食事の組み立て方の最近のブログ記事

 先日、朝の胃モタレ感の原因が朝食の内容にある様に書いたが、
http://hisajp.info/2009/02/090220_1.html

どうやらそうでは無く、前日の夕食が遅い事が原因の様だ。

 この胃もタレを感じていた日の頃は、夕食が遅い日が続いた。


 そう考える都当然なのだが、そのときは思い込んでいるからまともに分からない。

 朝食に魚を食べる様にして数日経たが、朝に胃モタレを感じる様になった。

 腹囲は増えているが、体重はそれほど増えてはいないので、カロリーオーバーという事ではないだろう。

 そうするとこの胃モタレ感は朝食のメニューを変えた為と思われるが、メニューにより胃モタレが発生することが直接の原因とは考えにくい。

 便の量は以前より多い。これは繊維の摂取が多いのと、多めに乳酸菌を摂っていたために便の材料が腸内に増えたためかもしれない。
 この繊維の増加が胃モタレ感をもたらすという事は考えられる。

 それともこのような事はあまり関係なく、単に違うものが食べたいのかも知れない。

 そのため、今朝は魚を止めて玉子とスパゲッティにしてみた。
 感覚としては「違うのが食べれて良かった」という感じだ。


 まず考えていただきたいのは、体重や体脂肪が増加したのは、今までの摂取量が多かったのが原因です。
 摂取カロリーが消費カロリーを越えていなければ、体重や体脂肪は増加しません。

 たとえ環境の変化(下記参照)でそうなったとしても、ご自身の行動の結果であるという事を認識してください。
 厳しいようですが、これから先は医療費がどんどん高くなってくるでしょうから、自分の健康は自分で守るくらいの考えが重要に思います。

 そのためには、日々の食事をコントロールし体重管理をすることが大切で、もし体重が増えたとしても大きく増えてから慌てるよりもこまめに対応する方が楽でしょう。 
 
 
 
 体重増が起こる原因として、以下のような環境の変化が考えられます。

・職場環境の変化(外回りからデスクワークへ変わった)
・結婚して食事が規則正しくなり、かつ量が増えた(結婚前は朝食を抜いたり、食べないで寝る事があった男性に多い例です)。
・結婚して主婦になり外出が減った。
・妊娠、出産。
・薬を服用する様になった。
・高齢化


 また、このような体重の増加では、ほぼ脂肪だけが増加する場合と、脂肪増加で体重が増えるのに伴い筋肉が若干増える場合も有りますが、主として増えるのは体脂肪です。
 逆に、全く脂肪だけが著しく増えるかと言うと、それはあまり無いです(下記参照)。この様な例は、例えば薬の服用や、体重増加が数年続き運動不足の期間が継続しているような場合に多い様です。

 どちらの場合も、体重の増加前と較べ、除脂肪体重と体脂肪の割合比率を確認すると良いでしょう。

例:
元  体重 60kg、体脂肪率15%(除脂肪体重51kg、体脂肪 9kg)

ー> 体重 63kg、体脂肪率18%(除脂肪体重51.66kg、体脂肪 11.3kg)
ー> 体重 66kg、体脂肪率20%(除脂肪体重52.8kg、体脂肪 13.2kg)
ー> 体重 70kg、体脂肪率25%(除脂肪体重52.5kg、体脂肪 17.5kg)

ー> 体重 80kg、体脂肪率30%(除脂肪体重56kg、体脂肪 24kg)
ー> 体重 80kg、体脂肪率35%(除脂肪体重52kg、体脂肪 28kg)
ー> 体重 80kg、体脂肪率40%(除脂肪体重48kg、体脂肪 32kg)
 
 
  
 脂肪の増加が多い体重増は、健康上の問題を起こす場合があり、また審美的な要素に与える影響が有るので、適度な減量を行う事が望ましいでしょう。

 減量が必要な目安としては、メタボリック対策で言われるようなヘソ回り周囲を男性 85cm、女性 90cm とし、かつ血圧やその他を判断し、基準を越えていれば減量する様にされると良い様に思います。

 審美的要素であれば、著しい体脂肪率の低下に気をつけ、体重の適正化が必要でしょう。


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 今回のシリーズで書く物は、健康増進や審美的、または競技に向けての痩身です。病気の例が出る事も有りますが、それは病気治療の為ではなくサンプルとしての事例です。病気治療の場合は医療機関に問い合わせください。
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http://hisajp.info/2008/10/post_84.html


 減量は食事のコントロールが主です。運動を伴う場合はそれが従になります

 「ダイエット」とは食事療法の事を指し、減量や痩身の意味は有りません。

 「減量や痩身の為の食事療法」という意味で「減量や痩身の為のダイエット」という言い方をするのが正しいです。
 「増量の為の食事療法」という言い方も正しいです。

 そのため巷にあふれる「自転車でダイエット」というような言い方は「自転車で食事療法? 自転車を食べるんですか?」という意味で成り立ちません。


 ダイエットと言う言葉を不適切に理解している為に、減量や痩身は運動で行うものと、誤解している方が多い為に、食事療法や減量が思う様に上手く行かないのだと思われます。

 間違った用法は知性として恥ずかしいです。ここはマスコミ関係の方々は正しくリードされるにお願いしたいです。
 
 
 
 ボディスタイルを向上させるのは、シェイプアップという言葉を使います。まれにスリミングとも言います。これは比較的女性に対して使う言葉です。

 男性に対してシェイプアップという言葉は、痩せる必要が有る方に用いる事が多いです。肥大をさせたい場合などは、ボディビルディングやビルディングという言葉の方が適切に近い気がします。


 減量や痩身はほぼ同じ意味ですが、減量( weight down, weight loss, weight off)は比較的体重の低下全般を含むのに対して、痩身(slimming)はスリム化を指す意味が英語では多いです。
 日本語でもほぼ同じと考えて良いでしょう。
 そのため、痩身の方が比較的シェイプアップに近い意味合いが有るでしょう。

 train down という言葉で、運動やトレーニングによって体重を落とすという意味になります。運動療法という言葉が比較的これに近いでしょう。

 diet は先に述べた様に、食事療法の全般を示します。減量や痩身の意味は有りません。
 
 
 
 体重制競技の場合は、「減量して体重を合わせる」の様な言い方をします。

 審美的スポーツ(体操、新体操、シンクロ等)は体重制限は有りませんが、痩身的な意味が重要となる場合も有るようです。


 一般的な生活では、健康的な意味合いから肥満よりは標準体重や標準体脂肪率やメタボリック基準内でいた方が良い様に思います。

 また審美的な意味やアクティブな印象を与えるために、痩身や減量を望まれる場合も多いです。


 これは文化とも関わっていて「肥満を良し」とする文化も同程度の割合であり、また古い時代ではその傾向が強かった様です。

 現在の米国や日本の様に、米国文化が多いところでは肥満よりは痩せている方が良いという傾向が強い様に感じます。


 私の使っている body-design (ボディデザイン)という言葉は、造語です。


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 今回のシリーズで書く物は、健康増進や審美的、または競技に向けての痩身です。病気の例が出る事も有りますが、それは病気治療の為ではなくサンプルとしての事例です。病気治療の場合は医療機関に問い合わせください。
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http://hisajp.info/2008/09/post_82.html


http://hisajp.info/2008/10/post_87.html

運動時の食事13 筋肥大期以外の場合の運動時の食事

 筋肥大期以外の場合の運動時の食事は、オーバーカロリーにならない様にすれば、増量も減少も無く過ごせます。
 当然の事ですが、なかなか出来ないです。

 このような時期は通常「維持期」と呼ぶ事が多いです。
 維持期は肥大期や減量期と交互に来る事が多いのですが、減量期がなければ肥大期の後に維持期へ移行します。

 維持期は肥大期と較べると摂取カロリーを減らす必要が有るのですが、
「人間は同じ重量と容積の食事を摂ると満足する性質が有る」
というのが有ります。

 肥大期は大量に食べている訳ですが、その後もどうしてものその感覚が残っていて、同じ程度の容積と重量の食事を摂り終わるまで食べ続けてしまうという傾向が有ります。

 減量期でピリオタイズする場合は減量食となる為に区切りが明確なのですが、肥大期から維持期へ移行する場合はそのような区切りが無い為に気が緩んでダラダラと同じ程度の食事を続けてしまい太る傾向が有ります。

 オーバーカロリーになると体脂肪が増加するので、結局その後に強度な減量が必要となる場合も有り、競技時期とそれが重なるときついので気をつける様にしてください。


 また、筋肥大時というのは筋の肥大が主目的の為、筋肥大に割く時間の割合が増えその他のトレーニング(持久、瞬発、アジリティ)や競技練習の時間や密度が減ります。
 維持期ではそれと変わり、その他の種類のトレーニングや競技練習の割合が増える傾向に有ります。

 このような際に特定の内容に偏る場合は、栄養摂取の割合を変える場合も考えられます。

 例えば
・長距離選手のタンパク質摂取量は 4g/1kg 程度と高く、また鉄分やカルシウムなどがより多く必要。
・水泳選手の場合、摂取カロリー量が他の競技に較べ多い傾向にある。
などの競技による特徴が有ります。
 但しこのデータはそれほど確実性の高い物ではなく、アンケートや統計的なものです。

