初めての本格的なレジスタンストレーニングの最近のブログ記事


 筋肉の肥大とはどういうことか?

 筋肉の肥大への明確な定義はないが、次の2点を満たす必要があるだろう。
1、筋肉の断面積(≒ 周囲径)が増える。
2、筋肉の断面積の増加に伴う筋力の向上がある。


 例えば、トレーニングをするとパンプアップを起こし筋の断面積は増えるが、それによる筋出力の向上はない。
 パンプアップは簡単にいうと水分が筋肉中に溜まることなので、出力は変わらない。

 また、同じ断面積のまま出力を増すために筋出力トレーニングやパワートレーニングを行うことがあるが、それも筋肥大には該当しない。
 しかしこれは体重制競技では重要な要素になる。
 

 これらにより、筋肉にタンパク質が同化し筋肉そのものの量( ≒ 筋断面積 ≒ 周囲径)が増え、それにより筋出力が増加することが筋肥大といえよう。
 
 
 
 どのように筋断面積が増えるのか?

 筋肉は次のような性質を備えていると考えられている。
1、筋線維は遅筋(赤筋)と速筋(白筋)がある。
2、主に肥大するのは、速筋である。
3、高度なトレーニングを積むと、やがて中間筋(ピンク筋)に変わるのだろう。
4、肥大とは筋線維が太くなることである。筋線維の本数は肥大しても変わらない。

 最後の点が誤解されやすいのだが、筋線維そのものが太くなるから全体の断面性が増えるのである。
 
 
 
 筋肥大と、高度なトレーニング後に現れるだろう筋肉の模式図
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 これは筋肥大を模式的に表した図である。
 外枠が俗にいう「筋肉」そのもので、上腕二頭筋のような紡錘筋を当てはめて考えてほしい。

 それぞれの筋線維は、遅筋(赤筋)は赤で5本、速筋(白筋)は白で5本、中間筋はピンクで表している(これは後から現れるので最初はない)。
 実際は筋線維の数はもっと多い。


 左は筋肥大トレーニング前の状態を表している。遅筋線維(赤いもの)、速筋線維(白いもの)とも同じ太さである。


 中間の図は筋肥大トレーニング後を表し、「主に速筋のみが肥大する」という考えで、白い速筋線維のみを太くしている。
 これにより、全体の周囲が増えている(≒ 筋断面積の増加)のが見て取れる。


 右は中間筋(ピンク筋)が発現した状態で、これはあくまで概念である。
 この中間筋に至る過程や、白筋だけがピンク筋に変化するのか、それとも赤筋も同様に至るのかなどはわかっていないが、どちらかというと

 「ハードなトレーニングや競技練習を積むことで白筋の中にミトコンドリアが発現し、乳酸代謝だけでなく、ヘモグロビンから供給される酸素による代謝も行えるようになった筋細胞である」

と、考えられている。

 これは赤筋と白筋の中間的な性質を持つと言われ、白筋と比べ 90~95% 程度の出力を持ち、乳酸代謝の時間以上の運動の継続ができると考えられている万能な筋である。
 短距離エリートアスリートの筋の8割がピンク筋といわれており、図はそれに沿って書いてみた。



http://hisajp.info/2009/05/post_258.html



 内分泌系(ホルモン)

 さて、次が内分泌系(ホルモン)の働きである。
 現在はこれが筋肥大の原因の 50% 以上を占めると考えられている。

 筋にタンパク質の合成を促すものは、アナボリック(同化)ホルモンと呼ばれる。
 反対にタンパク質の分解を促すものは、カタボリック(異化)ホルモンと呼ばれる。
 これらにはホルモンだけではなく、ホルモンに近い性質を持つようなものや因子まで含まれる。

 ホルモンはそれぞれの器官から放出されるが、それだけでは働かず、受容体(受け手)があって初めて働く。
 またそれぞれが連鎖して働く。


 いくつか代表的なホルモンを書く。


 インスリン

 「肥る」と間違って解釈されているインスリンだが、それが働かないと栄養は細胞に取り込まれない。
 健康な人は食事をして血糖値が上がることでインスリンが放出され、それにより筋肉内にグルコースやタンパク質が取り込まれ、筋グリコーゲンやタンパク合成を促す。
 これが適切に作用しないと筋は大きくなれない。

 日本人に多い二型糖尿病は、簡単に言うと肥った結果インスリンが出にくくなる病気だ。
 栄養過多な食生活を続けていると、その栄養を吸収する為にインスリンがたくさん放出されるが、そういうことを続けているうちにインスリンの放出を司る膵臓が疲れてしまい、インスリンが放出されにくくなり、栄養(血糖)が血中に漂っている状態となり、糖尿病となる。

 これを混同してはいけない。


 テストステロン(性ホルモン)

 次にテストステロンがある。いわゆる男性ホルモンである。
 男性だけにある物ではなく、男性に多く発見されたからそういわれている。
 男性に多く女性に少なく、女性は部位や年齢によっても違う。 

 男性の場合は強度な運動により急性で分泌が増え、またそれを続けていると運動をしていないときの血中濃度も高まる。

 女性の場合は、男性の 1/20 位といわれており、また、トレーニングによる変化は少ない。

 しかし、
 「女性は筋肥大が男性と較べ少ない」
というのは私はあまり気にしていなく、必要な強度をすれば男性と同じような、または8掛けくらいで進むと感じている。

 http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080523_bodybuilding_too_far/
( thanks mr. gai)

