女性のトレーニングの特有点の最近のブログ記事


 女性用トレーニングベルトのモニター販売させていただきます。

・モニター商品の色は、黄色と黒です(赤はサンプルとして載せさせていただきました)。

・サイズは 62.5cm です。

・調整幅は 2.5cm(1 inch)刻みで、狭い方に4穴で 52.5cm(中心穴より -10cm)、広い方は5穴で 75cm(中心穴より +12.5cm)となっています。全10穴です。

・使用幅としては、ぎりぎりよりは中心より3穴以下程度の方が、背の広い部分の幅が合いやすいですが、若干絞り込んで使用する場合が多いので 1 ~ 2inch 程度狭い位置で使用する方が多いです(素で 65 cm の方の場合は 60 ~ 62.5cm で使用する場合が多い様です) 。

・ハンドメイドのため、若干ばらつきがあります。

・委託工場は装飾用ベルトやオーダーハンドバッグを作っている所で、国内製造です。
(一般流通品はパキスタンなどの東南アジアの国々の製品が多い様です)。

・修理等は、製品版と同様に行える限りケアさせていただきます。

・黒の商品は模様加工をしてあるので、他と比べ若干硬めです。

・裏側は同じなので、主に赤色のものの裏側の写真を載せてあります。


 ほぼ完成型ですが、モニター使用していただき市販に向けて最終調整したいと考えています。
 ご使用いただき、3回程度メールでのレポートをお願いします。
 商品版は 1万円中ほどの予定ですので、モニター価格は ¥10,500- でお願いします。

 拙プロフィールページ下段よりメールでお問い合わせください(スパムメールが増えるのでお手数ですがこちらからお願いします)。肉漢ユーザーの方の場合は PM でも結構です。
 http://hisajp.info/hisa.html

 お申し込みが多数の場合は、抽選とさせてください。
 
 
 
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(全色 黄色、赤、黒)
 
 
 
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黄色
 
 
 
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 女性用トレーニングベルトのサンプル品が上がりました。

 色は黄色、赤、黒(模様付き)です。
 サイズは 62.5cm で、52.5cm 〜 75cm まで使用可能です。
 国産です。

 写真の商品(3本のみ)をサンプル販売します。詳細は次回アップさせていただきます。
 赤は売約済みです。
 


 今回一連で書きたかったのはここです。

体重比挙上重量と疲れ具合の違い

 筋の刺激(トレーニングの強度)は RM 負荷で数値で表します。
 この負荷を与えないと、「筋に目的の変化が現れない」と言う数値です。

 全身の負荷としてトレーニング強度は、「疲労困憊に至る」のような疲れ具合で表し、これは数値化されません。
 また、このような言い方で強度で表現するトレーニングは、どちらかというとインターバル走などで多く使われ、レジスタンストレーニングではあまり見かけない様に思います。


 私は、レジスタンストレーニングでは、体重比挙上重量と疲れ具合はかなり近いと思っています。

 また、挙上重量は限界重量以上は挙がらないので、
「きのう迄体重の半分も出来なかったけど、今日から気合いで体重の2倍を挙げる」
と意気込んでも、それに至っていないと当然無理です。

 そのため女性の場合は男性のような負荷にならない事がほとんどで、
「女性は疲れようにも、男性の様に疲れようが無い」
といえます。


 トレーニングを積んでくるとやがて負荷は増えるのですが、

・競技選手の場合は競技成績の向上に繋がるトレーニングをしたいので、成績に繋がればトレーニングの負荷は増えていき、そうで無い場合はそのトレーニングそのものを省く事があるので、負荷への見方が肥大目的とは違うところにある。

・女性ビルダーの場合は、筋肥大そのものが目的となり、挙上重量も相当上がるので、男性と同じ様な疲れ具合となる。

といえます。

 しかし一般的なシェイプアップを目的とする女性の場合は、そういう筋肥大の追求が必要かと言うと大抵はそうでもありません。そのため
「それぞれの部位のシェイプアップの為に必要な強度」
となると、負荷が際限なく上がる訳ではなく、またその必要も無いと言えるでしょう。

