各種栄養の説明の最近のブログ記事

運動時の摂取2

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 基礎的なところを書いておきたいので、マニアな話になるまでもうちょっと我慢してください。


4、タンパク質の摂取割合が多いとどうなるか?

 カロリーと増量/減量の関係はすごく簡単です。
・カロリーが足りていれば、増量する。
・カロリーが不足していれば、減量になる。

 筋肥大を狙う場合は、それに
「筋肥大に必要なだけのタンパク質が足りているか」
という要素が増えます。

 運動パフォーマンスの向上を狙う場合は、その運動の質により若干異なりますが、基本的に糖質の摂取が重要な要素です。
 
 
 
 主にエネルギーとして代謝(消費)されるものは、炭水化物と脂質です。
 その代謝を助けるものがホルモンの類いで、その減量となるものがタンパク質や脂質です。

 それら生命の維持や活動の為の PFC (タンパク質、脂質、炭水化物)が足りている上で、さらにタンパク質が十分であれば、その余分なタンパク質は血液や、内蔵、筋肉、皮膚や髪の毛の合成に回ります。

 では、総エネルギーは足りているが PFC のバランスが不適切で、タンパク質だけが多い場合はどうなるかというと、そのバランスが取れるまでタンパク質が活動エネルギーとして消費されます。

 そうなった場合の問題は何かというと、生理的なものとパフォーマンス的なものに分かれると思います。

「体温の上昇」
「成人病や疾患に繋がる可能性」

「肥大効果は」
「運動パフォーマンスの向上はあるか」
「コストが合うか」
というような事でしょう。

 前2点は生理的なものです。
 例えば欧米の中でもフランス人は統計的に体温が高く、これはタンパク質の摂取が多い為ではないかと考えられています(原因がそれだけとは言えません)。

 また、成人病や疾患というと何とも言えません。
 欧米の運動選手では、200g ~ 400g /日程度毎日摂っている例もありますが、日本人を含むアジア人の場合はどうなのかというと長期にわたっての観察はありません。

 近い例として、
「日本人は脂質への耐用性は少なく、それが国民病的な糖尿病の原因の一つであろう」
ということが分かってきましたが(これは後述します)、タンパク質に対してもそのような例が発見されるかもしれません。
 ただしこれは曖昧な話なので、ここでは書きません。


 運動やトレーニングされている方は、後者3点の、
「肥大効果は」
「運動パフォーマンスの向上はあるか」
「コストが合うか」
ということが気になると思います。

 ここでも体温との関係があります。
 人種に限らず、体温が高い人は暑い時期のパフォーマンスが落ちる傾向があります。
 食欲が落ちやすい場合は、肥大にしても運動にしても同様に下がると思われます。
 ちなみに、
 「炭水化物や脂質の代謝は、タンパク質の代謝より発熱が少ないので、東南アジアのような暑い地域ではそれが主になったのだろう、それらにより暑い地域に適用できたのだろう」
という旨の説もあります。

 つぎに
「糖質代謝に比べて、タンパク質代謝の優位点はあるのか?」
ということが考えられます。
 糖質がないと乳酸が発生しないので、運動パフォーマンス的には無い方が良いと言えます。
 しかし反面、爆発的出力要素ではクレアチンや糖質の代謝必要でしょう。それを保つだけの糖質は必要となります。

 また、肥大要素でいうと、なぜ筋肉が肥大するのかは明確でないですが、
「乳酸の筋肉内での発生も重要な要素の一つだろう」
といわれていることを考えると、排除はしにくいです。


 直接的な要因からは外れますが、血糖値が下がると頭がぼーっとして集中力が無くなるので、濃い濃度の練習やトレーニングの継続が出来るかというと、難しくなります。


 また、タンパク質の摂取量と筋肉の合成量(筋肥大)のデータでは、
「3g/kg 程度以上を越えても変わらない」
というものもあります(この内容がおぼろげなので調べて正確に記します)。


 そのため、コストが合うか、という視点から見ると、
「糖質や脂質の必要量を欠くほどタンパク質の摂取割合を増やしても、筋肥大にはあまり意味がない」
と言えるでしょう。



http://hisajp.info/2009/10/post_344.html

運動時の摂取1

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 スポーツやトレーニングをする方や、肥大時や減量時の、タンパク質と脂質の摂取について書いていきます。


1、タンパク質を含む食材 = 脂質を含む食材

 まず、通常の健康を意識した食事でのタンパク質の割合は、植物性 50%、動物性 50% 程度の割合が良いと言われています。
 なおかつ、動物性の 50% のうちの、25% がビーフやポークや鶏などの動物の肉や乳製品、ほか 25% が魚介の割合が良いだろうと考えられています。

 なぜそういわれるかというと、これは脂質の摂取の関係がある為です。

 タンパク質を含む食材は脂質を含むものがほとんどなので、肉を食べると動物性の油脂、魚を食べると魚の油脂、豆腐を食べると植物性油脂(この場合は大豆油)が摂れることになります。

 脂質の摂取というと、炒めものやフライの油を連想する方も多いと思いますが、食事全体としてみた場合は、食材からの脂質の摂取を考える必要があります。
 また、日本食のように調理に油をあまり使わない料理では、この食材からの脂質の摂取割合が高くなります。

 ほとんどの動物性油脂は飽和脂肪酸で分解されにくいため、摂りすぎると成人病に繋がりやすいと考えられています。
 そのため上記の割合の 50% : 25% : 25% でタンパク質を摂ると、動物性脂肪の摂取が適切な割合となるだろうということから、このように言われます。
 
 
 
2、脂質を多く摂ると体脂肪の割合が増えるか?

 では「脂質を多く摂ると体脂肪の割合が増えるか?」 というとそうではありません。

 体脂肪が増えるかどうかは、エネルギーが余っているかどうかです。
 エネルギーが足りていない場合は、当然減ります。

 余ったグリコーゲンやタンパク質はそのまま保存が出来ないので、脂質に変成して体脂肪として蓄えます。

 タンパク質の脂肪への変化は、直接的ではないことや、比較的代謝に使われやすいこともある為、タンパク質の余剰摂取は優先して燃焼に使われることがあります。
 しかしその場合は、本来使われるべき炭水化物や脂質が消費されにくくなるため、結局タンパク質を多めの食事をしても、エネルギーが過多であれば体脂肪の割合は増えます。
 
 
 
3、タンパク質のエネルギー化

 体内では様々なタイミングでタンパク質を合成/分解を繰り返し、代謝に必要なタンパク質を作り出しています。
 また、アミノ酸レベルでの代謝もあります。

 例えば、内蔵はグルタミンをエネルギーとする割合が高いです。
 また、グルタミンは免疫系のアミノ酸と言われています。
 合成/分解の過程では、内蔵は内蔵自身を分解しグルタミンを作り出しエネルギーとして使用し、栄養を吸収し、それで再度内蔵を作ります。

 激しい運動をする場合は、筋肉内でエネルギー化しやすい BCAA (バリン、ロイシン、イソロイシン)が消費されます。
 これも筋肉を分解しエネルギー化する場合があります。
 このため BCAA のアミノ酸は3種類しか含まれなくプロテインスコアが整っていなくても、運動時に摂取するのは都合が良い訳です。
 余談ですが、余った BCAA はグルタミンに変成されます。

 このように、タンパク質を代謝する場合は、遠くから持ってくることはあまり無く、その場のものをたいてい使うようです。

 激しい運動をすると食欲が落ちたり、風邪をひきやすくなったりするのは、身体全体のタンパク質要求量が増えるため、内蔵がグルタミンを作るのに分解された後に再合成に必要なタンパク質が他に廻るからではないかと、私は考えています。しかしこれは一部しか見ていないので全体を表すものではありません。

