身体との対話

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 私は「ご自身の身体と対話をしてください」と身体指導の際に言う事が多い。大抵の方はご自身の身体との対話が少ないように感じる。これはすごくもったいない。

 身体は感覚を使えば研ぎすまされる。分かりやすい例では職人が指先で1ミクロンの違いが分かるようなものだ。

 運動は最初の「学習過程」で覚える迄は動きがおぼつかないが、身体が覚えると自働化され、動きの違いが分かるようになり、最終的には運動の進行中に正しく修正できるようになる。
 身体は非常に微細だから、おしゃべりをしていたり他の事をしていたりすると、変化を感じられなくなる。そのため私のセッションではそれらは禁止だ。

 例えば歩く。私には歩くのは面白い。足裏、下肢の筋の使い方、脚の動き、胴体、、、。頭のてっぺんまで面白い。

 スクワットをするとしよう。その際の身体をどの程度感じているだろうか。
 足裏の重心置、足首の角度、すね、膝の絞り、大腿の前後筋の割合、股関節の膝関節の伸展割合、臀部、腹圧、胃の位置、バーの位置、胸の張り、肩甲骨の位置、首、あご、目線。もっと色々感じていると思う。
 それぞれを細かく対応して正しい位置に調整する。
 最初のうちはバーだけでゆっくり感じながらフォームを覚えていく。まったくウエイトがないと却って覚えにくいと思う。

 これは非常に地味な動きなので、重くして早いスポードでやりたくなるが、ちょっとそこを我慢してもらいたい。ウエイトを使わなくて違いが分かるようになってからで問題ない。それから本格的なトレーニングをするとすごい効果的だ。


 正座とお辞儀に変えてみよう。茶道でも良い。バレエでも良い。
 重心置の移動、姿勢の変化、各部位の動き。こういうものが感じとれないときれいな動きにならない。


 日常の動きで考えてみよう。
 割り箸を割る、胡椒を振る、コップから水を飲む。それら日常の動きに中できれいに磨きをかけていく。

 脚が太いとしよう。これらをどのような部位を使って立ちそして座るか、それを感じているだろうか?
 それを感じられないといつまでたっても同じままだ。


 日常の中にその人の身体があり、日常の延長に競技がある、舞台がある。

 身体との対話でいろいろな可能性が広がる。自分の感覚を高めてほしい。
 

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このページは、hisaが2007年10月 8日 22:07に書いたブログ記事です。

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