本やネットでレシピを見ていると、同じ料理でも手順が違うことが分かる。
プロの料理人(コックや板前)はほぼレシピを書かず(公表せず)、栄養士や料理研究家の方やレシピ会社(?変な言い方だが他の言いようが難しい)が書くものと、家庭のものが書かれているものの、3通りに分けられると思う。
プロの料理人のレシピは例えばTV番組等でも見る事が出来るが、本質的なエッセンスを得るのは大変だ。付いて修行しないとほぼ無理だろう。
プロの料理人は味を楽しんでもらってお金をいただくのだから、(目的や値段にもよるが)美味しくない手順はダメとなる。これが最も優先される。
また、プロの料理人は基本的にそれしか作らないのである。和食なら和食、中華なら中華とほぼ決まっている。
大使館付けのコックの様な現地に出向く場合はいろいろ作ったりもするが、そうだとしても専門とそれ以外という扱いである。
また、店の場合は定休日があったりで、毎日という訳でもない。
栄養士や料理研究家やレシピ会社のレシピは、その人の所属する組織や、料理の目的によっても結構違う。
病院食や給食などバランスを重視する栄養士の方、外食産業のレシピを作るような方(料理長やチェーン店のメニュー開発関係)、家庭料理のレシピを作っている方(食材メーカー系に多い)、料理好きが興じた素人さん、外国料理を作っているうちにいつの間にかエキスパートと呼ばれている人など、それぞれで見方が違って面白い。
前者は内部資料だったり、後者は大抵は一冊の本になっていたりブログがあったりする。
このような場合は、料理そのものを提供することが目的ではなく、作る方法を考えたり伝えたりするのが仕事だ。
「栄養のバランスを考えて」「作りやすいように」「うちの食材が売れるように」「予算の中で」「家庭の食材でエスニック風に」などと考える。
そのため、レシピの中に何らかの根拠がある。
どちらにせよ、先の二者のような料理で仕事でしている人達は、基本的に料理が好きだ。
それ以外に普通に家で伝わっているレシピがある。
それぞれが持ち寄ってネット上で公表するようなものや、掲示板、市町村の郷土料理の資料などで見れる。
この、普通に家でつわたっているレシピは、「なぜそうするか?」という根拠が無いまま伝わっているものが結構多いので、案外メチャクチャだったりする。
根拠が無いというよりは、何らかの理由で良さそうな手順を考えて、やがて理由は忘れ、手順だけが残っているようなものだ。
または全くの言い伝えだろう。伝わるうちにいろいろ変化していたりする。
メチャクチャと言っても悪い訳ではない。その味はそれでしか出せないのだろうし、お金を取って人に食べさせる訳でもない。
また、家庭料理は、大抵それを作っているのが大抵はお母さんで、料理が好きな人が居ればそうじゃない人も居たりする。
大抵、仕事を持っていて忙しいし、予算が厳しい。
そういう制限がある中で、夫や子供に飽きさせないように、和食、洋食、中華など様々なものを、毎日3食作らないとならない。
このように家庭料理は条件が違うのだからプロと同じに作る必要は無い。
だとしても、「もう一歩手の込んだプロっぽい料理に挑戦してみたい」というのもあると思う。