トレーニングプログラムの組み立て方の最近のブログ記事


 競技のトレーニングをしている人よりも、競技以外のトレーニングをしている人の方が、割合としては遥かに多いと思う。
 
 
 
 競技選手の場合は、年齢的な制限が現実としてあることや、他者より良い成績を出すトレーニングを行う必要があり、またそれが何らかの数値(成績)で他選手と比較される。
 人によってはそれが年収や将来設計にも関与してくる。
 そのため早いうちになるべく良い成績を出したいが、かといって若すぎるうちに負荷をかけすぎると、自ら芽をつぶしてしまう。
 ある程度進んでからもハードなトレーニングや練習を継続する必要があり、健康度としては不確かなところもある。


 次に、競技選手と一般の人との中間のようなところとして、音楽や俳優のような職業がある様に思う。
 この場合は、年齢を重ねてもそれが売りになり、絶対的な比較出来る成績が存在しないので同業他者とそのまま競合する訳でもない。視聴率などの数値もある。
 健康的なものとしては本人の生き様や芸風に因るものも含めて芸とも言えるので、他人には何とも言えない。ただしファンの健康意識に対する好き嫌いはある。
 ただしアクション系や、モデルや女優のような方向であれば、若いうちに作っておいた方が後々良い様にも思う。


 一般的な人の場合は、他人との対比で身体やパフォーマンスを較べられる事はほとんどなく、また時間(年齢)の制限は上記と較べ緩い。トレーニングの結果で給料が変わる事はほぼ無い。
 年齢的にいつから始めても向上する。
 身体を壊すような熱中をする人もいるにいるが、健康を害しても行うような必要は無い。
 
 
 
 選手を長年続けていると、どうしても疲れを感じる時がくる。
 この疲れとは身体的な疲労と言うより、自分の力で先を進めなくなるときの無力感に近いのかもしれない。

 私が子供の頃は、例えばプロ野球選手はほとんどが30歳台半ば迄に引退していた。40歳と言うのはほとんどいなかった。
 ところが今は40歳代がぞろぞろいて成績も保っている。ピークが遅くなっている。メジャーだと特にそうだ。

 トレーニングや栄養、医療の技術の進化で、どの競技に関わらず競技生命は明らかに伸びている。
 そのため周辺技術としては選手生命を延ばす方法は以前より遥かに多いし、これから先はさらに増えるだろう。

 だとしても疲れを感じる時が来る。そのときが引退の時なのだろう。
 
 
 
 舞台関係者には、引退が無いか、あると言えばあるが自分に疲れて止める事はあまり無い。

 「良い芸を見せられなくなったら辞める」という人はたくさんおられるが、
「次はもっと良くしてやる」という気持ちが常にあるので、何か失敗したとしても、次が待ちきれなくてウズウズしてしまう。

 人に寄っては、生活は車いすだが舞台に立つとしゃきっとされる方もいる。
 これはすごい。

 苦労は人に見せないのが粋ってもんだ。
 汚い芸は大嫌いだ。
 

 
 私の中で競技や舞台と言うのは相当近い。
 スポーツでもコンサート(ライブ、発表会)でも、子供の頃は本番が近づくとドキドキして失敗を恐れてしまうが、それを生活の糧としているとそれがやがて普通の生活になってくる。

 スポーツも芸事も、自分の普通の生活の中で磨くものになって、初めて見えてくるものがある。

 ある意味、職人なのである。
 工芸や匠のような、プロとプロが技をぶつけ合う場なのである。
 全員が専門職としての雇員みたいなものである。
 そういう人同士が本気でぶつかるからチームとして良い結果が出せる。

 ある意味、フツーの会社に非常に近い。

 しかしワクワク度が全然違う。
 時たまの本番と言うのと、毎日の仕事が本番と言うのでは、見え方が全然違う。


 旅行中に皿の工芸所に行って時たま良いのが作れて陶芸が好きになったとしても、毎日高く売れるものを作るのは厳しい。
 ライバルがいつのまにか出てくるし、それに迎合するわけにはいかないが、置いてかれる訳にも行かない。


 そういう中でワクワクしながら仕事を進めていくのがプロなのだろう。 
 失敗も成功も楽しい。
 努力が大事なのは分かるし結果が出れば嬉しいが、さぼりたくなる事もある。

 どんな状況でも、どんな仕事でも、毎日ワクワクしている人はたくさんいる。
 スポーツや舞台だけが特別なわけではない。


 だれもが、4年に1回なら緊張する。
 だれもが、優勝決定戦なら緊張する。
 だれもが、この人は大物だと思えば緊張する。
 だれもが、毎日緊張する。

 でもこういうのって、自分で勝手にそう思い込んでいるだけだ。
 冷静に考えなくても、そんなもんである。
 今から4年後を思い浮かべて緊張する事は出来ない。
 しかしその場に立つと緊張する。

 そういう曖昧な中で生活しているのが人間なんだろう。
 
 
 
 でもその中で毎日ワクワクしている。
 そういうワクワクが何年も続いて、やがて大きなチャンスにあたる事もある。

 こういう世界にしたいのなら、みんながそれなりにしないと、作っていけないのである。
 こういう気持ちは大事にしないといけないと思う。



http://hisajp.info/2009/03/post_225.html


競技練習とトレーニングの違い

 競技練習とトレーニングの違いを比較してみると、

 競技練習では、トレーニングの様に目的を絞って行う事もあるが、大抵の場合は競技がうまくなる要素を一度に行うものなので、競技練習を行うことで筋力が向上したり心肺持久力が向上したりと、競技技術要素の向上以外に身体的な変化が同時に現れる。
 目的は競技能力の向上である。

 トレーニングの場合は、何か足りないものを強化するなり、優れているものをさらに進めるなりで目的を絞り、それにより更なる競技力の向上を目指すとなる。
 トレーニングの場合は身体に現れる変化を期待する事がメインとなり、その身体の向上により競技能力が向上することになる。
 
 
 
結局は両方必要である

 例えば、野球の練習をしているとする。これはバッティングがうまくなったり、投球がうまくなったりするが、身体がその競技練習の負荷に適応した以降は身体の変化が起こらなくなる。

 そこで不足しているのが筋力なり筋瞬発力だったりすると、同じ競技練習をしていたのでは変わらないため、競技力はそれ以上向上しない。

 その為に何らかの効果的なトレーニングを行うと、「身体能力の向上に伴い競技力が上がる」と考えられる。
 しかし試合や競技練習をしないと、何が不足しているのかが分からない。
 
 
 
競技とコンディショニングとトレーニング

 また、逆に、長距離走の選手などの場合は身体の競技への適合化はどんどん進み、長距離走を行っていると筋肉が減り、骨粗鬆の様な症状が現れる事もある。
 長距離走の場合、必然的に競技練習時間そのものが長くなり、また比較的技術要素の占める割合が高い球技などと較べ競技練習そのもののフィジカル要素が高い為である。
 そのため競技練習そのものが身体へ与える影響の割合が増える。

 また、どの競技においても選手はある程度以上の身体になると、そこから先は身体変化を求めるよりも技術の向上の要素の割合が増えるため、身体的なトレーニング要素は相対的に減る傾向にある。

 競技特性の一部の説明だが、主に球技の類いは野球やテニスでは片側性の動作で(右利きは右半身を多く使う)、水泳やランや自転車やスキーは両面性の動作である。
 また、持久性の競技や瞬発性の違いもある。

 このような特性のある競技を1種類だけ長年行うのはどうしてもバランスが崩れる。
 どうしても「体癖」でやりやすい事を続けてしまう。


 そうした場合に様々なトレーニングをすると、左右のバランスが保たれ、筋バランスや神経バランスが調整され、「怪我の予防に役立つ」と考えられる。

  このような場合は、主にレジスタンストレーニングや、コア(体幹)トレーニング、PNF ストレッチなどををする事が多い。

 しかし慣れた身体に突然変化を入れるというのは選手にとって怖い点もあり、そのようなときに選手は
「身体が重くなる」とか
「慣れた身体以上に筋肉が着くキレがなくなる。それなら現状で磨きたい」
と考える事も多い。


 しかし現実的には、
「たとえハードなレジスタンストレーニングをしたところでも、競技練習を先に行い競技適合の方が強いから、あまり心配する必要はないだろう。
 それよりもコンディションアップの為にレジスタンストレーニングを効果的に使うべきであろう」
と言えよう。

 このような組み合せ方は、競技会の直前に唐突に始めるのではなく、たとえ競技技術を磨いているときであっても、常にこのように正常な方向へ整えるトレーニングをする方が良いだろう。
 
 
 
競技能力の向上の為には

 身体的な変化と競技能力の向上とは、直結する面もあれば異なる面もあり、一概に言えない。
 また、段階によっても異なるし、都度のケースによっても異なる。

 変化が必要なときは恐れずに変化をさせないとならない。

 「今一番必要なものを向上させるにはどうすれば良いか」
を優先順位を付けて行うのがトレーニングである。

 優先順位を付けずにいろいろな目的を同時に求めると変化が遅くなり時間がかかる。しかし
「時間だけ浪費して結局不足していた」となるのは避けたい。

 しかし、その優先順位が間違っていると競技能力の向上に上手く働かない事もある。見当違いな事をやってもどうにもならない。

 そのため「トレーニングをしても意味がない」と言う選手や指導者もいる。そしてコンディショニングすらしなくなり、怪我に泣く事もある。

 「トレーニングをするよりも、ゲームをしている方が楽しい」。
このレベルだとどうにもならない。子供のうちは良いが本気で競技成績を上げるのには、遊んでばっかりではいられない。

 元々全体の時間が限られているから、トレーニングに時間を割けば競技練習の時間は減る。

 競技では、これら競技練習とトレーニングの組み合せを、選手生命内という限られた時間内で最も上手に行えた者が勝者になる。



http://hisajp.info/2009/03/post_224.html


http://hisajp.info/2009/04/post_243.html


異なる身体変化を同時に達成する事は可能か?