 このくらいになっても女性の筋肉量は男性より少ないのが、そうしたい女性が多いと思えなく、ここに至る前に終わっているので何とも言えない。
 ただし最終的な肥大度は男性よりも少ない気もするが、そのため性差がそれほど大事な要素なのかと言うと、そうは思えない事もある。


 成長ホルモン

 成長ホルモンは、タンパク質の合成を促し、脂肪を分解し、それぞれに対し逆の作用をするものもある。

 日の中での変動が多く、通常誰もが寝た直後の血中濃度は、平時の 50 ~ 100 倍程度になる。
 また、全身を使う複合種目(デッドリフトやスクワット等)を 10RM 強度で 3sets 程度行うと、3RM や 20RM の強度のトレーニングと比べ、その途中から後に掛け、はるかに多い量が分泌される。

 ただし、成長ホルモンを筋だけに限ってみるとカタボリックに働くという研究結果もあるようだ。
 また、脂肪分解の要素が強いため、上記の強度の運動を行うことで体脂肪の分解が進みやすい。


 成長因子

 成長因子はホルモンではないが、各器官から分泌され細胞の成長を促す働きをし、多数ある。
 筋合成に関連の深いものに インスリン様成長因子-I(IGF-I)がある。
 これはインスリンに似た構造をし、肝臓と筋線維自体から分泌される。

 肝臓は、成長ホルモンの刺激を受けると IGF-I を血中に放出し、ホルモンとして筋に作用する。
 また、強度なトレーニング等の活動をした筋線維自体も IGF-I を分泌し、自己や周囲の細胞に働きタンパク動作作用を促す。


 カタボリック(異化)ホルモン

 カタボリック(異化)ホルモンは副腎皮質から放出されるグルココルチロイド系(コルチゾール、コルチゾン)が代表的だが、これはエネルギー欠乏時や身体が強いストレスを受けたときに放出され、筋に対してはタンパク質や糖質を分解しエネルギー化させる働きをする。


 ホルモンは様々に放出される

 これら筋の合成/分解のそれぞれの作用をするホルモンは、反対の性質を持つものが同時に分泌される場合もあり、それらが総合的に働く。
 筋が活動するときにはタンパク質をエネルギーとする場合もあり、それが適度にないと活動強度が弱まる場合もありえるため、筋合成だけに働くホルモンが出れば有効なのかというとそうでもない。
 また、成長ホルモンにしても、それが出ないと IGH-I も肝臓より放出されにくいと考えられる。

 ホルモンは何かの行為をし、一つ目が出て、二つ目が出て、三つ目が出て、というような連鎖反応となる。
 
 
 
 筋の直接的な刺激

 筋への直接的な刺激の必要性は元々言われていたこともあるが、内分泌系の働きをみる前と今では見解が異なるように思う。 
 直接的な刺激とは、要するにその部位を使うトレーニングである。

 ホルモンを受け取る受容体は、その肥大させたい筋そのものが動いていないと、有効には働かないのではないかと思われる。
 また IGF-I の様な因子は、筋への直接刺激で筋自体が放出することが筋肥大へ有効に働くと考えられる。

 これらを期待するには筋への直接的な刺激が必要と考えられる。



http://hisajp.info/2009/05/post_257.html


http://hisajp.info/2009/05/post_259.html


 筋肥大を目的としたレジスタンストレーニングは、現在は
「いかに内分泌系に働きかけるか」
という考え方になっていると思う。

 筋出力の向上は 1~3RM、筋肥大は 10RM(8~12)、筋持久は 20RM のように経験上いわれてきたが、近頃は筋肥大のトレーニングに必要なプロトコルが理論的に裏付けられる様になってきた。

 筋出力の向上は、既にある筋肉を最大限使う事で、筋そのものより運動神経の開発が目的である。

 筋持久力の向上は、これは筋内部の乳酸の早期除去なので、毛細血管を増やす事で筋の緊張が一瞬抜けた際の血流を増加させ、新しい血と入れ替える事である。「筋時給能力の向上」という特別な要素があるのではなく、毛細血管の発達による血流の増加である。しかし、これ自体今はあまりいわれない様に思うこともあるし、何とも言えない。

 しかし、筋肥大のメカニズムは上記よりも分かっていない様に思う。


 ただし運動やトレーニングをする人は、経験上知っていたりそう聞いているので、筋肥大を狙う場合は大抵 10RM 程度の強度で行う。

 私は面倒なのでいつも 10RM と書いているが、部位や人により違うので、それにふさわしい強度なら問題ない。
 しかいそう細かいところを考えたところで、無理くりがんばると 2reps くらい回数が増えるし、ちょっとレストポーズするとさらに挙がったり、フォーストレップをするとどこまでが自力なのか不明になるので、 RM 回数の 20 ~ 30% 程度の違いははあまり意味がなくなる。

 筋肥大の理論的裏付けは毎年の様に入れ替わっている。
 ただし現実的なトレーニング内容はあまり変わらないように思う。
 
 
 
筋肥大のメカニズム 何が作用するか?

