平成の正しい飲みニケーション

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<<参照 紙面より>>

平成の正しい飲みニケーション

2008年3月28日(金)10時0分配信 日刊ゲンダイ

「飲みニケーション」が見直されている。「もっと部下と飲みに行け」と飲み代を支給する会社も出てきた。「若いヤツらは付き合いが悪い」なんて嘆く必要はない。アナタは上司だ。断る若手がどうかしている。もうすぐ新入社員も来る。どんどん誘ってコミュニケーションを図るべし!

●能率が上がって業績も伸びる

 オフィス向けサービス業の「武蔵野」(東京)では、部下4人以上の管理職に必ず月1回、部下と飲み食いすることを義務づけている。月2万5000円の「部下手当」を支給し、これを破った管理職には同額の“罰金”を科す、というから徹底している。同社の小山昇社長が言う。

「会議や面談の席で本音を言うバカなんていませんよ。真意が聞けるのは飲み会の席。上下関係を介さず飲めば、お互い、どんな人間か分かるしね」

 もちろん、小山氏自身も、年100回は社員と飲みに行くという。

 飲んでいるうちに、部下がどんな失敗をしやすいタイプとか、どんな仕事に向いているかも見えてくる。能率が上がって業績も伸びてくる。

●“達人”の3ポイント

 そんな“飲み会の達人”によると、「正しい飲みニケーション」のポイントは3つ。まず、他人の話を聞くことだ。

「ウチでは開始早々に、“チェックイン”といって、ひとりずつに自慢話をさせる。ネタはパチンコで勝ったでも何でもいい。お互いに楽しくなるのが目的だからね」

 次に、部下とは満遍なく飲みに行くこと。

「誰と飲みに行くかは、全部オープンにする。そうでないと、多少なりともねたみを抱かせることになりますよ」

 最後は、長っちりしないこと。小山氏は1時間半ほどで帰るんだとか。あとは部下同士のコミュニケーションに任せる。そこでまた新しいコミュニケーションが生まれるらしい。

 払いは上司。そのための部下手当だ。

 マンション分譲大手の日本綜合地所(東京)も先日、部下との飲食代や冠婚葬祭費に充てるための「部下手当」を、この4月から管理職に支給すると発表した。役職に応じ、毎月10万〜30万円を支払うという。

 まさに、飲むのも仕事のうち。手当がないなら割り勘か。痛い出費だろうが、“先行投資”と思って飲みに行くべし!

●9割が「誘いに応じる」

 いよいよ4月。新人を飲みに誘っても「断られやしないか」なんて弱気な上司もいるだろうが、堅苦しく考えることはない。

 宝酒造が新社会人400人を対象にアンケート調査したところ、実に9割近くが、上司の誘いに「喜んでいく」「やむを得ない用事がない限り行く」と回答。ずいぶんと素直じゃないか。

「若者はなぜ3年で辞めるのか?」(光文社新書)の著者で、作家の城繁幸氏がこう言う。

「キャリア志向が強く、自己主張が激しいロストジェネレーション世代(現在27〜35歳ぐらい)に比べ、今年の新入社員の世代は安定志向。転職や独立といった面倒くさそうな道は避け、安定したレールを歩みたいと考えています。そのため、上司と飲むこともいとわないのです」

 実際、終身雇用を望む新入社員は約68%(産能大「07年度新入社員の会社生活調査」)。5年前から、約17ポイントも増えた。

 そうはいっても、相手はイマドキの若者。説教や自慢話のオンパレードではソッポを向く。

「『若い頃、オレは何千万も注文伝票を切ったもんだ』なんて過去の武勇伝にはウンザリ」(証券・25歳)、「『オレは剣道が得意』とワリバシを使って実演され、ドン引きした」(都銀・24歳)なんて声が続出だ。

 前出の城氏は、こうアドバイスする。

「最近の若者は“実利”を求めています。なので明文化されていない“会社のしきたり”みたいな話がウケる。例えば『地方に飛ばされても3年で帰れる』とか『あそこの研究所はエリートコースだ』などです。加えて、組織図だけでは分からない人事のウラ話も歓迎する。『A部長とB部長は犬猿の仲』とか『あの部署が立ち上がったのにはワケがある』といった小ネタは、驚くほど“求心力”があります」

 最初は、サラリーマンなら誰でもしているような噂話、内輪ネタでOKというわけだ。上司がこれだけ気を使っているのに誘いを断るようなヤツは、どうせ仕事でも使い物にならない。

【2008年3月25日掲載】

http://news.nifty.com/cs/headline/detail/gendai-05018409/1.htm

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