トレーニングは、目標の達成の為にする行為です。
その目標の達成の為に、トレーニングの目的が発生します。
「100m 走を 10 秒で走るのが目標だが、今は 11 秒だ」
とすると、それが達成していない原因として
・筋量の問題なのか
・ある程度身体は出来上がっているが出力が弱いのか
・途中でバテるのか
・競技動作の問題なのか
のようなことが分析から見えてきます。
実際はそれぞれが絡んでいるのですが、その中の最も問題となっているところの改善を図るのが通常です。
それが「今すべきトレーニングの目的」となります。
例えば、筋量に問題があるとしたら筋不足が原因の事が多いですが(まれに多くて邪魔というのもある訳です)、
・それを全体的に増やすのか、ある程度部位的なところを選ぶのか。
・選ぶしたら、脚なのか、それとも腕振りのための大胸筋なのか、腿上げの筋なのか。
と、そういうのを考えます。
こういう目的はなるべく絞り込んで実行し、再度計測をする事で、その元となる分析やトレーニングが正しかったのかどうかが分かり、良かったら良かったで、また失敗したら失敗したで、次に進む事が出来ます。
これが「ああでもない、こうでもない。よく分からないから全部やってみよう」となると、同じ期間内でのトレーニング効果が薄れる為に、何も変わらないまま時間だけが過ぎた、となる場合があります。
この様な「時間の浪費」というのが最大の敵です。
何の結果も出ないで時間を浪費するくらいなら、失敗したら失敗したで分かるのでその方が次に進みやすいとなります。
トレーニングのリカバリーというのはいつでも出来るもので、また、費やした時間が短いほど長く残っているので、目的が明確なほど効果が出やすく、それゆえに次の手が打ちやすい、となります。
これは当てずっぽうでするとのは違い、「測定し、分析し、計画を立て、実行し、検証する」という一連でする行為です。
「やってみないと分からない」という言葉をプロが言ったとしても、それは
「当てずっぽうでやる」という意味ではなく、
「トレーニングの結果表れる反応が、期待するだけその方向に出るか分からない」という意味になります。
今回は分かりやすくする為に「失敗」という言葉を使いましたが、実際は「期待とは完全に逆方向に行く」というような事ではなく「今までの経験に反し 30% 位の効果しか出なかったなあ」というような意味合いとなります。
そういうのを、本当に細かい範囲で繰り返し行い、臨むべき方向に組み立てていきます。
「今までの経験」が少ない場合は経験した事例も少ないので、例えばご自身で初めて行う場合は、どの程度の期待が適正なのか知らないまま臨む事になりますが、経験を積むに従い「こういう場合はこのような率で出てくる」というのが分かってきます。
そういうのを知る為にも、検証するまでの一連の行為は重要です。
これをしないままだと、一生当てずっぽうを繰り返す事になります。
このように「トレーニングの持つ性質」というのは最終的な目標がどうであれ同じなので、目的を絞り込むのは重要な行為となります。
また期間を明確にする事で、行うべき事も見えやすくなります。
何事も時間は限られていて、これは選手だけに限らず、例えば女性の方のシェイプアップとしても同じです。