 筋肥大のメカニズムを書いてみようと思う。

 今まで主に、乳酸、筋破断、内分泌系、筋への直接刺激などが言われてきている。
 しかし本当かどうかはいまだよく分からない。
 
 
 
乳酸

 むかし、筋肉痛は乳酸が起こすと考えられていたが、実はほとんどそうでは無いようだ。
 極度の乳酸が溜まるといわれる 400m 走や、エアロバイクの HIIT、クロスカントリースキーでは、ひどい筋肉痛はあまり起こらない。
 また、パンパンになる様に、10RM 負荷から徐々に低減していくアームカールをもう動かないくらいに連続して行うと乳酸はすごい溜まるが、だとしてもひどい筋肉痛は起きない。

 しかしこれは筋肉痛に限っての話で、「筋肥大にどう働いているか」というと別な話である。

 筋肥大には筋グリコーゲンが充実していることが条件の一つとなっている。
 筋肥大時に行われる 10RM のトレーニングは糖質をエネルギーとする強度で、筋グリコーゲンがないと十分に行えない。
 3 RM 以下の重くなる強度なら ATP が溜まるのをじっくり待てばできるので減量時にもピーク重量は落ちにくいが、減量時は筋グリコーゲンが少ないので 10RM 強度のトレーニングは回数が続かなくなる。

 しかしこれで乳酸が筋肥大に作用するかというとわからなく、上記は「乳酸強度の運動をするには十分な筋グリコーゲンが必要である」ということである。

 ただし私は、乳酸濃度による筋への直接刺激は筋肥大に必要な要素ではないかと考えている。
 
 
 
筋破断

 それから筋破断が筋肥大を起こすと考えられて、今もそれは必要な要素の一つであろうと考えられている。
 筋肉痛が出ると満足感が高いが実はあまり意味が無い。どちらかと言うとネガティブ用件が増えると今は考えられている。

 「筋肉痛がなぜおこるか」ということもよくわかっていないのだが、ネガティブ動作で多く反復すると筋肉痛がひどくなり、「ネガティブ動作は筋破断を促す」ということは良くいわれる。

 極度の筋肉痛は熱を持つくらいで、痛くて回復に1週間くらい掛かるので、その間何も出来ない事が多い。
 ところが前者のような乳酸を過多に発生させる方法だと、筋肉痛はあまり起こらないから、1週間のうちに2~3回トレーニングが出来る。
 週に2~3回トレーニングするのと、1回しかトレーニングしないのでは、多分、週に2~3回トレーニングする方が明らかに肥大効率が良い。

 そのため筋肉痛は、満足感や、強度が適正より過ぎたかな?という目安にしかならない。


 しかし、筋破断と筋肉痛は関係がわからない。

 筋破断が発生するとそれをコラーゲンで一時的に埋め、その後時間をかけて筋が補修される。これは数日間の休養が必要である。
 筋がきちんと補修される前に同様の行為を行うと、筋肉間にはコラーゲンのような物質が増える。
 コラーゲンは筋肉として働かないので出力は増えないが、しかし周囲径(断面積)は増える。筋肥大と言えるかどうかはちょっと難しい。
 少なくともアスリートとして行う場合は、周囲径(断面積)の増加に伴う筋出力が欲しいために、筋肥大時には焦らずに十分な休憩が必要といえる。



http://hisajp.info/2009/04/post_254.html


http://hisajp.info/2009/05/post_258.html


 レジスタンストレーニングを独学で行うときは、自分で身体のバランスを考え、プログラムを組み立てる必要があります。
 それにより過不足を整え、自分の望む方向へ変える事が出来ます。


「人は得意なものから選択する」ことが、理想と反対に進める原因となる

 「人は得意なものから選択する」傾向があります。
 また、得意なものは楽なので、余計その方向へ進みやすくなります。
 独学のときは、余計それがバランスを悪くする方向へ繋がりやすいと考えられます。
 
 そのため、プログラムの過不足を整える指標として、次のように考える事が重要でしょう。
 
 
競技の場合

 競技であれば、負ける要因は大抵弱い点にあるので、それを強化する事で全身のバランスは整いやすくなります。
 得意な方向は放っておいても伸びていくので、特にそれを強化しなくても良くなると考えられるからです。

 「得意な方向を伸ばすことが良い成績につながる」というのも言えるのですが、こういうのは相対的なのでどちらか正しいと言うものではありません。

 ただし、明らかに言える事としては、「全体が伸びる時期は全体の器を大きくすべき」ということでしょう。
 好きな事だけをやって、全体の器が大きくならないのでは、その後の発展に影響を与えると思います。
 これは筋肉や身体と言う意味だけでなく、メンタルや競技技術も含みます。

 技を磨く段階になってきてからは、競技を続けると身体はその競技特性の方向へ進むので、強いところは余計強くなり、弱いところは余計弱くなる傾向があり、そのような筋バランスが悪い状態では怪我が発生しやすくなります。
 そのような段階では全体を肥大させる必要がなくても、適切に筋バランスを整える必要があるでしょう。
 
 
 
男性の場合

 男性の一般トレーニーの方はベンチプレスマニアとなる方がどちらかというと多く、そのような方はスクワットやデッドリフトなどはほとんどしなくなります。
 このような場合は、身体の前面(大胸筋)や肩が発達し、それ以外が元のままでバランスが悪くなりやすいです。
 このような場合、大胸筋の肥大での猫背、肩の肥大での怒り肩などが現れやすく、反面下半身が弱いままで O 脚となりやすいです。
 また、故障部位がどちらかと言うと上半身に集まります。

 男性の場合は、足す方向で全身を整えていけるので、女性よりプログラムの設計が楽だと思います。
 ただし、このような場合も行き過ぎると修正に時間がかかることや、障害が発生するとその治療で伸びがストップする為、最初から全体をバランス良く大きくする様に考えると良いでしょう。
 
 
 
女性の場合

 女性の方は体重を指標とする事が多く、それが過ぎると見た目が貧弱となったり、健康に影響を与える事もあるので、体重を絶対的な指標とする事はあまり適切ではないでしょう。

