。


 これは重々量でなくても発生しやすい現象です。しかし軽いから問題として露見しないだけで実際は内包しているとなるので、注意してマスターする様にしてください。

 これは上げて行く際に、上体の丸まりが一時的に増える現象で、腰の位置だけが高くなり肩の高さは上がっていない現象です。
 また、上体の前傾が増えている場合も有ります。

 そうなると、自分の思っている以上に椎骨の負担が増えるため、軽いうちは問題は表面化しないが、やがて怪我や損傷に繋がるかもしれない、となる訳です。

 このような「意識できない動き」「自分でコントロールできていない動き」を省く事がトレーニングでは重要となります。
 
 
 
 これらのように間違ったフォームで行うと、本来なら効くべきところに効かなくなり、思わぬところに悪い影響をもたらす事になるので、正しいフォームを覚える様にしてください。


http://hisajp.info/2008/12/post_152.html


http://hisajp.info/2008/12/post_155.html


 スクワットのフォームの詳細を説明します。
 また、「ダッグテイル」の動きは、文面で見るのはあまり無いので、それも説明したいと思います。

 まず、自重で良いので、その場で今行っている方法でスクワットを数回して、その動きを思い出しながら読み進めてください。
 読み進めながら、適時動きを自習してみてください。


 フォームの確認です。

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 ポジションの説明

1、肩幅より手を開き、バーを肩で担ぐ。

2、バーを担いだら後方へ下がり、両脚の幅は肩幅より若干開く。
・腹圧を高め脊柱のアーチを作り、足裏全体で地を踏みしめる様に立つ。

3、膝と股関節を同時に屈曲させながらしゃがむ。
・つま先の方向は大腿骨と同じ方向を指す。
・つま先より前に膝を出さない。
・臑と上体は常に平行になる様に意識する。
・ダッグテイルとなる様に後方へ臀部を突き出すと、きちんとフルスクワットになり、
 ハムストリングスや臀筋群に効かせやすい。

4、大腿骨(大腿、太もも)が水平になるまで下げ、
そこから膝と腰を同時に平行に伸展しながら上げる。
・重さに負けて背中を丸めない様に注意する。
・重さに負けて上体の前傾が増えない様に注意する。

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 この中で
1、はあまり難しくなく、
2、は先のデッドリフトから学んでくださった方は出来ているでしょうから、今回は省きます。

3、膝と股関節を同時に屈曲させながらしゃがむ。
の上二つの

・つま先の方向は大腿骨と同じ方向を指す。
・つま先より前に膝を出さない。
は良くいわれるのですが、下二つの

・臑と上体は常に平行になる様に意識する。
・ダッグテイルとなる様に後方へ臀部を突き出すと、きちんとフルスクワットになり、
 ハムストリングスや臀筋群に効かせやすい(後述)。
はあまり聞かれません。
 
 
 
 それそれの説明をします。

・つま先の方向は大腿骨と同じ方向を指す。
 
 これはしゃがんだときに太ももが開く訳ですが、その角度とつま先の角度が一致させる様にしてください。
 女性の方に比較的多いのが、太ももは開いていてつま先(足、フット)は平行というのがあります。
 男性はこの逆が多いです。

 また、ワイドスタンスになるほどつま先は外へ向き、ナロースタンスの場合はつま先は正面を向く様になります。
 この様にスタンスによっても調整してください。
 
 
 
・つま先より前に膝を出さない。

 これは主に膝の負担を減らす為にこのように考えられています。
 つま先より前へ膝が出ると、膝の屈曲の角度が強くなります。そうなると大腿四頭筋の伸展/収縮が強くなるため、大臀筋よりも大きな力がつま先へ掛かる為、負担割合が増える為です。
 膝の関節は強いですが大腿骨関節と較べると弱いので、関節の強度や筋出力の負担割合を勘案すると、つま先より膝が前へ出ない方がふさわしいと考えられます。