 血液は、激しい運動では物理的に分解されたり、エネルギー化されることもあり、タンパク質が不足した状態で強度な運動を続けるとヘモグロビンが減り貧血になる場合もあります(正確には合成が追いつかないというほうが近いでしょう)。
 こういう時に鉄だけを摂っても貧血はあまり改善しないでしょう。
 ヘモグロビンは、ヘム鉄 + グロビンから成る血中蛋白の一つです。


 このようなタンパク質の合成/分解は代謝の為に必要なもので、知らぬ間に行われているものなので、「筋分解は大変だ」と考える必要はありません。

 このタンパク質の合成/分解で延々保つ訳ではなく、エネルギーとして使われる分や、髪の毛や爪や皮膚のような直接代謝に関与しない分にも使われる為、摂らないと体内のタンパク質が徐々に減って行きます。
 その摂取量の基準は、厚労省では 1.2g/kg(米国では 1g/kg)となっていて、健康的な生活を送るにはこの程度は摂る必要があると考えられています。

 活発な運動をする場合はこれ以上摂らないと足らなくなり、筋肥大を狙う場合はさらに増やす必要があります。

参考:
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9906/s0628-1_11.html

http://www.pref.nagano.jp/eisei/hokenyob/kenzo/eiyotyosa/pdf/11_9%206jieiyoushoyouryou_hikaku.pdf



http://hisajp.info/2009/10/post_348.html

アルコールの影響

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 健康の為のアルコールの摂取量は1日 30cc 程度と言われており、ビール大瓶1本(633cc)、日本酒1合、水割りシングル2杯程度がそれに該当します。

 また、大量のアルコールの摂取は、各種の病気や障害を引き起こす場合があります。
 これらのため、アルコールは適量を保ち、週に2回程度の休肝日をもうける様にしましょう。

 また、女性の方が体重当たり少ない摂取でアルコール依存症にやりやすいと言われています。
 
 
 
 運動とアルコールの関係についてです。

 アルコールには脱水症状を引き起こす作用があります。そのため運動後すぐにアルコールを摂取すると、筋分解を起こしやすくなる事が考えられます。

 また、肝臓の負担が増えるため、筋破断が多いような強度な運動やトレーニングの場合は、肝臓に関する血液分析値に異常が出やすくなる様です。

 ただし、それらを同時に行った研究は目にした事がないことや、アルコールと運動のどちらが影響が大なのかは明確にならないと思われます。

 そのため、想定できる範囲としてですが、筋肥大を目的とするような強度なトレーニングや激しい競技練習をする場合は、アルコールの摂取は控えるか、呑むとしたら時間を経てからの方が良いでしょう(チームで行う週末ゲームのような場合)。
 
 
 
 運動中のアルコールの摂取が与える影響は、血中に含まれていると、少量では興奮状態を引き起こし、やがて酩酊に至ります。これらはアルコールを飲みながら運動する事は無いものとして書かないとします。
 

 食物繊維は人の消化酵素で消化する事の出来ない、食物中に含まれる成分の事を示す。主に植物に多く、多糖類が多い。
 食物繊維には、消化管機能や腸の蠕動(ぜんどう)運動の促進、栄養素の吸収を緩慢にしたりする等さまざまな生理作用がある事が知られている。
 また、人には消化が出来なくても、大腸内の腸内細菌の発酵の材料になることもあり、その場合はエネルギー化される場合もある。
 
 
 
 主に水溶性食物繊維(SDF, soluble dietary fiber)と不容性食物繊維(IDF, insoluble dietary fiber)に分類される。

 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維では生理作用に違いがある。
 水溶性食物繊維は胃や小腸での滞在時間を増やす事でコレステロールの吸収を抑えたり、血糖値の急な上昇を抑えたりする。胃の中での膨満することで満腹感が得られる。
 不溶性食物繊維は大腸に働きを促す。便の容積が増えるため排便が促される。癌の予防効果が期待される。カルシウムの吸収を阻害することが考えられている。

 前者はペクチン(果物)、グアー(豆)、グルコマンナン(こんにゃく)、アガロース(海藻、寒天の成分)、アルギン酸ナトリウム(昆布)などがある。()はそれを含む一般的な食材である。
 後者はセルロール、ヘミセルロース、リグニンなどで主に野菜類に含まれる。キチン、キトサンは甲殻類の殻やキノコなどに含まれる。

 食物繊維の所要量は決定されていないが、目標摂取量は1日20〜25g程度とされている。1000kcal 当たりで10gという計算方法もある。
 

http://fooddb.jp/index.html
http://www.caloricdiet.com/special/articles/fibrin.html
http://jdf.umin.ne.jp/
http://www.linkdediet.org/hn/modules/pico/index.php?content_id=137
http://www.linkdediet.org/hn/modules/pico/index.php?content_id=193



http://hisajp.info/2008/05/post_721.html

http://hisajp.info/2008/05/post_722.html


お勧めの本
http://hisajp.info/recommend2.html

 通常の食事では白米やパンや麺類を主に炭水化物を摂るが、運動時の食事も通常の食事と同様で問題ない。

 また、運動強度や増量や減量などの目的により、調整すると効果的であると考えられる場合もある。


 競技や競技練習、またはハードなトレーニングや増量の場合には、途中でエネルギー不足とならない様にするのが大事である。そのため、
- あらかじめ肝臓及び筋グリコーゲンを通常の食事により蓄えておくことが好ましい。
- 2 時間前程度であれば、おにぎり1つ程度の 40g 程度の中 GI 値の炭水化物の摂取が好ましい。
- 運動の直前や途中では高 GI 値のものを適時適量(5g 程度)を、水分補給時に併せて摂取するのも方法である。
- 終了後は、疲労の回復や使用した筋グリコーゲンを補充する為に、速やかに糖質を補給できる様に GI 値の高い物を摂取する事が好ましい。量は体重1kg 当たり0.7g の糖質とその 1/3 のタンパク質が良いとされている。タイミングは早い程良いが 30 分以内であれば問題ないであろう。


 競技中は、併せてインスリンショックに気をつける必要が有る。
 特に競技の途中の1時間程度の休憩では、そのはじめに高 GI 値食材を 10g程度以上摂取をすると、休憩が開ける頃にインスリンショックとちょうど重なりだるく感じる事があり、競技成績に影響を及ぼしかねないので注意が必要であろう。
 競技やトレーニングなどの運動の最中では、他のホルモンの働きが勝っているからインスリンショックの影響は出にくいと考えられ、5g 程度を糖質タブやスポーツ飲料で適時摂る分にはこの問題は発生しないだろう。
http://hisajp.info/2008/07/post_15.html
 
 
 
 主に脂肪の減量を目的とするトレーニングの場合は、運動後に筋分解を起こさないために GI 値の高い物を適量摂取する事が効果的である。摂取量は上記の体重1kg 当たり0.7g の糖質とその 1/3 のタンパク質を基準だが、「摂取量を 0.5g /1kg 程度に減らす。摂取のタイミングを運動後 30 分程度とする」などが良いようである。
 ただしこれは糖尿病の減量の場合は異なる。


 また、傾向としてだが、LDL は単糖に近い食材を大量に摂ると上がる場合があるようである。但し個体差も大きい。
 
 
 
 これらの様に目的により食材は変えるべきなので、激しい運動時に低 GI 値食を行うのは間違った考えである。競技成績やトレーニングの結果を良くする為には全体を考える必要がある。



http://hisajp.info/2008/07/gl.html

お勧めの本
http://hisajp.info/recommend2.html
http://hisajp.info/recommend1.html
 

(前回と書き調子が変わっていますが同一人物です)