 このような場合は、痩せ始める部位はあまり使わない胸(デコルテ、肋間筋)や腹筋の辺りから減る事が多く見られます。
 脚はヒールのある靴を履くと大腿四頭筋外側や臑が張る事が多く、また脚全体として細くなりにくいです。
 これらの理由としては、閉経前の女性は男性ホルモンの比率が脚の方が高いので(考えられているので)、下半身は上半身と較べ発達しやすい(減りにくい)傾向がある為です。

 また、トレーニング種目との兼ね合いでは、例えば日頃から前腿を使っている様な方は、スクワットをする場合も浅く大腿四頭に効きやすいフォームを取りやすいので、余計その部位が発達しやすくなります。
 このような方の場合は、ハムや臀部を使えていない場合が多いので、活動的な若い頃のようなお尻のピークは復活しにくいとなります。
 このような時は、効かせたい場所に効かせるフォームをする様に考える事と、そういう細かいところ迄まわらないようでしたら、種目そのものを別なものに入れ替える方が効果的に進められるでしょう。
 
 
 
年齢に伴うもの

 また、性差を問わず、肩や腕はは常日頃から使うので高齢になっても筋は減りにくいですが、上背や腰のような背面、下腹を中心とした腹部、脚のような、立って活動するときに使われる筋群は(前述した伸展筋群です)、身体活動の低下に伴い減りやすい傾向があります。
 猫背、骨盤後傾または前傾の様な悪い姿勢や、それに伴う肩こりなどが現れやすくなるでしょう。 
 
 
 
レジスタンストレーニングに限らず、全体のバランスを考えて行いましょう

 上記のように、間違ったトレーニングを続けたり、自分の好きな種目を選んでトレーニングすると、悪い方向へ増長することが多いので、全身の筋バランスを考えトレーニングを行うと良いでしょう。
 またそれも、年齢や活動内容に応じて、整える必要があります。

 健康を基準に考えるなら、筋肥大を進める為に血液成分分析値がかなり基準から離れていたり、心肺機能のトレーングをほぼしないのだとしたら、そのような方面でも改善を図る方が良いでしょう。

 競技の場合は、目近な目標の達成とともに、最終的に良い結果に繋がる様に、双方の面から考えましょう。



http://hisajp.info/2009/04/post_253.html


http://hisajp.info/2009/05/post_257.html


競技技術とトレーニングをどの程度関連付けるか、トレーナーとどうつきあうか

 運動選手の場合は、今迄きちんとトレーニングをしていたのか、そうでないかで色々違いがあります。
 ある程度トレーニングを続けている場合は、同じ方向で進め、問題点を改善する方法が適切でしょう。またトレーニングによる身体の変化や、トレーニングの変更そのものへの違和感も比較的少ないです。

 全くの自己流や先輩から聞いたトレーニングだけをしている選手は、トレーナーから見ると最初からやり直しましょうの様な場合もあります。
 このような場合に難しいのは、選手はなんらかの自分に向いた方法を見つけて積み上げているので、根拠を持って変更しても受け入れにくい様な事もあります。


 また身体バランスを整える点と競技面では、競技動作を見ないとどのような身体の使い方をしているのかが分からないので、一概に良いと言われる筋バランスに整えるのがその選手の競技スタイルに向いているのかと言うと分かりません。

 例えばジャンプをするにしても、大腿四頭筋でジャンプするのか、ケツ筋を使ってジャンプするのかによって、結果が同じ動作でも使う筋肉は全く違います。
 打撃でもランでも、身体の使い方は本人の癖でしているので、外から身体を静的に見て「こことここが弱いから直しましょう」としても、半分くらいはとんちんかんな話しになります。

 競技はそれぞれの特性があるので、何か得意な競技分野をもつトレーナーであれば初対面でも適切な事が言えるかもしれませんが、同じ範囲しか見ないでしょう。
 そのため抜本的な改善を図りたい場合は、広い目で見るには汎用面で考えた方が適切な場合もあります。
 どちらにせよ、選手それぞれが違うので、競技動作を直接見たり、心肺機能のような基礎データがあれば、その方が分析をしやすいと私は思います。
 そういう分析は一朝一夕ではないので、「どこが悪くて競技成績に繋がらないか教えて下さい」と言っても無理な話しです。

 選手はそういうのは関係なしに、「身体だけ見せればどうにかなるだろう」と考えているところもあるようです。

 「ストレングス & コンディショニングコーチ」と呼ばれるようなトレーナーの場合ですと、「この部位にはこういうトレーニング方法があるよ」と教えて、そこから先は選手がそれぞれ考えるような場合もあります。
 これはこれで方法なのですが、選手自身が経験を積んでいろいろな例を当てはめられないと、成績と繋げるのは難しいでしょう。


 こういうのは、「長期的に見るのか」「技術に近いところ迄踏み込むのか」「それだけを見るのか」ということや、「選手から個人的に雇われているのか」「それぞれが別なところに所属していてお互いが第三者的に行うのか」などによっても異なります。

 そのためチームとして本格的に行うのであれば、きちんと時間をつくりデータを取り、監督や技術コーチとともにトレーニングプランを考えるのが良い方法でしょう。
 個人競技の場合は、主治医的なトレーナーに長年を通してみてもらうと、データも集まるので良いでしょう。
 
 
 
時期的な要因

 若い選手の場合は、身体が伸びるとともに技術もこれから上がってくる段階ですから、簡単に言うと競技練習をしてかつ主要トレーニング種目(Big-3)をやっていれば、双方が良い具合で伸びていきます。