 また、相撲で見られる蹲踞の姿勢は、つま先がお尻の真下になり、つま先が最前線となる姿勢ですが、これはスクワットでは最も悪いとなる訳です。
 例えば、野球でキャッチャーが盗塁を刺す為に2塁へ投げるときは、蹲踞の姿勢から急に立ち上がり投げるのですが、こういうのは本来であればふさわしくないはずですが、これはこれで「特異性の原則」の話しになります(後述予定)。
 
(続く)



http://hisajp.info/2008/11/post_151.html


http://hisajp.info/2008/12/post_153.html


 名称
 スクワット Squat(しゃがむ)
 肩(後側)にバーを担ぐため、バック・スクワット(Back Squat)とも呼ばれる。
 
 
 
 スクワットは体幹から下を鍛える種目

 スクワットは「脚の種目」と考える方が多いと思いますが、これは
「脊柱起立筋を含む下半身の種目」
と考える方が正確な理解に繋がるでしょう。

 ウエイトを肩に乗せるため体幹(胴体)の疲労も大きく、最初のうちはそれが先に参ってしまい、下半身へ充分な刺激を与えられないような事もあります。

 体幹が先に参ると充分な腹圧が保てなくなり、それによって脊柱のアーチが保てなくなるために、非常に危険です。

 そのため、脊柱の正しいアーチを保てる様に、まずは自重から行い、徐々にウエイトを増やして行く事が重要でしょう。アーチが保てない重量で無理に行う必要は有りません。

 スクワットを行う為には充分な体幹が必要なため、場合により腹筋運動などをする必要も出てきます。

 また、デッドリフトを先に覚え、脊椎のアーチを保てる様になりましょう。
 
 
 
 道具

・バーベル
・スクワットラック
・セーフティバー(しゃがんで立てなかったときの安全の為に使用。下がりきった位置より若干下にセットする)
・必要に応じてトレーニングベルト
 
 
 
 動員筋

・スクワットは主に脊柱起立筋から下の筋が動員されます。
・大腿四頭筋、ハムストリングス、臀筋群、脊柱起立筋群
・インナーマッスルは、脊柱に沿った筋群、および臀部のそれがほぼ刺激を受けます。
・フォームや深さにより、様々な部位に刺激を与える事が出来ます。
(バーの位置、脚の幅、脚の捻り、しゃがむ深さ等)
 
 
 
 ポジションの説明

1、肩幅より手を開き、バーを肩で担ぐ。

2、バーを担いだら後方へ下がり、両脚の幅は肩幅より若干開く。
・腹圧を高め脊柱のアーチを作り、足裏全体で地を踏みしめる様に立つ。

3、膝と股関節を同時に屈曲させながらしゃがむ。
・つま先の方向は大腿骨と同じ方向を指す。
・つま先より前に膝を出さない。
・臑と上体は常に平行になる様に意識する。
・ダッグテイルとなる様に後方へ臀部を突き出すと、きちんとフルスクワットになり、
 ハムストリングスや臀筋群に効かせやすい(後述)。

4、大腿骨(大腿、太もも)が水平になるまで下げ、
そこから膝と腰を同時に平行に伸展しながら上げる。
・重さに負けて背中を丸めない様に注意する。
・重さに負けて上体の前傾が増えない様に注意する。 

 
 
 
 ポジションによる違い

 バーの担ぐ位置
・「ハイ・バー・ポジション」
 は、僧坊筋の最も厚い部分に掛ける。良く見かけるポジション。
 しゃがんだ位置で上半身が前傾しにくいので、大腿四頭筋に効かせやすい。

・「ロー・バー・ポジション」
 は、三角筋に掛ける。パワーリフターや重重量を上げる人に見られる。
 しゃがんだ位置で上半身の前傾が作りやすいので、ハムストリングスや
臀部筋に効かせやすい。


