遅筋と速筋の割合
遅筋と速筋の割合は遺伝で決まると言われ、この割合を大幅に変える事は出来ない。
しかしトレーニングの種類により、速筋を肥大させたり遅筋の能力を向上することは可能である。
速筋のトレーニングは、肥大を伴いまたそれに沿った方向で能力の向上が行える。
遅筋のトレーニングは、私は筋内部のミオグロビンの増加やエネルギー効率の向上を求めるものと考えている。そのため私は遅筋の肥大に関しては懐疑的だが、遅筋の肥大という言葉を使う例も見られる。これには様々な見解があると思われる。
遅筋繊維は長距離選手の場合は 80% 程度、短距離選手の場合は 20% 程度と言われる。
また、短距離選手の場合は、遅筋が少ないだけでなく速筋も少なく、中間筋の占める割合が多いと考えられている。
人間(日本人)の身体で最も遅筋の多いと考えられている筋はヒラメ筋である。これは姿勢の調整などで持続した運動が必要とされるためである。
速筋が多いと考えられる部位は上腕三頭筋である。ここは常に力を出す必要がなくかつ出すにしても重力方向のため、ほぼ瞬発的な働きしか行わないためである。
日本人以外の例は知らないため他の人種は分からないが、おおよそ似ているのではないかと思われる。
また、
「産まれたときは全て遅筋」
とも言われる。
成人になるに従い骨の成長線が閉じた頃から速筋割合が増えてくる、と考える研究者もいる。
鳥類は空を飛ぶ鶏は大胸筋(に相当する部位)が遅筋だが、鶏(にわとり)は空を飛ぶ必要がないので大胸筋は速筋である。かわりにといってはなんだが腿は遅筋が多い。
そのため鶏ムネと鶏腿を購入してみると、筋肉の違いによる色の違いが分かる。
また食べてみると柔軟性の違い、脂の含み方の違いなども理解できる
クジラは遅筋が多いと考えられ、遅筋のミオグロビンは酸素を保有できると考えられ、その為クジラは呼吸をしないでも長時間潜水する事が出来る。
マグロの様な回遊魚は遅筋が多い。
鮭の身の色は赤いがこれは色素で付いた色のため、焼いても赤い。普通の遅筋は焼くと白くなる。鮭は白身魚である。
ヒラメやタイなども白身魚である。