 前回のグリセミック指数だけを見るのはあまり正しくないだろう、という事で次に考えられたものがグリセミック負荷(グリセミックロード、GL)である。
 その食物に含まれる炭水化物量とグリセミック指数を掛け合わせた物で、通常の食事の単位でどの程度血糖値が上がりやすいかの目安になる。

 計算式としては、
  食材に含まれる炭水化物 g * グリセミック指数 / 100
となる。

 また、サービングサイズ(一人前の分量)を基準とする事が多い。


 今回は例として、ご飯とパン、および果物を二種類を記す。
 ご飯は小盛り(女性サイズ、160g)、パンは 6 枚切の 2 枚とした。
 通常バナナは1本2本、グレープフルーツは 1/2 個くらいが一般的な食べる量であろう。

 成分分析はこちらから引用させていただいた。
http://fooddb.jp/index.html

 グリセミック指数は最初のから引用させていただき、下段ページで確認した(文献含む)。
http://homepage2.nifty.com/tsukuba-pinkribbon/GlycemicIndex.htm
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2008/05/006887.php
http://www.glycemicindex.com/
http://www.health.harvard.edu/newsweek/Glycemic_index_and_glycemic_load_for_100_foods.htm


 今回はグリセミックロードの説明の為、廃棄率、カロリー、水分、炭水化物のみを添付する。エネルギーが計算上合わないのは脂質やタンパク質を載せていない為である。
 
 
 
rice160g.JPG
 ご飯 160g(精白米)
カロリー 269 Kcal
水分 96 g
炭水化物 59.4g
GI 70
GL = 41.6
注)おおよそ男物のご飯茶碗が 250g 程度で、定食のライスもそのくらいである。160g は女性茶碗の普通盛りくらいである(写真の物は 2/3 が白米で1/3 が玄米だが、今回は全部精白米として計算する)。
 
 
 
bread120g.JPG
 パン 2 枚 120g( 6 枚切の物の2枚、製粉歩留65〜75)
カロリー 317 Kcal
水分 45.6 g
炭水化物 56g
GI 95
GL = 53.2
注)このパンは 6 枚切で 1 枚でおよそ 60g あった。上記のご飯と相当させる為 2 枚で 120g とする。
 
 
 
banana200g.JPG
 バナナ 200g (廃棄率 40%、120g が食用部分)
カロリー 103 Kcal
水分 90.5 g
炭水化物 27.0g
GI 60
GL = 16.2
 
 
 
grapefruit_half.JPG
 グレープフルーツ 1/2 切で 200g (廃棄率 30%、140g が食用部分)
カロリー 76 Kcal
水分 178 g
炭水化物 19.2g
GI 30
GL = 5.76


 これらにより、

・パンの方がご飯より血糖値を上げやすい。
・グレープフルーツとバナナは、同じ重量ではバナナの方が廃棄率が高い割には血糖値は上がりやすい。

 となる。

 実際にはその食材そのものの成分割合、他の食材との組み合わせ、調理方法などによって異なる。
 また人種による差の研究は不明である。

 

http://hisajp.info/2008/07/gi.html

http://hisajp.info/2008/07/post_28.html

お勧めの本
http://hisajp.info/recommend2.html
http://hisajp.info/recommend1.html

 

 食事により血糖値が上がると、インスリンが放出され細胞に養分が取り込まれます。
 筋を肥大させたり保持するには栄養が必要です。インスリンが放出されないとそれらの働きが非常に悪くなり、血糖値が高いままなのを糖尿病と呼びます。

 「細胞に取り込まれた養分が余るとやがて脂肪になる為、血糖値の上がりにくい炭水化物であればインスリンの放出が少量であり肥満に至らない」
 というのが低インスリンイエットの理論ですが、これは相当拡大解釈しているか、一部しか見ていないため、あまり正しい説明ではないでしょう。

 グリセミック指数は炭水化物のみに適用する指標ですが、インスリンは炭水化物以外を摂っても放出されます。

 また、摂取した食物はグリセミック指数がいくら低くても、養分は排便までに吸収され血中に取り込まれ、筋肉細胞に取り込まれない分は最終的には肝臓で中性脂肪(体脂肪)に変わります。

 また、活動(運動や労働)により消費した筋グリコーゲンは速やかに筋肉に供給する事が好ましく、そのような際にはグリセミック指数が高い食材が好ましいです。それの補給により筋分解が押さえられ、脂肪の分解する割合を高く出来ると考えられています。

 グリセミック指数の基準となっているのはブドウ糖で、それを 100 としています。
 数値の高いものは吸収が早く、血糖値を急激に上げるとされています。


 経口ブドウ糖負荷試験 というものがあり、糖尿病の診断方法の一つです。
 現在の病院で行う方法は WHO の基準に従い 75g のブドウ糖水溶液を飲み、2時間後の血糖値を測定するものとされています。以前は 50g や 100g を用いた場合も有ります。

 グリセミック指数の試験は、この経口ブドウ糖負荷試験で表される2時間後までの推移を表にしてその面積を求め、それを基準とします。
 次に別な食材を 炭水化物量 75g を含む量を摂り同等の時間推移で面積を求め、それをブドウ糖と較べ % で表した物がグリセミック指数です。
 グリセミック指数の計算では 50g が引き続き使われているのか、75g を使用しているのかは分かりません。
 ただし、グリセミック指数の計測の明確なプロトコルは無い様です。

 また、単純に二つの食材が合わさった砂糖(ブドウ糖と果糖で作られた二糖)のような食材は、比率から計算している場合も有る様です。

 グリセミック指数はそれぞれの組織や団体がそれぞれの方法で計っていて、統一基準は現在のところ有りません。そのためそれぞれの表は異なります。
 
 
 
 実際の食事は単品で摂る事はほとんどあり得ないです。また摂取量が2倍になれば血糖値の上昇する割合もほぼ2倍となります。
 また、茹で時間や調理方法でグリセミック指数は容易に変化したり(茹ですぎれば上がる)、脂質やタンパク質などを混ぜると(ご飯に油と肉野菜を混ぜたチャーハン、スパゲッティ各種)遅くなります。

 日本の食事でも、ご飯の他に、お味噌汁、焼き魚、肉類、野菜類、揚げ物、酢の物などが有りますが、グリセミック指数は、その一部のご飯や野菜類だけに適用する指標です。

 これらにより、グリセミック指数だけを見るのはあまり現実的ではないでしょう。


前 
http://hisajp.info/2008/07/post_15.html


http://hisajp.info/2008/07/gl.html

お勧めの本
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 血糖の筋肉への取り込みにはインスリンが必要である。インスリンは糖質以外の取り込みにも働く。

 先に書いたが、血糖値が急激に上がりやすい順に表した物がグリセミック指数(グリセミックインデックス、GI )である。

 通常、血糖値は安定している。
 食後に血糖値が上がるとインスリンが放出され筋細胞に吸収させる。血糖の細胞への吸収が上手く働かない病気が糖尿病(1型、2型に分かれる)である。

 食事をして数時間経つと徐々に血糖値が下がり始めるが、そうなると頭は「お腹が空いた」と感じる様になる。
 また、運動などの行為を含め血糖値が下がると、グルカゴンの作用により肝臓グリコーゲンを分解し放出したり、筋を分解して血糖値を保とうとする。

 果糖はインスリンに関わらず吸収される性質を持つが、GI が 30 程度と低い為、運動直前や運動中の摂取には向かないであろう。
 
 
 