 脚の開く幅
・ナロースタンス(狭め)にすると、腿の外側(外転筋)に効かせやすい。
・ワイドスタンス(広め)にすると、腿の内側(内転筋)に効かせやすい。


 脚の内外旋(捻り)
・内旋させると、腿の外側(外転筋)に効かせやすい。
・外旋させると、腿の内側(内転筋)に効かせやすい。


 しゃがむ深さによる違い
・クオーター(1/4)
・ハーフ(1/2)
・レギュラー(大腿骨が水平)
・ディープ(大腿骨が水平より下がる)

・浅いと大腿四頭筋に効かせやすい。
 膝の負担が少ない。
 膝の負担が少ないため、重量を増やせるが、重量を増やさないと充分に効かない。

・レギュラーを通常の深さとする。
 バランス良く効く。
 この重量を標準とする。

・深いとハムストリングスや臀部筋に効かせやすい。
 膝の負担が増える。
 ディープスクワットにすると膝の負担が増えるため、重量を増やせない。
 通常はほぼ必要ないと思われる。
 
 
 
 補助

 一人の場合
・後方から両手をアンダーグリップにしてバーを支え、スティッキングポイントを超える。
・後方から(トレーニングベルトに沿う様に)腰に両手を廻し、前方で片方の手首を掴む様にして腰ごと引き上げる。重重量の際につぶれにくい。スティッキングポイントを越すだけの細かい力の調整がしにくい。

 二人の場合
・左右に立ち、いずれかをリーダーとし、リーダーの合図によって、スティッキングポイントを超える。
・この場合、急につぶれたときに片側だけ支える事になると、却って危ない事もあるので、重重量の際は、左右の2人と、腰に手を回す1人との、計3人でサポートを行うのも方法である。
 
 
 
 初心者の方がフォームを覚える為に適していると思われる重量とセットの組み方

・男性 体重の 40~60% 程度(20kg~40kg バーバル)
・女性 体重の 20~40% 程度(10kg~20kg バーベル)
・固定重量法で 3 set

 不安な場合、重く感じる場合には重量を下げてください。


 バリエーション
・ヒンズースクワット(自重)
・フロントスクワット(前に担ぐ、大腿四頭筋に効かせやすい)
・スプリットスクワット(前後開脚)
・ブルガリアンスクワット(片脚)
・ハックスクワット
・その他



http://hisajp.info/2008/11/post_150.html


http://hisajp.info/2008/12/post_152.html


 デッドリフトで良くいわれる勘違いを上げました。


 腰が怖いからやらない

 「デッドリフトは腰が怖いからやらない」
というのは全く意味がなく、
 「腰の安全の為に正しい椎骨のアーチを保ち、筋肉を強化する」
と考え方を変えましょう。

 この種目で正しいアーチを覚えないと、他の種目でも危険を内在したままとなります。
 
 
 
 腰が怖いから上体は前傾させない1

 デッドリフトは、股関節の伸展を含めたトレーニングです。
 股関節の伸展を動員する事で重重量が扱える事になります。
 上体を前傾させないと股関節が屈曲しないので伸展もなく、脚だけで挙げる事になります。
 そうすると動員筋が減るので挙上重量が下がり、欲するトレーニング強度が保てません。
 それでいて腰のアーチが保てないと、不安要素は同様に残ります。
 
 
 
 腰が怖いから上体は前傾させない2

 上体の前傾が増えるから、腰や椎間板の負荷が増える訳ではありません。
 それらに悪い条件は、腰のアーチがきちんとしない為に椎間板等に無理な力が掛かって発生します。
 腰のアーチがきちんと保たれていれば、椎間板は強い重量にも耐えられる作りになっています。
 
 
 
 代替え種目としてベントオーバーロウ

 代替え種目としてベントオーバーロウとするのは私は賛成できません。
 ベントオーバーロウもデッドリフトも、きちんと覚えない限り危険なのは同じですし、ウエイトの扱う位置が遠位になる分ベントオーバーロウの方が難しい種目と考えられるからです。
 
 
 
 フルに追い込む

 デッドリフトは安全の為にフルに追い込む必要は有りません。
 10RM 重量で 5rep を 2set などで充分な刺激が入ります。
 
 
 