 異なる身体変化を同時に達成する事は可能かと言うと、可能である。
 しかしそれが最大効率かと言うと、そうでは無いだろう。

 例えば「スーパーサーキットウエイトトレーニング」や「エアロビックダンス」では、心肺持久力と筋力の二つの向上を同時に狙う様なプログラムが多いが、それぞれに適度に効果がある。

 脱線するが、「筋力」と「筋肥大」は全然意味が違う。
 「筋力アップトレーニング」といってマッチョな男性がモデルなのを目にするが、あれは違う。あれは「筋肥大」した男性である。
 「筋力」とは広義の筋肉の発揮する力全般を指す事が多く、狭義で筋断面積当たりの筋出力をさす場合もある。かなり曖昧に使える言葉である。

 話しを戻す。
 では、それぞれ「心肺持久力」と「筋力向上」を同じ期間を半分ずつに分けて別々に行った場合と較べるとどうかというと、私の経験上では「別々に行う方が遥かに良い」となる。

 心肺持久力は強度な有酸素運動で、筋力は筋肥大トレーニングを主体に行う方が、それぞれ明確に結果が分かりやすい。また到達状況によりトレーニングの配分を変える事も出来、時間を有効に使いやすい。
 ただし、前半のトレーニングプログラムで得た成果は、後半でいくらかは確実に落ちる。
 だとしても別々の方が効果が高いだろう。ただし明確な比較研究は見たような覚えもあるが忘れた。
 
 
 
なぜ二つの目的の達成を同時に求めるのか? その必要性はあるか?

 このような二つの目的をもつトレーニングを一度に行う事のメリットは、まずは「時間の短縮」が挙げられ、「指導やプログラムが個別でなくてもよい」、「前後に分けて行うと、後半の期間中に前半の効果が多少失うだろうが、それがなく同時に向上していく」、という様な事がいえるだろう。
 デメリットは「最大効果ではない」ということであろう。

 その上で、
「運動効果で健康になるようなことを簡易に行いたいのか」
「明確な身体の変化を得たいのか」
という全体の方針がまず最初に来るだろう。


 前者の場合はこういうまんべんなく一度に行える方法は都合が良い。
 また、導入期のような場合では、色々一度に出来るのはこれも都合が良い。その後、不足しているところを見つけ出す判断材料にもなる。

 後者の場合は、
・「別々に行うほどの効果は得にくいかもしれない」
という事を理解した上で、
・HIIT の理論などで後付けしバージョンアップし、
・ベクトルを「心肺持久と筋力向上」から、例えば「筋力の向上と体脂肪を減少させる」の様な最適な組み合せを探り(これが正しい組み合せと言うのではない)、理論上と経験上行えるだけの知識と力があるという事が前提にあろう。

 また、大幅な発展を望む期間なのか、維持(メンテナンス、今ある能力を落とさない)期間なのかによってもことなる。維持であればそれぞれの目的に適度な刺激が同時に入る方法は理にかなった方法とも言える。

 高度な要求になってくると、単独で行うメリットは知った上での話しなので、必要なだけの知識と経験がないと出来ない。
 経験や知識の薄い段階で、「これとあれを同時に達成したい」というのは、それは無理だろう。

 このようなトレーナーの考える効果など関係なしに、
「エアロビックダンスが好き」「サーキットトレーニングが好き」
と言う方も相当おられる。これは嗜好である。
 
 
 
では「有酸素性運動したらガッシリしてきちゃった」というのを聞くのはなぜ?

 これは単に運動経験が少ないから、運動を再開して間もないから、適切な身体適合反応が現れているのである。本格的な筋肥大ではない。

 例えば臑や膝直上の大腿四頭筋の筋肉はジョグやウォーキングでも肥大するが、これは着地動作でその部位がエクスパンド(伸展)する為に部位的な筋破断がおこり、それらの筋肉が肥大してくるためである。
 このような局部的な肥大であって、全身の筋肉量を筋肥大トレーニングの様に増やせる訳ではない。適合が済んだ時点で変化は終わる。

 このような種類の運動をして延々と肥大が続きコンテストビルダー
http://www.ironman-japan.com/new/contest/2003olympia/01/01ronnie_main.html
の様に肥大するかと言うと、それは全くあり得ない話しである。

 同様に「胸囲やヒップのボリュームを上げたい」というような部位的なコントロールはほぼまったくできない。


前 
http://hisajp.info/2009/03/post_222.html


http://hisajp.info/2009/03/post_225.html


一つのトレーニングの与える効果は1種類に限定される

 これを正確に認識するとトレーニング効果が得やすくなる。
 分かりにくいかもしれないが、読んでほしい。


 基礎的な事を例に書く。

 筋肥大トレーニングは字の通り、「筋肉を肥大させる」事が目的のトレーニングである。
 10RM 重量で目一杯頑張って、なおかつフォーストレップやマルチパウンテージを行う事もある。
 そのようにしてとことんまで筋肥大を求めるトレーニングである。

 筋肉が肥大し断面積が増えるとそれに比例して出力が増えるため、20% 断面積が増加したら挙上重量は 20% 上がる。
欲しいものは「筋肥大」である。挙上重量は筋肉の肥大に比例して上がるが重量増加は求めるものではなく単なる結果である。


 では、同じく基礎的なトレーニングの一つの、「筋出力向上トレーニング(1~3RM で行う、低速出力を大きくする為トレーニング)」を考えてみよう。
 これは筋肉の肥大は関係なく、同じ筋肉の量で「運動神経の限界を高める」ようなもので、今ある筋肉でどこまで力を出せるかを狙うものである。簡単に言うと「火事場の馬鹿力」を増やしたい為のトレーニングである。

 体重制競技では体重が増えると困る事もある。筋肥大をすると大抵体重が増えるがそうさせたくない。そのためこれは「肥大をさせないで出力を増やす為のトレーニング」といえよう。


 これらふたつ、「筋肥大」と「筋出力の向上」は同時に起こる場合もあるし、そうでない場合もある。また、一緒に起こって都合が良いときと、そうで無いときに分かれる。

 ところがあまり心配する必要はなく、「筋出力向上トレーニング(1~3RM)」をしているときは、あまり筋肥大は起こらないのである。もし肥大が起こっても少しだし、それも栄養の摂取で加減が出来る。

 「じゃあ、栄養をたくさん摂りながら筋出力向上トレーニング(1~3RM)をしたら、筋肥大しながら筋出力も上がるのではないか? そいつは都合が良さそうだ」
 と思われるかもしれないが、そうもならない。

 なぜかというとこの方法の場合、「筋肥大に必要な刺激が充分に加わらない為」である。
 そのため脂肪分解の働きも少ないだろうので、栄養を摂りすぎると脂肪合成が増えると思われる(ただしこの方法で脂肪増加を行う研究は見た事がないので推察である)。

 そのため筋出力向上トレーニングで同時に肥大したとしても、「肥大目的で肥大した」というよりは、「意図に反して勝手に肥大していた」というようなダメなトレーニングと言える場合もある。


 では、「筋肥大トレーニング(10RM)」と「筋持久トレーニング(20RM)」ではどうかというと、これも同じく同時に両方の効果は得られない。

 この様に「筋肥大」「筋出力の向上」「筋持久力の向上」の様な基礎的なトレーニングですら、逆に言うと基礎的だからこそ、同時に二つ三つの効果を得る事は無理なのである。


 トレーニングを始めて間もない頃であれば、どれもが同じような割合で同時に起こる様にみえる。
 実はそう見えるだけで実際は筋肥大も筋出力の向上も筋持久の向上も起こってなく、運動に慣れていないからパンプアップが長引き、神経系の発達により挙上重量が上がり、運動に慣れるにつれ回復能力が向上しているのである。

 自分でどれかを選んで行ってもいろいろな反応が一度に出ている状態で、選んでもその通りに出来ていない。
 本格的に効果が現れる前の身体が対応している段階で、これが自然な発展で、避けようも選択もコントロール出来ないのである。
 この状態は本格的なトレーニングを始めてから、大体1〜3ヶ月間くらい続く。

 実はこのような生理的な現象が現れているという事は、人間の対応はすばらしくだれにもあり、身体は必ず変わるという事の証しでもある。
 頑張ってもうちょっと続けてほしい。日の出は確実に来る。


 本格的なトレーニングを長年積んでいる者には、どれかを主に他が薄い割合で起こる。
 
 
 
 この
 「一つのトレーニングの与える効果は1種類に限定される」
という原則を頭においてトレーニングプログラムを組んでいくと、短期長期問わずそれぞれのピリオドの中で最大限の効果が得やすいとなる。
 時間が限られているときほど、こういう考え方は重要であろう。