 そのため、肥大期と明確に分けているような場合は、それぞれの時期の特性に応じた食事内容となる様に調整してみてください。
 また、実際の競技練習を含む場合は、それほど劇的にピリオドが変わる事も少ないと思われます。

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 ビルディングやシェイプアップが目的の場合は、必要に応じて肥大と減量を繰り返します。
 または、目的に達した時点で維持期となる場合が多いですが、この時期への移行が難しい様に感じます。

 運動量は減りやすく食事量は増えやすい傾向なのは誰しも有るでしょうから、維持期となった時点でも
「維持をすれば良い」
というよりはもう少し強い意志を持って
「体脂肪率を絶対に増やさない。良いシェイプを絶対に保つ」
位に考えると、それでも適度に肥満してくるでしょうから、そのくらいにしておけば次の減量に大変な思いをする事が少なくなる様に感じます。

 とはいえ減量はある程度のトレーニングが出来る様になれば筋肉を増やすより楽です。

 女性の方は常に最高を目指す傾向が有る様に感じるのですが、常にギリギリでいるのは疲れます。また写真で見るような方はその時期に合わせてシェイプアップをする場合も有ります。
 そのため、生理期を上手く利用するなり、普段はダラけすぎない程度に気を抜いて何らかのイベントに合わせて明確にコントロールするなどで、メリハリをつけるのも良い方法に思います。



http://hisajp.info/2008/09/post_81.html


http://hisajp.info/2008/10/post_84.html



1、タンパク質の再合成に使われるタンパク質量

 タンパク質は通常の生活強度で、体重 1kg あたり 1g がタンパク質の再合成に使われると言われています。

 これは主に筋肉や内臓や血液が分解されて再合成される事で成り立ちます。
 再合成されるのは、酵素やホルモン、別な種類のタンパク質となったり、血液が作られたりします(血液に含まれるタンパク質は多いです)。

 この分が全部消費されるのではなく、ある程度は体内に残るはずですが、髪の毛や爪や皮膚などに回る分も有りますので、筋肉とは異なる使われ方をします。

 このようにタンパク質は色々と使われるので、
「タンパク質は、(最低)体重あたり 1g を摂りましょう」
といわれてます。

 また、筋肥大を目的とするような強度な運動のほど代謝が上がる(エネルギー消費が増える)為ホルモンの分泌や酵素の発現量が増えると考えられ、また筋線維の破断は明らかに増えます。
 
 
 
2、タンパク質の筋肉内部での直接代謝

 また、あまりいわれないのですが、一部のアミノ酸は筋肉内で代謝そのものにも使われます。
 これは分岐鎖アミノ酸(BCAA)が主で、主としてエネルギーとして使われると考えられています。
 
 この具体的な消費量は私は知らないのですが、激しい運動をするほどその消費が多いのか、BCAA を摂るといろいろと具合が良く感じます。
 このアミノ酸の消費エネルギーは、4Kcal / 1g で計算して差し支えないでしょう。

 仮にこの消費が前述の 800Kcal の 16% の 128Kcal とすると(前述のPFC バランスを適用)、32g がエネルギー代謝として直接消費される事になります。
 
 
 
 これらにより筋肥大を目的とするような強強度の運動の際は、タンパク質の消費が平時より増えると考えられます。


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 以下はまったくの仮説です。

 上記の1、2を元に考えると、

 120g タンパク質を摂取した場合(今回は体重 60kg としています)、
・60g のタンパク質が通常の代謝サイクルで消費され、
・余分に 10g 同じ代謝サイクルで消費され、
・BCAA 等の 32g が筋肉内部で直接代謝され、
・残った 18g が筋肉の材料となる( = 水分を含み 90g の筋肉が合成される)

 1つ前ページの 80g とは異なりますが、おおよそこの様な数値ではないかと、経験的に考えています。
 
 
 
 また、筋肥大に必要となる炭水化物ですが、消費した筋グリコーゲンが補充されればそれで筋肥大の条件が整うかというとそうではない様です。

 「筋肉の合成に必要なエネルギー」
とでもいうのか分かりませんが、そういうものが有る様に感じます。

 筋分解や筋合成時は身体が長時間ぽかぽかするのを感じますが、このエネルギー元には脂質や炭水化物が使われています。
子供は大人に較べると体温が高いですが、筋肥大中は大人でも同じ様に体温が高いのは代謝の上昇に現れます。

 そのため、筋肥大を目的とする場合は、トレーニングで消費した筋グリコーゲンよりも多くの炭水化物を必要とし、また脂質も体温の保持に使われ、タンパク質もそれに相当する量が必要となるのではないかと考えています。

 ちなみに、強度の強いレジスタンストレーニングの特性を上手に利用すると、体脂肪の減少が早く、また減少率のコントロールが計算通りに近く行きます。ただし無酸素域でのトレーニング強度でそれが行え、また摂取をコントロールできる事が必須条件です。


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 このような筋肥大そのものに使われるエネルギー代謝のエビデンスは無いと思われ、またどのような方法を取ったとしても個体差や運動消費が一定の条件とならない為、データを集めて数値化するのは不可能に近いくらい難しい気がします。

 そのため
「筋肥大に足りる十分なエネルギーを摂取しましょう」
という説明になります。

 これを問題視する事自体が意味の無い事でしょうから、筋肉を肥大させたいときは十分な栄養を取って肥大させ、運動強度を変えたり、適時脂肪を減らすなどで対応する事が早くて良いでしょう。
 
 
 

http://hisajp.info/2008/09/post_80.html


http://hisajp.info/2008/09/post_82.html


 これは身震いするほど嬉しいマニアな話しですが、このような質問を受けた事はかなり上級者の方から1件だけです。

 前回お話しさせていただいた様に、運動で消費された炭水化物の補給が必要な理由はご理解いただけたと思います。それをしないとどんどん筋肉量は減っていきます。
 運動後の炭水化物は、痩せたいときも同じ様に必要です。

 では、筋増量を行う場合にはどうするかという事を書いてみたいと思います。
 ここでは以下で書いたような運動消費で考えてみます。
http://hisajp.info/2008/09/post_74.html

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 男性、20代、体重60Kg、基礎代謝1500Kcalとして、

 基礎代謝  8時間 = (1500/24h) * 8h = 500Kcal
 活動代謝 14時間 = (1500/24h) * 1.5 * 14時間 = 62.5 * 1.5 * 14h = 1312.5 Kcal
 運動代謝  2時間 = 400 * 2h = 800Kcal
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合計 = 500 + 1312.5 + 800 = 2612.5 Kcal

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 2612.5 Kcal の消費が有るとして、そのうち 800Kcal が運動消費とします。
この 2612.5Kcal は満たしているとしています。

 それに
 「運動消費に相当する 800Kcal をプラスして摂りましょう」、というのが今回の話しです。


 まず、筋肉の8割は水です。10g 筋肉が増えたとしても体内のタンパク質の増加は 2g で水分が 8g となります。
 タンパク質を出来るだけ体内に付着させ(筋肉を増量させ)るには、最大どの程度の効率となり、それにはどのような PFC バランスが良いのだろうか? というのを考えます。

 実はこのようなものへの明確なエビデンスがないです。そのため「多分」が付きますが、経験上としては「多分」よりはかなり確実であろう様に感じていますが、対照実験がなかったりやブラインド実験でない為に、明言は避けます。

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 基準データ
「2612.5Kcal の消費のある時に、それと同じだけの摂取をします」。

1、基準データと同じ量を摂取する。
 この場合、筋肥大はあり得ません。
 
 
 
2、では次に基準データの他に、
 10g のタンパク質を摂ったら、そのタンパク質は 100% 筋肉に換算されるのか?(総合摂取カロリーは + 40Kcal で、2652.5Kcal になります)」
 というものがあるとすると、これは多分あり得ません。
 経験上は「あり得ない」といえます。
 
 
 
3、では次に基準データの他に、
 10g の炭水化物と 10g のタンパク質を摂ったら、そのタンパク質は 100% 筋肉に換算されるのか?(総合摂取カロリーは + 80Kcal で、2732.5Kcal になります)」
 というのが有るとすると、これに因る筋肥大はほとんどあり得なく、筋肥大は微々たる量でしょう。多分ですが 1g 有るかどうかです。
 
 
 
4、では次に基準データの他に、
 30g の炭水化物と 10g のタンパク質を摂ったら、そのタンパク質は 100% 筋肉に換算されるのか?(総合摂取カロリーは + 160Kcal で、2812.5Kcal になります)」
 というのが有るとすると、これは多分ですが、数グラムの筋肥大は有るかもしれません。
 10g タンパク質を摂ったところで、筋肉となるのは 2割程度の様に経験上感じています。
 2g のタンパク質が筋肉になると 10g の総量で筋肉が増えます。

 効率とすると前回までに較べると相当上がっています。この炭水化物とタンパク質の3:1の比率は、通常の PFC バランスのうち C と P とほぼ同じ割合です。
 これが2:1だとすると、タンパク質の付着効率は2:0.6 程度になる気がします。
 
 
 
5、では次に基準データの他に、
 運動量に相当する 800Kcal の摂取を、その日一日の 3412.5Kcal 摂取の際の理想とされている PFC バランス(PFC 順で 16%, 33%, 51%)で摂ると、そのタンパク質は 100% 筋肉に換算されるのか?
 (具体的な数値は、102g の炭水化物と、32g のタンパク質と、29g の脂質になります)」

