筋出力の性差
通常のトレーニングは負荷は RM で表します。
10RM 負荷は 75% 1RM 程度です。
1RM 出力がその人の持つ最大筋力で、これは筋の断面積で変わります。
そのため同じ体重でも筋肉の付いている部位の違いで、
「あの人は脚が強く、この人はベンチプレスが強い」
ということに繋がります。
また、全身の骨格筋量が多い人は、全身の骨格筋量が少ない人と較べ、体全体の最大筋力が強いです。
これは性差や年齢差に現れ、男性は女性よりも、大人は子供よりも、力が強いとなります。
体重比挙上重量と言う考え方
男性
身長 168cm
体重 65.9kg
平均 BMI 23.34
骨格筋量(45%) 29.7kg
体脂肪(20%) 13.2kg
臓器骨格(35%) 23 kg
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女性
身長 155cm
体重 53.5kg
平均 BMI 22.26
骨格筋量(35%) 18.7kg
体脂肪(25%) 13.4kg
臓器骨格(40%) 21.4 kg
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さて、今迄説明した中で、
・男性は女性に較べ骨格筋量が多い
・筋の出力は、筋の断面積で変わる
・筋の実行出力は、ある程度迄は非常に効率的に増える
ということが分かります。これは
・筋を増やすには今迄以上の負荷が必要になる
・負荷が多くなると、疲労も多くなる
ということに繋がります。
男性の体重比挙上重量
それは体重比挙上重量に現れ、例えば男性の1RMの場合は、
・ベンチプレスは、体重 120% かそれ以上
・スクワットは、体重の 150 ~ 200%
・デッドリフトは、体重の 200% を越える
位はほぼ誰もが挙げられる様になります。
スクワットは、バーが肩に乗り体重の重さが加わる為、実際にそれを上げるのは怖い事もありますが、レッグプレスのような体幹が保持されている種目ですと、体重の 2倍くらいは誰もがいけるようになります。人に寄ってはトレーニングをしていない素の状態でも問題なく出来ます。
デッドリフトも同様に重いのは怖いと言うのはあります。
10RM 重量はこれに比例して多くなり、
・ベンチプレスは体重と同じ
・スクワットは体重の 120~150%
・デッドリフトは150%
くらいを扱わないと、それ以上の肥大が進まないとなります。
このような負荷となると、筋肉に必要なだけの刺激を加えると、全身がそうとう疲労します。
筋肉そのものとしてみると、それでも不足しているように感じる事もあります。
女性の体重比挙上重量
ところが女性の場合は、全身の筋肉量が遥かに少ないので、1RM 重量が
・ベンチプレスは、体重の 90%
・スクワットは、体重の 120%
・デッドリフトは、体重の 120%
くらいに達すると、それはかなりトレーニング効果の出ている人です。
女性の一般トレーニーの方ですと、ここに至るのは相当大変だと思います。
ここに至った場合の筋肥大トレーニングの負荷を 10RM で計算すると、
・ベンチプレスは、体重の 70%
・スクワットは、体重の 90%
・デッドリフトは、体重の 90%
となります。
筋はこれらの負荷で充分な刺激が加わりますが、全身的な疲労度は体重比で小さい重量を扱うとそれほど多くない様です。