「トクホ」って効くの? 「お墨付き」には厳しい審査

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「トクホ」って効くの? 「お墨付き」には厳しい審査

05/14 13:05


 ■メタボ対策商品続々登場!

 「トクホ」人気が高まっている。特定保健用食品の通称として認知されてきたトクホだが、中性脂肪や高血圧など生活習慣病予防に効果が期待できる商品が相次ぎ登場、市場は年々膨らんでいる。しかし、トクホってどのくらい効くのか。お役所からお墨付きをもらったトクホと他の健康食品の効用はどれだけ違うのか。トクホをトクと調べてみた。(松岡朋枝)

 トクホは厚生労働省が1991年に始めた食品の表示許可制度。従来、食品の健康維持や増進効果を表示するのは禁止されていた。だが、健康食品の増加で医薬品と誤解を招くような記載の商品が登場したため、効用や安全性を確認して許可することにした。

 トクホは「体調を整える働きのある成分を加えた食品で、保健の効果を医学・栄養学的に証明」された食品で、目的は生活習慣病の予防である。栄養成分が規定量の範囲内であれば表示できる「栄養機能食品」とは違い、申請には科学的根拠の提出や実験結果が必要。健康維持、増進に役立つ具体的機能を商品パッケージや宣伝で明示できる。

 国民の健康志向の高まりやメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が注目されるとともに、メーカー各社もトクホ製品を続々と投入。厚労省によると、4月17日時点のトクホ許可件数は681件(外資の「承認」2件含む)で、4月だけで21件増えた。日本健康・栄養食品協会によると、2005年度の市場規模は6299億円で、調査を始めた1997年の5倍近くに成長した。

 商品分野も広がった。味の素ゼネラルフーヅ(AGF)が6月5日発売するボトルコーヒー飲料「ブレンディ 香るブラック」は体脂肪抑制効果がウリだ。同社は3年前、整腸に役立つマンノオリゴ糖配合のコーヒー飲料でトクホを取得。新商品はマンノオリゴ糖の体脂肪抑制効果が分かったため同成分を増量し改めてトクホの許可を取った。

 しかし、トクホの表示許可を取得するには多大な時間と費用が必要。有用性や安全性を評価するため、科学的根拠を証明するデータが求められるからだ。特に、新しい成分や新しい用途で申請する場合には通常の2倍以上の時間を要することもある。AGFの新製品の場合、申請から許可までに2年を要した。整腸機能をうたった前回はすでに多くの事例で認められていたため1年足らずで取得できた。

 明確な規定がない実験サンプル量も担当者泣かせだ。AGFは当初、30人の実験データを提出したが、データ不足を指摘され合計78人のデータを再提出した。同社の場合、通常は2カ月から半年で商品化されるため、トクホ製品化に要する期間は最大10倍以上もかかる。それでも商品研究開発所の藤井繁佳基盤科学グループマネジャーは「商品の機能にお墨付きをもらえた」とトクホ効果を説明する。

 サントリーが昨年5月に発売した脂肪の吸収を抑える「黒烏龍茶」は、当初販売計画の年間200万ケースを大幅に上回り、8カ月で620万ケースを売った。弁当コーナーなどでも販売されることが多く、トクホ商品ならではの販売効果も注目される。

 健康維持・増進に役立つ成分を手軽に摂取できるという点でトクホの需要は今後も増えると予想されるが、日本健康・栄養食品協会の福本成子特定保健用食品部課長は「位置づけはあくまでも食品。自分の体の健康に必要な成分を継続して摂取することが重要」と強調する。さまざまな機能をうたった製品が登場する中で、自分の健康に必要なものを見極める消費者の目が求められることになる。

                   ◇

【健康食品の比較】
 <特定保健用食品>
 食品の主たる成分が特定の健康を維持・増進するために役立つと認められたもの。健康な人、生活習慣予備軍が対象で、許可が必要

 <特別用途食品>
 対象者の発育、健康の保持・回復に役立つと認められたもの。乳児、幼児、妊産婦、病者が対象で、許可が必要

 <栄養機能食品>
 1日当たりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分量が定められた上・下限値の範囲内にあるもの。すべての人が対象で、許可は不要

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/health/51761/

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このページは、hisaが2007年5月14日 13:05に書いたブログ記事です。

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