 これだとかなり良い割合で筋肥大が有る様に経験上感じます。
 だとしても 32g の分だけのタンパク質が全部筋肉になるのかというと、そうでもない気がします。

 32g のタンパク質が全部筋肉になった場合、160g 程度の筋肉となります。その肥大率が肥大期間中継続するとしたら、一ヶ月間行った場合は 4800g の筋肉が付くことになりますが、これはまず無いです。
 脂肪が1:1で増えたとして体重が約 10kg 増える計算になりますが、ほぼあり得ない数値でしょう。

 何となく感じるところでは、32g の半分の 16g 程度の体内タンパク質の増加で、筋肉量で 80g 程度なのではないかと思います。
一ヶ月で 2400g、体重増は脂肪筋肉比が1:1で約 5kg の増加となります。このくらいであれば体重の 10% 程度ですから「+800Kcal の追加摂取」であり得る話しでしょう。


 続く



http://hisajp.info/2008/09/post_76.html


 「なぜ筋肥大に炭水化物が必要なのか?」
 「筋肉はタンパク質だからそれだけたくさん摂っていれば十分で、炭水化物や脂肪を摂らなければ体脂肪にならなくて良いのではないか?」

 と、お考えの方もおられると思います。

 これは間違っています。


 理由を説明します。

1、体内に保存されているエネルギー源として、
  糖質は、
    筋グリコーゲンとして 300g(1200Kcal)
    肝グリコーゲンとして 67g(268Kcal)
    血糖として 3g(12Kcal)
  脂質は、9kg (81,000Kcal)程度あります。
    (体重60kg、体脂肪率15%として)
    (NSCA-JAPAN, ストレングス&コンディショニング1、P60、大修館書店)

2、運動をすると筋グリコーゲンから使われます。

3、その運動刺激により中性脂肪(体脂肪の事。皮下脂肪や内臓脂肪)が分解され遊離脂肪酸となり、ATP回路でエネルギー化される量が増えます。

4、強度な運動中は筋グリコーゲンが主に消費されます(クレアチンは筋肥大を目的とする 10RM の強度ではほとんど消費されませんし、クレアチンは筋グリコーゲンや中性脂肪等から合成されるものです)。

5、弱い運動強度(おおよそ AT 未満)では、脂質と筋グリコーゲンはほぼ半々の割合で消費されます。

6、肝グリコーゲンは血糖となり補給されますが、血糖は全量で 4g 程度しか無く、またそのほとんどは脳に消費されます。運動中に血糖により筋肉に筋グリコーゲンが補給されると考えられる量はわずかなため、計算に入れなくて良いでしょう。

7、筋肥大が目的の場合に必要な運動強度は、この4に該当します。
 
 
 
 前ページの 800Kcal / 2h の筋肥大の為の運動(トレーニング)をしたとすると、エネルギー消費の割合として、
- 1時間は糖質を消費するレジスタンス運動(400Kcal = 糖質 100g)、
- 残り1時間をアップとクーリングで糖質と脂質を半々(糖質 50g、脂質 22g)
程度と考えられます。

 これにより、このトレーニングでは、150g の筋グリコーゲンと、22g の脂質が消費される計算となります(実際はレジスタンス運動の強度はもう少し強く、前後はもう少し弱いと思いますが、2時間の平均が 400Kcal / h で計算しています)。


 消費された筋グリコーゲンは外部から炭水化物(糖質)を摂取する事で、筋グリコーゲンとして補給されます。
 外部から補給されない場合は、筋を分解して糖新生を行い筋グリコーゲンを補充します。この場合、およそ 150g の糖質を補充する為に同量程度のタンパク質が分解される事になります。筋肉量としては最大 750g 程度になります(水分80%として)。

 そうすると、せっかく強い強度の運動しても筋肥大が起こらないどころか、どんどん減っていくとなります。

 そのためこれを避ける為に、「筋肥大には糖質が必要です」となります。

 「太るのが嫌だから、運動した後はお腹が空いても我慢している」
というのは、ある程度の強度の運動をした場合は間違った考えです(糖尿病等の減量の場合は異なります)。
 
 
 
 またこれは、最低限使った分は必要で、どの程度多ければ筋肥大の最大効果が出るのかという事までは分かりません。そもそも運動強度自体が計算値通りにいくかどうか分からない行為で、それを一定の計算式で求めようとするには限界が有ります。

 呼気分解をすれば出来なくはないですが、費用がかかりすぎますし、それをしたところで運動時の消費割合が分かるだけです。それから筋肉を作るのにどの程度が必要かには繋がりませんし、それようなデータの積み重ねを聞いた事が有りません。

 そのため私は前述した様に
「消費に適した PFC バランスで、運動消費の分をさらにプラスして摂りましょう」
とお勧めしています。私の場合はこれでほぼ満足する結果が出ています。下記中程。
http://hisajp.info/2008/09/post_74.html
 
 
 
 「この筋グリコーゲンの補充に脂質(中性脂肪、体脂肪のこと)が使えるのではないか?」
 とお考えの方もおられるかもしれませんが、それは不可能です。糖質から脂質の再合成回路は有りますが、脂質から糖質への再合成は無い為です。

 また、脂質は ATP 回路では遅いエネルギー代謝です。
 遅いという言い方をするのですが、分かりやすく言い換えると、一度に大量のエネルギー補給ができないという事です。
 そのため脂質は大きな出力を必要とする運動のエネルギーには向いていません。

 筋肉は筋肉が変化するだけの刺激を与えないと肥大しない性質が有ります。
 刺激を与えるという事は要するに筋肉が出力するという事ですが、筋出力の60%程度以上の出力で筋持久力が向上し、75%以上で筋肥大し、90%以上で筋出力が向上するとなっています。

 脂質の代謝ではこれに必要なだけの刺激は加わらないため、理論上は、「脂質を燃やす運動強度では筋肥大はあり得えない」となります。
 
 
 

http://hisajp.info/2008/09/post_75.html


http://hisajp.info/2008/09/post_80.html


 下記ページの中程に6時間運動をした場合の概算カロリーが書いてあります。
http://hisajp.info/2008/05/post_719.html

 同じ物をコピーします。
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 男性、20代、体重60Kg、基礎代謝1500Kcalとして、大まかな例を挙げると、

 基礎代謝  8時間 = (1500/24h) * 8h = 500Kcal
 活動代謝 10時間 = (1500/24h) * 1.5 * 10時間 = 62.5 * 1.5 * 10h = 937.5 Kcal
 運動代謝  6時間 = 400 * 6h = 2400Kcal
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合計 = 500 + 937.5 + 2400 = 3837.5 Kcal

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 この消費量でこのカロリーを摂取した場合、身体組織の増減は無いです。
 これは運動量に関係なく、単に摂取と消費の差し引きの問題です。

 この位の消費量は運動している場合は通常にあるレベルです。現在のレベルでは少ないかもしれません。
 
 
 
 増量(筋肥大)の様な基礎的なトレーニングの場合は、それに特化する場合はなるべく他の事はしない方が効率が良い様に私は感じます。

 ボディビルダーの場合はそれも可能です。
 他の競技選手の場合は競技練習を伴うのと、筋肥大がメインではなく、競技能力も向上させるトレーニングも有るので、基礎歴な増量トレーニングだけを行う事はほとんど有りません。
 
 
 
 今回は筋肥大(増量)トレーニングに限定して行う場合の摂取量を考えてみたいと思います。

 筋肥大トレーニングを集中して行えるのはせいぜい1時間30分程度です。
 またトレーニング密度が高いほど内分泌系(ホルモン分泌)へ与える影響も多いです。
 逆に言うとそれを保てる継続時間がせいぜい1時間30分程度なので、それ以下で終えた方が良いとなります。

 トレーニング時間と筋肥大に関するこ具体的なエビデンスは存じませんが、経験者の方は1時間もしてくるとやがてダレてくるのを感じると思います。

 そのためトレーニング時間はアップとクーリングなどの前後を含めて2時間とし、運動活動エネルギーは平均 400Kcal / h として、他の条件は前回と同じで計算します。

=============================================

 男性、20代、体重60Kg、基礎代謝1500Kcalとして、

 基礎代謝  8時間 = (1500/24h) * 8h = 500Kcal
 活動代謝 14時間 = (1500/24h) * 1.5 * 14時間 = 62.5 * 1.5 * 14h = 1312.5 Kcal
 運動代謝  2時間 = 400 * 2h = 800Kcal
----------------------------------------------------------------
合計 = 500 + 1312.5 + 800 = 2612.5 Kcal

=============================================

 これに寄ると、2612.5 Kcal が一日の消費量となります。

 消費量と同じ量を摂取すると、体重の増減は無いので筋肥大は起こらないので、それでは増量トレーニングをする意味がないです。
 健康運動としてはそれでも良いのですが、増量と言う目的は達成でき無い為に、それでは失敗となります。
 
 
 
 筋肥大(増量)を目指す場合にはどの程度の摂取が必要かの、明確な計算式は有りません。
 私のお勧めしている方法としては、
「運動消費の分をさらにプラスして摂りましょう」
というものです。