 二兎追うものは一兎も得ず
なのである。



http://hisajp.info/2009/03/post_221.html


http://hisajp.info/2009/03/post_224.html


一日の中でのトレーニングの組み立て方 

 今まで長期的な流れを説明してきましたが、今回は1日の中でどうするかを考えてみたいと思います。

 1日の中でどのようにトレーニングを組み立てるか、幾つか法則があります。

1、技術や体力を必要とするものは先に行う(競技練習、スピード、パワー、クイック、最大筋力など)
2、専門種目や主要種目が先、補助種目は後。
3、複合種目が先、アイソレート種目が後
   多関節種目 ー> 単関節種目
   大筋群種目 ー> 小筋群種目
4、効果を上げたいものは先
5、体幹種目(腹筋、体幹スタビリティなど)は最後

 これは、
・技術取得が必要なものは身体が疲れていないフレッシュなうちに正しく身体が覚えさせる事が重要で、筋肥大のような基礎的なものは後でも構わない。
・トレーニングは最初にしたものが最も効果が高い。
・抹消筋や体幹が先に疲れると、正しい姿勢保持が出来ず競技技術の取得が難しくなったり、必要な強度のトレーニングが出来なくなる恐れがある。

という様な事が主な理由です。

 そのため、競技選手であれば
・技術取得を主とする時期は、競技練習や競技に直結するようなトレーニングを優先する。
・試合を終えた後の基礎体力の向上期は、基礎的なトレーニングを優先する。

と、ピリオタイズとともに行うトレーニングや競技練習の内容が異なってきます。

 プロ野球やスキーのようなシーズンスポーツなのか、陸上のような季節問わず年間に数回試合がある競技なのかによっても変わります。

 ビルディングやシェイプアップであれば、競技練習や競技に直結するトレーニング(プライオメトリクスやスピードトレーニング)というのは、他の競技選手と較べると少ないとなります。
 
 
 
具体的にどうするか


1日の運動に費やす時間の違い

 競技選手は1日にほとんどを運動に費やすのに対し、学生や社会人競技者はもう少し運動時間が短くなり、体力作りや健康運動の方はさらに短くなります。
 それぞれ条件は違っても、トレーニングの組み方の法則は変わらないです。

 長時間練習やトレーングをする場合は
「競技練習」 ー> 「競技に直結するタイプのトレーニング」 ー> 「基礎トレーニング」
のように項目の異なるものを一日の中で行い、かつ間に昼食や昼寝が入ったりします。

 それに対し、運動時間が短いとどれか一つの項目だけであったりします。
 
 
 
ウォーミングアップ

 ウォーミングアップはいくつかの段階に分かれるのですが、
1、全身の体温を上げる。
2、これから行う練習やトレーニングに必要な調整をする。
の2段階になります。

 どのようなトレーニングをするのでも、最初はジョグやエアロバイクなどで心拍数を上げ全身の体温を温めます。
 次に、野球ならキャッチボールのような肩ならし、卓球なら簡単なラリーなどを行います。
 ブラジリアン体操を入れる場合もあるでしょうし、軽めのスタートダッシュ/ストップを入れる場合もあるでしょう。

 厳密に言うと、血中乳酸濃度等の話しになりますが、今回は省きます。機会をみて書きたいと思います。


 これらウォーミングアップは特定のものをしなければならない訳でなく、身体をこれから行う運動に適した状態にする事が目的ですので、状況により、またその人の体力により変わってきます。

 そのため、これから一日中ずうっと競技練習やトレーニングをするような場合は、比較的長めのウォーミングアップとなり、それそのものが何らかのトレーニングの一環だったりします。
 これから60分間程度の「筋トレ」をするような場合は、何十分もウォーミングアップをするとダラけてしまうので、5〜10分程度で済ませ、本トレーニングに移行する事も多いです。
 健康増進でウォーキングをする様な場合は、サッカー選手のような激しいアップをする必要はありません。

 またその日が試合日であれば、ウォーミングアップで体力を浪費するのは避けたいですが、必要な量は行いたいためそのバランスが難しく、高度な競技では「試合日に即したウォーミングアップの練習」というのも必要でしょう。
 例えば日本から米国に渡る野球選手は、アップの時間の短さに慣れなかったりします。

 また、1日に及ぶ競技練習だとして、昼の休憩の後のアップはどの程度すれば良いかと言うと、その日の一番最初ほどみっちり行う必要はないでしょう。
 
 
 
競技練習や本トレーニング

 それぞれ必要な項目を法則に則り行います。
 こういうものは、きちんとした考え方に則り事前に組み立て、適切に調整する必要があります。
 行き当たりばったりでは効果が薄くなるでしょう。

 それぞれの内容は、改めて書きます。
 
 
 
クーリングダウン、栄養補給

 クーリングダウンは体温を下げる事、全身に回った血液を心臓の負担を少なく戻す事、筋肉中の乳酸等の除去(洗い流し)等が目的です。

 実際の競技では走った後もダラダラと歩いたりしていますが、例えば発車間際の電車に走ってとび乗り身動きできずにゼイゼイしている状態が心臓や身体には良くない訳です。
 そういう風にならない様に、運動強度を弱める必要があります。

 クーリングダウンは俗にいう「整理運動」だけでなく、プールで泳いだり、冷たいシャワーを浴びたり、アイシングをする事までを含みます。
 そのため、運動を強度に行った場合は、このような方法で熱を取るのも翌日に疲れを残さない為にも有効です。
 これは「筋トレ」を強度にした場合にも良い方法です。

 その後に適切な栄養補給を行うところまで運動の一環だと考え、しっかりと行う様にしましょう。
 

http://hisajp.info/2009/03/post_218.html


http://hisajp.info/2009/03/post_222.html

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 同じような表が続くが、上の図は「トレーニングや運動の、導入期から本格的な強度へ至るまでの目安」を表してみた。今までの説明に従い、健康増進の為の運動の導入期から競技練習までを繋いで一覧にした。

 下の図は、「トレーニングや運動の強度とその割合と、経験値や健康値との模式図」で、トレーニング等が進むに連れてどのように内容が変化していくかを模式的に表したものである。

 これらはあくまで概念だが、健康状態や経年とともにどのように変化していくかを上下の表で合致する様に書いてみたので、双方を合わせお考えいただければと思う。
 
 
 
トレーニングや運動の、導入期から本格的な強度へ至るまでの目安

上の図の拡大表示

 上の図は、先の2頁を頂いている方には特に説明なくご理解いただけると思う。もしお読みいただいていない方は、さかのぼりお読みいただけると幸いである。

 一つ前の頁の表、及びこの上の表では、本格的な競技に必要なトレーニングに「アジリティやプライオメトリックス」を加えた。
 これでひとくくりに出来るものではなく、「アジリティやクイックネス」「プライオメトリックス(プライオメトリクス)」の様に分類されるが、今回は
「本格的に競技をするのでないとあまり必要の無いトレーニング」の類いをここに分類した。

 ここには「スピードトレーニング」「中間的持久力」「バランストレーニング」等を入れても良いだろうし、そういうカテゴリーはそれぞれのトレーニングの中の「競技特性に合わせる」というところや、「競技練習」に分類されるかもしれない。

 私は「トレーニングとは競技練習に因らず競技成績の向上の為に行うもの」と考えていて、このように分類してみた。
 
 
 
トレーニングや運動の強度とその割合と、経験値や健康値との模式図

下の図の拡大表示

 下図は、その発展する中でどのような割合でトレーニングの内容や種類が移り変わって行くかを、模式化したものである。
 実際の割合はそれぞれ人により、またピリオド(サイクル)の中で、それぞれの競技特性の応じて異なるが、
「何らかの競技を始めてから、どの様な発展を経て、どう至るか」
という概念である。

 スタートの時点はそれぞれの方の健康状態や経験により異なる。

 また、ゴール地点も健康増進が目的であれば模式図中央の時期の「本格的なトレーニングの開始」という辺りで同じような内容や強度を維持するだろうし、特定の技術が必要なスポーツ(例えば野球)を週末に集中して行う人もいる。

 また、「ヨガ」や「ピラティス」だとしたら世界トップクラスの専門性を追求しても他のスポーツの様な運動強度には上がらないだろうし、「低山歩き」であれば専門性はあまり必要なく誰にでも気軽に行えるが高い体力要素が必要なものもある。

 ビルディングであれば納得するまで筋肥大と減量の繰り返しである。長く楽しめる。

 ほとんどの競技では、トップクラスになるには体力要素と技術要素の双方が必要になり、模式図の右端まで進む様になる。


 競技トレーニングについては改めて書きたいと思っているが、簡単に言うと、
「基礎的な体力要素を先に作り、それから発展的なトレーニングを行い、やがて競技や競技練習の割合が増える。また、競技に専念する時期であっても、体力維持の為の基礎的なトレーニングは必要である」
となると思う。

 また、競技は長く続ける事が多く、競技技術を時間をかけて磨き上げ、そこに体力要素が加わる。体力はある年齢でピークになりそれから下がる。技術は取得に時間がかかるため、体力のピークの方が技術のピークよりも早く来る。

 例えば、少年時代から野球をしていたとすると、投球や打撃の技術は本格的なトレーニングを始めるより前に学んでいる。
 そして成長するに従い体力が自然と伸び、また、トレーニングをすることで意図的に向上させる事が出来る。
 また、競技練習やトレーニングは発展するにつれ高度になる。同じ事をしていたら前と変わらない。
 このように、成長してく段階では、競技力は体力と技術力が向上することで伸びていく。

 競技練習や各種トレーニングの合計した強度は、ある程度発展した段階以降は減少していく事が多い。しかしピリオドなどでも変化する。
 また、意図的に体力を上げる方法や時期を作る事が有効であると考えられている。これは短期のものは「トレーニング」と呼び、それが日常でもある程度続くと「ピリオド(例:肥大期)」となり、ある程度の期間に集中的に行う事は「合宿(キャンプ)」などと呼ばれる。

