<<参照 紙面より>>
女性の肥満度:BMI、日本だけ「減少」 やせ願望?専門家、悪影響を指摘
◇10代後半から20代にかけ
日本人女性の肥満度を示す体格指数(BMI)が、10代後半から20代にかけて減少に転じ、他国では見られない特有の傾向であることが、菅原歩美・筑波大研究員(内分泌代謝科)らのチームの研究で分かった。米疫学誌の5月号に発表する。菅原さんは「やせていることのイメージは良いが、実際は健康や出産への悪影響が指摘されている」と話す。
一般に、BMIは6歳ごろから増加する。日本の国民健康・栄養調査と、同様の調査を持つ米国、韓国のデータを調べたところ、米国男女と韓国、日本の男性は、10歳以降はBMIが増え続け、韓国女性は18歳ごろ増加が止まり、20代は横ばいだった。一方、日本女性は、15歳ごろ増加が止まり、20代は年齢とともに減少した。
また、58年以降の日本女性のBMIを解析した結果、50~59年生まれの女性が10代後半から20代前半だった70年ごろ、一斉にBMIが減り始めた。
若い女性のやせは、摂食障害やうつ傾向、骨密度の低下を起こしやすく、出産時に低出生体重児になる確率が高い。曽根博仁・同大教授は「やせることを勧める風潮が強いが、若い女性のやせは深刻だ。70年ごろを境にやせ願望が強まった背景を探りたい」と話す。【永山悦子】
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■ことば
◇BMI(体格指数)
国際的に肥満度を示す指標として使われ、体重(キロ)÷身長(メートル)の2乗で算出。日本肥満学会は18.5未満をやせ、22を標準、25以上を肥満とする。
毎日新聞 2009年4月7日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090407dde041100049000c.html