 そうすると、
=============================================

 男性、20代、体重60Kg、基礎代謝1500Kcalとして、

 基礎代謝  8時間 = (1500/24h) * 8h = 500Kcal
 活動代謝 14時間 = (1500/24h) * 1.5 * 14時間 = 62.5 * 1.5 * 14h = 1312.5 Kcal
 運動代謝  2時間 = 400 * 2h = 800Kcal
 増量分            = 800Kcal
----------------------------------------------------------------
合計 = 500 + 1312.5 + 800 +800 = 3412.5 Kcal

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 と、なります。
 タンパク質量が 2g/kg として 120g (480Kcal)が必要となりますが、それだと PFC バランスに締めるエネルギー割合は 14% となり若干少ないので、140g (560Kcal, 16.4%)くらいは必要になるでしょう。

 感覚的には、この程度摂っていればそんなに問題なく増量が進む様に思いますが、ちょっと足りないかもしれません。


 増量時のトレーニングは、心拍数の上がり方やエネルギー消費の密度からすると多分一番強度が強いと思います。
 プライオメトリクスや OBLA を越える走行などはそれはそれで強いですが、内分泌系に与える影響や、全身の虚脱感を伴うような疲労感は少なく感じます(ただし私感です)。

 基礎的なトレーニングはレジスタンストレーニング(ウエイトなどを用いるトレーニングの総称)で行う事が多いです。これは増量(筋肥大)時や筋持久、筋出力向上の様な、筋肉を増やしたり筋肉の特性を変える(向上)させる為のトレーニングで用いられる事が多いです。

 この強度の目安は、スクワットやデッドリフトの様な多くの関節を動かす多関節種目(すなわち多くの筋肉を動員する)の場合、トレーニング中の心拍数は 160拍/分程度を越え、無酸素域に至る必要が有ります。
 また、セット間休憩で下がっても 120拍/分 程度までとして、次のセットに入るとあっという間に元の 160拍/分越えさらに上がり、セットを何度か繰り返すうちに年齢危険値に至る場合もあります。

 セット間休憩で徐々に心拍数が下がらなくなる頃に規定のセット数が終わり「助かった」と感じ、しかしほっとする間もなく単関節種目で追い込んでパンパンにして、やがて集中力が途切れてくるので危ないので止める。そこまでが1時間。
 という様な強度になります。冗談でなくて本当にこのくらいの強度が必要です。


 そのような強度の、本格的なレジスタンストレーニングの場合には、増量目的に限らず筋持久や筋出力向上トレーニングのいづれでも、満腹になるまで食べても追いかなく、筋肉と脂肪の両方が減っていくことがあります。
 そのため増量の場合にはさらに大変で、満腹になった上で無理くり食べてどうにか増量になる、という感じです。


 脂肪だけが増量する場合や、脂肪の比率が多い増量の場合は、これはちゃんとしたレジスタンストレーニングになっていなく、
「ウエイトを用いた有酸素域でのトレーニングをしていて、なおかつ食べ過ぎている」
というものでしょう。

 その様な方のトレーニングを見てみると、上記のような強度には全然至ってなく、ダンベル体操というような感じです。
 それで食べ過ぎれば脂肪が増えるのは当然です。

 こういう場合は目的に沿っていないので、トレーニングプログラムの強度や組み方や指導、および栄養管理に問題があるとなります。
 そのような問題に至っている方は、まずは運動強度がその程度に至っているかどうかを確認してください。

 また、本格的な増量トレーニングの経験が無い方に限って、
「筋肉とともに脂肪がつくのは嫌なので、筋肉だけ増える様に栄養を制限しています」
と要らぬ心配をして、本質とは違う事を期待する場合が多いです。
 一度本格的なトレーニングを体験すると、
「毎日喰い続けて体重を増やすのは、こんなに大変な事か。どんなに食べても減る」
と変わります。
 
 
 
 この様な無酸素域強度のトレーニングや運動は心不全に繋がる場合が有りますから、そのような経験の無い方は、健康管理を含めて指導が出来る指導者に付いて行うのが良いと思われます。



http://hisajp.info/2008/09/post_73.html


http://hisajp.info/2008/09/post_75.html

 皆さんが気になっている事に「増量時のエネルギー摂取量はどの程度にすべきか」というのが有ると思います。

 何度か書いてある様に、
1、運動プログラムと摂取が最も上手いバランスで行くと、筋肉が増え体脂肪がへる。
2、次に上手く行くと、筋肉と脂肪の両方が増える。
3、失敗に該当するのは、脂肪だけが増える事と、筋と脂肪の両方が減る事、の2点

 となります。増量が目的なので、筋が増えない事や減量は目的としていません。

 最も基礎的な事として当然に言えるのは、「身体が大きくなるから筋肉も増える」のです。身体を小さくしつつ筋肉は増やせません。

 上記の1や2の場合は体重は増えます。
 ときたま体重が変わらないで筋肉量が増えたり脂肪が減る事が有りますが、このような場合は体積は減っています。

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 増量の場合は筋肉と脂肪が同時に付く事が多いですが、それを経験した事が無くても嫌う人も居ます。

 通常は、筋肉と体脂肪の増加割合は1:1程度です。
 1:2くらいだと脂肪の方が多いと言えますが、きちんとしたプログラムに乗っ取りトレーニングや運動をしていると、そのような割合で脂肪が増える事はほぼありません。これは栄養の摂り過ぎが問題なのではなく、プログラムに起因するものです。


 60kg で体脂肪率 15% の標準的な男性で、1:1の割合で 5kg の増量をしたとして考えてみましょう。

 スタート:60kg、15%、体脂肪9kg、除脂肪体重51kg
 増量後 :65kg、17.7%、体脂肪11.5kg、除脂肪体重53.5kg

 その後の減量では体脂肪率を同じ程度の 9kg までか、さらに落とす事が多いです。1kg 余計に落とすとすると、

 減量後1:61.5kg、13%、体脂肪8kg、除脂肪体重53.5kg
となります。

 元と同じ体重まで落としたとすると、
 減量後2:60kg、10.8%、体脂肪6.5kg、除脂肪体重53.5kg
と、60kg であればこのくらいが精一杯でしょう。
 おおよそですが、皮下脂肪が少ない感じのサッカー選手の体脂肪率が 10% 弱です。


 一般的な増量時の体脂肪率の増加というのはこのように 3% 程度です。

 5kg 程度の増量であれば、1〜2ヶ月間で済みます。
 きちんとした減量は減量スピードが速いのでもうちょっと短くて済みます。

 そのためこのように増量と減量をそれぞれ別に行えば、半年しないで、筋肉量で数キロ増やし脂肪は数キロ減らすのはほぼ確実に出来ます。また難しい知識を必要としないでほぼ誰にでも出来ます。

 しかしこれを同じ半年未満程度で「筋肉を増やし脂肪を減らすを同時に行う」を狙うとなるとほぼ不可能でしょう。


 狙って行うには再現性を見つける事が大事になります。科学とは再現性があるかどうかです。
 増量を狙って時たま偶然に最も理想的と思われる筋肥大と脂肪減少が同時に進む事は有りますが、プロでも偶然ですし、また偶然には再現性はありません。

 もし私に理論化が済んでいるとしたら、お客さまのためだけに使い、体験されている方も多いかもしれません。

 そういう理想を実現しているときであっても、実際は都度の脂肪増量と脂肪減量が短い単位(数日スパン程度)で繰り返され、脂肪増量には気付かないというものでしょう。
 (実はこれは数値が少しずつしか変わらないので上手く行っているかどうか不安になり、精神安定上はガバっと変わる方が良い様です)。


 それをほとんど身体や運動を知らない方が狙っても無理です。偶然の確率すら減るでしょう。
 しかし、誰しも、摂取を多く摂っていれば、偶然そういう場面に当たる事は有ります。

 確実に言えるのは、
 摂取を押さえていると絶対にそうならない ということです。


 それで一番最初に書いた、最も望まない

>3、失敗に該当するのは、脂肪だけが増える事と、筋と脂肪の両方が減る事、の2点

 に至る場合を感じます。
 このような点から確実に行うには、やはり確立されている方法で増量と減量をピリオドを分けて行うのが、順等と言えるでしょう。
 
 
 
 実のところ、プロにとっては、体脂肪はいつでも減らせるものです。
 その程度のものが2〜3%増えることを気にして、一番重要な今の時間を無為に過ごす事は意味が無いでしょう。

 選手であれば、高校生や大学生の限られた時間の中で良い競技成績を残す必要が有ります。

 若い頃にプロポーションを追求したい方が、無為な時間を過ごすのは良くないです。



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 運動時は活動量が増えるので、食事量も増えます。
 中でも肥大期の様な基礎トレーニング期は活動量が多いので、摂取もそれに比例して増えます。
 摂取バランスは前述した様にカロリーに応じた PFC バランスと、タンパク質量を目安にすると良いでしょう。


 一日の中では昼食が最もエネルギーを摂りやすい様です。
朝/昼/夕では、3/4/3や、2/4/4、2.5/4/3.5 の様なバランスが良いと思います。

 また、前述した補食のバランスですが、およそ2割程度が補食に因る様になるでしょう。あくまで目安ですが、4000Kcal/日 であれば 3200Kcal が食事からとなります。


 しかし、あまり細かい計算をしてもしようがなく、本当にハードな運動時はオーバーするよりも摂れなくて痩せていく方が多いですから、補食は運動の前後で一定のタイミングで基準を決めて摂り、食事は食べたいだけ食べるくらいでやっと追いつく事が多いです。