 シェイプアップで始めたトレーニングを重ねていくうちに身体の変化が面白くなって、
「いつの間にか選手になっていた」
と言う方もおられますので、その道もお勧めです。


 男性の場合は素で強度が高いので、
「男性に必要な強度のトレーニングをするだけで相当疲れる」
というのがお分かりいただけたとと思います。


 こういう為かどうか分からないのですが、同じようなプログラムでトレーニングをすると、トレ直後の疲労度や、ちょっと時間が経ってからの回復は男女でそれぞれ違い、男性は疲労が暫く続く傾向があり、女性は男性よりも疲労からの回復が早いように感じています。

 そのため、初心者の段階では男女とも同じようなプログラムで出来ますが、

・男性はある程度の期間トレーニングをしたら、主要種目一つとそれに付随するパーツ単位でのトレーニングに分割し、部位ごとに日を改めて行い、それぞれの強度を高める方が疲れも少なく効果も現れやすい。

・女性は全身を動かす主要種目を活用し全体の強度を上げ、分割の内外で多少の部位の重複があってもその方が効果が現れやすい。細かく分けすぎると、内分泌系に必要な強度が高まらずに、却って効果が現れにくい。

という違いや傾向がある様に感じています。

 もちろんこれらはその人の求める目的な必要な強度によって変わります。そのため女性ビルダーとなると別でしょう。
 
 
 
肥大と減量の両方に同じ傾向は当てはまる

 減量をする前に肥大をした人はある程度の段階から減量をするのですが、その時点で男女とも数ヶ月感のトレーニングをしている事になります。

 負荷の差は、肥大時であっても減量時であっても、そのまま当てはまります。
 減量時の筋の維持に必要な負荷の強度を、私は「 60% 1RM 程度」と考えているのですが、その負荷でスクワットやデッドリフトをした場合の疲労感は男女で相当違います。

 それぞれの負荷を計算すると、以下の様になります。
 前の数字が1年くらい経験を積んだ人の例で、()かっこ内が初回の数ヶ月間の筋肥大後の数値です。

 男性の場合は、
・スクワットは体重の 120%(初回の筋肥大後の減量では100%)
・デッドリフトは120%(同、100%)
程度となり、

 女性の場合は、
・スクワットは、体重の 70%(同、50 ~ 60%)
・デッドリフトは、体重の 70%(同、50 ~ 60%)
となります。

 初回の数ヶ月間の肥大の場合は、男性の方は女性に較べ肥大効果が高い様に思います。
 これは男性は大抵若い頃に多い食事量を経験しているのとまたそれを増やす事に抵抗が無いのと、女性は大量に食べる経験が男性より少ない事とそれ自体に抵抗がある事に起因する様に思います。

 そのため数ヶ月の時点での筋肥大は、どちらかと言うと「女性の方が肥大の達成度が低い」と感じます。

 これらにより減量時に 60% の筋出力のトレーニングをするとしても、
・男性はスクワットやデッドリフトでは体重と同じかそれ以上を挙げないとならない
のに対し、

・女性は体重の 50% ~ 60% の負荷で、得られる効果が男性とほぼ同じ
と言えると思います。
 
 
 
性差による減量方法への応用

 女性の場合は、

・減量時に体脂肪の分解を狙う為に成長ホルモンを出すプロトコルは、筋肥大時と同じスクワットやデッドリフトの主要複合種目を 10RM プロトコルで行っても、疲労の回復や消費量からみても、あまり差し支えないだろう。

・減量時の筋グリコーゲンが不足している状態では 10RM 強度自体が肥大時の 60% 1RM 程度に当然下がっているだろうから、相対的な 10RM 負荷はほぼ問題なく保てるだろう(RM とは相対的な負荷なのです)。

・そのためこれら主要複合種目の後に脂肪燃焼プログラムを組み合わせる事で、筋の保持と脂肪分解と燃焼がある程度行えるだろう。

・これらの基礎に過不足分をアジャストする事でほぼ満足のいくところ迄整えられるだろうから、抜本的に方法を変える必要は無いだろう。

 と考えています。


  男性の場合は、

・男性の方が疲労度が高いので、このような全身種目を用いるプロトコルは使いにくい。

・そのためこれらでは強度を下げ別な方法と組み合わせるか、減量方法そのものを上記プロトコルから離れて考える方が適切であろう。

 と考えています。

 また、実際に男性ビルダーの場合はそのようにしている例が多いと感じます。
 
 
 
