トレーニングプログラムの組み立て方6 どのようにトレーニング計画を立てるか2

|


 トレーニングを効率よく進めるには、

1、測定
2、分析し問題点を洗い出す
3、トレーニング計画を立てる
4、トレーニングを行う
5、予定のトレーニングプログラムを終えたら再測定し、結果を検証する
6、次に進む

の繰り返しが重要になります。
 
 
  
1、測定

 JISS での測定内容は http://www.jiss.naash.go.jp/ 

< JISS で測定している項目 >
・全身反応時間(マットスイッチ)
・握力・背筋力
・最大疾走能力(電気計時)
・立ち幅跳び
・立ち3団跳び
・メディシンボール投げ
・反復横とび(100cm 幅)
・上体起こし(30秒腹筋)
・ベンチプレス 1RM
・スクワット 1RM
・ヘクサゴンテスト(右・左回り)
(守田誠 国立スポーツ科学センタートレーニング指導員 コーチングクリニック 2009年2月号 P54)

となっています。
 私もそれに近い内容ですが、併せて身体測定(身長、体重、体脂肪率、周囲測定)や、姿勢の写真撮影などをしたりします。

 また、こういうのも有ります。
http://morinaga-blog.morinaga.co.jp/supportproject/2008/07/post-87de.html

 特別難しい事はしていないのがお分かりいただけると思います。

 「MRI を使って筋断面積の測定」や「高速度カメラの動作分析」の様なものも TV 番組等で見かけ、実際にそういう事をするのは面白いのですが、それにより思うような結果に結びつくかというと難しいところで、いつでも行える方法で継続的に行う方が日々の分析に繋げやすいというのも有ります。

 健康の為の運動やメタボ対策などであれば血液検査を用いたりもします。また、血液検査は運動選手でも身体や栄養の状況を調べるのに便利です。
 
 
 
 これらで計測した数値を用い、対象となるスポーツや健康増進なりシェイプアップなどの目的に合わせ、

2、分析し問題点を洗い出す
3、トレーニング計画を立てる

ということをします。
 例えば、競技によって必要とされる体力の質や技能は異なりますし、健康増進のトレーニングの為にアスリートと同じ体力レベルは必要ありませんし、体重制競技で枠を大幅に超えるような増量はクラス替えが目的にない限り行わないです。

 そのように目的も勘案しながら問題点を洗い出し、それに沿ってトレーニング計画を立てます。これには期間(ピリオド)なども入ります。例えば次の試合であったり、4年後のオリンピックであったり、夏の旅行だったりします。
 
 
 
4、トレーニングを行う

 ここまでの手順を追ってから、そこで初めてトレーニングを実行します。
 
 
 
5、予定のトレーニングプログラムを終えたら再測定し、結果を検証する

 予定のトレーニングプログラムを終えたら、再測定し、結果を検証します。
 予定通り行ったとしたら、なぜ予定通り行ったのかを検証します。

 これは不思議に思うかもしれませんが、本当にぴったりだったのか、目標が緩くてどうにでもなったのか、適正でかつ前送りで短期に行えたのか、などの違いが有り、それにより次回に活かせるところが異なるからです。

 これは明らかに期待した結果が出なかった場合も、途中であきらめて中止したとしても、同様に行います。
 それらの場合はどこか無理があったとなるので、その原因を探ります。

 また血液検査のようなものを指標とした場合は、外見に見えなくても明らかな改善があったりします。
 
 
 
6、次に進む

 「次に進む」というのは、トレーニングで良い結果が得られどこかが向上すればどこかが相対的に下がるのでそれを強化するなり、または違う方面の事をしたりして、全体を向上させていきます。
 期待した結果が出なかったり、完了できずに中断に至った場合は何らかの無理があったとなるので、2に戻って再度組み立てます。
 
 この繰り返しとなります。
 
 
 
---------------------------------------------------------------------- 

 いくつかの例を書きます。
 
 例えば、目的がメタボ対策であれば、血液分析での血糖値や中性脂肪値やコレステロールが高い事が多いですから、それを減らす様に有酸素強度の運動を行い、併せて食事制限をするなどし、標準値に収まったらそれで目的達成です。
 その後もし何か続けたいとなったら、同じような事をするか、もうちょっと発展させて本格的なトレーニングをしたり、または何らかのスポーツをしたりする例があります。

 健康的に問題がある時点で強強度のトレーニングをする事は、突然死などに繋がる可能性がないとは言えない為に、そのような状態では弱い強度の運動を行うことが普通です。
 これを当初から闇雲に強い強度で行うのは、プロとして行えないものです。
 健康的に問題がないとなってから、次の段階に進むのが妥当でしょう。


 シェイプアップやビルディングをされている場合は、その時点で既に進んでいるので、「さらにどうするか」ということになります。こういう審美眼的な要素を追求する場合は数値目標はあまり関係ないのですが、実際は体重などを気にして混乱したりします。
 また体格は人により異なるので、全員が同じプログラムを行う事はありません。


 競技の場合は、基本的には足りない点を伸ばす事が多いです。
 しかし次の試合まで時間がないような場合は、良いところを伸ばしてあまり成績に直結しない部分は目をつぶるという考え方も有ります。
 ただしそういう場合でも怪我の予防というトレーニングは必要でしょう。

 また、競技はそれぞれの特徴が異なるので、例えば野球のトレーニングを柔道でしてもほとんど意味がないでしょうから、競技に合わせたトレーニングを行う事になります。


 また、このようにすでにある程度の期間行っている場合の計測はどういうタイミングでするかですが、順調に進んでいる場合は手を着けずなにかにぶつかったらその時点で何か考えたり、または定期的に計測する事が多いです。

 継続して計っていると「成績が悪いときは何の数値が悪い」という傾向が見えてきますので、そのように役立てる事も出来ます。


 確実に言えるのは、闇雲に進めたところで得られるものは少ない、という事です。



http://hisajp.info/2009/01/post_177.html


http://hisajp.info/2009/01/post_179.html

このブログ記事について

このページは、hisaが2009年1月 7日 21:35に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「トレーニングプログラムの組み立て方5 どのようにトレーニング計画を立てるか1」です。

次のブログ記事は「090107 本日の測定 ぼーっとしてママ猫の乾燥エサを床にぶちかます。あ〜あ〜あ〜。」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

最近のブログ記事