 特に学生や生徒ですと、初めての強度の運動を経験する事も有る為に、そのような場合は身体と消化器の両方が疲れ、食べる量が不足してどんどん疲労が溜まるという悪循環に至る場合が有ります。
 そのような場合では、高校生以下では自分から分からないですし、分かっても言えないような子供もいますから、ご両親や先生方、指導者の方は、食事が摂れているか、バテていないか、元気に活動しているかも見る様にされてください。


 栄養が不足していると「脂肪だけが増加する」と言う例も有ります。
 これは筋肉が肥大するだけの養分と、運動で使った筋グリコーゲンを補充する分が不足している為に現れる現象と考えられます。

 これは目指すものと異なりますから、週に1回以上体重体脂肪率を測定し、筋肉と体脂肪が同じ比率の1:1程度の増加であればそのままで良く、脂肪だけが増えている場合は PFC バランスの見直しと摂取カロリーの増加が必要でしょう。

 体脂肪率の増加が1:2と多い場合は、原因は摂り過ぎではなく、トレーニング(運動)プログラムに有ると思えます。体脂肪の増加は次の減量が長引くので、プログラムを見直す必要が有るでしょう。


 このような点を考えると、筋肥大を確実に行うのは競技コーチや監督だけでは難しいでしょうから、各種のトレーナーのサポートをしてもらうのも方法でしょう。
 また、筋肥大を中心に進める場合は、あくまで目安ですが、過去に筋肥大トレーニングの経験が少ない選手の場合は、5kg/1ヶ月間 程度の体重増加に至らない場合はトレーニング強度と栄養の両方が足りていないと考えるべきでしょう。
 この場合の筋肉と体脂肪の増加バランスも、前述(数行上)を参照して下さい。


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 競技経験を何年か積むと、筋肥大が毎年必要かと言うとそうでもありません。しかし競技技術的な問題が発見(露見)されそれの解決にはフィジカル要素の強化が必要となると、何らかのトレーニングが必要です。

 また、リーグ競技では競技シーズンが長期間続き、その間は試合以外のけがはなるべく避けたい為に、強度の強いトレーニングは避ける場合も有ります。

 このような考える場合でも、筋量や筋力を保つ為の最低限のトレーニングをしたり、または競技特性により身体の片側にだけ多くの負担が掛かるような競技の場合(野球のピッチングやスイング、バレーボールなど)は、左右の負担やバランスが整うようなトレーニングも必要でしょう。
 また全身持久力なども落ちやすい様に思えます。
 それらをトレーニングすることにより、けがの防止に繋がると考えられています。


 前述した様に、ピリオド(ターム)別では基礎期がフィジカルトレーニングの時期になりますが、この時期はレジスタンストレーニングなどが増えるため、身体の使用や疲労は増えます。そのためこの時期の栄養摂取は増やす必要があります。

 対して、競技練習の後期や試合期、オフ期となると、エネルギー消費は少なくなる為、食事量はそれに伴い減らす必要があります。


 それぞれの時期では、前述した様に摂取カロリーと、体重当たりのタンパク質量、PFC バランスなどをベースに、運動量に応じて組み立てれば良いでしょう。

 身体活動が減りエネルギー消費が減っても暫くの間は食欲は落ちませんので、食べ過ぎない様にする事が重要でしょう。体重制競技や体重がパフォーマンスに影響を与えやすいような陸上競技やサッカーのような場合はなおさら気をつける必要が有るでしょう。


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 競技の為の運動やトレーニングの場合、ピリオド(ターム)は大きくいくつかに分けられます。
 試合をしないで楽しみとして日々される競技の場合も、上達の為には分けて考えると効果的でしょう。


 競技は、試合の方法により次の様にピリオド(ターム)の形が分かれます。
- 特定の時期に試合期があるシーズン型競技(野球、サッカー、ゴルフ、バスケットなどのリーグ戦の競技。ウインタースポーツなど)。

- 季節を問わず年に数回試合がある競技(陸上競技、柔道、空手などのトーナメント性の競技。季節要因の無い競技など)。

 シーズン型競技の場合は1年を通して競技計画を組み、陸上競技のような場合は年に数回の試合に向けてそれぞれ数ヶ月単位で組みます。
 その始まりが「基礎期」と考えると良いと思います。


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 野球を例にとるとこのような流れになります。
1、基礎期 身体を作る時期(自主キャンプ、キャンプ期前半)。
2、練習機 試合に向けて競技の練習(キャンプ期後半、オープン戦)。
3、試合期 試合(リーグ戦、優勝決定戦)。
4、オフ期 疲れをいやす。

 野球では自主キャンプで自分の納得いく身体を作り始め、その後のチームキャンプで身体を作り上げる事や競技連取が始まり、試合期は身体を大事にします。競技シーズンが終わりオフ期となります。これを繰り返します。

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 サッカーではこのような流れになります。
1、基礎期 身体を作る時期。
2、練習機 試合に向けて競技の練習。
3、試合期
  ー1、試合
  ー2、試合直後のオフ
  ー3、次の試合に向けての調整
4、オフ期 疲れをいやす。

 サッカーはあまり良く知りませんが、特性としては競技シーズン中でも週に1回程度の試合の為それぞれで調整を行う事が多い様です。
 試合日が離れているのでシーズン中でも身体能力の向上が行え、それにより競技成績の向上に繋がる可能性のある競技といえるでしょう。
 また、リーグ以外にも様々な試合が有ります。

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 陸上競技ではこのような流れになります。
1、基礎期 身体を作る時期(日常練習や合宿)。
2、練習機 試合に向けて専門種目の練習(同上)。
3、試合期 試合(大会)。
4、オフ期 疲れをいやす。

 陸上競技などの場合は、前回の試合の疲れが抜けた頃から、身体的な向上を計るのが基礎期で、ここは主に身体を作る時期で徐々に競技に向けた練習になっていきます。

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 ウインタースポーツではこのような流れになります。
1、基礎期 身体を作る時期(雪の無いときのの日常練習や合宿)。
2、練習機
 ー1、雪が降る前に出来る競技練習(日常練習や合宿)
 ー2、雪が降り始めたら本格的な競技練習(同上)。
3、試合期 試合(大会)。
4、練習機 今シーズンの弱点を雪が有るうちに出来るだけ克服(日常練習や合宿)。
5、オフ期 春スキーが終わるゴールデンウィーク過ぎの頃。疲れをいやす。


 ウインタースポーツは雪が無いと技術練習がしにくいので、雪が降り始めて競技練習が本格的になり、雪が有るうちに上達し試合を迎え、試合が終わっても雪が有るうちは競技練習を行います。
 そのため長くて半年程度に競技に集約し、それ以外の雪が無い季節がフィジカル面のトレーニング期となります。
 予算が有る場合は、夏に南半球に行ったり、北半球では氷河の有るところで競技練習をする事が有ります。
 状況により高地トレーニングも必要でしょう。

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 体重制限のある競技(柔道、ボクシング、空手など)ではこのような流れになります。
1、基礎期 身体を作る時期(日常練習や合宿)。
2、練習機 
  ー1、試合に向けて専門種目の練習(同上)。
  ー2、減量
3、試合期 試合(大会)。
4、オフ期 疲れをいやす。

 体重制限の有る競技であっても流れ的にはほぼ同じですが、肥大させすぎると減量が間に合わなくなることもあるためその調整が重要になってきます。
 そのため比較的身体が出来ている場合は、肥大よりも持久力や瞬発力の向上のトレーニングをしたり、またはフィジカル面にはあまり手を入れずに競技練習の継続という事も有る様です。

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 また、現在のトレーニングは実際はそれぞれが重なる様に移行していき、それぞれが突然変わる訳では有りません。
 
 
 
 身体を作るときはどのような競技であっても「基礎期」に集中して行う事が好ましいでしょう。これは主にレジスタンストレーニングを中心に「筋肥大トレーニング」を行います。ある程度身体が出来ている選手の場合は、筋肥大ではなく動きを向上させるような練習から始める場合も有ります。

 身体作りを基礎期に集中して行うべき理由として、
- レジスタンストレーニングは回復に時間がかかる。
- 競技練習や試合に入るとそれを行うだけで目一杯となり身体の基礎まで手を入れられない。
などで、比較的時間に余裕のある時期に行う方が全体を通じての効率が良いからです。


 また、身体的な弱点が見えていないとトレーニングは理論的に組み立てられないため、競技成績の向上の為にも弱点を分析する事は大切です。
 そのため「なぜ今このトレーニング(練習)をしているのか」が明確でないまま同じ事を続ける事は意味が有りません。
 これは競技練習やトレーニングの進め方への理論的な組み立て方の出来ない指導者や選手のいるチームに見受けられる傾向が有ります。
 それでは無駄になりますので、明確な意識を持って取り組む事が重要でしょう。


 また、基礎期であってもレジスタンストレーニングだけ行えば良いかというとそうでもなく、動きを取り入れつつのトレーニングを重複して行う必要があることもあります。しかし基本的には身体の向上を目標とします。
 このように基礎期のうちに練習を長時間続けても疲れない身体を作り上げ、次の競技練習を集中して行える様にします。


