レジスタンストレーニングは内分泌系への働きかけは、有酸素運動と呼ばれるウォーキング、ジョグ等に較べ大きい為に、脂肪減量や筋肥大の効果がそれらと較べ高いです。
脂肪減量では、例えば同じ活動消費量(運動による消費量)であれば、レジスタンストレーニングでは運動後の脂質の消費割合が増えるため、脂肪減量の効果が上がります。
筋肥大の効果は、有酸素運動にはほぼ期待できないか場合により筋分解が進みますので、レジスタンストレーニングでないと筋肥大は難しい、と考えてもさほど問題は無いと思います。
そのため、そのような効果を早急に欲しい為に、急に強度なレジスタンストレーニングをしたい方もおられると思うのですが、それには危険が伴います。
痩せたい為に脳梗塞や心不全というのは避けるべきです。
また、「健康の為の運動」としてみた場合、あくまで私感ですが、強強度なレジスタンストレーニングはあまり必要の無い気がします。ただしやるに従い面白くなってのめり込むというのも良く聞く話しです。
また、レジスタンストレーニングには常に危険が伴うのかと言うとそういう事はありません。
例えば高齢者の方の転倒予防トレーニングや、寝たきりの状態でのトレーニングでは、ウォーキングやエアロバイクのような運動は行いにくいですが、寝たままでも例えばアームカールは出来るので、それぞれの環境で行えるトレーニングをする事が出来ます。
また、この様な考え方は、冬期の積雪地帯での運動不足の解消の為の室内トレーニング等にも有効でしょう。
また、有酸素運動をされている方が、例えば「膝が痛い」のような症状が筋力不足で表れている場合、それにふさわしいレジスタンストレーニングをする事で筋を強化し、痛みを減らしたり、有酸素運動の強度を上げる事が出来る様になる事が考えられます。
関節包や腱やの強化や、骨粗鬆症の防止に向けての骨の強化などですが、有酸素運動でもレジスタンストレーニングでも認められています。
ただし、ウォーキングやジョグのような主に脚を使う運動でそれらの効果が得られる範囲は「比較的下半身に限ってである」という事も分かっていて、上半身のそれらの目的は得られにくい事が考えられます。
レジスタンストレーニングでは、上半身にそれらの強化が起こる事が知られています。
ただしこれは必然的に上半身のトレーニングも増えるために起こるものなのか、それともスクワットだけでも同様の効果があるのかの実験結果は私は知りません。
しかし想定ですが、上半身や下半身を問わず直接的な刺激による効果が多いのではないかと、私的には考えています。
高齢者の方の転倒予防トレーニングでは、転倒による大腿骨の骨折を予防する事で寝たきりになるのを防ぐものが多い様です。
骨の強化にはある程度の衝撃が必要な事が分かっており、10cm 程度の高さのステップ台で比較的膝を伸ばしたまま降り、敢えて縦方向の衝撃を与える様にすると、骨の強化が望めます。
これをレジスタンストレーニングで行う場合には、例えばですが、最初は転倒の危険性の少ないレッグカールやレッグエクステンションを行い、慣れてきたら自重スクワット等でも同等の効果が得られるでしょう。
ステップの乗り降りでは難しい様な場合は、このように組む方法もあると思います。
また、この発展で腕や肋骨等の強化もプログラムの種類によって充分に可能でしょう。
このような目的の場合は主に高齢者の方へ向けた施設等で行われている事が多いと思われますが、今後レジスタンストレーニングの導入が増えてくるものと考えています。
このようにレジスタンストレーニングとは、目的に沿って様々な方法で行うべきものです。