 インスリンは血糖値が急激に上がると大量に放出される。その結果、食事前よりも血糖値が下がる事が有る。
 これをインスリンショックと呼ぶ。食後にだるくなったり眠くなったりするのは、これも一因でる。
 おおよそ 30 分から 60 分程度でこのような症状が現れやすい。

 インスリンショックの症状は、単糖や二糖類などの GI の高い糖質を 40g 程度摂ると現れやすいといわれる。

 そのため、 30 分〜 60 分程度で次の試合が始まるような場合は、インスリンショックの事を考えると、GI の高いものは大量に摂らない方が良いと思われる。
 このような条件では、単糖や二糖であれば 10g 程度に抑えるか、またはデキストリンのような小糖類、または果糖の摂取が好ましい。
 手軽に摂れる例として、「エナジータブ」の様な商品名で売っているものや、スポーツドリンクを含めた清涼飲料水、果汁 100% ジュースなどがある。
 スポーツドリンクを含めた清涼飲料水の場合は、100cc で 10g 程度の糖質を含む商品も有るので、一缶の 350cc を全部を飲むと摂取量が越える場合が有るので注意が必要である。


 また、5 分後に運動をするような場合でも、果糖(果汁ジュース)を除いて同様の摂取で問題が無いであろう。


 一日のトレーニングが終わりジムで直後食を摂る様な場合は、インスリンショックの影響はあまり気にする必要は無いであろう。
 
 
 
 また、インスリンは吸収をさせようとする為、脂質のエネルギー化を阻害する様な働きをする。
 運動の直前や途中で糖質を大量(単糖や二糖類で 40g 程度以上)に摂取し、それによりインスリンが大量に放出されると、体脂肪(中性脂肪)の燃焼が上手く働かない事もあり得る。
 これは長距離走や脂肪燃焼トレーニングの場合は不利な条件となりやすいので、注意が必要である。


前 
http://hisajp.info/2008/07/post_13.html

http://hisajp.info/2008/07/gi.html


お勧めの本
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 炭水化物は、身体活動のエネルギー、脳の活動のエネルギー、身体を作る際のエネルギーなどになる。

 中程度の活動強度の場合の食事では、エネルギー比で、タンパク質が12%、脂質が 20~25%、炭水化物が 63〜68% となっている(前出、三次改訂日本人の栄養所要量(昭和59年))。

 活動強度が上がってくると、炭水化物のエネルギーに占める割合は 50% 程度に下がる。

http://hisajp.info/2008/05/post_720.html
http://hisajp.info/2008/05/post_719.html
 
 
 
 運動のエネルギーは、主に筋グリコーゲンから使われ始め、次に血糖、さらには時間を経ると血中の遊離脂肪酸が使われる。
 クレアチンは筋グリコーゲンより早い反応に使われるため、通常の生活強度ではほぼ使われないと考えてよい。また今回の炭水化物の欄においてはクレアチンの説明は省く。

 また、脳はブドウ糖(グルコース)しか栄養として使えない為、血糖は脳の為に有ると考えられる。血液は体重の 1/13 程度のため、60kg の体重で 4.6 リッター程度で、100mg/dl とすると、全血液中に 4.6g 程度しか含まれない事になる。
 脳の使用するグルコースは1時間当たり 5g 程度と言われる。余談だが頭を良く使う職業と思われる学者は、私の知る限り炭水化物の摂取割合が多い様に思える。
 
 
 
 運動で消費された筋グリコーゲンは、外部から補給しないと、筋そのものを分解して筋グリコーゲンをまかなおうとする。糖新生、筋分解とはこのような事を指す。ホルモンとしてはグルカゴンなどが主に作用する。
http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/gluconeo.htm


 運動が終了して暫くするとこの傾向が強まるので、 30 分以内を目安に食事を摂ると良い。
 食事がそれよりも遅くなる場合は、補食として糖質の含まれているジュース類や軽食を摂り、改めてしっかりとした食事を摂るべきであろう。



http://hisajp.info/2008/07/post_12.html


http://hisajp.info/2008/07/post_15.html


お勧めの本
http://hisajp.info/recommend2.html
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 炭水化物または糖質と呼ばれる。

 最小単位を単糖と呼び、ブドウ糖(グルコース)、ガラクトース、果糖(フラクトース)などがある。

 単糖が2つ繋がったのを二糖とよび、ショ糖(一般的には砂糖)、麦芽糖(マルトース)、乳糖(ラクトース)がある。

 単糖が2つから100個未満程度繋がった物を小糖類と呼び、代表的な物にオリゴ糖やデキストリンなどがある。

 単糖が100以上繋がった物を多糖類と呼ぶ。通常、炭水化物というときは多糖類を示す。
 
 
 
 糖質は、主に米や麦類から摂る事が多い。これらには多糖類(炭水化物)の形で含まれている。
 また、果物類から摂る事もある。果物類には果糖やブドウ糖の含まれる割合が多い。
 また、飲料や菓子類で砂糖類や果糖、ブドウ糖加糖液糖などを使う事が多く、それによる摂取もある。
 
 
 
 糖質の吸収の速度はグリセミック指数(グリセミックインデックス、GI )で表され、ブドウ糖を基準の 100 としている。

 単糖類(や二糖、小糖類の一部)は、十二指腸や空腸の様な腸の前部で吸収され、肝臓を通り、ブドウ糖以外は肝臓でブドウ糖に換算され、血液に入り血糖(血中グルコース)となる。

 多糖類は消化分解されないと吸収されないので、消化過程の分の時間がかかる。
 吸収は主に回腸(小腸)となり、消化が進んで吸収される様になったものから吸収されると考えられる。
 吸収される形は単糖(や二糖、小糖類の一部)なので、吸収以降の過程は単糖類と同様に肝臓を通り血糖となる。
 
 
 
 血糖値が上がるとインシュリンが分泌され、それにより筋肉などに取り込まれやすくなる。

 動物は、筋肉に筋グリコーゲン、肝臓に肝グリコーゲンで蓄える。使われなかったグリコーゲンはやがて肝臓で脂肪に変換され、体脂肪として蓄えられる。

 植物は、光合成で糖を作り、デンプンとして蓄える。状況により脂肪に変換され蓄えられる。


次 
http://hisajp.info/2008/07/post_13.html

 
お勧めの本
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 体脂肪はおもに中性脂肪とよばれ、1つのグリセロール(グリセリン)に3つの脂肪酸が繋がっている。

 脂肪酸は前章で書いた様に何種類もあり、どの脂肪酸とグリセロールがついているかで脂肪の性質が異なる。


脂肪酸の示性式 : CH3-(R)-CO2H
http://ja.wikipedia.org/wiki/脂肪酸


 脂肪酸には炭素原子が16〜20あり、その炭素原子がすべて水素原子で飽和されているものを飽和脂肪酸とよび、そうでないものを不飽和脂肪酸と呼ぶ。

 飽和脂肪酸は主に肉や乳製品などの動物性の脂肪で、ラードやヘッド(豚、牛の脂肪)のような常温で固体となる。
 鶏の油も動物性脂肪だが、胸肉のような部位は皮を剥がすとほとんどを取る事が出来る。


