2008年4月9日(水)17時22分配信 夕刊フジ
従来の抗うつ薬と比べて口が渇くなどの副作用が少ないことから、うつ病やパニック障害などの第一選択薬として広く使われているSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)。そんなポピュラーな抗うつ薬が、男性専門科では現在もっとも有効な早漏(そうろう)治療薬(保険対象外)として使われているというから意外な感じだが…。
「早漏は男性自身が敏感すぎて起きていると思われがちだが、大半は脳の性的過敏が原因。超早漏は一種の性的パニック状態」と説明するのは、ED外来で早漏治療も行っている新宿ウエストクリニックの室田英明院長。
うつなどの症状は脳内で放出されるセロトニン(神経伝達物質)の低下によって引き起こされ、SSRIはそのセロトニンの濃度を高める作用をもつ。早漏に対しても同様、精神の安定に関わるセロトニンが上昇することで、性的に敏感になりすぎている脳にブレーキがかかるのだという。
「5年ぐらい前までは塗り薬(麻ひ剤)で陰茎の感覚を鈍くさせて射精時期を遅らせるしかなかった。内服薬の一番のメリットは性感に影響しないこと。ED薬と併用する人も増えている」。ただし即効性はなく、効果が現れるのは服用から約5時間後。副作用は眠気やふらつきなどで、てんかん、緑内障、そう病の既往のある人は禁忌。いくら早漏治療といえども神経精神的な作用のある薬なので、必ず専門医による処方が重要だ。
ちなみに早漏の医学的な定義には諸説あるが、世界的な最新のコンセンサスは、(1)挿入から射精までの時間が短い(2)射精のコントロールが不能(3)本人、またはパートナーの心理的な苦痛。以上の3つの診断基準を満たした場合、早漏と診断されているようだ。
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