 それがある程度身体の伸びが止まってから先は、どちらかと言うとコンディショニングの面が強くなり、身体のバランスを整える必要が高くなります。
 またこのような段階ではそれぞれの競技特性の癖が出やすいので、何か疲れていたり、思う様に身体が動かなくてぎくしゃくするような事もあります。
 こういう場合には、却って一般的なバランスの見方も方法でしょう。

 このようなある程度届いた段階で、レジスタンストレーニングで身体を変えたい場合は、競技としてもトレーニングとしても、かなり考えないと難しいとなります。
 筋肉を増やすのは簡単ですが、それを使いこなすには競技技術を筋肉の拡大にあわせ取得しなおす必要があるため、通常は高度に磨き上げるべき時期にそれを行うのは大変な為です。

 しかし、そうだとしても
「選手生命をかけて失敗しても良いから、ここで一気に上を狙いたい」
と言うような場合もあり、そういうのは選択の問題となり、善し悪しで計れる話しではありません。



http://hisajp.info/2009/04/post_252.html


http://hisajp.info/2009/04/post_254.html


 初めての本格的なレジスタンストレーニングを行う方に対して、私がさせていただいている方法を簡単に書くと

1、初期的な調整期(順応期)

2、全身の筋バランスを整える期間(基礎期)

3、全身の筋バランスが整って来たら、目的に合わせたプログラムにする(発展期)。

というような流れです。


 それぞれを説明します。

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 1、初期的な調整期(順応期)

a, デッドリフトやスクワットやベンチプレスなどの主要種目のフォーム取得。
b, フォーム取得を兼ねて、身体のアライメントを整える。
c, 朝の調整法など

 この期間では、あまり慌ててする必要は無く、どちらかと言うと、身体を運動できる様にならす意味が強いです。
 焦っても結果が良くなる訳ではないので、1〜2ヶ月間掛ける感じでゆっくりと進めていきましょう。

 これは 初心者のレジスタンストレーニング や 姿勢と気の流れ 8 朝の調整法 四股と四股捻転、腹式呼吸 にあるものです。

 運動を継続している方(例:運動部の高校生)がレジスタンストレーニングを導入するような場合は、フォーム取得に重点を置き、それが済んだら次に進んで問題ありません。
 これらの方も身体の動きを感じ取る様にされると、良いと思います。


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2、全身の筋バランスを整える期間(基礎期)

a, 1と同じような種目で、全身運動での全体の強化。
b, 弱い筋肉の強化。1を部位別に効かせたり(浅深、内外旋、開閉)、補助種目のトレーニングをします。
c, 様々な調整。


 まず人間の身体に現れやすい変化の特性として
・屈曲筋(腹筋、大胸筋、上腕二頭筋)は比較的残り、伸展筋(腰や臀部、大腿四頭筋)は早期に萎縮しやすい傾向にあります。
・短縮しやすい大胸筋や腹筋があり、伸展しやすい僧坊筋や広背筋があります。
・また、使っている部位は肥大し、そうで無い部位は減ります。

 そのため大抵は
・前後のバランスが悪い(大胸筋 vs 背筋。前腿 vs モモケツ)
・上下バランスが悪い(上半身型、下半身型)
・下腹部が腹圧に押し出される(腰痛のもと)

の様な状態が現れてきます。

 また、
・肘の逆反りや O 脚は痩せた女性に多いですが、こういう症状は拮抗筋に対応できないところ迄筋肉が落ちているから生じます。

 同じような症状にベンチプレスマニアの方がおられ、上半身が肥大していて下半身が弱い、大胸筋と背中のバランスが悪いなどの症状があります。O 脚の場合も多く見受けられます。


 また、全身の筋肉量では
・全身の筋量が不足している
・ある。ありすぎる(ありすぎると言う例はあまりないです)。
・バランスが悪い
の組み合わせてできるいくつかのパターンに分かれます。

 まずこれらを見て、a, b の方法で弱いところを肥大させ、他の部位に合うだけにします。弱いところに触れずに、強いところをさらに上げようとしても、やはりそれは難しいです。


 バランスが整ってくるに従い悪いところは消えてくるのですが、それでも人それぞれの弱点が残るので、それを
「c, 様々な調整」とします。
 これは人それぞれで、また発展状態により異なります。

 例えば通常の姿勢矯正などで取り除く事ができない場合などがこれに該当します。


 大体ここ迄くると、普通の感覚では「バランスの取れた良いからだ」となります。


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3、全身の筋バランスが整って来たら、目的に合わせたプログラムにする(発展期)。

 全身の筋バランスが整って来たら、目的に合わせたプログラムを行います。
 「2倍ずれていると、直す時間は4倍かかる」様な感じで、人により、部位により異なります。

 「大体ここいらで良いかな」というところまで整ってくれば、そこは別な見方をする事があります。

 そのようにして、競技であればそれに向けたもの、シェイプアップであればそれに向けたものへと変えていきます。

 その中でも本人の特性を伸ばすとか、弱点を強化するなど、様々なやり方があります。


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 このような

「筋肉の増加を行い身体のバランスを整えるトレーニング」

をするには、レジスタンストレーニングが主となります。



http://hisajp.info/2009/04/post_251.html


http://hisajp.info/2009/04/post_253.html


 レジスタンストレーニングを始める目的として、競技の為のトレーニングとしてされる方や、ビルディングやシェイプアップの為にされる方が多いと思います。
 また、ジムに入会したらフリーウエイトエリアがあり、面白そうだがなかなか近付き難いと感じておいでの方もいらっしゃると思います。それで誰もいない時に触ってみたりするのから入る方もおられます。
 また、有酸素運動を続けて痩せたら貧弱になってしまいどうにかしたい、という方もおられると思います。