 最後にやる

 他の種目と組み合わせて行うときは、安全上最初に行うべきです。
 
 
 
 いろいろな種目と一緒にやる

 上達して強度な刺激が必要なときは、それだけの日を作るべきです。


こちらに参照となる掲示板が有るのでご覧下さい。
http://xn--hex348a.jp/modules/d3forum/index.php?topic_id=38



http://hisajp.info/2008/11/post_149.html


http://hisajp.info/2008/11/post_151.html


 名称

 デッドリフトは、ベント・ニー・デッドリフト Bent Knee Dead Lift が正式名称です。
 
 
 
 正しいフォームはデッドリフトから覚える

 私がパーソナルトレーニングをさせていただく場合は、まずはデッドリフトから覚えてもらいます。
 それは、デッドリフトには重いものを扱うときに共通するフォームや動作がほぼすべて含まれているからです。

 脊柱のアーチを正しく保ち、きちんと膝と腰を曲げて、床から物を持ち上げられる様にしてください。

 床に転がっている軽いウエイトを移動させるときも同様に、きちんとデッドリフトの姿勢で扱う様にしましょう。
 難しいトレーニングプログラムをしていても、これがきちんとできていない人が見受けられます。
 
 
 
 デッドリフトは股関節の伸展を主とする全身の種目

 デッドリフトにはいろいろな考え方が有りますが、私はこれは
 「股関節(大腿骨関節)の伸展を中心とした全身の種目」と考えています。
 股関節の伸展とは大臀筋で腰を伸ばす運動です。脚(股)を開く/閉じるの事ではありません(これは股関節の外転と呼びます)。
 股関節は人間で一番大きな関節なので、たくさんの筋肉が付いていて、一番力の出る部位です。
 それらの筋を一度に鍛えられる種目と考えています。
 
 
 
 道具

・バーバル
・必要に応じてトレーニングベルト
 
 
 
 動員筋

・デッドリフトは全身の筋が動員されます。
 主に刺激を受ける筋は上から順に、僧坊筋、脊柱起立筋、臀筋群、ハムストリングス、大腿四頭筋。
 インナーマッスルは、脊柱に沿った筋群、および臀部のそれがほぼ刺激を受けます。
・フォームや深さにより、様々な部位に刺激を与える事が出来ます。
(フロアレベル〜ニーリング、ナロースタンス〜ワイドスタンス<スモウ>)
 
 
 
 ポジションの説明

1、両脚は軽く開く。
2、母指丘の上にバーが通る様にする。
3、脊柱のアーチを保ち、膝と腰(股関節)を屈曲させながら、膝の外側からやや広めにバーを掴む。
4、レギュラーグリップを基本とする。発展や状況に応じてオルタネイトグリップやフックドグリップを用いるが、当初は不要。

5、肩の位置は、バーの真上。
6、バーを掴む姿勢では、臑(すね)と上体を同じ傾斜になる様にする。
7、しゃがんだ姿勢で、つま先と膝の方向を一致させる。
8、この際、バーは膝にぶつかる位置に有るが、膝は伸展して行くので膝に届く頃はちょうどかわせる。

9、腹圧を高め、膝と腰(股関節)を同時に伸展させていく。
10、バーが臑に沿いつつ上がり、バーが膝を越えたら膝を完全に伸展させる。
11、腰(股関節)を完全に伸展させる。
12、胸を張る様にして数秒保持する。

13、脊柱のアーチを保ったまま、脚に沿う様にして下げていく。
 
 
 
 ポジションによる違い

 スタートポジションの大腿の傾きは「身長:大腿と腕の長さ」の構造上の割合によって変化します。
・大腿と腕が短い場合は、大腿は水平に近くなる(日本人体系はこれに近い)。
・大腿と腕が長い場合は、大腿は立ってくる。

 スタートポジションの臑と上体の傾きは、次の様に変化します。
・大腿と腕が長いほど、上体の傾斜が強くなる(構造上)
・重量が重いほど臑が立ち、上体の傾斜が強くなる(臀部筋による股関節の伸展の力を利用するため)。