 一般的にトレーナーとして選手の役に立てるのは基礎期で、監督の考える戦略や、コーチの考える技術練習に耐えられる体力を選手に付けてもらう事が目的です。

 しかし、現在は競技成績と身体能力の絡みが高くなっているので、シーズン中であっても基礎的な体力の向上のトレーニングを続け、戦略に活かす場合も有ります。
 
 
 
 運動量としては、
- 基礎期が一番多く、
- 競技練習機はレジスタンストレーニングが減るので徐々に運動量が減り、
- 試合期は疲れを残さない様にできるだけ試合だけに専念し維持レベルの身体トレーニングとするために運動量はさらに減り、
- オフ期は疲れをいやすため運動量は相当減ります。

 そのため、それぞれのピリオド(ターム)に適した食事内容が変わります。


 中学生や高校生では、試合が近づくほど練習量が増え、疲れの頂点で試合に臨む事も有りますが、それは付け焼き刃的な練習やトレーニング計画で、好ましい事ではありません。



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http://hisajp.info/2008/09/post_70.html

 運動直後の摂取のタイミングですが、運動を終えて30分もすると筋分解(糖新生)が進むため、それまでに補給しておきたいのも有ります。このような場合は
 「家に帰って2時間後にバランスよい食事を摂るようにお母さんに言われてます」
というのでは遅すぎますので、運動直後に最低限何らかの補給をしておく方が良いです。
 そうしないとせっかくの運動の効果が身体に現れないばかりか、疲労の蓄積に繋がり、競技成績も下がってしまい、本末転倒となってしまいます。
 これはまじめなお母さんがする傾向に有るので、子供が運動を終えたら甘いジュースを飲ませて、帰ってきてからバランスの良い食事をとらせるようにしてあげてください。


 また、ハードな運動直後でゼイゼイしているうちにしっかりとした食事は摂りにくいです。
 運動の直後は喉が渇き誰しも水が飲みたいですし、また運動中に消費した糖質の補給をまず摂取すべきです。そのためスポーツ飲料やフルーツジュース、プロテイン粉末などを早めに摂り、落ち着いてからバランスの良い食事とするのが理想でしょう。

 このような運動直後の摂取では、炭水化物が体重 1kg あたり 0.7g。タンパク質がその 1/3 が良いとされています。多少多い分には問題ないですが、明らかに何倍も摂るのであれば、それは吸収が遅くなるでしょう。

 また、単糖類やショ糖類でこれだけの量を摂取をした場合は、その後のインスリンショック
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が明らかに現れますので、1時間後に試合や練習が有るような場合は、デキストリンの様な物が良いでしょう。単糖類やショ糖類は 10g 程度であればそれほ影響は出ないと考えられています。

 これが夜のトレーニング終わりでその後は食事をして寝るだけであれば、単糖類やショ糖類でも問題無いと思われます。
 但し別な問題として、単糖類やショ糖類は LDL を上げると考えられていますので、そのような点が気になる方はデキストリンなどがよいでしょう。

 とはいえ基本的には吸収の早さが重要だと考えています。これはブドウ糖や麦芽糖が早いので、それらを影響の出にくい範囲でブレンドしてみたり、コスト、効果、その他の影響などを考えてみてください。
 私はコストパフォーマンスの点から「砂糖」にしています。
 
 
 また、減量の場合も運動直後の摂取は重要です。通常の減量の場合は体脂肪の減少を狙いますが、運動直後の摂取を行っておくと、筋肉の分解を少なく押さえて、体脂肪に狙いを定めて減少させる事が出来ます。これらはいくつかのエビデンスがあります。
 そのため「痩せたいから食べない」ではなく「痩せたいときは必要なタイミングで必要な量だけを摂る」と考えるべきでしょう。そのようにして少ない筋分解を計算する様にします。
 
 
 補食を摂るか食事で間に合うかのおおよその目安ですが、運動後の食事を30分以内に摂る事が難しい場合は、上記のような方法でとりあえず補食を摂る方が良いでしょう。また時間がはっきりしないような場合も安全策を取るべきでしょう。
 水分は別として、30分程度で食事を摂れる場合は、急いで補食をする必要は無いと思われます。
 
 
 
 次に運動の前の補食ですが、これは運動中のエネルギーを補給する為の物です。例えば3度の食事が「身体を育てたり保つため」だとすると、運動前の補食は「運動をする為のエネルギー」と考えると良い様に思います。
 これは事前摂取などと呼ぶ事が多いのですが、運動の1時間程度前までに、炭水化物を 160Kcal 程度(40g)、タンパク質をその1/3(14g) 程度摂っておくと元気に動けます。

 これはおにぎりのような比較的多糖類の炭水化物がよく、タンパク質はプロテイン粉末などの比較的脂質の少ない物が良いです。
 これは単糖類の摂取でのインスリンショックを避けたいのと、脂質での吸収が遅くなる事を避けたい為です。
 
 
 
 事前摂取か事後摂取か、ビルディング界では賛否両論が有り、筋肥大だけに限ると事前摂取の方が効果的という考えやエビデンスが多い様に感じます。
 私は運動量によって摂取量を決める事が出来るため、どちらかというと事後摂取を勧める事が多いです。運動前に摂って結局運動しなかったでは思うような効果が出ないため、減量の場合には特にこちらとする場合が多いです。

 これは糖尿病などの食事療法で多い、食後に運動をする事とは考えが異なります。
 こういうものは何でも同じではなく、その目的により摂取の条件が変わります。
 運動の目的がどこに有るのかを明確にしないまま「食後に運動が痩せる。なぜなら糖尿病の指導がそうだからだ」「筋肥大は運動後の摂取が良い」「いや、事前摂取だ」となると本質を失ってしまいます。
 これは機会があれば改めて書こうと思っています。
 
 
 
 また、運動中の補給ですが、これは試合に合わせるのが大事と思います。
 例えばサッカーであれば水はいつでも取れますが、栄養の有る物はハーフタイムしか摂れません。これを練習時から楽な方法をしていると試合のときに困ります。
 マラソンなどでは走りながら飲む練習をすべきです。糖質が多い物ですと、掛かるとベタベタになります。
 このように試合の条件を考えてみる事が大事でしょう。

 また、このような運動中の摂取の場合には、5g 程度の糖質の摂取であればインスリンショックの影響はほぼ無いでしょう。そのためエネルギー源として働く糖質の摂取が重要と考えます。
 また、疲れると血糖値が下がると頭がぼーっとしてきて試合運びが上手く行かない事も有りますので、そういう意味でも糖質の摂取は重要でしょう。

 アミノ酸の摂取が重要かどうかは難しいところですが、BCAA などは筋肉中で代謝されるのと、気がしっかりする感じが有るので、無駄にはならないと思います。


 ビルダーの方は筋肥大時は運動中に摂取する方が多いですが、数時間にわたる長時間のトレーニングをする本格的なビルダーの方でない限り、私としては不要に思います。理由として一般的な方が2時間もダラダラとトレーニングをするようでは肥大効果も薄れると考えられる為です。
 そのためそういうレベルにまだ至っていない方がトレーニング中の摂取をしても、あまり意味が無いでしょう。

 また、このようなハードなトレーニングを長時間する本格的なビルダーの方の場合は、エネルギーの元である糖質を主とするのか、それともアミノ酸にするのか。どちらが良いかは条件により異なると思います。
 糖質や BCAA は上記の理由により集中がしやすいと感じます。EAA であればプロテインの事前摂取の方が効果的に感じます。
 
 
 
 一日を通しての全体の食事の組み立て方ですが、一般的には夕方に一日1回の運動でしょうから、朝昼は普通に食べて、おやつの時間で運動前の補食をし、運動をして、運動後に補食をし、家に帰って夕食、場合により寝る前の補食とする事が多いと思います。

 これらを一日中運動をする合宿のような場合には、運動に影響が出ない、運動の効果を出しやすい様に考えて、一日の食事のバランスを取ると良いでしょう。
 午前中の練習は慣れないと結構きついので、朝はあまり食べられない事も多いです。
 そのため、朝食(軽い事も多い)、午前の運動、運動後の補食、昼食、昼寝、補食、午後の運動、運動後補食、夕食、寝る前の補食などの形が多い様です。
 食べるか運動するかそれ以外は寝ている感じです。



http://hisajp.info/2008/09/post_67.html


http://hisajp.info/2008/09/post_69.html

 前回は運動時の食事のカロリーや PFC バランスについて書きました。
 今回はタイミングに付いて書きたいと思います。

 健康増進の為の運動であればあまり細かく考える事は無く、普通の食事のタイミングで良いと思います。

 しかし、負荷の強い運動、例えば競技の成績を向上させる為の運動や、シェイプアップやビルディング、肥大や減量を目的に沿って行う場合などは、ある程度きちんと考えた方が良いです。

 まず、カロリーが大幅に増えると3度の食事だけではまかなえないというのがあります。
 また、必要なときに必要なタイミングで摂る事が重要になります。

 これらのために、運動時の摂取では補食という考え方をする事が多く、これは3度の食事以外に運動の前後や寝る前の摂取などを指します。


 まず、カロリーですが、私の例で申し訳ないのですが、40 歳を超えて3度の食事をフルに食べたとして、1200Kcal * 3 で 3600Kcal としても、毎日食べていると疲れます。
 これを振り分けて、運動の前後、寝る前で 1000Kcal 振り分けたとすると、通常の食事は 2600Kcal で済むので、それぞれ 800Kcal * 3 程度で済み、毎回大盛りでなくても追いつきます。

