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ストレスいっぱいで企業にも変化…メンタルヘルス対策(夕刊フジ)
うつ病の一歩手前の抑うつ状態で角界に騒動をもたらした横綱・朝青龍。角界にかぎらず、長時間労働、成果主義、パワーハラスメント、リストラ…今の職場にはストレスがあふれている。ただ、最近は企業のメンタルヘルス対策も変化してきているようだ。
【企業の対応は】
昔は抑うつ状態などは「根性がない」「個人の問題だ」と片づけられていたが、現在は大企業を中心に従業員のメンタルヘルスのケアになんらかの対策がとられるようになっている。
最もポピュラーなのがインターネットなどを使ってのストレスチェック。ストレスの原因、結果(影響)、ストレス耐性、心の支えなどをチェックしていく。
ただそれだけでは不十分だ。産業医として企業のメンタルヘルスケアに携わる大森西メンタルクリニックの小堀俊一院長は「管理職の意識改革が鍵を握る」と指摘する。
企業がいくらケアシステムを作っても従業員と接する管理職にその意識がないと絵に描いたもちになりかねない。
そこで管理職向けに部下のうつへの対処の仕方、コミュニケーションの取り方などを盛り込んだ研修なども盛んに行われている。
【進展の原因は】
「以前は会社に知られると査定に響くと心配していた人も多かったが、最近は企業の健康管理部門からの紹介で受診する人が増えた」(祐天寺松本クリニックの松本誓子院長)との証言が示すように、急激に進んだ企業のメンタルヘルス対策だが、それはなぜか。
「2000年に労働者の安全配慮義務を怠ったとして社員の過労自殺を招いた電通に1億6800万円の損害賠償を命じる判決が出た。“電通事件”と呼ばれているが、これがきっかけ」と人事関係者。これは、裁判所が業務と過労自殺の間の因果関係を初めて認めた判例でもある。この事件を境に大企業を中心に対策が講じられるようになり、06年4月に「労働審判制度」が施行されたことも拍車をかけた。
企業向けのセミナーを手がける「ライフバランスマネジメント」代表で産業カウンセラーの渡辺卓氏は「ストレスチェックを社員に定期的に実施している企業では、過剰な残業やうつ病の予防に効果がでている。しかし50人以下の中小企業では対策を実施していない事業所も多いので、自分でストレスチェックをしたり、セルフリラクセーションなど、自己防衛が重要」と話している。
【ストレスチェック】
インターネットを利用して手軽にできる。検索エンジンに「ストレスチェック」と打ち込んでサイトを探そう。
【セルフリラクゼーション】
・睡眠をよくとる
・軽い体操などで体を動かす
・手のひらや足裏などをマッサージする
・ぬるめの風呂にゆっくり入る
・ゆっくり深呼吸する
[産経新聞社:2007年10月09日 17時25分]
http://newsflash.nifty.com/news/ts/ts__fuji_320071009015.htm