 このようにしても総合的な体力は年齢とともに低下してくるが、反対に技術力は経験とともに向上してくる事が多く、その合計が最も高いときが一番競技成績が高い(ピーク)となる。

 そしてそこにゲーム性や周辺環境が勝敗を左右する要素として加わる事も多い。
 それらが総合的にうまく作用した者が、短期のまたは最終的な勝者となる。

 やがてどうしても総合力が向上しなくなる時が来る。
 
 
 
運動選手の健康状態が、一般の方より優れているというわけではない

 今回は健康増進から競技までを一覧に表した関係で、選手の健康状態は「良好」に分類されるが、
「運動選手の健康状態が、一般の方より優れているというわけではない」
という事も言える。

 これは健康や体力をどのようにとらえるかという話しになるのだが、選手は強度な運動するには差し支えないが、例えば慢性的な腰痛や膝痛などを持っていたり、または風邪を引きやすかったりする。
 また、肥大や減量を何度も繰り返したり、精神的ストレスも高かったり、またコンタクトが多いスポーツでは後遺症の恐れもある。


 そう言うのを健康や体力としてどうとらえるかだろうが、
「行動体力は優れているが、防衛体力はそうでもない場合がある」
となる様に思える。

 「運動や体力」と「疲労や障害」は、結局は程度の問題であり、当たり前のことだがトップとして続けていくのは大変な事なのである。



http://hisajp.info/2009/03/post_217.html


http://hisajp.info/2009/03/post_221.html

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本格的なトレーニングや運動の目安

 これから本格的なトレーニングや競技をされる方に向けて考えてみた。
 
 これは前章に挙げた、健康状態に不安のある方の場合は負荷が強く適していないので、そのような方の場合はこのシリーズの最初から読んでいただきたい。
 
 
 
本格的なトレーニングや運動を始めてすぐの注意事項

 健康上の問題がない場合は心拍数が 60% を越えるような強度なトレーニングや運動が可能だが、前頁で書いた様にすぐに強強度のトレーニングをするのは、身体的なメカニカルストレスの関係で膝が痛くなったりして、あまり好ましくない場合もある。
 特にジョグやエアロビックダンスのようなものはこの傾向が表れやすい。

 レジスタンストレーニングは比較的衝撃性が少なく、暫くの間続けていれば徐々に負荷を増加させる事が出来る。
 大抵レジスタンストレーニングを行うのは筋肥大を求めての事が多いが、しかし最初からすぐに筋肥大が始まる訳ではない。
 
 
 
神経系の発達の時期

 運動に慣れていないうちは持っている筋肉のすべてを使用できている訳ではなく、せいぜい 60% 程度の力しか出せていない。
 上級者になると 90% 程度以上の出力を出せる様になる。

 また拮抗筋の無駄な緊張も初心者のうちは多い。通常は 20% 程度はあるが、そのとおり 20% 拮抗しているとしたら、手動筋の 60% と差し引くと、実際の出力は 40% となる。

 これを徐々に運動に慣れて、筋の出力を最大限に近づけ、拮抗筋の無駄な緊張が減ったりするのに、通常1ヶ月〜3ヶ月くらい掛かる。

 この期間は普段の活動が弱い人ほど長く掛かると考えられている。
 本格的なトレーニングはまだしていなくても、運動をしている青少年の場合は、ここを越える時期が比較的早い。

 これは「神経系の発達」等と呼ばれる。


 このような期間では 10RM 行ったとしても、次回行うときは大抵重量が上がっているが、これは筋肥大があって重量が上がる訳ではなく、持っている筋肉が力を発揮しやすくなり重量が増えているのである。

 このように重量が都度増加していくので、的確な 10RM 重量は最初のうちは見つからないし、そのときは 10RM 重量だと思っていても実際は筋肥大に適した重量には足りない事が多い。


 誰しも何回かトレーニングをしないとここは越えないのだが、この期間が逆に安全になる様に思う。
 これは、最初のうちは 10RM で頑張っているつもりでも、実際は 20RM の重量だったりするので、メカニカルストレスがそれほど大きくない為である。

 そのうちに実際の 10RM 強度に近づいていくので、その間に徐々に関節等が強化されてくる。

 それからが本格的な「筋肥大」となる。
 詳しくは次に続くシリーズで書く。
 
 
 
トレーニングの種類や組み合わせ方

 どのようなトレーニングも基礎的なものから発展的なものへと変わる。

 レジスタンストレーニングは、一般的には「筋肥大トレーニング」が有名だが、これは一面的な特性で、それ以外にも負荷やセット数や休憩の組み合せ方(プロトコルや設計と呼ぶ)で様々な特性を導き出せる。

 ビルディングやシェイプアップでは、その中の筋肥大と脂肪燃焼が主となる。

 また、競技に向けたトレーニングでは、レジスタンストレーニングの中でも俗にいう「筋トレ(= 筋肥大)」以外にパワーや全身統合のような基礎を終えた後の発展的なトレーニングや、それをさらに進め競技特性に合わせたトレーニングが必要になる。

 さらには有酸素運動やアジリティ、プライオメトリクスなどを組み合わせる必要がある。これも同様に競技特性に合わせたトレーニングがやがて必要になる。

 それ以外に競技練習となる。
 これはトレーナーの行うトレーニングではなく「その競技の監督やコーチ」の行う部分である。

 これらを目的や経験値に合わせ、またそれぞれの立場から見て最適と思われる組み合わせを考える。
 トレーニングで言えば、最初のうちは一般的な筋肥大のようなプロトコルで済むが、高度になればなるほど、競技練習や戦術展開も含め、適した組み合せを作る必要が高くなる。

 これら競技に向けたトレーニングに関しては別途改めて書きたいと思っている。



http://hisajp.info/2009/03/post_215.html


http://hisajp.info/2009/03/post_218.html

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導入時のトレーニング強度の設定

 導入期のトレーニングや運動は、それぞれの方の身体の健康状況や運動の慣れにより強度や種類が異なる。

 運動強度の目安となるものは通常は心拍数となる。
http://hisajp.info/2009/01/post_186.html

 健康に不安のある方や健康増進の為に運動を開始するような方は、運動を安全に進められる様に行う。この場合は主に
「心拍数40% 未満」または
「心拍数 40% 〜 60% 未満」となる。

 健康に問題がない場合は
「心拍数 60% 以上」の運動も可能となる。

 それぞれの身体状態に応じて上限心拍数を設定し、制限がある場合は運動中の心拍数がその値を超えない様にする事が重要である。
 心拍数が設定値より越えた場合は、運動を一次中断し心拍数が下がるのを待つか、もしくは運動を終了する等で対応をする。
 
 
 
導入時のトレーニングの種類 

 トレーニングの種類という言い方はあまりしないが、「歩いたり走ったりするのはなんでも有酸素性運動」「ウエイトを使うものはなんでも無酸素性運動」と誤解されている方がおられるので、正しくご理解いただきたい。

 有酸素性運動、無酸素性運動というのは運動の強度を表し、「歩いたり走ったり」の中でもゆっくり行えば「有酸素性運動」だし、早く走れば「無酸素性運動」となる。

 ウエイトを用いても、軽いダンベルをもって行う「ダンベル体操」は有酸素性運動で、20RM 程度より強い負荷(重いウエイト)を用いれば無酸素性運動になる。

 そのため見た目だけで考えるのは正しい理解に繋がらない事がある。
 ただし、運動負荷が弱いのは有酸素性運動で、負荷が高いのが無酸素性運動である事には変わりはない。


 一般的に有酸素性運動と思われているものには、ウォーキング〜ジョグ〜ラン、ステッパー、エアロバイク、水中ウォーキング〜水泳等が挙げられるが、それぞれに簡便性や衝撃性等の特性がある。

 簡便性が高いものは、ウォーキングやジョグのような道具や場所が不要なものだが、体重が標準より重い人がウォーキングやジョグをすると、たとえ心拍数に制限がないとしても、膝に痛みが出たりしてあまり適していない事がある。
 そのような場合は、衝撃性が低く膝の負担が少ないエアロバイクやプールでの運動を用いたり、またはとんだり跳ねたりが少ないような「ダンベル体操」を「有酸素性運動強度」で組むのも方法であろう。ただしどちらにしても簡便性は前者よりも薄くなる。

 脚部の怪我で寝たきりで立てないような場合は(これがトレーナーの行うトレーニングに入るかどうかは今回は問わない)、ウエイト等を用いた上半身での「有酸素性運動」を行うような事もあるし、脚を使わないでの「無酸素性運動」のトレーニングをする事もある。

 このような違いが「トレーニングの種類」である。
 状況に応じてこれらの種類と強度を適切に組み合わせるとよい。
 
 
 
心拍数に制限がある場合

 運動をあまりされていない方ほど心拍数を低く設定する必要があるが、その様な方の場合は運動の強度を少し上げただけでもすぐに心拍数が上がるので、運動プログラムは強度の低いものが主体となる。
 また、併せて関節痛(例:膝の関節痛)等を持っている様な場合は、悪化を防ぐ為に衝撃度の低い水中ウォーキングやエアロバイクなどを使用するのも有効であろう(上記)。

