私がミュージシャンだった頃、私の身体は相当に鋭敏でした。
音楽もどの仕事も集中が必要です。私の場合は人を寄せ付けないような集中をして、ピリピリに鋭敏にしていました。
私はドラムスだったので、演奏中のバンドのコミュニケーションの要であるべきですが、自分のことだけで目一杯でした。あまり良いミュージシャンではなかったと思います。
今、私が見ても、楽器に関わらずそういうミュージシャンの方もおいでです。音楽家だけに関わらず、色々な分野の身体活動家の方に見受けられます。
私はそういう身体状態の時はいろいろ分かって楽しかったのですが、私は外力に対してすごく弱かったです。
身体を整えた後に誰かに触られると、せっかくの集中がどこかに行ってしまい、その良い状態に一生戻れませんでした。
そのどこかに行ってしまった鋭敏さが音楽よりも気になって(音楽が上手くなかったことも有りますが)、音楽そのものに集中できないことも多く有りました。
「鋭敏だがもろい」の例です。
でもこれは鋭敏ではないと分かってきたのは、後になってからです。