 不飽和脂肪酸は主に植物油や魚油に多く含まれ、常温で液体となるが、ココナッツ油やカカオバターは飽和脂肪酸が多く常温で固体となる。


 摂ると良いと言われるのは不飽和脂肪酸で、その中には必須脂肪酸が含まれる。必須脂肪酸が不足すると、発育や健康面で様々な障害が出ることがある。

 また、エネルギーやホルモンの材料となる為に、必要な分は摂らないとならない。

 
 若い女性の場合、同じカロリーを摂っていても脂質の不足により月経異常の発生の報告がある(確認中)。
 
 
 

http://hisajp.info/2008/05/post_736.html


お勧めの本
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脂肪

 主に動物に含まれているものを動物性脂肪、植物に含まれているものを植物性脂肪と呼ぶ。


 動物性脂肪は、体内で主に炭水化物から合成され、肝臓脂肪、内臓脂肪、皮下脂肪に蓄積する。
 蓄積された脂肪はグリセリンと脂肪酸に分解され、ATP 回路でエネルギーとして使用される。


 植物性脂肪は、主に光合成により炭水化物が作られ、それが分解され、色素体により
- ピルビン酸 ー> アセチルCoA ー>脂肪酸 が合成され、
- 脂肪酸 ー> 中性脂肪 となり貯蔵される。
 植物の脂肪は主に種子に多い。他に細胞膜の形成などがある。

 植物に蓄積された脂肪は、グリセロールと脂肪酸に分解され、ミトコンドリア内で脂肪酸が酸化され、エネルギーとして使用される。
 種子に蓄積された脂肪は、ペルオキシソームの酵素により発芽過程のエネルギーとなる。

http://www.dbc.ous.ac.jp/~ino/courses/plant_1/PDF/9.炭素代謝.pdf
http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/BotanyWEB/cell.html

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 人間(動物)の脂肪の役割

 脂肪の役割は、エネルギーとして使用されることの他に、ホルモンを作る器官、ホルモンの材料、脂溶性ビタミンの蓄積、コレステロールの材料となる事や、皮膚や頭皮を乾燥から守る、体温を保存するなどの働きがある。


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 脂肪酸

 脂肪は脂肪酸を含む。

 脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられる。
- 不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸(高度不飽和脂肪酸ともいう)に分けられる。
- 不飽和脂肪酸は炭素結合が飽和していないもので、価は脂肪酸の分子構造の状態を示す。
  一価不飽和脂肪酸は、n-9系(ω9、オメガ9)と呼ばれる。
  多価不飽和脂肪酸は、n-3系(ω3、オメガ3)、n-6系(ω6、オメガ6)に分類される。

 不飽和脂肪酸の脂肪酸は、飽和脂肪酸の脂肪酸と入れ替わり活性化させる働きを持つ。

 脂肪酸は、必須脂肪酸と非必須脂肪酸に分かれる。
- 必須脂肪酸は不飽和脂肪酸に含まれ、そのうちの多価不飽和脂肪酸が必須脂肪酸である。
- 必須脂肪酸は体内で合成できない為、食物から摂取する必要がある。
- 必須脂肪酸が不足したり、バランスが悪いと、体調を崩す原因になるといわれる。

 必須脂肪酸は、n-3 脂肪酸と、n-6 脂肪酸である(n-9 は、必須脂肪酸ではない)。


 多価不飽和脂肪酸には、n-3 脂肪酸と、n-6 脂肪酸の2系統がある
- n-3 は、脂肪酸のメチル末端から数えて最初の二重結合炭素が3つ目のもの。
- n-6 は、脂肪酸のメチル末端から数えて最初の二重結合炭素が6つ目のものの事を言う。

 摂取バランスとしては n-3 系を n-6 系より増やすと良いとされている。
 
 
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 脂肪酸の主な種類とそれが含まれる食用油脂

- n-3 脂肪酸:α-リノレン酸/エイコサペンタエン酸 (EPA)/ドコサヘキサエン酸 (DHA) (主な市販油としては、紫蘇油、亜麻仁油、魚油)

- n-6 脂肪酸:リノール酸/γ-リノレン酸/アラキドン酸。
 (主な市販油としては、高リノール紅花油、高リノールひまわり油、大豆油、菜種油、月見草油)

- n-9 脂肪酸:動物脂、高オレイン紅花油、高オレインひまわり油、菜種油、オリーブ油
 (市販油のサラダ油は菜種油、大豆油、菜種+大豆油のいずれかであることが多い。また、エコナは菜種を原料とするため n-9 系統が多いと言える)。

 
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 酸化

 不飽和脂肪酸に二重結合が複数あると酸化されやすい。酸化した油脂は眼粘膜への刺激やアレルギーの原因となる可能性があり、摂取を避ける方が好ましい。

 二重結合は、n-3 > n-6 > n-9の順になる。
 加熱処理には適さない為にドレッシング等の生食が良いとされる。

 また、不飽和脂肪酸が活性酸素と反応して生じる脂肪酸酸化物ラジカルの、発癌機構に対しての寄与も示唆されている。
 (筆者:要するに酸化した不飽和脂肪酸に癌を防ぐ働きがあると考えられていて、体内で作られるのは悪い訳ではないようだ)。

つぎ
http://hisajp.info/2008/05/post_737.html


お勧めの本
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 10g のアミノ酸は、 10g のタンパク質です。

 吸収が速いから少ない量で同じ肥大効果があるというのは、あり得ないです。

 そのため、一日を通して必要なタンパク質の量は、同じ量となります。

 例えば 1日当たり 120g のタンパク質が必要とすると、アミノ酸で 20g 摂れば、ほかに 100g のタンパク質を、肉や魚、プロテイン粉末などから摂る必要があります。

 ただし、アミノ酸は、運動前中後での摂取では胃腸の負担となりにくいです。

 また、吸収が速い事は、消費したアミノ酸を補給し、筋分解を防ぐには有利と思われます。

 そうだとしても、運動で消費した筋グリコーゲンの補給をしないと筋分解は起こります。それは糖質を補給する事で行うものであって、その代わりにアミノ酸を使うのは意味が無いでしょう。


http://hisajp.info/2008/05/eaa.html


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EAA

 必須アミノ酸8種をブレンドしたもの。それぞれのメーカー独自のバランスとしている。

 メーカーのポリシーによるだろうが、幼児期の必須アミノ酸のヒスチジンは含まないと思われる。


 実のところ、個人的に興味が無いので知らない。
 そのためあくまで個人的見解だが、理論的に言っても1〜2時間前のプロテインの事前摂取と比較すると、あまり変わらないのではないだろうか?

 プロテインは必須アミノ酸と非必須アミノ酸の両方を含んでいる。


 事前摂取が出来なかったのであれば、タンパク質と比べ吸収の速いアミノ酸をブレンドした、EAA も上がってくるが、そうであれば BCAA 摂取で効果はあまり変わらないのではないだろうか?

 事後摂取の場合も、同様の見解を持っている。


 ビルダーレベルで真剣に追い込んでいる方には、あまり参考にならないかもしれない。
 

http://hisajp.info/2008/05/post_732.html

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http://hisajp.info/2008/05/post_733.html
 
 
 
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コラーゲン [英]Collagen [学名]Collagen

 全身のタンパク質の約30%はコラーゲンである。全身のタンパク質が約20%とすると、全身の組織の5〜6%程度を占める事になる。

 コラーゲンはタンパク質で、30種類かそれ以上の種類の報告されている。

 骨や軟骨や靭帯に20%、皮膚に40%含まれ、爪、頭髪、筋肉の細胞間物質、血管、内臓などにも含まれている。
 一般的に骨はカルシウムが主をなしていると考えられるが、コラーゲンにカルシウムが付着しているという方が正確かもしれない(筆者)。
 細胞間にあるものは細胞の結合をし、また、形状を整える。血管や、肝臓、腎臓のような内臓はコラーゲンにより形が作られる。
 他には、免疫機能や回復機能、眼精疲労や白内障の予防や改善、出血を止めるなどの働きがある。