 運動の種類により心拍数が設定値より上がる事もあるが、なるべくそうならない様にしたい。
 例えばウォーキングで心拍数を設定まで持っていこうとしても上がらず、かといってゆっくり走ると(ジョグ)あっという間に越えるような事もある。そのような場合は、負荷の設定がしやすいエアロバイクやステッパー等も良いだろう。 

 また、そのような状況では心拍数は越えない事だけを考え、設定上限値まで運動強度を上げる必要も無い様に思う。通常はそのような弱い強度の運動を数ヶ月間行っているうちに身体状態が改善され、やがて運動の負荷を高められる様になる。 

 専門家のアドバイスを聞き、安全に進める様にして欲しい。
 
 
 
心拍数に制限がない場合

 健康に問題がないとされる場合は「心拍数 60% 以上」の運動も可能とされるが、筋肉や関節等の強度が強度な運動に耐えられるかどうかは分からない為、安全に進めたい。
 事前に健康状態が優れていなかった人は、その前の過程を経てこの段階となり、トレーニング強度を上げられることになる。

 筋肥大等のレジスタンス運動を本格的に行うにはこの心拍数を越える強度の運動をする必要がある。
 そのためシェイプアップやコンテストに参加しないビルディングなどでも、筋肥大等により筋肉のバランスを整える場合はこの強度の運動をする。

 実はこの強度のレジスタンス運動でも、衝撃性さえ低く抑えておけば、関節の負担は少ないと言われる。
 ウォーキングやジョグは健康な人でも突然行うと膝が痛くなったり筋肉痛になる事もあるが、それは着地の衝撃や筋のエクスパンド(強制伸展)などが原因である事が多い。
 しかしレジスタンストレーニングでは、一般的な種類の範囲ではとんだり跳ねたりが少ないので関節の衝撃はほぼなく、自分でコントロールできない伸展も少ないため、関節の負担が少ないのである。

 しかしそうは言っても人生で始めての重さを扱ったり、重りを持ったままよろけてしまう事もあったりで、慣れていないうちほど危険度が増す。
 そのため、どのような場合であっても、重量は「自信を持って安心して扱える範囲」から慣れていく事が安全であろう。

 また、たとえ関節の負担が少ないとしても、生理的に身体に掛かる負荷は有酸素性運動よりは遥かに高いため、心拍数に制限がある健康状態の場合はこの強度の運動に問題がないところまで健康状態を改善してから行うべきであり、むやみに強度を追求するのは避けたい。


 本格的なトレーニングを効率よく行うには、始めのうちに専門家のアドバイスを聞く方が、対費用、対時間、安全効果を含め、良いと思われる。



http://hisajp.info/2009/01/post_198.html


http://hisajp.info/2009/03/post_217.html


12、様々な検査結果を基準にし、全体を見る

 今までに上げてきた指標は既にご存知のものがほとんどだと思います。
 これらの指標は、

1、健康状態に関するもの
2、統計的なもの
3、パフォーマンスを表すもの
4、その他

に分類されますが、それぞれが互いに絡み合うものです。


「健康状態とパフォーマンスがどう結びつくのか?」
と感じる方もおられると思います。


 例えば、パフォーマンスの伸びが悪いと感じている方が相談に来られたときに、

「トレーニング内容や、目標値の設定は問題ないですか? 
 食事や休養はきちんと出来ていますか? 
 健康面は問題ないですか? 血液検査はいつ頃されました?
 何が最大の疑問ですか?」
とお聞きすると

「トレーニングは問題ありません。
 食事は自分で考えているので問題ありません。睡眠も問題ないです。
 何年か前の健康診断で問題ないと言われたので、健康面は大丈夫です。
 自分が知りたいのは、どうして自分の願うパフォーマンスに達しないかという事を、科学的に知りたいのです」
の様に言われる方がおられます。


 問題がなければ思った様に進むものです。
 どこかしら問題があるから進まないのです。


 こういうのは原因を一つ一つ探らないと分からないのですが、
「自分なりにやっているから問題ない」
となると、これは根拠のない
「思い込み」
となります。

 思い込みを基準にすると、自分の選んでいる事は何でも正しいとなるので、原因の解明につながりません。
 それでは私には分かりませんし、医者にも分かりません。

 健康状態が良いとか、食事が問題ないというのは、何らかの検査をしてみないと分からないです。
 その今までの行為が正しかったかどうかを確認する為に検査をします。
 それで問題が発見されれば、次に進む為の方法が見つかります。

 また、健康診断は標準に収まっていれば問題ないとなるものです。
 それが、標準内であっても「最低ぎりぎり」だとすると、運動などのから見た改善点は相当ある訳ます。

 例えば、
「ヘモグロビン量がレジスタンス運動の強度を左右する」
というとここまで読まれて来た方には当然ご理解いただける事ですが、一般的に考えると
「有酸素運動でなければヘモグロビン量は関係ないのじゃないの? 
 標準内に収まっていれば問題ないのじゃないの?」
と短絡的に考えてしまう場合もあります。

 これが原因かは分かりませんが、原因としては可能性がある訳です。
 原因というのはこのように様々なので、調べないと分からないものです。

 そしてそれが「原因だろう」となったら、「食事を改善しましょう」と繋がります。
 
 
 
 こういう状態で相談に来られる方は、何かしら切羽詰まっていたり、または伸びが止まり不安に感じていたりする方が含まれます。

 こういうのは健康面だけでなく、競技練習、トレーニングプログラムの組み立て方、食事や休養などの、すべての要素が関係して表れている現象です。

 「伸びが悪い」というのは表れている現象であって、原因ではないです。
 見えている現象に対処するのではなく、その根本の原因を解決する必要があります。

 根本の原因を探るべきところを思い込みがあると、表面に見えている現象を根本の原因と勘違いしたり、または正しく判断できない事に繋がります。

 見えている現象は「伸びが悪い」ということなので、それを解決しようとして練習やトレーニングを一生懸命しても、それが原因の解消に繋がるものでなければ、一生解決できないか、または「オーバーワークに至り1ヶ月間休んだら元通りになった。結局原因は分からなかった」など、望むものとは相当違う結果となる場合も考えられます。

 原因が分からないままだと、次回同じ事に対面しても、同じ事を繰り返すとなります。


 全体を冷静に見ないと、本来なら見えるものも、見えなくなってしまいます。

 そういうときほど、様々な検査結果を基準にし、全体を見る必要があります。

 

http://hisajp.info/2009/01/post_197.html


http://hisajp.info/2009/03/post_215.html


11、指標より相関性を読み取る

 いくつかの指標を上げてきましたが、これらの指標の事は今までに既にご存知の通りです。

 また、指標により自分の現在位置を確認する事や、目標の設定の仕方なども見えてきました。

 これらでトレーニングを組み立てる方法を考えるのがだいぶ楽になったと思うのですが、
「それぞれの指標や数値を、競技やトレーニングにどう繋げるか」
ということを知りたい方が多いと思います。
 そういう方法はあまり書かれていません。


 これは競技成績とそれぞれの指標の数値の相関性を読み取る事で糸口を見つける事が出来ます。
 これは JATI の菅野昌明先生 http://www.jati.jp/about/promoters_06.html のお話を講習会で聞かせていただきました。


 これは相関ソフト(SPSSなど)に様々な指標の値を入れると見えてくるのですが、例えば、

・低速パワーのスクワットの 1RM 重量と、ジャンプ競技の成績の相関性は低い

・スクワットジャンプの挙上重量と、ジャンプ競技の成績の相関性は高い

と出たとすると、ジャンプのある競技にはスクワットジャンプのトレーニングが有効だろうというのが分かってきます。
 これはあくまで「例」なので、実際は違うところにあるかもしれません。


 このような相関性は直感では分からないところも多く、全然違う様な事が繋がっていたりします。
 例えば、「食事のバランスを入力するとどうなるか」など、いろいろな可能性が考えられます。
 
 
 
 今までのトレーニングは個別の身体能力を向上させる事に心血を注いでおり、おおよそ今まで疑問として見えていた範囲の解決の糸口は見えた様に感じます。

 ただし新しい疑問はどんどん出てきますから、個別に必要な身体能力というのもさらに出てくるでしょう。


 しかしトレーニングというのは、このような方法を積み重ねる事で解決の糸口を見つけられるものです。

 その為にも様々なデータを積み重ねる必要があります。


 最初の体力が弱い頃は体力全般を向上させる事で成績全体が上がります。

 しかしある程度以上になったら、
「根拠なくトレーニングしても成績の向上にはつながらない」
というのがお分かりいただけると思います。

 トレーニングは科学的に行える事で、科学とは「再現性があること」ですから、正しいトレーニングをすれば誰しも正しく成績の向上に繋げる事が出来ます。
 
 
 
 解決の方法というのは一つではなく、またいろいろなアプローチの仕方がありますので、この方法以外にもたくさんあると思います。

 それらを効率的に考えて有効なトレーニングを進める様に考えてみてください。



http://hisajp.info/2009/01/post_196.html


http://hisajp.info/2009/01/post_198.html


10、増減率など

 この増減率のような移行状態を表す指標は少なく、先の
「トレーニングプログラムの組み立て方9 「達成すべき値」の設定」
http://hisajp.info/2009/01/post_181.html

で述べたようなわずかな範囲のものしかないと思われます。

--------------
「挙上重量の増加率」を使うのであれば、「2 ~ 4 週間で 10% の向上」となり、
「肥大時の体重増加」を用いるのあれば、「男性は月に 3 ~ 7kg 程度、女性は 2〜3kg」という数値になります。
--------------

