トレーニングプログラムの組み立て方1

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 トレーニングプログラムの組み立て方を書いていきます。

 レジスタンストレーニングや有酸素運動のそれぞれの方法は様々な本に載っていますが、全体をどのように組み立てるのが良いのかを書いたものが少ないと思うので、それについて書いていきたいと思っています。

 トレーニングは一般的には、
1、競技成績の向上の為
2、ビルディングや健康美(シェイプアップ)の為
3、健康や体力の向上の為

の大きく三通りに分かれると思います。


 「1、競技成績の向上の為」
というのは主に競技選手が行うものです。

 「2、ビルディングや健康美(シェイプアップ)の為」
は、例えばビルディングはそれ自体が競技的な性格を持つこともありますが、コンテストに出ない方も多く、また女性の身体日の追求も「きれいでいたい」というものこの中に含まれると思います。

 「3、健康や体力の向上の為」
というのは、メタボや糖尿病、介護予防などや、「酒とタバコを減らしてもうちょっと健康になろう」「仕事で疲れにくい身体になりたい」とか、「警察や消防のような組織で働くのに必要な基礎体力を付けよう」というようなものも含まれるでしょう。

 これらは厳密な境がある訳ではなく、アマチュア競技で秀でる人もおられますし、気を使っているように見えなくても健康できれいな人もおられます。柔道や剣道で上位の公務員の方もおられます。
 
 
 
 現在見られるトレーニングの本などは、ほとんどが有酸素運動系かまたはヨガやピラティス、またはレジスタンストレーニングのいずれかに分類されるものが多く感じます。
 また、競技の本はその競技技術の向上の為のものが多く、それらでのトレーニングの扱いは上手に関連づけて競技技術の向上を目指せる説明は少ない様に思います。
 また、「身体の使い方」の様なものも近頃見かけます。武術や歩き方のようなことを元に競技力を向上に繋げるものです。
 
 
 
「トレーニングとは何か」

というと、今の私は
「身体面や精神面の方向からアプローチをし、競技力等の向上を計る行為」
「それらを応用し、身体面や精神面を整える行為」

というものではないかと考えています。

 競技練習そのものは私の行う仕事としてのトレーニングの範疇とは考えていませんが、しかし後述の理由により相当高度なところまでが、複雑に絡み合っている気がします。
 
 
 
 競技は、
A、競技技術を洗練させる事で競技成績が上がりやすい競技
B、身体能力を向上させる事で競技成績が上がりやすい競技

の大きく二通りに分かれると思います。

 前者は、体操やフィギアスケートのような技術性を要するもので、
 後者は、短距離走や長距離走のような身体要素を重要視するもので、
 両方を含むものとしては、野球やサッカーのような球技があると、分析される様に感じています。
 またその中でも様々に絡み合っています。


 それらの要素をきちんと体系づけて分析しないと、
「競技の成績を上げるのは、トレーニングではなく競技練習そのものである」
「走り込みで成績が上がる」
のような極論に至る気がします。
 
 
 
 「基礎的な体力」というものはどの競技でも同様に必要で、その次に「競技の特異性」に合わせた体力や身体があります。

 トレーナーは「身体面をどのように関連付け発展させ、競技に有効なトレーニングを組み立てていくか」というのが仕事のため、ある程度どの競技でもトレーニングの組み立てが出来るものです。

 コーチは体力の出来上がった選手の競技技術の向上を図ることが仕事で、監督はそれらを駆使して優勝させる事が仕事です。

 そのためコーチや監督は同じ競技しか見ないものですが、トレーナーはけっこういろいろな競技を見たりします。得意な競技や分野が有るのは事実ですが、基礎的なものほど広範囲にベースとして成り立つものが多いです。


 それらのトレーニングの技法を発展させていくと映像解析などにも発展するわけですが、運動エネルギーのベクトルの解析等をする場合には
「これがこう働いてそうなっている」
ということだけですから、得意の競技という事は無くなり、高齢者の方のベッドからの立ち上がりの動きや、野球選手のバッティングの測定も、解析技法としては同じとなる訳です。

 そのデータや映像を見れば、選手は自分の内側から感じるところを見、コーチや監督は競技技術の定石のような方向から考え、トレーナーは競技技術を問わない方向から考えるとなります。


 また、心拍計をチーム全員で付けて試合をして、
「何番の選手の心拍数が平均より低いから、彼をもっと動かす様にしてチーム全体の成績を上げよう」
の様にする場合も有ります。
 
 
 
 このようにトレーニングは機材の発達とともに変わってきたものなので、最先端の機材を使える条件であれば色々広がりを見せますが、通常ではそういう考え方に行くまでもなく、いまだに前述した様に
「競技の成績を上げるのは、トレーニングではなく競技練習そのものである」
「走り込みで成績が上がる」
のようなものも残っています。

 また、本当に成績を上げたいのであれば、選手や指導者はこのような情報に触れられる様に努力をすべきですが、そういう真摯さを感じにくい場合も有ります。
 古い理論のままトレーニングを続けて成績を上げられなかったりしても、それは当然の結果と言えるでしょう。
 
 
 
 また、ビルディング業界の方が、筋肉そのものに関してはスポーツ業界よりも高いと感じることがあります。
 例えば、筋肥大トレーニングの様な技法は至る所で見かけ、
「筋肥大は 10RM でウエイトリダクションで3セット以上組む」
の様に分かりやすく書かれています。

 ビルディングの場合は筋肥大自体が目的です。
 しかし、スポーツの場合は競技成績の向上が目的になります。
 そのため筋肥大トレーニングを知っているからとそれを続けたところで、競技成績の向上につながる事はあまりない訳です。

 競技成績の向上を狙う場合は、競技成績の向上につながるトレーニングをすべきですが、しかし筋肥大トレーニングしか知らない為にそれだけを続け、
「競技成績が上がらなかった」
となる方が多く残念でなりません。

 これはそれぞれ個別の方法はいたるところにあるのに、全体を組み立てる説明が少ない為に、
「個別技法だけ知って全体の組み立て方を知らない」
という様な状態になっている為のような気がします。
 
 
 
 最終的には
「限られた時間の中で、どこまで目的を達せられるか」
ということですから、
1、競技成績の向上の為
2、ビルディングや健康美(シェイプアップ)の為
3、健康や体力の向上の為
のすべてに、組み立て方は重要な事だと考えています。



http://hisajp.info/2009/01/post_174.html

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このページは、hisaが2009年1月 1日 17:30に書いたブログ記事です。

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