 また、1食当たりが多いと、消化に時間がかかるのですぐには運動できなかったり、3度の食事だけで摂取しようとすると食事間が空きすぎてしまって
「お腹が空いて運動する気がない」
という事もあり得ます。

 この様に、3度の食事以外に食べたり、水分の補給やこれから行う運動の為のエネルギーの補給をかねて、フルーツジュースを飲んだり、増量に当たる時期であれば血中タンパク質濃度を高めておく為にプロテイン粉末を運動の前後に飲む場合も有り、それらを上手く考えると良いでしょう。

 また、運動直後では喉が渇いていて、筋グリコーゲンも枯渇している為、それらの補給を優先する事も大事でしょう。


http://hisajp.info/2008/09/post_66.html


http://hisajp.info/2008/09/post_68.html

運動時の食事1

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 運動時の食事は一般の食事の延長に有ります。
 通常の食事をきちんと整えた上でどうするかということが重要であって、サプリメントやプロテイン粉末に頼るべきでは有りません。

 信用できる会社の広告は、
 「食事をきちんと摂ってその上で不足する分をサプリメントやプロテイン粉末で補いましょう」というような書き方をしています。
 「バルクアップには BCAA や EAAを、プロテインの種類は云々・・・」
と食事全体を見ないで商品だけを書いてあるところの売り方は、私はあまり信用しません。

 今回は競技選手の場合は、準備期や移行期の様な身体を強化する時期。ボディビルダーでは肥大期(彼らは年中肥大期ですが、、、)の時期を想定しての話しです。
 競技者の場合の調整期、減量期、試合期。ビルダーの維持期や減量期のタームは若干摂取が減るので、それは別途に記す予定です
 ただし、タームが異なるとしても PFC バランスは摂取カロリーで計算して問題ないでしょう。
 
 
 
 運動時の食事を一般的な食事と較べてみると、
1、摂取カロリーが増える。
2、摂取に占める PFCバランス(タンパク質、脂質、炭水化物の割合)が変わる(エネルギーに占める割合として、脂質が増加し、タンパク質と炭水化物の割合が減少する)。
3、摂取のタイミング
が変わる傾向に有ります。

 この中で
「エネルギー摂取に占める割合で脂質が増加する」
と書いてあることが大事です。そういう会社さんはしっかりしている所でしょう。
 参照:下記ページの下段
http://hisajp.info/2008/05/post_719.html


 おおよその目安ですが、3500Kcal 〜 4000Kcal /日 を越える場合にこれらが重要になってくる様に思われます。

 これは摂取量を増やしていくと食べる量のガサ(容積と重量)が増えるのですが、例えば 1000Kcal のカロリーを増やす場合は、炭水化物(ご飯)で摂るには 600g 位必要になりますが、油の場合は 110g 程度で済みます。
 実際は 1000Kcal 増えるとしても双方で増える事になり、脂質だけを取る訳では有りません。

 これをご飯で摂った場合は消化に時間がかかり、胃もたれや練習再開に時間がかかるなどが有ります。

 ビルディングの場合としても 4000Kcal やそれ以上をは摂る事はありますから、どのような場合でも通常よりも摂取カロリーが多い場合は PFC バランスを見直す必要が有るでしょう。


 また、全体の摂取量が少ないと、運動を含む活動での消費が増えるため
「筋肉が育たなく脂肪だけが残る」
という現象も起こります。

 これは分かりにくいかもしれませんが、少ない栄養で強強度の活動を行っていると、糖新生の為の筋分解が多くなる為だと思われます。
 そのため、
「3500Kcal 程度の炭水化物が多めの食事を、脂質の摂取量を増やし 4000Kcal 程度に上げたら、筋肉は増え体脂肪は減少した」
というデータも有ります。

 短絡的に
「摂取が少なければ、脂肪が増加しないで筋肉だけが上手く増加していくだろう」
「タンパク質を多めに摂っていれば、脂質や糖質は少ない方が良いのだろう」
と考えるのは、あまり期待しない方が良いでしょう。


 また、摂取量が 6000Kcal や 8000Kcal/日 となると、さらに脂質の摂取の割合が増える傾向に有ると思われますが、人間はあまり脂質が多いと下痢するので、限界値は有ります。

 1食や1日、食べ過ぎたとしてもそういうのはあまり負担には感じませんが、それを遥かに超える量を毎日食べるとなると、苦痛になってきます。
 そういう事を実際に経験してみないと、勉強とは異なる場合も有りますし、広告とは遥かに違う場合も有ります。

 このような通常の数倍のエネルギー摂取を必要とする運動時の場合は、それに特化した専門家のアドバイスが重要でしょう。


 格言が有ります。
「胃の限界が、その人の限界を決める」。


前 
http://hisajp.info/2008/09/post_64.html


http://hisajp.info/2008/09/post_67.html

 セロトニンホルモンは精神の安定に働き、幸福感をもたらす物質です。
 これらは神経伝達物質または脳内ホルモンと呼ばれ、セロトニン以外にも20種類ほど有るのですが、何らかの外因により刺激が加わると比較的短時間で放出され、脳に働きかける性質があります。

 セロトニンの場合は幸福を感じたときに放出されるものですが、食物としては糖質や脂質からなる食物を舌の上に載せると一気に放出され、それにより幸福感を感じます。

 女性は男性よりも血中のセロトニンが少ないために、スイーツ(デザート)の甘い物を食べるとセロトニンが放出され精神が安定します。

 洋風のスイーツは、糖質(単糖やショ糖)と脂質が多いため、この為には最も効果的な食品と言えます。
 前述した様にこれは舌の上に載せると放出される為、脳は一気に活動が落ち着くのですが、たくさん食べるほど効果があるのかどうかは分かりません。
 洋風のデザートには単体当たりのカロリーが高い物が多いため、肥満に繋がる恐れも有ります。 

 和食ではスイーツの変わりにフルーツが出る事も有りますが、フルーツは脂質が少ない為にセロトニンの放出は洋風のそれと較べると少ないでしょう。当然カロリーははこちらの方が少ないです。

 ある程度の文明国では食後のスイーツは当然の事なので、これは少量を摂って満足して終わらすのが良い様に思われます。


 この糖質や脂質をカロリーの低い代替え物質とした場合は、ホルモンの分泌は明らかに少ないという報告が有ります。
 また肥満に関しては、人工甘味料よりも砂糖の方が低かったという報告が有ります。
http://hisajp.info/2008/02/post_667.html
 
 
 
 「デザートは別腹」と言う言葉が有りますが、それは好きな食物を見かけると、食べようとして胃の中にある食物の流動させ空間を作る働きがある事が知られています。
 そのためこの言葉は実際に生理的にある現象です。

 男性はこの言葉をあまり言わないのに対して、女性は言われるのが多いのかもしれません。「これは当然の権利である」と感じさせる響きがあります。

 また、これはデザートに限らず本人の好きな物を見れば同様の働きが有る様に思われ、「デザートは別腹」というよりは「好きなものは別腹」という方が正確に近いのかもしれません。
 そのため、酒が好きな人は酒を見ると別腹が出来るのかもしれません。
 
 
 
 太るか痩せるかは、結局は摂取カロリーと消費カロリーのバランスなので、カロリーが高いものが好きな方は上記の生理現象を認識された上で気をつけてください。

 痩せたいときは「デザートは別腹」と開き直らないで、適度に摂りましょう。


http://hisajp.info/2008/09/post_63.html


http://hisajp.info/2008/09/post_66.html

乳酸菌や発酵食品

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 日本は発酵食品が多種多様で、これほど多種多様の発酵食品が生活にとけ込んでいる文化は少ないと思われます。
 醤油や味噌の様な調味料から、納豆、漬け物(ぬか漬け、塩漬け、なれ鮨、粕漬け、etc)などがあり、どちらかと言うと植物性の調味料や発酵食品が多いです。
 乳酸菌がそのまま活きているものは、ぬか漬けのような漬け物に多く、醤油や味噌の様な調味料にはあまり含まれていません。


 近隣のアジアでは、東南アジアの魚醤、朝鮮半島のキムチ(唐辛子が朝鮮半島にわたったのはそれほど古くはないだろう、という説が有ります)、腐れ豆腐(中国文化)、少数民族の粕漬けのようなものを見かけます。


 それ以外の地域では、世界での主な発酵食品としては、乳製品を保存する為にヨーグルトやチーズのようにした物が多い様です。

 諸外国では日本よりヨーグルト菌が多いようで、例えばブルガリアではその辺りに生えている木を牛乳に漬けると翌日ヨーグルトになっていたり、アフリカでは羊の革袋に乳を入れて撹拌すると自然とヨーグルトに発酵したりと聞きます。
 私が体験したものとしては、東南アジアでは牛乳の容器のふたを暫く開けておいてその後撹拌すると翌日にヨーグルトになっていたりします。
 日本では種菌からヨーグルトを作る事が多いですが、諸外国ではそうしなくても自然と作れる事が多い様です。

 ヨーグルトに似たケフィアは発酵が止まらないらしく、そのため販売時に密閉できないので、日本では生ケフィアの販売は食品衛生上難しいと聞いた事が有ります。
 ちなみに私のブログの食事メニューではヨーグルトと書いていますが、実はケフィアです。知り合いの方からいただいています。
 
