脂肪 1、脂肪の働き、必須脂肪酸

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脂肪

 主に動物に含まれているものを動物性脂肪、植物に含まれているものを植物性脂肪と呼ぶ。


 動物性脂肪は、体内で主に炭水化物から合成され、肝臓脂肪、内臓脂肪、皮下脂肪に蓄積する。
 蓄積された脂肪はグリセリンと脂肪酸に分解され、ATP 回路でエネルギーとして使用される。


 植物性脂肪は、主に光合成により炭水化物が作られ、それが分解され、色素体により
- ピルビン酸 ー> アセチルCoA ー>脂肪酸 が合成され、
- 脂肪酸 ー> 中性脂肪 となり貯蔵される。
 植物の脂肪は主に種子に多い。他に細胞膜の形成などがある。

 植物に蓄積された脂肪は、グリセロールと脂肪酸に分解され、ミトコンドリア内で脂肪酸が酸化され、エネルギーとして使用される。
 種子に蓄積された脂肪は、ペルオキシソームの酵素により発芽過程のエネルギーとなる。

http://www.dbc.ous.ac.jp/~ino/courses/plant_1/PDF/9.炭素代謝.pdf
http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/BotanyWEB/cell.html

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 人間(動物)の脂肪の役割

 脂肪の役割は、エネルギーとして使用されることの他に、ホルモンを作る器官、ホルモンの材料、脂溶性ビタミンの蓄積、コレステロールの材料となる事や、皮膚や頭皮を乾燥から守る、体温を保存するなどの働きがある。


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 脂肪酸

 脂肪は脂肪酸を含む。

 脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられる。
- 不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸(高度不飽和脂肪酸ともいう)に分けられる。
- 不飽和脂肪酸は炭素結合が飽和していないもので、価は脂肪酸の分子構造の状態を示す。
  一価不飽和脂肪酸は、n-9系(ω9、オメガ9)と呼ばれる。
  多価不飽和脂肪酸は、n-3系(ω3、オメガ3)、n-6系(ω6、オメガ6)に分類される。

 不飽和脂肪酸の脂肪酸は、飽和脂肪酸の脂肪酸と入れ替わり活性化させる働きを持つ。

 脂肪酸は、必須脂肪酸と非必須脂肪酸に分かれる。
- 必須脂肪酸は不飽和脂肪酸に含まれ、そのうちの多価不飽和脂肪酸が必須脂肪酸である。
- 必須脂肪酸は体内で合成できない為、食物から摂取する必要がある。
- 必須脂肪酸が不足したり、バランスが悪いと、体調を崩す原因になるといわれる。

 必須脂肪酸は、n-3 脂肪酸と、n-6 脂肪酸である(n-9 は、必須脂肪酸ではない)。


 多価不飽和脂肪酸には、n-3 脂肪酸と、n-6 脂肪酸の2系統がある
- n-3 は、脂肪酸のメチル末端から数えて最初の二重結合炭素が3つ目のもの。
- n-6 は、脂肪酸のメチル末端から数えて最初の二重結合炭素が6つ目のものの事を言う。

 摂取バランスとしては n-3 系を n-6 系より増やすと良いとされている。
 
 
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 脂肪酸の主な種類とそれが含まれる食用油脂

- n-3 脂肪酸:α-リノレン酸/エイコサペンタエン酸 (EPA)/ドコサヘキサエン酸 (DHA) (主な市販油としては、紫蘇油、亜麻仁油、魚油)

- n-6 脂肪酸:リノール酸/γ-リノレン酸/アラキドン酸。
 (主な市販油としては、高リノール紅花油、高リノールひまわり油、大豆油、菜種油、月見草油)

- n-9 脂肪酸:動物脂、高オレイン紅花油、高オレインひまわり油、菜種油、オリーブ油
 (市販油のサラダ油は菜種油、大豆油、菜種+大豆油のいずれかであることが多い。また、エコナは菜種を原料とするため n-9 系統が多いと言える)。

 
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 酸化

 不飽和脂肪酸に二重結合が複数あると酸化されやすい。酸化した油脂は眼粘膜への刺激やアレルギーの原因となる可能性があり、摂取を避ける方が好ましい。

 二重結合は、n-3 > n-6 > n-9の順になる。
 加熱処理には適さない為にドレッシング等の生食が良いとされる。

 また、不飽和脂肪酸が活性酸素と反応して生じる脂肪酸酸化物ラジカルの、発癌機構に対しての寄与も示唆されている。
 (筆者:要するに酸化した不飽和脂肪酸に癌を防ぐ働きがあると考えられていて、体内で作られるのは悪い訳ではないようだ)。

つぎ
http://hisajp.info/2008/05/post_737.html


お勧めの本
http://hisajp.info/recommend2.html

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このページは、hisaが2008年5月23日 21:41に書いたブログ記事です。

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