 また、このような平均的な数値は、比較的生理的な反応を求める事が出来るトレーニングにはある程度有効な指標と言えますが、高度な段階に至ったアスリートなどにもすべて当てはまるという訳ではありません。

 そのためこのような数値はご自身中での変化率が分からないうちの指標とし、発展や経験を積むに連れ自分での指標を保つ事が大事でしょう。


http://hisajp.info/2009/01/post_195.html


http://hisajp.info/2009/01/post_197.html


9、映像解析や写真撮影

 映像解析と書くと難しそうに感じます。
 本格的に行うには反力板をセットし、身体の各部位にマーカーを付け、高速度撮影をしたりします。

 しかしそうしなくても、ビデオを撮り見るだけでも、かなりの違いをもたらします。
 サッカーなどではだいぶ行われる様になっています。
 これにより、コーチや監督と、チーム全体で共通した認識ともなり、有効に競技を進める事に繋がります。


 なぜそうなるかと言うと、詳しくは人間の視認性や記憶による再現性が絡んでくるのでだと思います。
 その方面は分からないので、私なりに書きます。


 誰もが、自分で出来なくても上手い下手が分かります。

 例えばピアノで同じ曲を演奏するとして、子供が演奏するのと、プロの演奏家が演奏するのとでは違います。
 そういうのは自分がピアノを弾けなくても上手い下手が分かり、また上手いとしてもそれぞれの違いも分かります。

 ビール呑みながらプロ野球を見ている野球ファンの人は
「あれじゃダメだ」とか「いいねえ」とか言っています。
 そのビールを飲んでいる人がプロ野球選手と同じ事が出来るかと言うとそれは無理なのですが、違いというのは誰しもこのように分かります。


 自分の映像にしても同じで、見れば自分での善し悪しが分かる訳です。
 プロの演奏家は自分で録音をして聴いて確かめ、映像で見れる選手はあとから試合を振り返ったりします。

 ところが普通は自分のゲームやトレーニングが TV で放送をされる事はないので、自分で撮るしかないのですが、実際にそうしている人はあまりいません。

 とあるスノーボードが好きな人がいます。
 私は大抵ビデオを持ち歩いているので、彼の滑っているところを撮ろうとすると
「まだ上手くなくて恥ずかしいので、上手くなってから撮ってください」
と言って10年くらい前からほとんど変わっていません。

 こういうのは自分の可能性を自分で閉じている事になると思います。
 現状を把握し次に進む為には、撮影は効果的な方法でしょう。
 
 
 
 近頃は高速度撮影を行えるカメラ(一眼レフタイプやビデオ)も安く販売されているので、通常のビデオだと流れてしまい分からないところも、撮影できる様になりました。

 高速度撮影の良いところは、例えばスイングの踏ん張りや、ジャンプの踏切の方向が、それを見るだけでも相当理解できる事が上げられます。
 良い選手は元々直すべきところは何かしら感じていたはずですが、そういう映像を見ると直すべきところが的確に理解できるようになります。

 こういう方法は個人的な技量の向上に有効で、これもトレーナーやコーチや監督との共通した認識となります。


 また、通常のビデオのタイプで防水されているものもあるので、水泳やスノースポーツ等でもそれらを利用出来るでしょう。


 またこれは写真でも同様で、四方向(正面、背中、左右の両側面)から撮影しておくと、長期にわたっての変化が読み取れます。
 特に「良い姿勢」は静止画で見るとアライメントのずれなどがよく分かります。
 それを意識して改善する事によりプロポーションの向上につながります。 
 
 
 
 撮影するだけでは指標とはなりませんが、時期を追って見比べたり、一流といわれる方(選手やトレーナーや演奏家など)との違いを見つけ出す事で、より良い進歩に繋がるでしょう。



http://hisajp.info/2009/01/post_194.html


http://hisajp.info/2009/01/post_196.html


8、競技記録

陸上競技などの記録(タイムや距離や高さ)、打率や年間ヒットやホームラン数(野球)、世界ランキングなど


 競技記録には、陸上競技のような「絶対的な記録」と、野球の打率や世界ランキングのような「相対的な記録」の二つがあります。

 前者の場合はその数値そのものが目標となり、それと較べ現在の自分の位置を比較する事で、何をどうするかという目安になります。
 絶対的な記録は競技やトレーニングを継続する事で徐々に向上することが多く、例えば 100m 走のワールドクラスの記録は高校生の記録と比較できるものです。

 後者の場合は、結果的な相対的な記録のため、自分の置かれている環境によって同じ競技でも異なるので、高校野球とプロ野球の打率がそのまま較べられるわけではありません。
 

 それぞれの段階で、それぞれの状況に応じた競技練習やトレーニングをする事になります。



http://hisajp.info/2009/01/post_193.html


http://hisajp.info/2009/01/post_195.html


7、体力検査の項目

 このシリーズの
「トレーニングプログラムの組み立て方6 どのようにトレーニング計画を立てるか2」
http://hisajp.info/2009/01/post_178.html

で例として記した JISS やその他の団体の測定内容は次の通りです。

-----------------------------------------------------------

 JISS での測定内容は http://www.jiss.naash.go.jp/ 

< JISS で測定している項目 >
・全身反応時間(マットスイッチ)
・握力・背筋力
・最大疾走能力(電気計時)
・立ち幅跳び
・立ち3団跳び
・メディシンボール投げ
・反復横とび(100cm 幅)
・上体起こし(30秒腹筋)
・ベンチプレス 1RM
・スクワット 1RM
・ヘクサゴンテスト(右・左回り)
(守田誠 国立スポーツ科学センタートレーニング指導員 コーチングクリニック 2009年2月号 P54)

となっています。
 私もそれに近い内容ですが、併せて身体測定(身長、体重、体脂肪率、周囲測定)や、姿勢の写真撮影などをしたりします。

 また、こういうのも有ります。
http://morinaga-blog.morinaga.co.jp/supportproject/2008/07/post-87de.html

-----------------------------------------------------------

 測定内容そのものはシンプルで、特に難しい物ではないです。あえていえばヘクサゴンテストは一般的ではないですが、運動をしている方であれば何らかで目にした事があると思います。

 このようなテストがすべて同様に行われていれば、競技別特性やその中で自分の居る位置(レベル)がどこなのかが分かるのですが、国や団体によって異なります。

 そのためすべてが同じ条件で検討できるかと言うとそうはならないのですが、これらの中でも、握力、背筋力、ベンチプレスやスクワットの1RM出力、上体起こしなどは比較的多くの団体でテストされている様に思います。

 これらの kg や回数で表すものは数値化しやすいものです。

 1RM 挙上重量は体重 100kg の人と 50kg の人では体力が違うので、通常体重比で表す事が多く「1RM ベンチプレス体重比何 %」の様に言います。
 このような数値は筋出力がどのくらいにあるのかの目安になり、参考にしやすいものです。

 また、トレーニングプログラムを立てる際は、中長期的にどこまで行けるかが目標になりますが、こういうものの指標にもなります。

 このような計測は中長期に渡って同じ検査項目を計る事で、体力の向上の目安にする事が出来ます。
 
 
 
 また、文部科学省がだしている体力測定などもあり、これは小中高くらいまでの統計です。
 スポーツで継続して良い成績を出すには、平均より体力的に上回っている必要があると思われますが、そのような場合の指標になります。



http://hisajp.info/2009/01/post_192.html


http://hisajp.info/2009/01/post_194.html


6、身体に関する統計

 統計にはいろいろな数値があります。

 運動やトレーニングでは統計値そのものが競技成績を表すことにはなりません。

 しかし、統計値を見ると、競技全体としてどのような傾向にあるか、現在の自分がどの位の位置にいるか、自分の身体の特性を活かすのか弱点を伸ばすのか、将来に向けての指標として用いる事が出来ます。

 また、平均年齢などから、現在の自分に与えられている時間を計算し、今後どのような方法が最もふさわしいかを考える手助けにもなるでしょう。

 また、審美眼的ものは数値化できないのと(もし身長体重とスリーサイズが同じでも、同じ人間にはならない)、実際にその数値が正しいのか(例えばタレントさんの公表値)という疑問があるので、それらの事例は今回は書かない事にします。
 
 
 
身長体重体脂肪率と BMI

 野球を例にとります。
 10 年前の選手と現在の平均を較べると、正式な統計はありませんが、現在の方が確実に BMI が増えていると思われます。古い映像と見比べると体格の差は一目瞭然です。

 メジャーリーグでは身長 180cm 体重100kg などざらで、彼らの BMI は 30 を越えています(残念ながらドーピングの問題も出ています)。
 日本でも大型選手が増えています。
 一般的には BMI 25 以上は肥満と考えられていますが、運動の場合にはそういう事が該当しにくい事も分かります。

 これらのより、プロを目指すのであれば、身体が標準より明らかに小さいのではこれから先は難しくなると考えられます。そのため
 「子供のうちからたくさん食べましょう、身長は有利な条件なので、それが伸びる様にあまり子供のうちから強度な筋トレはすべきではないでしょう」
と考える事も出来ます。
 
 
 
種目別平均的体格と自分の体格

 チーム内や競技種目によっては上位団体が身体測定の統計などを持っている場合があります。
 それらの平均的体格と較べ自分がどのような位置にいるのかを調べるのは重要な事です。
 体重が必要な競技であれば体重増を狙い筋肥大トレーニングを行い、軽量である事が有利ならそれに向けて減量をする場合があります。
 
 
 
