インナーマッスル 2、ローテーターカフとは1

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1、肩関節の筋。

 ローテーターカフ
 回旋筋腱板:棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋の4つの筋を指す総称。または腱板疎部。rotator interval 。


 肩関節は球関節で、あらゆる方向に稼動させる事が出来る関節です。
 狭義では、肩甲骨の関節突起と上腕骨の骨頭の部分を指し、三角筋の下の部分を指します。
 広義では、肩甲骨と胸郭の動きを含めた範囲となります。


 通常の関節は一方向(蝶番関節:膝関節の屈曲/伸展など)または二方向(鞍関節:母指の手根中手関節)程度の動きに限定されていて、靭帯で保持をするとともに可動できる範囲を制限しています(実際の種類や働きは様々ですがここでは分かりやすくする為にあえて簡単に書いています)。

 (狭義の意味の)肩関節の場合は、稼動範囲が広い為に靭帯で保持する事が難しい為に、ローテーターカフとよばれる4つの筋肉(筋群)で押さえています。
 これらが肩関節と癒着する部分では筒の様になっていて、腱板(けんばん)と呼ばれます。
 各腱板は 6 〜 7 mm 程度の厚さを持ち、肩関節の直下の上腕骨頸部と強力に癒合しています。

 肩関節の靭帯そのものとしては、関節上腕靭帯が関節包の様に全体を包む形で有り、その上部を烏口上腕靭帯(うこうじょうわんじんたい)が補強する様にしています。


 ローテーターカフは、例えば
・野球のピッチャーが投球を過度に連続して行ったりする。
・ベンチプレスで下げすぎたり、捻ったりする。
と損傷を受けたり故障のしやすい筋肉(部位)です。

 ローテーターカフの損傷は狭義の肩関節だけではなく、肩甲骨や胸骨との可動バランスが崩れる事でも起こりやすい症状です。

 インピンジメント症候群(impingement syndrome)という症状が有ります。上記のような運動の過多によりローテーターカフの変形等を引き起こし、腱板や上腕二頭筋の腱が烏口肩峰のアーチと接触し痛み等を起こす症状です。

 これは前者は連続する投球動作で疲労が蓄積していたり、後者は扱うウエイトが適正でなかったりフォーム悪い場合に、肩関節が通常以上に可動させられ、それを押さえるローテーターカフのいづれかが変形や損傷させられ、その結果別な部位同士が接触を起こす様になり痛みが出るものです。

 俗にいう、野球肩、ゴルフ肩などの原因がこれに当たります。


 また、腱板断裂という症状も有ります。これはインピンジメント症候群が進んだ状態とも考えられます。
 腱板断裂は場合により 25% 程度の発症を含み、高齢者ほど率が上がります。ただし自覚症状が無い場合もあります。


 ちなみに五十肩と呼ばれる症状(俗称)は、これらの筋群が老化すると引き起こされる肩関節周囲炎の事を指す事が多いです。具体的には癒着性肩関節包炎上腕二頭筋長頭腱鞘炎などが代表的な症状で、それ以外にも様々なものが考えられます。
 
 
 
 ローテーターカフは小さい筋の為、それで大きな力を出す事は出来ません。
 そのため運動をする際は、ローテーターカフで肩関節を保持し、大胸筋や三角筋や広背筋などが力を発揮する事になります。


 この動きを分かりやすくする為に、上腕の内旋の実験してみましょう。
 腕の内旋を行う筋は肩甲下筋です。「気をつけ」の姿勢で右上腕を上から見て時計の反対方向にねじる動きが右上腕の内旋です。左上腕の場合は時計方向になります。
 上手く出来ましたでしょうか。

 このとき、手のひらを先行して動かしてしまうと肘の内旋が先に発生し、それにつられて上腕が動くと違った動きとなるくらいに上腕の内旋という動きは小さいものです。その動きを司る筋肉がローテーターカフの肩甲下筋だという実験です。

(医療的内容に近いものであっても、医療的判断ではなく、症状として存在するもの書いています。)


http://hisajp.info/2008/11/post_112.html


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このページは、hisaが2008年11月 3日 22:13に書いたブログ記事です。

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