 
 
 乳酸菌は排便に有効と言われますが、以前見かけた日本の実験で「便秘の女子大学生にぬか漬けを1週間ほど食べ続けてもらったら便通が正常に戻った」というものがあります。
 ぬか漬けは植物性乳酸菌ですが、今若干流行りの野菜ヨーグルトも植物性乳酸菌で作られます。ぬか床を野菜ジュースに混ぜておくと出来ます。相当効く方もおられる様ですが、これは乳酸菌の種類とのその人とのマッチングの問題もあるのかもしれません。
http://hisajp.info/2008/07/post_20.html
 
 
 
 発酵させた乳製品では「カルシウムの吸収が良くなる様である」というレポートも有ります。確認はしていません。乳製品に限らず、発酵させた場合には何らかの吸収率の変化は考えられます。
 納豆菌による血栓予防効果も有名です。

 一人暮らしや都心に住んでいると、地方の様に自家製の漬け物が作りにくい場合も有りますが、ヨーグルトを摂る、納豆を摂る、小さめのぬか床を作る、野菜ヨーグルトを作るなど、比較的簡易な方法で乳酸菌食品を日頃の食事に取り入れる様にするのも方法と思います。

 「運動時における乳酸菌や発酵食品の、身体や運動能力への効果」というのは聞いた事が有りませんが、健康の為には摂った方が良い様なので、運動をされる方の場合も同様と思われます。



http://hisajp.info/2008/09/post_60.html


http://hisajp.info/2008/09/post_64.html

 精進料理は仏教に元をたどるものである。
 インドの宗教に基づいた同等の考えは、ヒンドゥー教やジャイナ教にある。
 ベジタリアンは宗教に関係のない英国ベジタリアン協会で作られた英語である。インドのそれが紀元に近いのかもしれないが、直接の関係は無い。日本語の「菜食主義者」はその英語を訳した言葉である。

 精進料理やヒンドゥー教などにあるその考え方にはいくつか違いが有るが、要約すると、
 「殺生をして食する事を禁じているので、動物は殺傷しなければ動物性タンパク質は禁じない。
 植物でも根で子孫を残す植物(球根類植物)は食べてはならない」
となる。そのため乳や玉子(これらはまだ生命が宿っていないと考える)は摂っても構わないし、ニンニクやタマネギのような球根類植物は摂らない。

 「ニンニクを食べるとギラギラして夜の界隈に行きたくなるだろうから、修行者は食べないのではないか」
 というのは、あまり正確ではないというか、どちらかというとかなり俗世の方向に間違っているので、そういう風に考えた人は日頃の行動を見直してください(笑)。

 ただし、宗派や考え方によって、
 「動物性はまったく摂らない」場合も有るし、
 「他人がその人の為に殺生した動物でなければ摂っても良い(仏教の一宗派)」というのもあれば、
 「ヨーグルトは乳酸菌が入っているから、食べると乳酸菌を殺生するのでダメ(インド周辺)」
 「牛乳を摂りすぎると子牛が乳を飲めなくて死ぬのでダメ(インド周辺)」
というようなものもある。
 
 
 
 ベジタリアンは後から作られた概念なので、アジア人やアジアの宗教(小乗仏教や大乗仏教、ヒンドゥー教やジャイナ教など)の殺生を基準としたものとは異なる。

 アジアのそれは基本的には殺生をしなければ良いのであって、逆に殺生に繋がるのであれば植物もダメなのだが、ベジタリアンの場合は動物由来の食材を摂ることを禁じることが基準となっている。

 このベジタリアンはいくつかあるのだが、ポピュラーなものは
 「ダイエタリー・ビーガン」(動物性を摂る事は厭わない)や
 「ラクト・オポ・ベジタリアン」(乳製品や玉子は問わない)で
ざっくり言うと、野菜がメインな和食に少しの肉類や乳製品や玉子を加えるようなものである。

 場合により「魚介類」はダメな事があるため、「鰹節のだしのみそ汁はダメ」となるものもある。

 「ヴィーガン」は完全菜食主義者に分類され、動物性由来は摂らない。蜂蜜もダメとなる。
 この人たちはかなりマニアックで、日本で暮らすには相当大変である。私も実験してみたが、お金が掛かった。


 このように「ベジタリアン」は宗教に由来する概念ではないので、それ以外にも
「哺乳類を摂らなければ良い(玉子、牛乳、鳥、魚介は可)」
「自然食主義者(加工食品はダメ)」
「液体しか摂らない(水、ジュース類、乳製品は可)」
など、殺生を基準とする精進料理とは発展の仕方が相当異なる。



http://hisajp.info/2008/09/post_58.html


http://hisajp.info/2008/09/post_63.html

 和食では前旬、旬、後旬でそれぞれ旬の食材を取り入れる様に考えます。
 フレンチやイタリアンにも旬の考え方があります。

 日本では猟をした食材はあまり手軽ではなく高価ですが、冬場の鴨が代表的な食材でしょう。
 日本の都市部に住んでいると機会が少ないですが、日本や外国の地方では、家庭で家畜をさばいたり、猟の獲物が食卓に上がる場合も有ります。
 フレンチのジビエは都市部で食べやすいものでしょう。


 例えば和食とフレンチでは同じ食材でも旬と呼ばれる季節が異なります。牡蠣やスズキなどが代表的な例でしょう。
 しかしこれらはそれぞれの料理の歴史の中で、おいしい食べ方として確立され定着した季節が違うのであって、その季節に地場で採れた食材をおいしく食べている事は同じです。


 私は旬の食材は地場の食材が好ましいと考えています。それは地場の食材は季節が同じだからです。


 今は世界中から食材が空輸されるので、季節が反対の南半球からの食材も多いです。
 南半球は日本とは季節が逆なので、日本が夏の間は冬の食べ食材が届きます。
 オーストラリアは赤道に近い地域も有るので、夏に近い食材も有るのだと思いますし、温暖なため冬でも寒くないです。
 チリ産の鮭は私もたくさん食べてますが、本来南半球には鮭はいません。それを養殖しています。これは方向性がずれるのでここで止めます。


 野菜や果物は、本来は夏のが冬に出回り、その逆も有ります。本来の旬がいつなのか分からない子供も多いです。大人も同じかもしれません。

 肉は冷凍ものが普通に出回っていて、いつさばいたのかは分かりません。数ヶ月や数年前のものもある様です。
 しかし肉類は野菜や果物ほど、取れた季節と体調に与える影響は関連性が少ないないような気がします。

 魚介は、季節を感じられる食材はおいしいです。これらは近海魚で地場の食材が多いです。
 冷凍物や南半球の食材も相当有りますが、それはマグロの様な遠洋漁業の食材や、近海でも漁獲量や漁獲期が決まっている秋刀魚や烏賊に多い様に感じます。
 遠洋物は難しいにせよ、出来れば地場の旬の食材を摂る様に考えています。
 個人的には、しんこはその時期にお寿司屋さんでいただきたいですし、梅ホトトギスのカツヲが好きです。
 
 
 
 なぜ私がこのように季節や旬にこだわるかと言うと、これは「トマトのリコピンは抗酸化作用が強くて良い」というような記事(広告)が10年くらい前に大きく出された事が有りました。
 そのときはトマトのリコピンだけを挙げ、季節に関わらず抗酸化作用だけを挙げ、真冬でもそれを勧めていました。
 そのときに異に感じて以降、徐々に今の様に考える様になりました。

 実際のところは原材料がなんであろうが(野菜、肉、乳、魚介、石油)、精製された物質となるとそれは原料に関わらず同じ効果を発揮すると考えられています。
 例えばグリセロール(グリセリン)は石油が主な原料です。それを口にする事も有ります。しかし精製されているので問題ないです。
 
 
 
 私が考えたのはこの原材料や精製の問題ではなく、「トマトにリコピンが多いのは夏に必要なのだからではないか?」と言うところに有ります。

 真冬にスイカを食べたいか、というと私はそう思わないです。
 それは、冬に悪いとまでは言わなくても、他に適した食材が有るからではないか。
 また、夏に必要な成分は夏の食材に多いのではないか。
 それであれば、逆の季節に多く摂れる精製された物も同様に、必要の度合いは少ないのではないか、と考えたからです。

 実際にカリウムなどは夏の食材に多く含まれます。
 同じく、リコピンの抗酸化作用も同様に夏の食材に多く含まれ、それには何らかの必要性があるのではないかと、私は考えています。


 旬の食材は旬のときに必要な成分が含まれていると私は考えています。
 しかし科学的に言うとまったく根拠は有りません。

 しかしその上で、人間の食べてきた物の流れの中でいうと、今まではそうしていてそれが当然の事だったから、それを考えている研究者の方がおられないのかもしれません。
 そのため、このような考え方はあまり研究者の対象となっていない様に感じます。

 学術的には栄養のバランスが取れていれば良いのであって、病院や学校のような機関の食事は予算も有る為か、地場物の旬の食材はあまり見かけないと感じる事も有ります。


 この頃は近郊では農家の直売所も増え、普通は市場に回らないような規格外の野菜が安く売られています。
 都心部ではこのような方法は難しいかもしれませんが、旬の食材、地場の食材、と言う事に少し目を向けると、色々面白いと思います。



http://hisajp.info/2008/09/post_48.html


http://hisajp.info/2008/09/post_60.html

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