 当初はあまり難しく考えないで、臑と上体の傾きを一致させる事と、膝と股関節を同時に伸展させて行く事を覚えれば良いでしょう。
 
 
 
 補助

・不要
 
 
 
 初心者の方がフォームを覚える為に適していると思われる重量とセットの組み方

・男性 体重の 40% 程度(20kg バーバル)
・女性 体重の 20% 程度(10kg バーベル)
・固定重量法で 3 set

 不安な場合には重量を下げてください。
 
 
 
 バリエーション

・スモウデッド
・スティッフドデッドリフト
・ニーレベル(台に乗せておいて、腰の伸展の最後の部分だけを行う)


 注)
・ベントニーデッドリフト、スモウデッドはコア種目です。
・スティッフドデッドリフトは、ハムストリングスへターゲットを当てる補助種目です。
・ニーレベルのデッドリフトは、負荷が重ければコア種目の扱いで、負荷が軽く可動が狭い場合は、補助種目の扱いが妥当でしょう。
 
 
 
 パワークリーンへの発展の為のデッドリフトという考え方

 運動選手のトレーニングの場合は、パワークリーンの挙上重量を一つの指標とする事も有り、基礎段階が過ぎた頃からデッドリフトよりもパワークリーンを重視して考えるようになります。
 しかしパワークリーンは全身統合種目として瞬発能力を高める要素が強く、ジャンプ力のトレーニングと考える場合が有り、きわめて短時間の出力となります。
 そうすると、筋肥大に必要な比較的ゆっくりと挙上する動作となりにくい、という事になります。

 また、パワークリーンは技術の取得が難しいため、現実的にはデッドリフトから始める事が多いです。
 これらにより、基礎段階に該当する筋肥大トレーニングの場合は、パワークリーンよりもデッドリフトをすべきでしょう。

 また、試合期の筋維持としてのトレーニング、シェイプアップ、ビルディング等では、デッドリフトをする方が効率が良いでしょう。



http://hisajp.info/2008/11/post_148.html


http://hisajp.info/2008/11/post_150.html


 フォームを覚えるまでは、軽めの固定重量で数セット挙上する

 固定重量で組むセットを「重量固定法」とよびます。

 初心者の方がフォームを覚えるには、20RM 重量 * 10rep * 3set 程度行う事が好ましいでしょう。

 フォームを覚えるまでは、重量はむやみに増やす必要は有りません。
 重量は重さが変わると感覚がずれる事も有るので、特に最初のうちほど固定で行う方が良いでしょう。

 また、重量設定ですが、現実的には始めたばかりの頃はどのくらいが 20RM 重量なのか分からないので、「持ってみて不安の無い重さ」で行えば良いでしょう。

 日を替えて数回トレーニングを行うと、やがてフォームに自信がついてきて、また少し重めの重量にチャレンジしたくなるので、そうしたら増やしていけば良いです。

 3大種目の初心者の方の設定重量は、都度種目の中で書いていきます。
 
 
 
 3大種目のフォームをマスターしてから、徐々に 10RM 重量に近づけて行く。

 私は、3大種目のフォームをマスターすれば、初心者を卒業して初級者の仲間入りと考えています。
 そうなってから、徐々に 10RM 重量に近づけて行くと良いでしょう。

 筋肥大に適した負荷は、8 ~12RM 重量で、その重量で最大限出来る限り反復する事です。
 セット数は通常 3 set 以上、多い場合は 8 set 程度を組みます。


 きちんと習わない方に多い間違いは、何回も出来る様な軽い重量で 10rep(10回)を数セットで終える事です。
 これでは筋肥大には繋がりません。

 また、初心者のうちは神経系の発達が著しいので、筋肉が肥大していなくても、重いものを扱える様になってきます。
 これは、例えば今までは、筋肉の持っているポテンシャルのうちの 40% の力しか出せていなかったのが、80% 出せる様になるもので、本来ある力を発揮出来る様なった事なので、進歩が早い訳です。

 このような理由で、挙上重量はある程度までは早めに上がって行く傾向にあります。

 そのため、初心者を抜けて初級者になった頃は、この前 10RM 重量だったものが、次回は楽にできる事が有りますから、そのような場合は常時 10RM 重量になる様に調整しましょう。


 どんな場合でも、気を抜かずにトレーニングを進めてください。


http://hisajp.info/2008/11/post_144.html


http://hisajp.info/2008/11/post_149.html


構造的種目とは?

