エベレスト登頂 三浦隊を支えるシェフ・藤嶋さん

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5月19日15時47分配信 産経新聞

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カレー鍋を中心にカニクリームコロッケやリゾットも...。藤嶋さんの料理でイタリアの登山隊をもてなす三浦雄一郎さん(左)=エベレスト・ベースキャンプ(早坂洋祐撮影)
 【エベレスト・ベースキャンプ(ネパール)=木村さやか】カニクリームコロッケ、サムゲタン(参鶏湯)、茶碗(ちやわん)蒸し...。75歳で世界最高峰・エベレスト登頂に挑むプロスキーヤー、三浦雄一郎さんの遠征隊の食卓にはバラエティー豊かな食事が並ぶ。5年前の三浦さんのエベレスト遠征にも同行した藤嶋弘徳さん(68)の手料理だ。おかげで隊員の食欲は標高5300メートルの高所でも衰えず、頂上を目指すエネルギー源となっている。

・ <<写真で見る>>ケーキまで作ってしまう藤島弘徳シェフ

 藤嶋さんと三浦さんの出会いは昭和49年の冬。藤嶋さんは食品会社から出向する形で新潟県のホテルの支配人を務めていた。子供のスキースクールの講師としてやってきた三浦さんが、食事を「おいしくない」と漏らすのを聞き、「食品会社として恥ずかしい」と一念発起して調理師免許を取得。これがきっかけでコックとしても働き始めた。

 藤嶋さんは法政大山岳部出身で、12年に同部のチョモランマ遠征に参加。このときに食事を作った腕を買われ、三浦隊に誘われた。15年の遠征では腕自慢のシェルパのコックもいたが、「お弁当」に特製ケーキを焼き、キムチ鍋などさまざまな鍋料理を振る舞う藤嶋さんの料理は群を抜いていた。今回の遠征にも、と請われたのは自然のなりゆきだった。

 三浦さんがベースキャンプへ戻ってきた15日の夕食はサムゲタン、翌16日の昼食にはお好み焼き...と、藤嶋さんが作るのは標高5300メートルでお目にかかれるとは思っていなかった料理ばかり。今回は和食が好評で、黒豆やひじきを炊いたり、白玉あんみつをデザートに出したりと、メニューには日々工夫が重ねられている。高所では沸点が低いため、主として圧力鍋を使う。卵が固まりにくく、茶碗蒸しやオムレツは特に難しいという。

 食事の合図は、自慢のヨーデル。「ヨーロレイヒ〜」と高らかに藤嶋さんの声が響けば、各隊員が待ってましたとばかりに、食堂テントへ集まってくる。

 「おいしいものを食べれば、みんな笑顔になって、会話が弾む、チームワークもよくなる。おいしく栄養をとって、頂上に挑む力を蓄えてもらえたら」。藤嶋さんはきょうも、食堂テントに笑顔を生み出している。

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最終更新:5月19日15時47分


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