纏めのようなもの

 これらにより、性別に関わらず、筋量が増えるほど、減量の質も方法も、難しくなる様に思います。

 筋量は性差での違いが大きいため男女で表す事が多いですが、根本的な理由としては上記にあるのではないかと考えます。

 競技者でない一般的な女性の方が、レジスタンストレーニングでシェイプアップをしたり、またはその技法を減量に活用するのは過去にあまりないことですので、これから様々な可能性が見いだせるのではないかと考えています。



http://hisajp.info/2009/04/post_248.html


筋出力の性差

 通常のトレーニングは負荷は RM で表します。
 10RM 負荷は 75% 1RM 程度です。

 1RM 出力がその人の持つ最大筋力で、これは筋の断面積で変わります。

 そのため同じ体重でも筋肉の付いている部位の違いで、
「あの人は脚が強く、この人はベンチプレスが強い」
ということに繋がります。

 また、全身の骨格筋量が多い人は、全身の骨格筋量が少ない人と較べ、体全体の最大筋力が強いです。
 これは性差や年齢差に現れ、男性は女性よりも、大人は子供よりも、力が強いとなります。
 
 
 
体重比挙上重量と言う考え方

男性

身長 168cm
体重 65.9kg
平均 BMI 23.34

骨格筋量(45%) 29.7kg
体脂肪(20%) 13.2kg 
臓器骨格(35%) 23 kg

---------------------------------------------------------
女性

身長 155cm
体重 53.5kg
平均 BMI 22.26

骨格筋量(35%) 18.7kg
体脂肪(25%) 13.4kg 
臓器骨格(40%) 21.4 kg 
---------------------------------------------------------


 さて、今迄説明した中で、
・男性は女性に較べ骨格筋量が多い
・筋の出力は、筋の断面積で変わる
・筋の実行出力は、ある程度迄は非常に効率的に増える

ということが分かります。これは

・筋を増やすには今迄以上の負荷が必要になる
・負荷が多くなると、疲労も多くなる

ということに繋がります。
 
 
 
男性の体重比挙上重量

 それは体重比挙上重量に現れ、例えば男性の1RMの場合は、

・ベンチプレスは、体重 120% かそれ以上
・スクワットは、体重の 150 ~ 200%
・デッドリフトは、体重の 200% を越える
位はほぼ誰もが挙げられる様になります。

 スクワットは、バーが肩に乗り体重の重さが加わる為、実際にそれを上げるのは怖い事もありますが、レッグプレスのような体幹が保持されている種目ですと、体重の 2倍くらいは誰もがいけるようになります。人に寄ってはトレーニングをしていない素の状態でも問題なく出来ます。
 デッドリフトも同様に重いのは怖いと言うのはあります。

 10RM 重量はこれに比例して多くなり、
・ベンチプレスは体重と同じ
・スクワットは体重の 120~150%
・デッドリフトは150%
くらいを扱わないと、それ以上の肥大が進まないとなります。

 このような負荷となると、筋肉に必要なだけの刺激を加えると、全身がそうとう疲労します。
 筋肉そのものとしてみると、それでも不足しているように感じる事もあります。
 
 
 
女性の体重比挙上重量

 ところが女性の場合は、全身の筋肉量が遥かに少ないので、1RM 重量が
・ベンチプレスは、体重の 90%
・スクワットは、体重の 120%
・デッドリフトは、体重の 120%
くらいに達すると、それはかなりトレーニング効果の出ている人です。
 女性の一般トレーニーの方ですと、ここに至るのは相当大変だと思います。


 ここに至った場合の筋肥大トレーニングの負荷を 10RM で計算すると、
・ベンチプレスは、体重の 70%
・スクワットは、体重の 90%
・デッドリフトは、体重の 90%
となります。