 構造的種目(複合種目)はいくつかの考え方が有り、主に
1、解剖学上の構造を指す。
2、全身の力を統合させて行う種目を指す(全身統合種目)。
の様に考える場合が有る様です。

 私は前者の「1、解剖学上の構造を指す」として書いています。
2の場合は、全身統合種目として、今後書いていく予定です。
 
 
 
構造的種目は主要種目

 構造的種目(複合種目)とは聞き慣れない言葉かもしれませんが、例えばデッドリフトは、「僧坊筋、広背筋、脊柱起立筋、臀筋群、ハムストリングス、内転筋等の筋」を動員させて行う種目です。
 この様にたくさんの筋群を一度に動かし、人体の構造を利用した種目の為、構造的種目(複合種目)と呼びます。

 これらは動員する筋群が多いため、内分泌系に働きかけやすくなります。
 これらは比較的下半身の種目が多くなり、これらはそのまま「主要種目」となっています。
 デッドリフト(パワークリーン)の他には、スクワット、ベンチプレス、ベントオーバーロウのような種目が有ります。
 
 
 
アイソレート種目は補助種目

 構造的種目に対して反対の言葉は、アイソレート種目と呼び、例えばレッグカールやレッグエクステンション、アームカール等を指します。
 これはその種目により主に動員される筋群が一つと言う事で(例:ハムストリングス = 3つの筋、4つの筋頭)、その部位に限って肥大させたいときなどに行う種目です。「アイソレートさせておこなう」のような言い方をする事が有ります。

 これらは「補助種目」となっているものが多いです。ただし、補助種目 ≠ アイソレートで、補助種目の中でもいくつかの筋を動員する種目も有ります。
 例えばレッグカールは主にハムストリングスへのアイソレート種目ですが、ハムストリングス自体が4つの筋から出来ていて、また臀部筋へも働きかけます。しかし部位としては比較的狭い範囲で纏まっているものです。

 これらアイソレート種目(補助種目)を単独で行っても内分泌系に働きかける効果が薄いと考えられ、例えば「腕を太くしたいからアームカールだけを行っている」としても、思うような効果に結びつくかどうかと言うと難しいと思われます。そのためこのような部位を肥大させたいときは、それ以外の主要種目と一緒に行うべきでしょう。
 ただし本当の上級者になれば、アイソレート種目だけで肥大を進める事も可能かもしれません。
 
 
 
多関節種目、単関節種目という呼び方

 「構造的種目(複合種目)」や「アイソレート種目」を、その種目で動く関節数で呼ぶ事が有り、それぞれ「多関節種目」「単関節種目」の様にいう事が有ります。
 しかし、ちょっと高度な話しですが、見た目は単関節の動きの「ダンベルフライ」は、動きとしては多くの筋を動かす構造的種目です。
 そのため関節数で呼ぶのは誤解を招きやすいのでなるべく使わない方が良いような気がします。

 しかし今まで長い間使われている言葉で、急に上記のような言葉に代えるのも難しいかもしれませんので、「多関節種目」「単関節種目」の様な言葉が有れば、それぞれは「構造的種目」「アイソレート種目」と考えてください。
 また、きちんとトレーニングを計画し実行するには、動いている関節数で判断するのではなく、どの筋が動員されているかを知る事が重要でしょう。
 

http://hisajp.info/2008/11/post_140.html


http://hisajp.info/2008/11/post_148.html

初心者のうちにデッドリフト(パワークリーン)、スクワット、ベンチプレスをマスターしましょう。

 レジスタンストレーニングプログラムは、初心者のうちに、デッドリフト(パワークリーン)、スクワット、ベンチプレスの「三大種目(ビッグ3、Big-3)」をマスターすることが重要でしょう。

