トレーニングプログラムの組み立て方26 導入期のトレーニングや運動の目安

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導入時のトレーニング強度の設定

 導入期のトレーニングや運動は、それぞれの方の身体の健康状況や運動の慣れにより強度や種類が異なる。

 運動強度の目安となるものは通常は心拍数となる。
http://hisajp.info/2009/01/post_186.html

 健康に不安のある方や健康増進の為に運動を開始するような方は、運動を安全に進められる様に行う。この場合は主に
「心拍数40% 未満」または
「心拍数 40% 〜 60% 未満」となる。

 健康に問題がない場合は
「心拍数 60% 以上」の運動も可能となる。

 それぞれの身体状態に応じて上限心拍数を設定し、制限がある場合は運動中の心拍数がその値を超えない様にする事が重要である。
 心拍数が設定値より越えた場合は、運動を一次中断し心拍数が下がるのを待つか、もしくは運動を終了する等で対応をする。
 
 
 
導入時のトレーニングの種類 

 トレーニングの種類という言い方はあまりしないが、「歩いたり走ったりするのはなんでも有酸素性運動」「ウエイトを使うものはなんでも無酸素性運動」と誤解されている方がおられるので、正しくご理解いただきたい。

 有酸素性運動、無酸素性運動というのは運動の強度を表し、「歩いたり走ったり」の中でもゆっくり行えば「有酸素性運動」だし、早く走れば「無酸素性運動」となる。

 ウエイトを用いても、軽いダンベルをもって行う「ダンベル体操」は有酸素性運動で、20RM 程度より強い負荷(重いウエイト)を用いれば無酸素性運動になる。

 そのため見た目だけで考えるのは正しい理解に繋がらない事がある。
 ただし、運動負荷が弱いのは有酸素性運動で、負荷が高いのが無酸素性運動である事には変わりはない。


 一般的に有酸素性運動と思われているものには、ウォーキング〜ジョグ〜ラン、ステッパー、エアロバイク、水中ウォーキング〜水泳等が挙げられるが、それぞれに簡便性や衝撃性等の特性がある。

 簡便性が高いものは、ウォーキングやジョグのような道具や場所が不要なものだが、体重が標準より重い人がウォーキングやジョグをすると、たとえ心拍数に制限がないとしても、膝に痛みが出たりしてあまり適していない事がある。
 そのような場合は、衝撃性が低く膝の負担が少ないエアロバイクやプールでの運動を用いたり、またはとんだり跳ねたりが少ないような「ダンベル体操」を「有酸素性運動強度」で組むのも方法であろう。ただしどちらにしても簡便性は前者よりも薄くなる。

 脚部の怪我で寝たきりで立てないような場合は(これがトレーナーの行うトレーニングに入るかどうかは今回は問わない)、ウエイト等を用いた上半身での「有酸素性運動」を行うような事もあるし、脚を使わないでの「無酸素性運動」のトレーニングをする事もある。

 このような違いが「トレーニングの種類」である。
 状況に応じてこれらの種類と強度を適切に組み合わせるとよい。
 
 
 
心拍数に制限がある場合

 運動をあまりされていない方ほど心拍数を低く設定する必要があるが、その様な方の場合は運動の強度を少し上げただけでもすぐに心拍数が上がるので、運動プログラムは強度の低いものが主体となる。
 また、併せて関節痛(例:膝の関節痛)等を持っている様な場合は、悪化を防ぐ為に衝撃度の低い水中ウォーキングやエアロバイクなどを使用するのも有効であろう(上記)。

 運動の種類により心拍数が設定値より上がる事もあるが、なるべくそうならない様にしたい。
 例えばウォーキングで心拍数を設定まで持っていこうとしても上がらず、かといってゆっくり走ると(ジョグ)あっという間に越えるような事もある。そのような場合は、負荷の設定がしやすいエアロバイクやステッパー等も良いだろう。 

 また、そのような状況では心拍数は越えない事だけを考え、設定上限値まで運動強度を上げる必要も無い様に思う。通常はそのような弱い強度の運動を数ヶ月間行っているうちに身体状態が改善され、やがて運動の負荷を高められる様になる。 

 専門家のアドバイスを聞き、安全に進める様にして欲しい。
 
 
 
心拍数に制限がない場合

 健康に問題がないとされる場合は「心拍数 60% 以上」の運動も可能とされるが、筋肉や関節等の強度が強度な運動に耐えられるかどうかは分からない為、安全に進めたい。
 事前に健康状態が優れていなかった人は、その前の過程を経てこの段階となり、トレーニング強度を上げられることになる。

 筋肥大等のレジスタンス運動を本格的に行うにはこの心拍数を越える強度の運動をする必要がある。
 そのためシェイプアップやコンテストに参加しないビルディングなどでも、筋肥大等により筋肉のバランスを整える場合はこの強度の運動をする。

 実はこの強度のレジスタンス運動でも、衝撃性さえ低く抑えておけば、関節の負担は少ないと言われる。
 ウォーキングやジョグは健康な人でも突然行うと膝が痛くなったり筋肉痛になる事もあるが、それは着地の衝撃や筋のエクスパンド(強制伸展)などが原因である事が多い。
 しかしレジスタンストレーニングでは、一般的な種類の範囲ではとんだり跳ねたりが少ないので関節の衝撃はほぼなく、自分でコントロールできない伸展も少ないため、関節の負担が少ないのである。

 しかしそうは言っても人生で始めての重さを扱ったり、重りを持ったままよろけてしまう事もあったりで、慣れていないうちほど危険度が増す。
 そのため、どのような場合であっても、重量は「自信を持って安心して扱える範囲」から慣れていく事が安全であろう。

 また、たとえ関節の負担が少ないとしても、生理的に身体に掛かる負荷は有酸素性運動よりは遥かに高いため、心拍数に制限がある健康状態の場合はこの強度の運動に問題がないところまで健康状態を改善してから行うべきであり、むやみに強度を追求するのは避けたい。


 本格的なトレーニングを効率よく行うには、始めのうちに専門家のアドバイスを聞く方が、対費用、対時間、安全効果を含め、良いと思われる。



http://hisajp.info/2009/01/post_198.html


http://hisajp.info/2009/03/post_217.html

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このページは、hisaが2009年3月11日 17:48に書いたブログ記事です。

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