<<参照 紙面より>>
2009年1月24日(土)17時0分配信 産経新聞
愛犬に見つめられると、相手への信頼感やきずなを強める働きのあるホルモン「オキシトシン」が飼い主の体内で増加することを、麻布大と自治医大の研究グループが確認した。
オキシトシンは、哺乳(ほにゅう)類の母子関係や夫婦のきずな形成に関係しているとされるが、異種間での作用が確かめられたのは初めて。
「見つめる」という行為がオキシトシン増加を招くことについて永沢美保・麻布大助教(比較認知科学)は「『目は口ほどに物を言う』といわれるが、人間と犬の間でも視線が重要なのだろう」と話している。
研究グループは、55組の飼い犬と飼い主で実験。室内で1組ずつ、30分間触れ合ってもらい、実験前後の飼い主の尿に含まれるオキシトシンの濃度を測定した。すると、事前アンケートで犬との関係が「良好」と判断された飼い主13人では実験後に濃度が大きく上昇したが、「普通」の42人では変化が無かった。良好群の実験後の濃度は、普通群の約1・5倍と高かった。
良好群の実験を撮影した映像を分析すると、犬が「遊ぼうよ」と飼い主を見つめたのをきっかけに交流した回数が多いほど、実験後の濃度が高くなっていた。
一方、犬に顔を見せないよう飼い主が壁を向いたまま触れ合う実験では、55組すべてで濃度変化は表れなかった。
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/sankei-e20090124044/1.htm