体重制競技での例

 また、体重性競技の場合は、100kg越えのクラスは大抵は上限がないので、100kg ぎりぎり超えの選手の場合は体格差が不利に働く場合が考えられます。
 そのような場合は減量し、軽量のクラスに参加する事も考えられます。

 また、同じく体重性競技の場合は、上位クラスの平均的体格バランス(上半身が強いか、下半身が強いか)等を見いだし、それに向けて体格を調整する方法も考えられます。
 
 
 
他競技の水準が当てはまらない例

 一般的にアスリートは筋肉量が多く体脂肪量が少ないと考えられていますが、ラグビーのディフェンスや、相撲、競泳などでは体脂肪量がパフォーマンスの低下に繋がる事はそれほど多くなく、却って有利に繋がる場合もあります。

 このため、その他の競技の水準が当てはまらない例もありますので、それは専門種目内で検討する必要があります。
 
 
 
 
 このような考え方は様々な種目に当てはめて考える事が出来ますので、競技をされている方はその競技特性に合わせて考察してください。


http://hisajp.info/2009/01/post_191.html


http://hisajp.info/2009/01/post_193.html


5、体組織検査(体脂肪検査)やその他の検査

 運動やトレーニングの指標となる「体組織検査(体脂肪検査)やその他の検査」を上げてみたいと思います。
 これらは専門機関等で行えるものを主に、家庭で行える物までを書きました。
 
 
 
体脂肪の測定

 体脂肪の測定の方法は

 家庭にある一般的な体組織計(体脂肪計)でのインピーダンス法
 皮下脂肪厚法(皮脂厚測定法、キャリバー法)
 空中置換法
 水中体重秤量法(水中体重測定法)
 超音波法
 二重エネルギー X 線吸収法(DXA, DEXA)
 CT法、MRI法

などがあります。

 最も正確と考えられているのは、水中体重秤量法(水中体重測定法)ですが、測定が大変です。

 空中置換法はそれよりは相当楽に行えます。

 二重エネルギーX線吸収法(DXA,DEXA)は、元々は骨密度を計る為に開発された方法で、2種類の波長の X 線を照射して行う方法です。これも正確な方法で、インピーダンス法(体組織計)の元となるデータ作成に使われているのはの事が現在は多い様です。ただしこれは照射を受けねばなりません。
 CT 法も同様です。
 MRI 法は照射を受ける必要はないですが CT にくらべるとあまりポピュラーではないです。

 超音波法は超音波診断装置を使う方法ですが、それとは別に超音波の反射率等で計算する装置もあり医療器械には該当しないで市販されている商品もあります。
 前者はある程度正確に計れ、後者については分かりません。


 これらの装置で計るのは場所が限られているのと、都度有料のため、一般的には下記の方法が使われる様です。

 キャリパー法は慣れると安定した数字が出ます。また腹位を計る事でその付近に皮下脂肪が増えやすい中高年の測定に用いる事も出来ます。ただし内臓脂肪の量は分からない欠点があります。

 インピーダンス法はどんな方法を選んでもばらつきがあるため、一定の条件で測定して、目安にすると良いでしょう。

 内臓脂肪はこのような方法では明確に見えないため、メタボリック対策では、ヘソ回り周囲を男性 85cm、女性90cm 以上で、かつ血圧、血中中性脂肪等を含めて該当するかどうかの判断としています。
 そのため、内臓脂肪量が不安だがかといって CT を摂るほどでもないとお考えの方の場合は、ヘソ回り周囲を併せて測る事も良い方法でしょう。


 これらで、日々の計測は家庭で行い、時期を決めて専門機関で計測を行うとさらに良いでしょう。
 
 
 
骨密度

 二重エネルギーX線吸収法(DXA, DEXA)で行うのが最も良いとされていますが、その場合は医療機関でしか行えない為に、スポーツジムで簡易に計れる超音波を使う方法もあります。
 

CT や MRI による断面図

 思い浮かべやすいのが CT や MRI による身体の断面図です。
 これは(非常に面白いのですが)医療機関でないと行えないのと、またそれを見ても運動能力の改善に繋げられるかと言うと、まだそこまではトレーニング方法の開発と繋がっていない様に感じます。

 たとえば、「優れた短距離選手の大腰筋は発達している傾向にある」
という相関性はなんとなく分かってきましたが、
・サンプルの総体がそれほど多くないので人種等を問わず必ずそうなのかが不明
・それ以外の要因の締める割合はどの程度あるのか
・それをする事で他に問題は出ないのか
ということが単純な疑問として考えられ、次に進むとしても、

・ではなぜ優れた短距離選手の大腰筋は発達しているのか
・それをそのようにすればそうなるのか
・そのためにはどうすればよいのか
というのはまだ研究の始まったばかりでしょう。
 しかしこのように分かった事を手がかりに、少しずつ進歩していきます。
 
 
 
超音波検査

 お腹の中の赤ちゃんの検査に使われる検査が想像しやすいと思います。
 これで皮下脂肪厚を計ったり、筋肉を見たりする事も行われています。
 


http://hisajp.info/2009/01/post_190.html


http://hisajp.info/2009/01/post_192.html


4、尿や便


 尿は医療機関での尿検査で使われるとともに、運動中では水分摂取量などの目安になります。
 
 便は便検査がありますが、通常それは章句品衛生法に関わるところが多く、運動ではあまり関係のないものです。
 運動では栄養状態や繊維質の過不足、健康状態のチェックに役立ちます。

 水分量が不足したり、外地での試合などで急に食事内容を変えたりすると、いつもと同じパフォーマンスがでない事がありますので、充分に注意をしてください。
 また、トレーニング時ではその効果が十分に出る様に、食事内容を正しくする様にしてください。
 
 
 
尿

尿検査

 尿糖、尿タンパク、ケトン体等の検査でなじみのあるものです。
 ドーピング検査でも用いられます。


血尿

 トレーニングでは血尿が出る事がありますが、それが力み過ぎでの尿道からのものなのか、それとも内臓の病気に因るのか、原因が異なる場合があります。
 この場合、医療機関に相談してください。


運動時の汗と尿の関係、熱中症

 運動で汗をたくさんかくと尿に回る分が減るので、尿の色が濃くなる傾向にあります。このような場合、「透明」〜「薄い黄色」の濃さであれば水分摂取量は足りていると考えられます。

 それよりも濃い場合は水分の摂取量が不足していると考えられますので、熱中症の予防の目的等で水分摂取を増やす事が必要でしょう。


ストレスとの関係、頻尿

 寒いところではストレスでいつもより頻尿になります。これはスキーなどで現れやすい症状です。
 また、スキーに限らず試合直前にこのようになる場合は緊張が表れているとなりますので、メンタルトレーニングを行い平常にいられる様にトレーニングすると良いでしょう。
 
 
 
便

便の量と色

 便の色と量からは食事内容が正しいかが読み取れ、繊維質、乳酸菌、PFCバランスなどの指標となります。
 試合が外地で急に食事内容を変えたりすると、いつもと同じパフォーマンスがでない事がありますので、充分に注意をしてください。

 また、トレーニング時ではその効果が十分に出る様に、食事内容を正しくする様にしてください。

食べ過ぎ

 通常食べ過ぎると下痢になります。
 このような場合は、運動量に対して摂取量が過大でないか確認してください。
 また、脂質の割合を極端に増やすとそれも下痢に繋がります。


減量時の便秘

 減量は自己で選択して行う事が多いので、栄養不足についてはここでは関与しないとします。
 減量時には食べる量が不足するため、繊維質も同じ割合で減る傾向にあります。

 便の量は繊維質の量でほぼ決まるので、便がでない場合は繊維質の摂取量を確認してください。

 また、話しが変わりますが、便秘の定義は明確でなく「2日間便通がない場合に3日目から投薬する」「3日間便通がない場合に4日目から投薬する」ように医療機関でも対応が異なっています。


下痢と低体温症

 比較的ですが、低温症のときは下痢になる事が多いので、自分の体調と較べながら服装の調整をしましょう。
 体温が上がらないとパフォーマンスが下がりますし、健康状態にも影響を与えます。
 
 
 


 屁は、食べ過ぎや冷えで増える傾向があります。
 またタンパク質が過多の場合、繊維質が少ない場合、乳酸菌が少ない場合などは臭くなるので、そのような際は食べる物を見直してください。



http://hisajp.info/2009/01/post_188.html


http://hisajp.info/2009/01/post_191.html


3、体温に関するものと発汗、体格

 体温は一般的には健康状態の確認によく使われるとともに、運動やトレーニングの指標にもなります。
 また、体温が上がることにより発汗が生じるため、脱水の予防等の目安にもなります。

 運動やトレーニング、あるいはシェイプアップで参考となる例を記します。

ウォーミングアップ

 ウォーミングアップは、事前に体温上げることやそれに伴い血量を増やし、運動に適した状態に身体を持っていく事が目的です。

 筋肉が運動をする事で発熱しそれが身体全体に伝わりますが、寒い冬の方が時間がかかります。

 また、ウォーミングアップに時間がかかりすぎると、それだけで疲労してしまう事もあるので、効率よいウォーミングアップが理想です。
 そのため状況に応じて着衣の調整をする必要があるでしょう。
 
 
 
低体温症

 寒いときは、体温が充分に温まらないと、低体温症に至る事も考えられます。そこまで至らなくても、運動やトレーニングが上手く進まない事もありますので、適切な服装をする様にしましょう。
 
 
 