 筋肉の細胞間はコラーゲンが埋めている。

 筋肉が損失するような大きな怪我をした場合は、その部位にはコラーゲンが集まり、とりあえず損失部分を埋める。

 筋肉はトレーニング等により破断されるが、同じ働きにより、その破断されたところはまずはコラーゲンが埋める。その後数日をかけコラーゲンが埋めていた部位に筋肉が作られる。

 これらを回復過程と呼ぶ事が多いが、その回復過程が終了しないうちに同じ部位に再度筋破断が起こると、そこは筋肉が修復されないうちに再度コラーゲンに埋められる。

 そのような状態が継続して発生すると、筋肉が固くなったり腱化したりする。その結果、筋断面積比の出力が弱い、筋肉が固くなるなど、質の悪い筋肉となる様に筆者は感じる。
 
 
 
 コラーゲンに必須アミノ酸は少なく、最も多いのは非必須アミノ酸である、グリシンで、次いでプロリン、アラニンなどである。必須アミノ酸をほぼ含まない事から、栄養価は低い。

 コラーゲンは体内で合成される。合成することが出来る部位は、皮膚の線維芽細胞、骨の中にある骨芽細胞、筋肉内の筋芽細胞などに限られている。
 それら以外の組織はコラーゲンを合成する事が出来ず、そこで作られたものが運ばれてくる。

 コラーゲンを合成するときにはビタミンCが不可欠である。これが不足しているとコラーゲンを正常に合成できず、壊血病などの原因となる。

 コラーゲンは体内で合成されるが、その材料はアミノ酸である。
 腱の煮込みや軟骨、魚の目やヒレなどのような、肉や魚に含まれるゼラチン(コラーゲン)を摂ると良いと言われるが、それはありえ無い。
 そのようなコラーゲンを含む食材を摂っても、一度アミノ酸に分解され吸収され、それから再合成されるので、コラーゲンからコラーゲンが作られるという事は無い。

 コラーゲンはペプチドの形であれば、ほぼそのままコラーゲンとして吸収され活用されると考えられている。これを活性状態と呼ぶ。
 このような形で他の生物等で作られたコラーゲンを摂取するのは、安全性に懐疑的な見方もある。

 また、関節痛などが生じていてそれに対して摂取したとしても、目的の部位に届く訳ではなく適度に分配される。
 そのためこれらコラーゲン系の健康食品の有効性は証明されていない。


 化粧品などでは、皮膚の保湿剤の効用はあると思われる。


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http://hfnet.nih.go.jp/hfnet/contents/detail.php?no=23&mode=normal

概要:
 コラーゲンは健康食品として、俗に「美容によい」、「骨・関節疾患に伴う症状の緩和によい」などといわれているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータが見当たらない。

 安全性については、アレルギーを誘発する可能性が示唆され、妊娠中・授乳中の安全性についての十分なデータがないことから使用を避けるべきとされている。

 コラーゲンを多く含む食品としては、鶏の手羽や、フカヒレ、牛すじ、鶏皮などがある。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。


安全性;
 ニワトリコラーゲンの安全性については十分なデータがない。従って、妊娠中、授乳中は使用を避けること。アレルギーなどでタンパク質に過剰反応する人は注意が必要である。

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http://hisajp.info/2008/05/post_731.html

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 クレアチン [英]Creatine (=メチルグリコシアミン)

 クレアチンはアミノ酸ではないが、アルギニン、グリシン、メチオニンの3つのアミノ酸から合成されるものである。

 ATP 代謝回路の最も速いエネルギー源で、50m 走、ジャンプ、投擲、重量挙げなど数秒で完結する運動のエネルギー源となる。

 およそ 8 秒間ほど、その強度の運動が出来るクレアチンが体内に保たれている。使うと再合成されるがそれには数分かかるといわれる。

 サプリメントとして、1980 年代に東欧で使い始められた覚えが筆者にあるが、明確ではない。

 このクレアチンが筋肉内に多く保存されていると強強度の運動が長く継続できると言われ、短距離走や自転車などで疲労困憊になる迄の時間が長くなる、1RM 重量が増えるなどの研究結果がある。

 運動面で直接向上させる働きが認められ、またトレーニングで用いると負荷を上げられる為にトレーニングの密度が増し、その結果成績が向上すると考えられる。

 また水素イオンを中和すると報告されている。
 
 
 クレアチンは食材には少なく、1kg の肉で 5g 程度と言われる。そのためサプリメントから摂取することが多い。

 クレアチンを摂取する場合は、クレアチンローディングという方法でクレアチンを体内に溜め込む方法をとる。この結果、体内で数十グラム (20〜30g)程度増えると言われる。

 筋に保有される物質の為、体重と筋量で摂取量を計算する場合もある。その目安は、70kg未満 (2g / 1回) 、70〜100kg (4g / 1回)、100kg越 (8g /1回)となっている。
 最初は 1日4回程度を目安として数日間(5〜7日程度)行い、その後はメンテナンス期間と言い 1日1回摂取を継続する。

 大量に摂っても保有量が増加するものではない。

 運動後に摂ると良いと言われる。ローディング期間中は1回はそのようにすると良いと言われる。

 炭水化物と一緒に摂ると良いという研究結果がある。

 酸性物質とは一緒に摂らない。クレアチンリン酸になる為。

 また保水作用が増えるため、ローディング、メンテナンス期間とも、通常より水分が必要となる。
 アルコール、カフェインは脱水作用があるため、相反する場合がある。それほど気にする必要も無いだろうが控えた方が良いと言われる。
 

 常温もしくは粉末(結晶)では吸収率が低いと言われ、レンジでチンして摂取をする場合もあるが、この研究は不明だ。
 
 
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評価:
・短期間の激しい運動の繰り返しの際に、運動能力(特に筋肉の)を高める目的での経口摂取は有効性が示唆されている。多数の研究から、クレアチンはある種の激しい運動に有効という結果が得られているが、他の運動には効果がないという報告もある。(健康な若い人において)単回の運動よりは、短期間に最大の運動を繰り返し行う場合にもっとも有効であると思われる。またより長い時間、意図的に有酸素運動と無酸素運動を交互に行う場合に、効果が高いとされている。有酸素運動での効果はないとされている。高齢者でも効果はみられないという報告がある。慢性的に用いるよりは、短期間に使用する方が効果が高いとされ、ほとんどの研究では20g/日を5日間摂取して効果を見ている(66)。
・運動習慣がない健康な高齢者16名(平均年齢70.4歳)(試験群8名)を対象とした二重盲検試験において、クレアチン5-20gを8週間、毎日摂取させ、同時に筋力トレーニングを行ったところ、レッグプレスの1-RM(最大挙上重量)が増加したという報告がある(2005233484)。
・高齢男女39名(65-85歳)(試験群21名)を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、レジスタンス運動と共にクレアチン5g/日、共役リノール酸6g/日を6ヶ月間摂取させたところ、脂肪量の低下、除脂肪量、膝、胸、腕の筋力の増加がみられたが、血漿クレアチニン値も上昇したという報告がある(PMID:17912368)。
・男性ボート競技選手20名(平均年齢19.4歳)(試験群10名)を対象とした二重盲検試験において、クレアチン20gを6日間、毎日摂取させたところ、2,000mローイングのタイムが向上したという予備的な報告がある(2001164499)。この現象については更なる検証が必要である。
・活動的な成人20名(平均年齢21.7歳)(試験群10名)を対象とした二重盲検試験において、クレアチン20gを6日間、毎日摂取させた結果、間欠的自転車スプリント運動の3回目以降の結果が向上したという報告がある(2000257664)。
・大学ラグビー男子選手17名(平均年齢19.5歳)を対象とした二重盲検試験において、クレアチンサプリメント20mgを3週間、毎日摂取させた結果、膝屈曲筋力と無酸素性運動時の疲労耐性が上昇したという報告がある(2000210625)。
・さまざまな筋ジストロフィーをもつ成人および小児において、筋肉の強さと日常の活動を向上させる目的で経口摂取は有効性が示唆されている(PMID:10802796) (PMID:15159476)。毎日クレアチンを8週間摂取したところ、筋力と日常的な活動にやや改善がみられたという報告がある(66)(PMID:10802796)。