 筋はこれらの負荷で充分な刺激が加わりますが、全身的な疲労度は体重比で小さい重量を扱うとそれほど多くない様です。



http://hisajp.info/2009/04/post_247.html


http://hisajp.info/2009/04/post_249.html


骨格筋量が最大まで増えると筋出力の効率が落ちる

 前ページの話しと異なるが、
「骨格筋量が最大まで増えると筋出力の効率が落ちる」
というのもある。

 本当はこの辺りは骨格と筋の話しで書くべきであるが、それを書ける迄私が至っていないので、先にここで書きたい。

 筋にはいくつかの形状があるが、このような例はすべてに該当する訳ではないが、主な骨格筋には当てはまりやすい。


紡錘筋の例

 紡錘筋の代表は上腕二頭筋(力こぶの筋)で、これは「わらずと納豆」のような形をしている。他には大腿二頭筋(裏もも)なども知られている。

 この筋のなかのそれぞれの筋線維は筋肉と同じ方向に伸びていて、筋の中央部が太く両端が細くなり腱となって骨と骨に付着していている。
 筋線維の収縮と、筋の全体の収縮が同じ比率で起こる。

 紡錘筋は骨の上に乗っているようなものなので、全くの紡錘状になる訳ではない。まな板の上にタラコを一腹乗せたみたいに、上側は紡錘状だがまな板に接している面は平面となる。
 そうすると、骨に面している方は収縮するとそのまま 100% 力が発揮できるが、骨から離れている側の力効率は悪くなる。
 これは筋が太くなるほどこの傾向は強まるので、骨格筋が肥大していくほど断面積がふえても骨格末端から発揮される出力は増えなくなり、やがて飽和する。

 しかし、筋そのものの収縮力は断面積の増加とともに増えていくので、骨への負担は比例して増えるとなる。
 そのため「筋トレで骨折」という話しもあり得る。


羽状筋の例

 羽状筋の代表は大腿四頭筋(前腿の筋)である。
 これは「羽」のような形をしていて、左右の両端から中央に向かって斜めの方向で筋線維が纏まっている。
 筋線維が収縮すると、筋の中の羽の方向で収縮し、それが全体で纏まって、筋の全長方向が収縮する。

 筋線維が1縮んだとして、筋全体としては 0.5 くらいしか縮まない。
 そのため筋の生理断面積当たりの力は、紡錘状筋よりも強い。
 バレーボールのような相手の動きを見てジャンプする様な場合に、一気に動きやすい。


  l
 \l/
 \l/   この  \/ がそれぞれの筋線維。
 \l/   真ん中の l に力が集まり、上下に力が発揮される。
 \l/   これらすべての筋線維が纏まって1つの筋肉を成し、筋力を発揮する。
 \l/
  l

 このそれぞれの筋線維の角度を「羽状角」と呼ぶが、それが浅くなってくると筋線維が縮んでも実際の全長の収縮の効率が悪くなる(真横に広がるのだと、力が合成されなくなる)。
 筋線維が最大に肥大してくると、それぞれの筋線維が太くなるので、ひしめき合って羽状角が浅くなる様な感じである。
 そうなると上の紡錘状筋と同じ様に、力の発揮効率が悪くなってくる。


膜状の筋などではこれらが該当しにくい

 骨と骨の間を結ぶ膜状の筋には、横隔膜や腹直筋、肋間筋のような部位がある。それぞれの正式な呼び名は膜筋や多腹筋などと呼ばれる。
 このような筋の形状は肥大しても動きを妨げるほど厚くならないし、また、起始部停止部も筋肉と同じくらい長いため、肥大する事により力の効率が下がると言う事はあまり考えられにくい。


筋肉中の筋線維以外のコラーゲンなどが増える事もある

 筋肉はすべてが筋線維な訳でもなく、筋線維の間にコラーゲンなどの物質が増える事もある。
 これは筋肥大トレーニングなどを行い筋線維を破断をさせると、その補修(筋のタンパク同化作用)がすぐには済まないためとりあえずコラーゲンで満たす事が多い。
 筋線維の修正が直らないうちにこれを何度も繰り返すと、そのコラーゲンはある程度長い間そこにとどまる事が多い。

 そうすると、筋の断面積が増えても実際に力を発揮する筋線維がすべででないため、出力は増えない事がある。


 これらにより、筋の断面積が増えてもある程度以上は有効な力として発揮されない事もあり、またコラーゲンで太くなったときは筋線維の力の発揮そのものが強まらない事もある。
 
 
 
骨格筋量が少ない方が力発揮効率は高いと言えるが、安全や活動の為にはある程度多い方が良い

 このように骨格筋は量(正式には断面積)が増えても、ある程度以上は有効に働けないとなってくる。
 そのため、筋の力発揮の効率だけで言うと、「筋肉が少ない方が効率は高い」とも言える。