 バーベルなどのフリーウエイトを使うトレーニングは大変面白いものなので、それにはまる人はたくさんいらっしゃいます。身体の変化も比較的早く現れるので、真剣に挑むとなおさら面白いです。

 最初のうちにきちんとしたトレーナーに付いて教わると良いのでしょうが、自己流で行ったり、近くにいる係の人に聞く事が実際は多いと思います。
 不適切なまま続け、やがて疲れたり故障して、暫く休んで再開が面倒になる様な方も、残念ながら多いと思います。


 レジスタンストレーニングは効果が出やすい反面、間違ったフォームでやっていたり、栄養や休養をきちんと摂らないでいると、却って怪我や故障に繋がりやすくなります。

 本人が
「本格的にやっていないから、栄養や休養は適当でいいだろう」
と安易に想定しても、身体には今迄体験した事の無い刺激が加わっていて、それに対応しようとしてひっちゃかめっちゃかになっている訳です。
 それで栄養や休養を疎かにすると、疲れが残るのは当然なのです。

 そのためレジスタンストレーニングを効果的に行いたいと考えるほど、栄養や休憩も含め全体を見て、トータルでプランを組み立てる方が良いとなります。
 トレーニングを考えるだけではなく、周辺も含めて「トレーニングプラン」と考えるようにしてください。


 それで「上手く行っていない」「不適切かも知れない」というのを最初のうちはどこで判断するかですが、簡単に言うと「疲れやすいかどうか」と言う事でしょう。
 挙上重量の月間増加率などで推定する方法もありますので、前述の「月間伸び率」の辺りを読まれてください。


 気持ちが先行して焦っているときは上手くいっていない事が多いので、自分の事を他人事の様に冷静に見れると、どんなトレーニングでも上手く行きます。

 また、こういう気持ち先行がなくなるとか、自分の結果を冷静に見れる様になるには、2年くらいの経験が必要な気がします。

 また、それから先は「今度も同じ様にいけるはずだ」と経験がある分、自分の都合が良い様に進むと期待してしまう事もあるように思います。

 当然の話しなのですが、身体は年齢とともに変わっていくのだし、身体の状態も変化していくのですから、「都度が新しい局面」と捉えるほうが可能性が広がり面白い気がします。
 

http://hisajp.info/2009/04/post_250.html


http://hisajp.info/2009/04/post_252.html


 レジスタンストレーニングは怪我の少ない安全なトレーニングと考えられています。

 理由として、

・衝撃性がほぼ無い。
 レジスタンストレーニングはゆっくりの動作で行う為、着地の衝撃がほぼありません。
 ジョグは着地の衝撃が必ずあるので、膝関節の弱い方は怪我をする可能性があります。
 ウォーキングをしても今度は臑が張ったりしますが、それもあまりありません。

・転倒や事故の可能性が少ない
 ジョグや競技と較べ、転倒や事故の可能性が少ないです。これは自分で扱えない負荷以上は扱えない為です、

 反面
・フォームを正しく覚えないと、期待する効果が得られない。場合により期待しないところへ働く。

・慣れないうちに重すぎる負荷を扱うと、すじや筋肉を痛める可能性がある。

・足の上にウエイトを落としたり、人にぶつけたりすると、怪我をする可能性がある。


 これらレジスタンストレーニングの事故はある程度の率で発生するものですが、有酸素性の運動やスポーツと較べ圧倒的に違う事は、
「自分が気をつける事で、未然に防げる事故がほとんどである」
ということです。

 有酸素性運動や競技は、それが軽度のものであっても、人や車との事故、競技中の接触で転ぶなどの
「突発性の事故」
がほとんどのため、自分で気をつけても防げない性格の事故が多くなります。


 これらの違いがありますので、ウエイトを扱う際は、
「適切な負荷を扱う」「ウエイトはしっかり持つ」「回りに人が大勢いるときは気をつける」「トレーニング中の人に近寄らない」などに気をつける様にしましょう。

 人が多くいて思う様に出来なくても、事故に遭って処理に時間がかかる方が面倒ですので、イライラしないでください。
 必要に応じて管理者に話して、環境の改善に向かう様にしてもらいましょう。

 参照
初心者のレジスタンストレーニング 24、安全の確保について学ぶ



http://hisajp.info/2009/04/post_244.html


http://hisajp.info/2009/04/post_251.html


様々なトレーニングや競技が身体に与える影響


レジスタンストレーニングでしか得られないもの

 筋肉の肥大が第一に挙げられます。
それに付随して、ビルディングやシェイプアップなどのがあります。

 筋出力や筋パワーの向上としては、競技でも結果的に得られますが、費やす時間を考えると、レジスタンストレーニングで行う方が早いだろうとなります。

 骨量の増加は、ウォーキングやジョギングやステップなどでもありこの場合はどちらかと言うと下半身に影響が多く現れます。
 レジスタンストレーニングの場合は上半身のトレーニング項目も多くあるため(ベンチプレスやショルダープレスやカールなど)、上半身にもその影響が現れます。


