トレーニングを進めるに従い現れる変化として
1、慣れるまでの期間はあまり変化がないか一時的に数値が悪化したりする
2、習得した初期段階は、一気にぐっと伸びる
3、やがて習熟するに従い、変化が少なくなる
というようなものになります。
これは、
A、身体そのものに働きかける様な、基礎的なトレーニング
B、プライオメトリクスやバランスのような、数値化しにくいトレーニング
C、競技技術の練習のような、もっとも数値化しにくいもの
のどれもが同じ様に当てはまると思われます。
それぞれの期間は相対的なものです。
これを「どの程度の期間で検証し見直していくか」という事が重要になります。
1〜2の段階としては、
「効果がはっきり現れるまではどの程度の期間が必要なのか」
というのが不安になると思います。
目に見えた効果が出ないと心配になりますし、一度に大きく変化したからとなると、どこで終えるのが良いのかが分かりにくくなります。これは目的によって違いますし、男女でも異なります。
反対に3の段階になるとトレーニングとしてフィジカル面で得られる効果が少なくなるので別な方法を選ぶとなりますが、技術の習得という面では「技に磨きをかけるのはこれからだ」というところでもあります。
これらのため、そのトレーニングの目的が「基礎的な部分を向上させたいのか」または「磨きをかけたいのか」というところで判断の基準が異なるとなります。
次に同じトレーニングプログラムを継続する期間ですが、大体2週間も行えば目に見えた効果が出てきますので、それが分かりやすい最小単位となる様に思います。
筋肥大トレーニングに代表されるような
A、身体そのものに働きかける様な、基礎的なトレーニング
であれば、適切なトレーニングプログラムを行い、適切に栄養を摂り、適切に休養をすれば、1週間で目に見える変化があります。
しかし1週間だとバラつきがあるので、それで終えるのはちょっと短いかなあという感じです。
対して
B、プライオメトリクスやバランスのような、数値化しにくいトレーニング
C、競技技術の練習のような、もっとも数値化しにくいもの
の様なものであると、この方が明確に言えなくなります。
それは取得や磨きという要素の占める割合が高くなる為です。
これら ABC のどれにしても、事前に同じような経験をしているのか、それとも初めてする事なのかで、また変わってきます。
事前に同じような事をしていれば慣れがあるので、A のようなものであれば慣れがあるからこそ筋に充分な刺激を入れるのに時間がかかるかもしれませんし、BC であれば動作を思い出すのはすぐなので技術を磨く事に時間を割けるとなります。
また、例えばプロ野球のキャンプインを思い浮かべてもらいたいのですが、ある程度身体の基礎が出来ている選手が、オフシーズンでなまった身体を鍛え直し、適度に強化して、徐々に発展的なトレーニングへ移行し、競技練習になり、紅白戦になり、オープン戦になり、シーズンインとなる訳です。
この様な場合はシーズンインの時期が明確にあるので、満足する結果に仕上がっても、不足していても、時間で移らざるを得ないとなります。
対して趣味的なスポーツやトレーニングの場合は、時間制限がないために、満足するまで仕上げる事も出来ますし、途中で飽きて別なトレーニングをする事もあれば、全然違う事を(例えば釣り)をしたりすることもあります。
このように時間に制限がない事が余計難しくする事もあるのです。
そのような場合は、「達成すべき値に達したらつぎに進む」という方法もあります。
話しを「どの程度の期間で検証し見直していくか」というところに戻します。
上記のような理由で、2週間見て効果がなければ見直しを始めるべきでしょう。もちろん何らかの根拠がある場合は、それに応じた短縮や長期化があってしかるべきです。
また、これは初心的な段階は終えている事が条件になります。
「今日バーベルを初めて持って、2週間やってみたが何の効果もない」
というのは、まだ効果が出るだけに必要な技術の取得が出来ていない段階ですので、そのような場合は身体の慣れという意味も含め1ヶ月間程度の順応期間をもうける様にしましょう。
http://hisajp.info/2008/11/post_131html.html
また、運動やトレーニングのタイプが「レジスタンストレーニング」であれば2週間のトレーニングでも踏ん張ればどうにか向上値を保つ事が出来ますが、もしこれが 1500m 走だとするとそれを安定して向上させるというのは2週間では難しいので、運動やトレーニングの質の違いもあるでしょう。
それと、何度か書いていますが、メタボ対策の有酸素運動のようなものであれば、それは2〜3ヶ月間続けてみましょう。
安全上ゆっくりとした変化を求めるわけですから、向上もゆっくりとなります。
こういう場合は身体へ変化が見えるのは時間がかかるので、疑問を感じる場合は血液検査をするなどして数値の変化を見てみましょう。
また、この見直す段階で考察すべきところですが、運動やトレーニングで私たちが出来る事というのは、
「運動やトレーニングの内容」「栄養」「休養」
しかないのです。
これらの中で効果が出ない場合はその原因を探る事が大事ですが、どちらかと言うと「運動やトレーニングに問題がある」と根拠なく思い込んでしまう傾向があります。そういうのは原因の追及には良くないとなります。