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その他:
・トレーニングを積んだ運動選手の能力を向上させる目的には、経口摂取でおそらく効果がないと思われる(66)。
・60歳以上の人の運動強度や体格の改善の目的には、経口摂取でおそらく効果がないと思われる(66)。

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安全性:
・適切に用いれば、経口摂取で安全性が示唆されており、連続摂取で5年まで安全という報告がある。
・妊娠中・授乳中の安全性については充分なデータがないので、使用を避ける。
・多量摂取は副作用が出やすくなり、危険性が示唆されている。副作用としては、胃腸の痛み、吐き気、下痢が報告されている。
・腎疾患の既往症がある人、糖尿病患者などの腎機能不全のリスクが高い人は、使用を避けたほうがよい。

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail548.html

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http://www.e-tyozai.com/kbic/kureatin.html

http://www.page.sannet.ne.jp/grand-ma/docjoc/dj001.htm

http://www.pharm.tohoku.ac.jp/~soutatsu/dds/research/r_index.html
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http://hisajp.info/2008/05/1bcaa.html

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 必須アミノ酸の、バリン、ロイシン、イソロイシンを、BCAA(Branched Chain Amino Acid、分岐鎖アミノ酸)と呼ぶ。

 サプリメントでは、それぞれを1:2:1程度に配合したものが多い。
 
 
 
 BCAA は、筋肉中で代謝される(エネルギーとして使われる)アミノ酸である。

 基本的にエネルギーの元は、脂肪酸や糖質(筋グリコーゲン)である。
 脂肪酸のエネルギー化は酸素を必要とするので、強い運動の際はエネルギーの供給が間に合わない。
 糖質は、酸素が無くてもエネルギー化される(乳酸強度の運動)が、乳酸を発生する。
 また、他にはクレアチンがあるがそれは8秒程度の短時間しか持たないと言われる。

 BCAA はアミノ酸だが筋肉中で代謝にも使われる。この場合は酸素が無くてもエネルギー化され乳酸の発生は無い。そのため持久力が向上する場合もある。
 また運動中に摂取する事で、その効果が継続すると言われる。


 しかし、代謝エネルギーの中心である糖質や脂質不足した状態で BCAA を摂取しても効果が薄い。
 そのような糖質や脂質のエネルギーが不足した状態では、本来は身体を作るタンパク質(アミノ酸)がエネルギーとして消費されてしまう為に、身体の発達や維持、ホルモン分泌、免疫等に必要な分が不足する可能性がある。

 そのような状態で BCAA を摂っても、エネルギーの供給としても、身体の発達としても、望む効果は出にくい(出ない)と言えよう。
 
 
  
 BCAA はグルタミンと同様に、筋の異化作用を防止する働きがあると考えられる。

 また、BCAA には、(グルタミンには無い)筋の同化作用(筋を増加させる)があるとされている。

 体脂肪の燃焼効果があると言う研究結果もある。懐疑的な研究もある。

 主観的運動強度を弱める(楽に感じる)効果があると言われる。これは血中のアミノ酸を高める事により疲労を感じさせるセロトニンの発生を低くする為と言われる。


 BCAA は、牛肉や大豆に多く含まれる。また、通常の食品から十分に摂れると言われる。

 運動を行う場合は、摂取すると主観的強度が低減され、また筋分解の防止や筋肥大に効果的と考えられる。


 ケチらずにがばっと 20g 摂るべし(編者)。


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安全性:

バリン
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail625.html

ロイシン
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail633.html

イソロイシン
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail602.html


・経口摂取では短期間、適切に用いれば安全性が示唆されている(66)。分岐鎖アミノ酸は6ヶ月までの試験において有意な副作用は報告されていない(PMID:3116290)(PMID:10367552)(PMID:10397076)(PMID:10467608)(PMID:12611783)(PMID:12777270) (PMID:11522870)。

・妊娠中・授乳中の安全性については充分なデータがないので、使用を避ける(66)。

・経口摂取および静脈注射で血清アンモニア濃度が上昇することがあり(PMID:8365971) (PMID:7810616)、これは疲労や運動協調の低下につながる。また、悪心が起きることがある(PMID:12611783)。ロイシン、イソロイシン、バリンを含む分岐鎖アミノ酸60gを代謝機能が正常な人が7日間摂取したところ、血中アンモニア濃度が上昇したが毒性レベルまでは上昇しなかった(PMID:12611783)。分岐鎖アミノ酸を長期に高用量摂取する場合は肝機能をモニターしたほうがよい。

・メープルシロップ尿症(分岐鎖アミノ酸が代謝されない先天性異常)の患者は、血中の分岐鎖アミノ酸濃度が高いので分岐鎖アミノ酸の摂取量が上昇すると痙れんや身体的・精神的発育遅延が起きることがある(PMID:11238772)。


・経口摂取では短期間、適切に用いれば安全性が示唆されている(66)。分岐鎖アミノ酸は6ヶ月までの試験において有意な副作用は報告されていない(PMID:3116290)(PMID:10367552)(PMID:10397076)(PMID:10467608)(PMID:12611783)(PMID:12777270) (PMID:11522870)。

・短期間、適切に経口摂取する場合、安全性が示唆されている。
・妊娠中・授乳中における安全性については、信頼できる充分なデータがないので使用を避ける。
・筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療に分岐鎖アミノ酸を用いた研究で、死亡率が上昇したという報告がある。
・アルコール依存症患者において肝性脳障害が1例報告されている。
・メープルシロップ尿症(分岐鎖アミノ酸が代謝されない先天性異常)の患者では、痙れんや身体的・精神的発育遅延が起きることがある。 
 
・運動中の筋肉消耗を低減するために経口摂取で有効性が示唆されている(PMID:7810616)。
 


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 グルタミンは、体内で合成される為、非必須アミノ酸として扱われる。
 筋肉に最も多く含まれるアミノ酸で、筋肉の約 60% はグルタミンからなっている。そのため「筋肉にプールされている」と表現する場合もある。
  
 
 グルタミン ( glutamine:Gln ) とグルタミン酸 ( glutamic acid:Glu、塩はglutamate ) は可逆的に変化する。
 通常の呼吸が足りているときはグルタミン酸を合成する側に偏っている。呼吸が不足する際はその逆と言える。
 グルタミン酸は分解され、他のアミノ酸合成の際にアミノ基を供与する。
 
 
 グルタミンはアルギニンとともに免疫機能を高めると言われている。
 グルタミンは医療現場でも使われる。
 グルタミンやグルタミン酸は主に小腸、リンパ球、マクロファージでエネルギーとして代謝(消費)される。
 小腸のエネルギーや免疫機能で必要なときは、筋が分解(異化)され、それに使われる。


 グルタミンは、筋の異化作用を押さえると言われていて、筋分解を伴うような激しい運動の際は摂った方が良いと言われる。
 トレーニング等で筋が分解(異化)されると、グルタミンが血中に放出されるが、摂取によりこれを押さえられると言われる。
 骨格筋のミオシンは速筋に多いが、グルタミンはこの消失を防ぐ働きがあるといわれる。