競技が身体に与える影響
 その競技の特性や臨み方によって変わるため、全般を通して断定するのはほぼ不可能と思われます。

 健康スポーツであれば、健康の向上に役立つでしょう。
 競技スポーツであれば、競技成績の向上を目的とします。健康度を妨げて行う事もあります。

 競技の場合はこのように目的や結果で変わる範囲が多いものです。


心肺機能向上トレーニングが身体に与える影響

 例えば Vo2Max/kg の向上は理論的にはレジスタンストレーニングでも行えますが、長時間全身を使う動作があまり無いため現実的には難しいとなります。

 しかし、Vo2Max/kg を向上させるようなトレーニングは、運動強度が有酸素性運動域を越えている為に、有酸素性トレーニングではありません。

 例として挙げると、400m 走やインターバル走やエルゴメーターでのインターバル走行のような、全身を疲労困憊をさせられるものでないとなりません。

 これらは走ったり自転車を漕いだりで、見かけは有酸素性トレーニングと誤解される方もおられますが、消費エネルギーの形としてはかなり無酸素性運動に近いものです。

 そのためこれらの能力を向上させる場合は、健康度が高い人でないと出来ないトレーニングとなり、心肺機能向上トレーニングという別なものとして分けた方が良いでしょう。


 注:健康増進運動の場合、全身酸素摂取量で Vo2Max を捉える事があり、その場合、身体が大きくなると比例して向上する場合があります。
 これは競技や運動としての Vo2Max/kg とは事なります。
 Vo2Max/kgの場合は最大酸素摂取量を体重 kg で割ったものなので、最大酸素摂取量(≒ 心肺機能)が向上するか、またはそれを保ったまま体重を減らす事になります。


有酸素性トレーニングが身体に与える影響

 有酸素性トレーニングというと、ジョグやウォーキングが思いつきます。
 「誰でもいつでも簡易に行える」と言うのが最大のメリットですが、それでしか得られないものがあるのかと言うと、相当難しいです。

 減量(脂肪減量や総体重の減量などすべてを含む)は他の方法でも出来ます。
 Vo2Max/kg の向上は上記のそれでしか出来ません。

 確実に一つ言えるのは、
「身体への影響が少ないから、健康に不安のある方でも、安全に行いやすい」
と言う事です。

 これは逆から見ると
「効果が出る迄時間がかかる」
ともいえます。


 もう一つかなり限られた条件で言えるのは、
「競技レベルで行うと、それの適合して筋肉が減っていく」
と言う事です。
 
 これは競技レベルでないとあまりあり得ない話しですし、健康に貢献するかと言うと、そういう身体状況ではどちらかというと健康は害しやすくなります。
 そのためこのような特殊な条件は、競技スポーツとして考える方が良いと思います。


様々なトレーニングや競技が身体面に与える影響をどう捉えるか

 これは、「自分の好きな方法、慣れ親しんだ方法」と「身体に実際に与える影響」を分けて考えないとゴッチャになります。
 理論的なものは理論的に詰めるべきですが、そこに自己の感情が入るとそれは理論的な追求では無くなります。

 身体に与える影響は比較的分かりやすいものです。

 「酒やタバコが好きだが、度が過ぎると身体に悪いと言うのは理論的に証明されている」
というようなもので、運動やトレーニングも適切な方法を組むと良いでしょう。
 
 
 
様々なトレーニングや競技が精神面に与える影響


レジスタンストレーニングが精神面に与える影響

 レジスタンストレーニングが精神面に与える影響として、
 「気持ちの向上の割合が競技や他のトレーニングと較べ高いだろう」
と言えると思います。

 これは内分泌系(ホルモン)の分泌に影響を与えやすいトレーニング行為をとりやすいからです。
 これを偶然ではなくコントロールして作れるのが、利点と言えるでしょう。
 どちらかと言うとポジティブな面を作りやすい様に思いますが、思う様にいかないとネガティブな面が出やすいかもしれませんが、分かりません。

 精神医学会関係では両方の面をどちらも言われており、「レジスタンストレーニングを率先して勧める」というものでは無い様に感じます。


競技が精神面に与える影響

 競技では、競技として高揚があり、その興奮はトレーニングでは得られにくいものです。
しかし負けるとネガティブになったりもします。
 ただし割合としてはレジスタンストレーニングと同様に思います。


心肺機能向上トレーニングが精神面に与える影響

 これをすること自体が競技者しかおらず範囲が限定されすぎている為に、議論する必要性が薄い気がします。
 しかし達成感や頑張った感は非常に高いでしょう。
 疲れた感も比例して高くなる為、栄養や休養を含めて考える必要があると思います。

 この種のトレーニングが必要とされる競技の場合は、結果が最終的に高い場合は、次もやりたいと思うでしょう。


有酸素性トレーニングが精神面に与える影響

 「ランナーズハイ」が良く言われます。

 これは
「何十分か走ると身体が苦痛に耐える様に、脳内ホルモンが分泌され、気分が向上させられる」
の旨で言われます。
 そういう感覚を受ける事もありますが、それであれば他の運動でも同じような時間を踏めば発生するはずです。
 それであれば走る以外でも良いとなり、果たしてどうなんだろうと思う事があります。


様々なトレーニングや競技が精神面に与える影響をどう捉えるか

 どのような場合でも、身体を動かすと精神的な変化は必ずあり、そのほとんどは良い方向に働くと考えています。
 しかし、明快になっていない部分が非常に多いとも言えるでしょう。

 また、身体のとの兼ね合いもあり、「精神面は精神が及ぼす影響が高い」と思われがちですが、運動や筋肉の研究者から見ると「運動や筋肉が精神へ影響を与えている」という見方もあります。

 このような面は徐々に解明されていくのではないかと思っています。
 


http://hisajp.info/2009/04/post_189.html


http://hisajp.info/2009/04/post_250.html


レジスタンストレーニングの概要

 レジスタンストレーニングとは、バーベルやダンベル等のフリーウエイトやそれを利用するマシン、油圧や空気圧を利用するマシン、ゴムなどの抵抗、または徒手抵抗や徒手体操など、様々なものを利用したトレーニングの事を指す総称です。