発汗や熱中症

 運動中は発熱に伴い汗が出ますが、汗による冷却が一番良いのは出たときに蒸発する状態で、あまり暑くない日に自転車に乗って適度な速度(負荷)でサイクリングしているような場合がこれに該当します。

 気温が暑い夏、室内や風がないところ、湿度が高いところなどで、汗の揮発が追いつかないと、液体となりポタポタとこぼれる様になります。
 この状態は冷却の効率が悪くなりやすく、また体内の水分の減少が速くなるのとで、やがて水分不足による熱中症に至る場合があります。

 発汗の量は、運動前後の裸体体重で計ります。
 
 
 
温暖の変化や、ゲームでの対応

 人間は生活しているところの環境に順応するので、環境の違いには耐えられますが、急激な変化には順応に時間がかかる事が多いです。
 また極端に環境が違う場合にはどうしても順応が出来ない場合があります。

 極端に寒暖の差があるところにはなかなか慣れにくいですが、特にサッカーのような野外で行う種類のゲームは、その開催国の気候の影響を受けます。

 例えば、冬の日本はたとえ近隣でも東南アジアの国々など選手には寒さが厳しく感じるでしょう。

 また、寒いところから暖かいところへ移動する場合は、寒い季節では汗腺が比較的働いていないので、暖かいところへ移ってもすぐに汗腺は開かないので汗が出にくく、熱中症になりやすいとも考えられます。

 また、暑いところでの炎天下の長距離走のような種目は、脱水等の危険が高まる事や、日焼けによる火傷に近い症状が現れる事があります。

 また水泳は国際試合では水温は決まっていますが、エアコンの関係などで多少上下する事もあります。


 このような極端な環境の違いはゲームに臨む気持ちに影響を与える場合があるので、それが自分にとって有利になるのか、その環境の変化に耐える為のトレーニングをあらかじめ行えるのか、そういう事も重要な要素になります。
 
 
 
体格の差

 寒い地域の人種は保温の為に比較的身体が大きくなり、暑い地域ではその逆になります。

 寒い地域では皮下脂肪が全身に付着、特に内臓付近(腹まわり)には内臓部分を保温する様に多くなります。

 暑い地域では内臓付近(腹まわり)の体脂肪が薄くなり、女性の場合はヒップやバストなどへ付着する割合が増えます。



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1、血液に関するもの


血圧と心拍数

概要

 血圧や心拍数は手軽に計る事ができ、健康状態の確認などに使いやすいものです。

 心拍数が上がり上限心拍数(220-年齢)を越えると、頻脈性不整脈を発生させ突然死に至る可能性があります。
 心拍数は様々な要因で上がるので、安全を保つために上限値を超えない様にします。

 また疲労度や運動強度や、心肺能力のバロメーターになります。
 疲労度や運動強度は、様々な時点で心拍数等で管理する事が多いです。

 運動中の心拍数に寄る運動強度の計算はカルボーネン法で計算することが一般的です。 http://body-labs.jp/hrreserve.htm 
 「有酸素域 < 閾値(LT、AT、OBLA域)< 無酸素域」の順で運動強度は強くなります。

 また運動強度の目安として「ボルグの指標(主観的運動強度、RPE、修正RPE)」を用いる場合があり、これは心拍数と相関性が高いと考えられています。http://body-labs.jp/rpescale.htm 


 高血圧は成人病のバロメーターにもなっています。
 塩分をとり過ぎると体内の水分保有量が上がるため直接的な血圧が高くなるとともに、また動脈硬化などの原因になると考えられます。
 そのため日頃の血圧管理が重要です。


 このようなものを計る事で現在の身体の状況が分かりますので、その数値があまり良くない場合は、食べ物や運動強度を調整したり、休養するなどし、トレーニングの効果が出やすくなる様に、また健康や安全を保つ様にすると良いでしょう。


測定方法や、変化の要因

 血圧と心拍数はいくつかの計り方がありますが、通常は「安静時」といって、自発的意識がある(目がしっかり覚めている)状態で座って計ることが多いです。

「寝ているとき < 目が覚めているが横になっているとき < 座っているとき < 立っているとき < 運動しているとき」
の順番で上がります。
 血圧もほぼ同じ変化をしますが、これは心臓の位置との関係や、運動の質で変わります。
 通常は心拍数が上昇するに従い上昇し、ある一定の心拍数に達すると血圧は頭打ちになり、心拍数のみが増えます( 160拍/分程度でこうなると考えられています)。
 怒責(バルサルバ、下記参照)をするとそれでも替わりますので、ウエイトを用いるようなトレーニングでの特徴もあります。


 また、これらは
「栄養が足りているとき(増量時)、食事中と食後、緊張時や気が張っているとき、お風呂入り始め、血管が狭いとき(活動していないとき)疲れが残っているとき」などは上がります。

「栄養が不足しているとき(減量時)、お腹がすいているとき、気が緩んでいるとき、お風呂に入って温まった頃、血管が広がったとき(活動時)、健康なとき」などは下がります。


「放尿や排便、吐息などの出しているとき」は下がり、
「息を吸ったり、水を飲んだり、物を食べたりしているとき」は上がります。
「我慢して止めているとき」は上がります。


 疲労が非常に溜まっているときの心拍数は、一般的に考えるのとは逆に低くなる場合もあります。
 そのため、寝起きの心拍数が低くても、判断基準とならない事があります。
 このような場合、心拍数のそれぞれの間隔のずれ幅を心電図や精密な心拍計(ポーラル等でもあり)で計りますが、それぞれのずれ幅が小さいときは健康で、そうでないときは疲労が溜まっていると考えます。


 心拍計での別な例を挙げます。
 心拍数がある一定の数値からある一定の数値まで下がる時間を計測します。これは例えば、160から 120 まで下がる時間を計り、その時間が短くなったら心肺機能が向上したと考えます。
 また、レジスタンストレーニング等の場合は、同じトレーニング強度だとしたらその姿勢が「寝ておこなう種目 < 座るもの < 立ち居」の順で、心拍数が上がります。
 通常レジスタンストレーニングの休憩は時間で計る事が多いですが、心拍数を計り進める事で正確に管理が行えます。これはセット間などの休憩である一定の心拍数にまで下がったら次のセットを再開します。


 アルコールは下がる場合と上がる場合があります。傾向としては、血管が広がり血圧が下がりそのため頻脈となる様です。
 タバコは分かりません。


 高血圧の方が血圧を下げる薬を服用している場合、強度な運動をしても血圧が上がらないに働く事もあり、そのために頻脈性不整脈に至る場合が考えられます。
 また、血圧の薬に関わらず、治療の為の薬はそのように働く面も合わせ持ちますので、薬を服用されている方は運動を始める前にお医者様に相談し、可能な運動強度を確認してください。


 通常、運動をしていると安静時心拍数は下がる傾向にあります。有酸素運動の場合はそうなりやすいです。
 また、スポーツをしていない方で 50 拍/分間位以下の場合は、それは心臓に何らかの問題がある事もありますので、医療機関に相談してください。

 心臓弁膜症などでは軽い負荷の運動でも心拍数が著しく上昇する事もありますが、それは負荷心電図で確認します。

 また、アスリートを含め、直接法の運動負荷テストで計測すると心肺能力が正確に計れます。
 東京体育館で行っている例です。 http://www.tef.or.jp/tmg/guide/consul.html 


 立ちくらみは、血糖値やヘモグロビンが低い場合や、上記のような理由で血圧が低いと症状が出たりします。そのため運動後などで体温が高いときは健康でも立ちくらみが出る場合もあります。健康のため医療機関に相談しましょう。


 血圧はウエイトを息を止めて挙上する「怒責(バルサルバ)」の際に最も上がると考えられ、最大で 400mg/Hg くらいにまで達するのではないかと考えられています。
 これはたとえばウエイトリフティングパワーリフティングで最大挙上重量に挑む際に発生し、10RM 重量などでスティックングポイントを超えるときに短時間息を止めるような場合はそこまでは至らないだろうと私は考えています。

 しかし、運動に慣れていないうちはどのように働くか分からない為に、最初暫くは怒責は行わない様にすべきでしょう。



http://hisajp.info/2009/01/post_185.html



http://hisajp.info/2009/01/post_187.html


 指標となるものの種類

 運動やトレーニングの指標になるものとして、次のようなものが挙げられます。

1、血圧と心拍数

2、血液検査

3、体温に関するものと発汗、体格

4、尿や便

5、体組織検査(体脂肪検査)やその他の検査

6、身体に関する統計
 身長体重体脂肪率 BMI など(形態測定)
 年齢等の条件

7、体力検査の項目
 1RM 挙上重量、反復回数、ジャンプの高さのような体力検査
 文科省の体力測定

8、競技記録
 陸上競技などの記録(タイムや距離や高さ)、年間ヒットやホームラン数や打率(野球など)、世界ランキング

9、映像解析や写真撮影

10、増減率など


 これらの指標は、何らかのフィジカル面の改善に役立つものや、将来的な目標になるものなど、いくつかの種類に分けられます。

 また、指標を用いる事により、健康状態の確認に役立ったり、現在の成績はどのあたりにあるかの目安になったり、トレーニングの進展状況などを確認などが、行いやすくなります。

 単独で使えるものもありますが、それぞれの相関性を考えられると良い分析が出来ます。

 今回はそれらの主な種類と、計測方法、指標での見方などを書いていきます。



http://hisajp.info/2009/01/post_184.html


http://hisajp.info/2009/01/post_186.html

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