5月26日11時16分配信 毎日新聞
プロスキーヤーで75歳7カ月の三浦雄一郎さんが26日午前7時33分(日本時間同10時48分)、世界最高峰のエベレスト(中国名チョモランマ、標高8848メートル)の登頂に成功した。70代になって2度目の登頂に三浦さんは「涙が出るほど厳しく、つらくてうれしい。ヒマラヤの山も全部見えて祝福してくれます」と喜びを話した。
三浦さんは当初、中国側から登頂する予定だったが、3月に起きたチベット騒動の影響でネパール側からの挑戦に変更された。25日にネパール人男性のミン・バハドゥール・シェルチャンさんが76歳で登頂し、目指していた世界最高齢記録の更新はならなかった。だが、「人間の限界に挑戦したい」と夢を追い続ける冒険家は2度の心臓手術を乗り越え、不整脈治療を続けながらの快挙達成だった。
三浦さん子どものころから不整脈を抱え、年齢を重ねるに連れて心房細動も慢性化していたという。03年に当時世界最高齢記録となる70歳7カ月でエベレストに登頂後、06年12月と07年6月に心臓を手術。登山には医師が帯同し、心電図を取るなど細心の注意を払っての挑戦だった。
今回の挑戦に備えて05年から計4回、ヒマラヤに遠征し入念にトレーニングを重ねた。東京都内の事務所には標高6500メートル相当の低酸素状態を作り出すトレーニング室を設けて厳しい環境に身体をさらした。「大胆なことをするが、一つ一つステップを踏んで今に至っている」と遠征に帯同した次男豪太さん(38)は話す。
三浦さんは、99歳でフランス・モンブラン山系の氷河をスキー滑降した父敬三さん(06年に101歳で死去)の写真をお守りとしてザックにしのばる。「人間、加齢は避けられないが、トレーニングをすればいろんなチャレンジができる。自分に対する好奇心がある」と三浦さん。その探求心は尽きることがない。【江連能弘、鈴木英世】
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最終更新:5月26日13時28分
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