 俗にいう「筋トレ」とは、どちらかというと部活などで筋肥大などの限定された目的の為に行うトレーニングで使われる事が多い様です。

 レジスタンストレーニングの場合は、身体を整える事や様々な身体の変化を求めるトレーニング全般を指し、対象年齢や性別は問わず、様々な目的に沿ってプログラムを組むものです。
 含まれる目的として、骨密度の向上、筋肉や体脂肪の増量や減量、ビルディングやシェイプアップ、筋出力や筋パワーの向上や、それ以外のものも含まれます。


 NSCA JAPAN  NSCA  では、「ストレングス & コンディショニング」という概念で、直訳すると「筋肉とその他コンディショニング全般」と言い、筋肉が健康や運動のほぼ半分の要素を占め、それ以外すべてをひっくるめてコンディショニングと考えている様です。
 そのくらい、割合としては筋肉の占める用件が高いと考えています。

 このような筋肉ならびに身体全般のトレーニングを最初に書いたような道具や方法をもって行う事を、レジスタンストレーニングと呼びます。


 対義語といえるのか、
「レジスタンストレーニング <ーー> 有酸素性トレーニング(有酸素運動)」
という図式が浮かびますが、あまり適切とは言えないと思います。

 レジスタンストレーニングとは使う道具やそれにより行う質の運動の内容を基準に考えているのに対し、有酸素性トレーニングとは本来であれば「有酸素性強度以下で行う運動」となり、使う道具や運動の種類は問わない為です。

 ところが有酸素性トレーニングと言うとウォーキングやジョグとなり、本来の意味と一般的なイメージがずれてしまっている様です。


 これらの間違った認識からか、
「ウエイトを使うトレーニングは、女性や高齢者はしない特別なもの」
「筋肉モリモリになっちゃう」
「使えない筋肉が出来上がる」
「怪我しやすい、etc」
という既成概念が出来上がっており、レジスタンストレーニングがもたらす様々な恩恵を受けていない方が多い様に感じます。

 このシリーズでは、様々な方がレジスタンストレーニングを適切に進められる様に、書いていきたいと考えています。
 
 
 
レジスタンストレーニングの上達とは?

 レジスタンストレーニングでは、トレーニング動作が上手くなる必要は無く、逆にそれぞれの動作が上手くなるというのはトレーニングの効果を薄めてしまう恐れがあるものです。
 そのため、トレーニングの上達とは、それぞれの動作が上手くなる事ではなく、自分の目的に沿って効率的にプログラムを組める事が上達に該当します。

 そのような考え方を持たないままトレーニングを継続しても、得られる効果は最初の頃と大して変わらないとなります。


 レジスタンストレーニングを経験するに連れて負荷や使う道具(ウエイトの種類やマシン)が変わったとしても、基本的にやる事は一緒です。
 フォーストレップやマルチパウンデージなどの様々な手法を用いるのは、それが総合的なトレーニング負荷を積み上げる為に必要だからするのであって、負荷さえ満たされれば何でも良い訳です。
 また、目的に近づくほど、上達するほど、トレーニング内容は細分化される傾向にあり、その様な場合は負荷を軽くする事もあります。

 そのため
「負荷が重い=上達した人」
「難しい名前のトレーニングをしている人=上達した人」
と考えてしまうと、目的の達成から遠のく事もありえます。
 初心者の方ほどこうなりやすいので、気をつけてください。

 「重いものを挙げてみたい」
というのは特に最初の頃は興味を持ちやすく、それは良い事です。

 ウエイトを用いた競技として、ウエイトリフティングやパワーリフティングがあります。
 これは体重制競技のため、ある面では肥大を求めないで挙上重量を追求するものです。
 挙上重量を増やすという考え方は、競技として求められる成績であって、それとレジスタンストレーニングの上達というのは、近くなる事もありますが、トレーニングとは別なものでもあると考えてください。


 目的の達成に最適なトレーニング方法を選ぶ事がレジスタンストレーニングの上達であり、トレーニングの技法自体はやがて何でも良いとなります。そのくらい奥が深いし、長く安全に楽しめるものです。
 レジスタンストレーニングの持つこのような性格を正しく認識し、トレーニングの一連を組み立てる事が最大の上達と言えます。
 
 
 
対象となる方

 今シリーズで対象となる方は、初めて本格的にレジスタンストレーニングをされる方から、経験の長い方までを含めます。

 年齢は成人の方、性別条件はありませんが、健康な方を対象として書きます。
 既往症のお持ちの方、医師から減量を進められている方は、主治医の先生にご相談ください。

 「成人」とは骨の成長線が閉じている、身長の伸びが止まっている状態をさすとします。
 男性は中学3年生〜大学初期の頃のどこかで来る事が多いです。
 女性は、それよりも数年早いです。
 身長が伸びる事は、スポーツの世界では大きなアドバンテージに繋がる事が多いので、身長が伸びる可能性がある期間は、強強度のトレーニングは行わない方が良いと考えられています。
 この点は、少年期のトレーニングとして改めて書きます。


 また、進めるにあたり 初心者のレジスタンストレーニング の一連をお読みいただき、その中で書かれている「デッドリフト、スクワット、ベンチプレス」を最低限マスターしている方を対象として書かせていただきます。

 また、トレーニングの組み立て方が不明なままですと誤った方向へ発展する事もあるので、トレーニングの組み立て方 トレーニングプログラムの組み立て方 もご覧下さい。

 ご自身でトレーニングをされてきた同等の方でお読みいただいていない場合は、それらに目をお通しください。



http://hisajp.info/2009/04/post_244.html

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