 大体一ヶ月くらいできちんとマスターできます。これをはしょって次に急ぐよりも、身体を慣らす意味も含めしっかりとマスターしていきましょう。
 
 
 
デッドリフト(パワークリーン)、スクワット、ベンチプレスは「三大種目(ビッグ3、Big-3)」

 デッドリフト(パワークリーン)、スクワット、ベンチプレスは「三大種目(ビッグ3、Big-3)」とよばれ、主要種目(コア種目、主要エクササイズ、コアエクササイズ)とも呼ばれ、トレーニングの中心となるものです。
 主要種目は構造的種目(複合種目)である事が多く、多くの筋肉を刺激するため、内分泌系への働きかけも強いです。

 トレーニングプログラムはこれらを中心に組み立て、足りない分を補助種目(補助エクササイズ、アイソレート種目)で補う様にします。

 分割法というのは、上記の組み合せで全身をまんべんなくトレーニング出来る様に組み、その上で回復期間を取りやすい様に分けて行くものです。分割が先に有るのでは有りません。
 
 
 
レジスタンストレーニングの組み立て方

 レジスタンストレーニングの組み立て方ですが、次の様に考えると良いでしょう。これらは初期に限らない話しです。

1、体幹筋群をトレーニングする。
2、下半身の方が筋肉が多いので、下半身を中心にトレーニングする。
3、主要種目(コア種目、主要エクササイズ、コアエクササイズ)をメインの種目として先に行う。
4、強化の基本は筋肥大とし、負荷は 10RM 強度を目指す。

 それぞれを説明します。


1、体幹筋群をトレーニングする。

 体幹筋群とは、胴体の部分から臀部や大腿、上部は肩や上腕までを指します。
 四肢の一部である大腿や上腕は、広義では体幹に含め、狭義では含めない事が多いです。

 該当する筋肉群として、次の様に分類されます。
 かなりおおざっぱに書いていますが、大体このような感じで良いと思います。
 肩を別に分ける場合も有りますが、それは理解が進んで行けば必要に応じて分けられるものなので、今ここで考える必要は無いと思います。

 比較的上から順に書いています。
 ()内を狭義では体幹に含めない部位として記しました。

身体の前面:
 胸<大胸筋など>
 腹筋群
 体側
 (肩、上腕)

身体の背面:
 上背<僧坊筋、広背筋等>
 下背<脊柱起立筋群>

下肢:
 臀部筋群、大腿四頭筋、ハムストリングス<大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋>
 
 
 
2、下半身の方が筋肉が多いので、下半身を中心にトレーニングする。

 体幹下部である腰下に全身の筋肉の7割が集まっていると言われ、それらをトレーニングする事でトレーニング強度(= 負荷)を強くする事が出来、内分泌系に働きかけやすくなる為です。
 
 
 
3、主要種目(コア種目、主要エクササイズ、コアエクササイズ)を先に行う。

 なぜ主要種目を先に行うかですが、トレーニングは先に行うものほど効果が高い性質があるため、先に大きな筋群全体に働きかけるトレーニングをする方がトレーニング全体の効率が高いことが上げられます。
 また、例えば「握力」はウエイトを持つ際に、「腹筋」は椎骨のアーチを保つ為に、常にどのような種目でも使われます。これらは補助種目に分類されます。

 そういう部位を先にトレーニングしてしまうと、握力が下がり重いものを持てなくなったり(「デッドリフトで握力が負けて引けなくなる」という風に言います)、トレーニング中に椎骨のアーチを保てなくなったりして、トレーニングの密度が下がったり、安全にトレーニングを進める事が出来なくなるからです。
 それらを避ける為に主要種目を先に行うとなります。
 
