6、身体に関する統計
統計にはいろいろな数値があります。
運動やトレーニングでは統計値そのものが競技成績を表すことにはなりません。
しかし、統計値を見ると、競技全体としてどのような傾向にあるか、現在の自分がどの位の位置にいるか、自分の身体の特性を活かすのか弱点を伸ばすのか、将来に向けての指標として用いる事が出来ます。
また、平均年齢などから、現在の自分に与えられている時間を計算し、今後どのような方法が最もふさわしいかを考える手助けにもなるでしょう。
また、審美眼的ものは数値化できないのと(もし身長体重とスリーサイズが同じでも、同じ人間にはならない)、実際にその数値が正しいのか(例えばタレントさんの公表値)という疑問があるので、それらの事例は今回は書かない事にします。
身長体重体脂肪率と BMI
野球を例にとります。
10 年前の選手と現在の平均を較べると、正式な統計はありませんが、現在の方が確実に BMI が増えていると思われます。古い映像と見比べると体格の差は一目瞭然です。
メジャーリーグでは身長 180cm 体重100kg などざらで、彼らの BMI は 30 を越えています(残念ながらドーピングの問題も出ています)。
日本でも大型選手が増えています。
一般的には BMI 25 以上は肥満と考えられていますが、運動の場合にはそういう事が該当しにくい事も分かります。
これらのより、プロを目指すのであれば、身体が標準より明らかに小さいのではこれから先は難しくなると考えられます。そのため
「子供のうちからたくさん食べましょう、身長は有利な条件なので、それが伸びる様にあまり子供のうちから強度な筋トレはすべきではないでしょう」
と考える事も出来ます。
種目別平均的体格と自分の体格
チーム内や競技種目によっては上位団体が身体測定の統計などを持っている場合があります。
それらの平均的体格と較べ自分がどのような位置にいるのかを調べるのは重要な事です。
体重が必要な競技であれば体重増を狙い筋肥大トレーニングを行い、軽量である事が有利ならそれに向けて減量をする場合があります。
体重制競技での例
また、体重性競技の場合は、100kg越えのクラスは大抵は上限がないので、100kg ぎりぎり超えの選手の場合は体格差が不利に働く場合が考えられます。
そのような場合は減量し、軽量のクラスに参加する事も考えられます。
また、同じく体重性競技の場合は、上位クラスの平均的体格バランス(上半身が強いか、下半身が強いか)等を見いだし、それに向けて体格を調整する方法も考えられます。
他競技の水準が当てはまらない例
一般的にアスリートは筋肉量が多く体脂肪量が少ないと考えられていますが、ラグビーのディフェンスや、相撲、競泳などでは体脂肪量がパフォーマンスの低下に繋がる事はそれほど多くなく、却って有利に繋がる場合もあります。
このため、その他の競技の水準が当てはまらない例もありますので、それは専門種目内で検討する必要があります。
このような考え方は様々な種目に当てはめて考える事が出来ますので、競技をされている方はその競技特性に合わせて考察してください。