 しかし人間には、直接の身体行動活動に使われない頭や内臓のような部位もある為、これは活動時には負担となっている。
 筋肉量が人よりも少ないと、それらを支えるだけで筋肉の力のほとんどを発揮してしまう様になる。
 高齢者の方で筋の総量が減ってくるとこのような具合に近くなる。
 また、首のムチ打ちのような症状も増えやすくなる。

 そのため、筋肉の出す力の効率としては少ない方が高いと言えるが、通常の身体活動の安全の為の必要な筋肉量、それを大きく越えてのスポーツやビルディングなどに必要な筋量と言うのはそれぞれ異なる。
 

http://hisajp.info/2009/04/_1_2.html


http://hisajp.info/2009/04/post_248.html


 今回は男女に関わらずの筋肉の話しである。
 これをしないとつぎに進めない。


男女の筋肉増加割合

 さて、おなじみとなった表を再度使わせていただく。

---------------------------------------------------------
男性

身長 168cm
体重 65.9kg
平均 BMI 23.34

骨格筋量(45%) 29.7kg
体脂肪(20%) 13.2kg 
臓器骨格(35%) 23 kg

---------------------------------------------------------
女性

身長 155cm
体重 53.5kg
平均 BMI 22.26

骨格筋量(35%) 18.7kg
体脂肪(25%) 13.4kg 
臓器骨格(40%) 21.4 kg 
---------------------------------------------------------

 これが平均的な男女としよう。
 
 この状態から筋肥大トレーニングを理論的に行ったとすると、男性の場合、1年間で体重が 10kg くらい増える。


 「女性の場合は男性と較べ筋肥大しにくい」と言う説明を見かける事があるが、私はあまりそう感じない。

 私なりに書くと、
・女性は男性とくらべ、肥大スピードは若干落ちるかもしれないが8割はいく
・女性は男性とくらべ、早い段階で、増量期間、増量体重ともに頭打ちがくる
と言う具合だ。

 明確なエビデンスを持って言うのではないが、
・男性は1年で10kg 増え、2年目に 5kg、3年目に 3kg のように増加し、10 年間以上掛けて最終的に 20kg かもっと増える
・女性は1年で8kg 増え、2年目に 2kg、3年目にはあまり変わらなくなり、数年間で 10kg くらいで頭打ちになる
という感じである。もちろんこれは体重比なので、元々大きな人の絶対量はもっと大きいと思う。

 生理的には女性にはもっとポテンシャルがあり骨格筋量は増えるのだと思うのだが、そうしたい人があまりいないような気もするので、ちょっと分からない。
 どこかでトレーニングの質と量や摂取量を落としているように、何となくそう思う。
 なぜなら、摂取量を制限しない(食べ過ぎ)での重度肥満は、双方ともあるからである。原因が肥満でも、活動(仕事などの労働)をしている限り、体重が増えるときは骨格筋量は大抵比例して増える。

 また、性別に関わらず、ある程度から上はなかなか増加しない。
 
 
 
骨格筋量が 1% 増えると、出力はその数倍増える

 「骨格筋量が 1% 増えると、出力はその数倍増える」
と言う件だが、ほとんどの皆さんはそのように感じておいでなのではないかと思う。

 これは最初の順応期は含まないが、それ以降の筋肥大期の出力(挙上重量)は、体重増よりも遥かに増えるのが実際である。

 例えば、男性の場合、何もトレーニングしていなくても、ベンチプレスは大抵体重くらいは挙上できる。
 今回は、トレーニング経験の無い体重 65kg の男性は、ベンチプレスで 65kg を1回挙上出来るとしよう。

 さて、その後トレーニングを積み体重が 75kg になったとする。
 その場合、ベンチプレスの挙上重量は、100kg かもっと増える。130kg くらい迄いくかもしれない。

 この場合、増えた 10kg の 20% のうち体脂肪率が同じだとすると、8kg が筋肉となる。
 この増えた分は大胸筋や上腕三頭筋だけに付くのではなく、大腿や臀部にも付く。
 逆に上半身だけのトレーニングだと、1年経ても 5kg 程度しか増えない。多分もっと少ない。

