インナーマッスル 3、ローテーターカフとは2

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 ベンチプレスのような重重量の場合は、ローテーターカフは肩関節の保持に使われる事が多いです。

 ベンチプレスの動きは、
a、ベンチに仰向けに寝ている姿勢で、
b、上腕を外転させて(飛行機の羽を作る姿勢です)、
c、次に肘を苦局させバーベルバーを支え、
d、肩関節を水平面で見て水平屈曲させる動きです。

 ローテーターカフの働きを見てみると、
ア、棘上筋が外転した肩の位置を保持する。
イ、肩甲下筋が水平面より下がらない様に保持する。
ウ、肩甲下筋がバーの挙上の際に上腕の内旋に若干力を発揮するが、停止部が近いため力が大きく発揮できない。
となり、能動的な出力はほぼ無いとなります。


 これらによりベンチプレスでローテーターカフのトレーニングが出来るかと言うとそれは難しいと考えられています。

 そのため、ローテーターカフをトレーニングしたい場合には、ローテーターカフだけが出力を発揮する様に行う必要が有ります。
 
 
 
 「インナーマッスルは多回数を反復するトレーニングで強化できる」
というのは、半分は合っているのですが、半分はそうでもない言い方です。

 まず部位として、ローテーターカフや脊柱起立筋は遅筋割合が多いと考えられますが、腸腰筋はそうでは無く大出力を発揮する速筋成分が多いと考えられます。ただし生体から採取して検査をした訳では有りません。

 そのため前者のローテーターカフや脊柱起立筋はトレーニングを行う事で大幅に肥大するかと言うと、内部に含まれる速筋が肥大する事は有るでしょうが、遅筋がどの程度強化されるのかは分からない、というところが正しいでしょう。

 遅筋が肥大するのかというと、これは遅筋の性質上分かりません。
 遅筋は刺激が持続して加わると腱化する場合も有るので、遅筋は鍛えれば鍛えるほど固くなるともいえます(遅筋の腱化については改めて書きます)。
 腱化した場合はエネルギーを発生する事は無くなり、腱反射というストレッチングショートサイクルを行う事になります。

 これらにより、
「インナーマッスルを鍛えると、姿勢が良くなる」
「インナーマッスルを鍛えると、遅筋が増え、寝ている間も体脂肪を燃焼しやすくなる」
 というのは、あまり正確な言い方でないのがご理解いただけると思います。


http://hisajp.info/2008/11/_1_1.html


http://hisajp.info/2008/11/_3.html

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このページは、hisaが2008年11月 3日 22:15に書いたブログ記事です。

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