 
 
4、強化の基本は筋肥大とし、負荷は 10RM 強度を目指す。

 これはやがて競技練習や強度の強い発展型のトレーニングを行える様になるには、ある程度身体の強度が必要で、それにはベースアップ的な筋肥大が必要な為です。



http://hisajp.info/2008/11/post_143.html


http://hisajp.info/2008/11/post_144.html

 バーベルとダンベルの違い

 ダンベルによる挙上重量の低下

 ベンチプレスのような種目では、バーベルで 50kg を扱えるとしたら、左右同時にダンベルで行う場合は、20kg(* 2 で左右合計で 40kg )かそれ以下の重量しか扱えません。
 これは保持に力が必要な為で、それが片側ずつでは挙上重量が下がる原因と思われます。
 そうすると、トレーニングの密度はバーベルを使うより下がってしまいます。
 しかし場合によっては、インナーマッスルの強化や、その他補助筋の強化が考えられます。
 
 
 
 ダンベルの利点

 左右単独での力の集約

 対して、ダンベルでしか出来ない利点も有ります。
 例えばバーベルで 50kg 挙げられるとして、そうすると左右では 25kg ずつですが、それを片手だけで行う場合は、30kg~35kg 程度が挙上で来ます。
 これにより全身の力を集中するようなトレーニングが出来ます。
 ただしこれは、全体が向上してからの発展段階で行うものであって、基礎が出来ていないまま行うのは、あまり良くないでしょう。
 
 
 
 補助種目として考えた場合

 追い込みに使うのに便利

 例えば、ダンベルプレス、ダンベルフライというのは、ベンチプレスのような大胸筋を主動筋として行う種目ですが、ベンチプレスでは上腕三頭筋が先に参ってしまう為に大胸筋はまだ追い込みが足りないとなります。
 このような場合は、上腕三頭筋の関与が少ないダンベルプレス、ダンベルフライを用いて、大胸筋に追い込みを掛けることができます。


 セパレート種目として用いやすい

 アームカールのような種目はバーベルでもダンベルでも出来ますが、バーベルを用いた場合は挙上の方向が一定のため、挙上角度の変化に伴い動員される筋が変わる場合が有ります。また姿勢も同じままとなります。

 対して、ダンベルの場合は、挙動の自由度が高いため、カールでは捻り(外旋)を入れる事で、上腕二頭筋にターガットを絞ったり、ハンマーカールで上腕筋にターゲットを絞るなどの使い方が出来ます。

 また、コンセントレーションカールの様に、片側ずつ固定して行うような使い方も出来ます。

 
 このように補助種目として追い込みに用いるには、ダンベル種目は様々な利点が有ります。


 
 バーベルとダンベルの体幹の負担の考え方

 ランジのような種目では、これ自体が発展種目であり基礎種目では有りませんが、バーベルで行うと肩にウエイトが掛かる為に体幹の保持に力が使われ、重重量で行うと脚よりも体幹が先に参ってしまいます。
 そのためこの種目をバーベルで行うのは競技トレーニングのような、常に体幹を使用することを前提としたトレーニングに使用すると良いでしょう。

 対してダンベルでこれを行った場合、体幹の保持の力がバーベルに較べ少なくて済む為に、脚のトレーニングの効果が高くなると考えられます。このような場合は、扱う重量はダンベルの方が重くする事が出来るため、筋肥大の要素にも向くと思われます。
 
 
 
 レジスタンストレーニングでのダンベルと、ダンベル体操の違い

 レジスタンストレーニングとダンベル体操の大きく違う点は、前者は「筋へ刺激を与えるためにウエイトを使う」のであって、後者は「有酸素運動の負荷を増やす為にダンベルを用いる」と、全く考え方が異なります。
 そのため「手軽だからダンベルを使う」というのは、本格的なレジスタンストレーニングを覚えるには適切でないとなります。
 
 
 
 道具はこの様な理由で正しく使い分けるべきものです。



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