 しかし、グルタミンを摂取しても、主に小腸などの内臓器官で代謝され、また免疫機能に使われる為に、筋及び筋肥大等にはあまり関与しないと言われる場合もある。
 また、運動能力の向上に経口摂取で効果がないことが示唆されている。
 そのため摂取でのメリットでは否定的な研究や意見もある。
 
 また、グルタミン酸は 運動時のアンモニアを処理する為に BCAA より体内で合成される。そのため BCAA を大量に摂取する方が効率的であろう、という研究もある。

 また、グルタミンはアンモニアに分解されるため、トレーニングの事前摂取には向かないと言う意見もあるが、またその逆の報告もある。
 また、アンモニア合成に関してだけ言えば、BCAA での合成も報告されている。

 これらを含め、グルタミンが運動に与える効果については、明確に解明されていないだろう。
 
 
 
 グルタミンはグルコースに変換される。この際にインシュリンの発生は無い。
 そのため、グルタミンは、ローカーボダイエットの際は筋分解を発生しにくい様に作用すると考えられるが、脳に必要なグルコース(約120g / 日)を筋分解で供給するほどのローカーボダイエットは通常は行われないだろうから、このメリットは通常は無いと思われる。
 
 
 グルタミンは 140 度の熱で変性する。そのため刺身などの生の方が摂りやすいと言われる。
 また、グルタミンの経口投与による摂取率は低いと言われ、空腹時が有効とされている。
 L - グルタミンとは、法的な表示で、調味料、栄養強化剤として扱われる場合の表示である。
 サプリメントは、通常小麦タンパク(グルテン)より作られる。

 ここに挙げたグルタミン及びグルタミン酸は、「グルタミン酸ナトリウム(うまみ調味料)」とはまったく別なものである。
 
 
 安全性
- 経口投与の場合は、40g / 日 までは安全性が認められている。
- 妊娠中、授乳中のデータは十分に無いため使用を避ける。
- 神経及び精神疾患の患者においては、神経系に作用すると言われる。
http://hfnet.nih.go.jp/contents/indiv_agreement.html?610


http://ci.nii.ac.jp/naid/110001945788/
http://ci.nii.ac.jp/naid/110002127805/ (有料)
 
 
日清ファルマ 小麦グルテン加水分解物 WGH の研究。澤木ら(順天堂大学) 
http://www.wgh.jp/wgh/000016.php
 
 
 

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アミノ酸の科学構造

   H
   l
 RーCーCOOH
   l
  NH2

 アミノ酸は、一つの炭素(中央のC)カルボキシル基(右のCOOH)とアミノ基(下のNH2)、水素(上のH)が付き、アミノ酸側鎖(左側のR)からなっている。

 このRの部分が何が付いているかによって、アミノ酸の種類が異なる。


 食事などから摂取したタンパク質は、アミノ酸(またはペプチド)の形で吸収された後、必要に応じ体内で別な種類のタンパク質に再合成される。

 体内にあるタンパク質は、体重の約 20% といわれ、筋肉、内臓、血管、リンパ管、皮膚などから、髪の毛や爪もタンパク質から出来ている。
 また、関節(関節包)内部の軟骨や、骨や骨の内部、腱に含まれるコラーゲンもタンパク質である。
 コラーゲンはあらゆる細胞に含まれている。
 また、血液やリンパ液にもタンパク質は含まれている。

 そのような器官などの材料となる他に、酵素やホルモンの材料にもなる。
 また免疫を司る免疫抗体は、すべてタンパク質から出来ている。


 このような器官の元となるタンパク質は、その元となるアミノ酸から構成されている。アミノ酸が体内で再合成され、現在の身体となっている。

 また、アミノ酸は身体を構成するとともに、血液やヘモグロビンの合成、エネルギー代謝、クレアチンの前駆体、神経伝達物質の前駆体、記憶(の補助)などにも関与している。


 前回説明した9種類ある必須アミノ酸だが、幼児期、学童、成人と年齢にしたがい体重 1kg 当たりの必須量は減ってくる。

 ヒスチジンは幼児期の必須アミノ酸だが、学童期以降は必須でなくなる。
 アルギニンは幼児期は必須アミノ酸で、その後は準必須アミノ酸となっている。

 必須アミノ酸が一つでも不足すると、タンパク質の再合成が正しく出来ない為に、身体器官が正常に成長しなかったり、または機能が正常に働かなくなる。

 必須アミノ酸がバランスよく含まれているかどうかは、「アミノ酸スコア」が指標となる。8種類(幼児は9種類)の必須アミノ酸が、それぞれ必要量満ちているものが「アミノ酸スコア100」となる。

 ある食材で必須アミノ酸のリジンが 90 だとすると、他のアミノ酸が 100 またはそれを越えていたとしても、90 しか働けないとなる。この食材のアミノ酸スコアは 90 となる。
 この様な場合、同時に摂取した別な食材にリジンが 110 含まれているとすると、それにより補えるとされている。


 動物性のタンパク質の多くは、アミノ酸スコアが 100 である。
 また大豆(ソイ)タンパク質のアミノ酸スコアは以前は不足していると考えられていたが、現在は 100 とされている。
 これらアミノ酸スコアが 100 のタンパク質は、ほぼすべてが効率よく体内でのタンパク質の再合成に活用されている。

 植物性のタンパク質は、リジン、メチオニン、スレオニン、トリプトファンが不足している事が多い。このため、ベジタリアンの場合は、アミノ酸のバランスに気を配る必要があるといえよう。


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 アミノ酸はタンパク質の構成単位である。
 その最小単位が1つのアミノ酸で、アミノ酸分子と呼ばれ、フリーフォームとも呼ばれる。
 アミノ酸分子が2〜10繋がったのがオリゴペプチド、10〜100繋がったのがポリペプチド、100以上繋がっているのがタンパク質と呼ばれる。
 また、オリゴペプチドの中の2〜3繋がったペプチドを、それぞれ、ジペプチド、トリペプチド、と呼んでいる。


 タンパク質と呼ばれるものは、種々のアミノ酸が結合され、または含まれてなっている。

 アミノ酸は、フリーフォームアミノ酸やまたは小さい単位のペプチドなどで、一つの種類のアミノ酸になって市販されている(ものが多い)。
 また特定のアミノ酸だけを配合したものもある(例:BCAA、分岐鎖アミノ酸。バリン、ロイシン、イソロイシン)


 アミノ酸は500種類くらいあると言われているが、人間を構成するものは20種類である。

 アミノ酸のうち、人間が体内で合成できないものを必須アミノ酸とよび、9種類ある。
 イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジンである。
 これは人間が体内で合成できないので、食物から摂る必要がある。欠けると身体機能が正常でなくなる。

 非必須アミノ酸は11種類と言われ、チロシン、シスチン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン酸、グルタミン、プロリン、グリシン、アラニン、アルギニンである。
 これらは体内で合成できるが、グルタミンの様に積極的に摂った方が良いと言われるものもある。但しグルタミンは近頃の研究では否定的な意見もある。


 小腸は単体のアミノ酸、または2〜3繋がったペプチドを吸収できる。
 タンパク質の消化吸収過程では、タンパク質は高分子化合物で数百万から数万繋がっている。タンパク質は消化酵素などの働きでアミノ酸まで分解されるが、4時間程度かかると言われている。
 アミノ酸はこの消化過程が無い為に、小腸に届き30分〜60分程度で吸収されると言われる。血中濃度は60分程度で上がる。

 吸収速度はフリーフォームのアミノ酸より、2〜3程度繋がったペプチドで吸収した方が早いことが分かっている。
 

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