 その 8kg の筋肉のうち 3kg が上半身に付いたとしても、胸と肩と腕などのベンチプレスに直接必要な部位で 2kg の筋肉が増えたとしよう。
 ベンチプレスに直接使う部位の筋肉が 2kg 増加したとして、100kg くらいのベンチプレスは挙上できたとすると、挙上重量は最低 35kg くらいは増え 150% に至るのである。

 計算が面倒なので、その部位の筋が 2kg 増えて、挙上重量は 40kg 増える。
 こういう計算が適切なのかどうか何とも言いにくい気がするのが、効率は 20倍(2000%)となる。
 
 
 
骨格筋量が 1% 減ると、出力はその数倍減る

 これはそのまま逆にも当てはまる。

 女性の場合、トレーニングをしていない方がベンチプレスをすると、体重の 50% まで届かない事が多い。体重 53.5kg として 30kg (56%)はかなりきつい。やはり 25kg くらいが精一杯であろう。

 素の状態のこの例の男女を較べたとして、ベンチプレスでは、男性は体重と同じだけ(100%)を挙げ、女性は体重の半分くらい(50%)しか挙げられない。

 体重差は 81% で、骨格筋量は 62% で、体重比挙上重量は 50% となる。
 体重や骨格筋量の減少率よりも、体重比割合の挙上重量の減少率が遥かに大きい。

 骨格筋量が 1% 減ると、出力は数倍減る。

 男性が 20kg プレートを片手で交換しても、女性にそれが難しいのは当然なのである。
 
 
 
筋肉は効率が良い機関

 要するに、筋肉と言うのはすごい効率の良い機関で、1% 増えると出力はその数倍増えるのである。


 この先があり、もっと面白い話しになる。
 このあと、女性の優位点が出てくるから、ちょっと待ってほしい。


http://hisajp.info/2009/04/post_246.html


http://hisajp.info/2009/04/post_247.html


同じ身長で男女の筋肉量を計算してみると

 前表と同じ割合で、同じ身長で筋肉量を計算してみると次の様になります。
 168cm で計算してみましょう。

---------------------------------------------------------
男性

身長 168cm
体重 65.9kg
平均 BMI 23.34

骨格筋量(45%) 29.7kg
体脂肪(20%) 13.2kg 
臓器骨格(35%) 23 kg

---------------------------------------------------------
女性

身長 168cm
体重 62.8kg
平均 BMI 22.26

骨格筋量(35%) 21.98kg
体脂肪(25%) 15.7kg 
臓器骨格(40%) 25.12 kg 
---------------------------------------------------------

 これらで同じ身長としても、体重と骨格筋量を比較すると
男性
 体重 65.9kg
 骨格筋量 29.7kg

女性
 体重 62.8kg
 骨格筋量 21.98kg

となり、これらにより同じ身長の女性は男性と較べ、

・平均体重が 3.1kg 少ない(95%)
・平均的な骨格筋は 7.7kg 少ない(74%)
となります。
 
 
 
同じ体重の男女で骨格筋量を計算してみると

 前表と同じ割合で、同じ体重の男女で骨格筋量を計算してみると次の様になります。
 65.9kg で計算してみましょう。

---------------------------------------------------------
男性

身長 168cm
体重 65.9kg
平均 BMI 23.34

骨格筋量(45%) 29.7kg
体脂肪(20%) 13.2kg 
臓器骨格(35%) 23 kg

---------------------------------------------------------
女性

身長 172cm
体重 65.9kg
平均 BMI 22.26

骨格筋量(35%) 23.07kg
体脂肪(25%) 16.48kg 
臓器骨格(40%) 26.35 kg 
---------------------------------------------------------

 これらで同じ体重 65.9kg としても、身長と骨格筋量を比較すると
男性
 身長 168cm
 骨格筋量 29.7kg

女性
 身長 172cm
 骨格筋量 23.07kg

となり、これらにより同じ体重の女性は男性と較べ、

・平均身長は 4cm 高い(102.4%)
・平均的な骨格筋は 6.63kg 少ない(77%)
となります。

 同じ身長で計算したときと、ほぼ変わらない数字です。
 
 
 
