必須アミノ酸の、バリン、ロイシン、イソロイシンを、BCAA(Branched Chain Amino Acid、分岐鎖アミノ酸)と呼ぶ。
サプリメントでは、それぞれを1:2:1程度に配合したものが多い。
BCAA は、筋肉中で代謝される(エネルギーとして使われる)アミノ酸である。
基本的にエネルギーの元は、脂肪酸や糖質(筋グリコーゲン)である。
脂肪酸のエネルギー化は酸素を必要とするので、強い運動の際はエネルギーの供給が間に合わない。
糖質は、酸素が無くてもエネルギー化される(乳酸強度の運動)が、乳酸を発生する。
また、他にはクレアチンがあるがそれは8秒程度の短時間しか持たないと言われる。
BCAA はアミノ酸だが筋肉中で代謝にも使われる。この場合は酸素が無くてもエネルギー化され乳酸の発生は無い。そのため持久力が向上する場合もある。
また運動中に摂取する事で、その効果が継続すると言われる。
しかし、代謝エネルギーの中心である糖質や脂質不足した状態で BCAA を摂取しても効果が薄い。
そのような糖質や脂質のエネルギーが不足した状態では、本来は身体を作るタンパク質(アミノ酸)がエネルギーとして消費されてしまう為に、身体の発達や維持、ホルモン分泌、免疫等に必要な分が不足する可能性がある。
そのような状態で BCAA を摂っても、エネルギーの供給としても、身体の発達としても、望む効果は出にくい(出ない)と言えよう。
BCAA はグルタミンと同様に、筋の異化作用を防止する働きがあると考えられる。
また、BCAA には、(グルタミンには無い)筋の同化作用(筋を増加させる)があるとされている。
体脂肪の燃焼効果があると言う研究結果もある。懐疑的な研究もある。
主観的運動強度を弱める(楽に感じる)効果があると言われる。これは血中のアミノ酸を高める事により疲労を感じさせるセロトニンの発生を低くする為と言われる。
BCAA は、牛肉や大豆に多く含まれる。また、通常の食品から十分に摂れると言われる。
運動を行う場合は、摂取すると主観的強度が低減され、また筋分解の防止や筋肥大に効果的と考えられる。
ケチらずにがばっと 20g 摂るべし(編者)。
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安全性:
バリン
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail625.html
ロイシン
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail633.html
イソロイシン
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail602.html
・経口摂取では短期間、適切に用いれば安全性が示唆されている(66)。分岐鎖アミノ酸は6ヶ月までの試験において有意な副作用は報告されていない(PMID:3116290)(PMID:10367552)(PMID:10397076)(PMID:10467608)(PMID:12611783)(PMID:12777270) (PMID:11522870)。
・妊娠中・授乳中の安全性については充分なデータがないので、使用を避ける(66)。
・経口摂取および静脈注射で血清アンモニア濃度が上昇することがあり(PMID:8365971) (PMID:7810616)、これは疲労や運動協調の低下につながる。また、悪心が起きることがある(PMID:12611783)。ロイシン、イソロイシン、バリンを含む分岐鎖アミノ酸60gを代謝機能が正常な人が7日間摂取したところ、血中アンモニア濃度が上昇したが毒性レベルまでは上昇しなかった(PMID:12611783)。分岐鎖アミノ酸を長期に高用量摂取する場合は肝機能をモニターしたほうがよい。
・メープルシロップ尿症(分岐鎖アミノ酸が代謝されない先天性異常)の患者は、血中の分岐鎖アミノ酸濃度が高いので分岐鎖アミノ酸の摂取量が上昇すると痙れんや身体的・精神的発育遅延が起きることがある(PMID:11238772)。
・経口摂取では短期間、適切に用いれば安全性が示唆されている(66)。分岐鎖アミノ酸は6ヶ月までの試験において有意な副作用は報告されていない(PMID:3116290)(PMID:10367552)(PMID:10397076)(PMID:10467608)(PMID:12611783)(PMID:12777270) (PMID:11522870)。
・短期間、適切に経口摂取する場合、安全性が示唆されている。
・妊娠中・授乳中における安全性については、信頼できる充分なデータがないので使用を避ける。
・筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療に分岐鎖アミノ酸を用いた研究で、死亡率が上昇したという報告がある。
・アルコール依存症患者において肝性脳障害が1例報告されている。
・メープルシロップ尿症(分岐鎖アミノ酸が代謝されない先天性異常)の患者では、痙れんや身体的・精神的発育遅延が起きることがある。
・運動中の筋肉消耗を低減するために経口摂取で有効性が示唆されている(PMID:7810616)。
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