男女が同じ骨格筋量になるには、女性はどのくらいの体格が必要か

 前表と同じ割合で、同じ筋肉量になる様に計算してみると次の様になります。
 骨格筋量 29.7kg で計算してみましょう。

---------------------------------------------------------
男性

身長 168cm
体重 65.9kg
平均 BMI 23.34

骨格筋量(45%) 29.7kg
体脂肪(20%) 13.2kg 
臓器骨格(35%) 23 kg

---------------------------------------------------------
女性

身長 195cm
体重 84.9kg
平均 BMI 22.26

骨格筋量(35%) 29.7kg
体脂肪(25%) 21.2kg 
臓器骨格(40%) 33.9 kg 
---------------------------------------------------------

 これらで同じ骨格筋量 29.7kg としても、身長と体重を比較すると
男性
 身長 168cm
 体重 65.9kg

女性
 身長 195cm
 体重 84.9kg

となり、これらにより同じ骨格筋量の女性は男性と較べ、

・身長は 27cm 高い必要がある(116.1%)
・体重は 19kg 多い必要がある(113%)
となります。

 同じ骨格筋量にすると、このくらいの身体が必要となります。
 ただし、骨格筋量が同じとなっても、体重は比例して同じ割合で増えるので、余計な負担も増えます。

 そのため、体組成としてだけ考えてみた場合、女性が男性と同じだけの行動能力を持つには、もう少し身体が大きくないとならないとなります。
 
 
 
同じ行動能力の計算は可能なのか?

 この計算は難しいです。
 19kg の重りを持って同じ行動能力は計算が出来るのかと言うと、負担率などが様々に増える為、「計算できない」と言う方が正しいと思います。

 これらは、筋肉と他組織を較べただけのもので、運動神経や特定の活動への慣れは含めていません。
 そのためこれらは「男女の能力の差」と言う比較ではありません。

 ただし、単純に身体面から見た場合は、このような違いがあるという例に使えると言えます。



http://hisajp.info/2009/04/post_245.html



http://hisajp.info/2009/04/_1_2.html


 女性の骨格筋量は、男性と較べ 10% 程度少ないと言われています。

 これは、
1、体脂肪が 5~10% 程度、男性より多い。
2、子宮や卵巣などの女性特有の臓器がある。
ためと言われています。

 男性の骨格筋筋量は特に運動やトレーニングをしていなくても体重の 40% よりは多く、45% 位はほぼ確実にあると思えます。
 今回はその正確度を求める話しではないので、この 45% という数値を基準として考えていきます。

 また、平均体格は以下のページより得られるデータの平成12(西暦2000)年の、 26歳 〜 69 歳までの単純平均とします。
 肥満率をみると、「普通」がほぼ7割あるため、26歳 〜 69 歳までの単純平均をそのまま用います。

http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/kouhyo/indexkk_14_7.html
統計要覧第2−7表 身長・体重の平均値,性・年次×年齢別
統計要覧第2−6表 肥満の状況(BMI),年齢階級×性別
資料:健康局「国民栄養の現状(平成12年国民栄養調査結果)」


 これらより、
・男性は、身長168cm、体重 65.9kg
・女性は、身長155cm、体重 53.5kg
とします。

 骨格筋量は、男性の 45% を算出基準とします。
 体脂肪率は、男性を 20%、女性は 25% とします。
 臓器骨格は、男性はこれらを差し引いた残量の 35%とし、女性はそれに 5ポイント増やした 40% とします。
 これらにより女性の骨格筋量は 35% となります。

 これらで平均的な像を算出してみると次の様になります
(小数点以下2桁で四捨五入で、合計が増える場合は臓器骨格を 0.1kg 減らす)。

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男性

身長 168cm
体重 65.9kg
平均 BMI 23.34

骨格筋量(45%) 29.7kg
体脂肪(20%) 13.2kg 
臓器骨格(35%) 23 kg

---------------------------------------------------------
女性

身長 155cm
体重 53.5kg
平均 BMI 22.26

骨格筋量(35%) 18.7kg
体脂肪(25%) 13.4kg 
臓器骨格(40%) 21.4 kg 
---------------------------------------------------------

 これらで平均的な骨格筋量は
・男性 29.7kg
・女性 18.7kg
となります。

 これらにより女性は男性と較べ、
・平均体重が 12.4kg 少ない。
・そのうちの骨格筋の減少量が 11kg で、88% を占める。
となります。



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