アメリカと日本では、「自由」の意味が違う。
「意味が違う」というよりは「概念が違う」という方が、より正確に近い気がする。
アメリカの自由とは、Freedom をさし、他人から干渉を受けない独立の事をいう。
そのため組織の属する以上、その組織のルールの方が個人の自由より明らかに全然強い。
「独立し自由になるには、自ら勝ち取らないとならない」というのが彼らの考えである。
アメリカの自由というのは、自分で勝ち取る自由を意味し、これは親や組織に対してでも、独立したい側の当然の権利である。
自分の自由を勝ち取るには、束縛のある組織から外へ出るという事で、それには移動を伴うので、
「お前にはどこへでも行ける自由な世界がある。お前は自由だ。誰もお前の権利(=移動)を束縛できない」
という考えである。
そのため組織にいても、
「うちのルールが気に入らないなら辞めろ」
というのが普通だし、社員を辞めさせるのもかなり日本より自由だ。
引き止める権利は誰にもないのである。
そのため組織側にとって独立されて困るのであれば、利点が得られることになる。
これは俗にいうと、自由(権利)と金の対価交換である。
米イラク戦争
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AF%E6%88%A6%E4%BA%89
の03年の頃にどこかの州立高校の女子生徒が
「この戦争は間違っている」
の様な事を言い退学になった事があるが、これは当然なのである。
「ここで好き勝手にする事は許さん。そうしたいのならよそでやれ」
という権利が、組織にもあるのである。
これを報道した日本のキャスターの方が
「アメリカというのは自由の国ではないのか?」
という発言をしたが、いっちゃ悪いが、とんちんかんな話なのである。
Free というのはもうちょっと意味が軽く、「伝統にとらわれないデザイン」「暇な時間がある」「無料の」というような意味合いで使われる。
日本では Freedom は概念としてなく、「Free = 自由」の意味で使われている様に感じる。
これが間違いというか誤解というか、要するに概念が違うのである。
日本やアジアの自由とは、アメリカの Freedom に比べると、「責任のない自由」という感じがする。
これは「移動する自由」は含まれないのである。また、移動する権利もたいてい低い。
また、本人もリスクを冒してまでしたいほど願っているのではなく、「属する組織の中でどうにかしたい」という、Freedom という意味から見ると都合の良い話の気がする。
ヨーロッパは中間みたいな気がする。私はヨーロッパに行った事も住んだ事もないが、友達からそう感じている。
今の日本は、以前から比べると、自由の意味がヨーロッパみたいな感じになっている気がする。
これは国の成り立ちや、家族制度、経済の発展度合いなど、そういうところが人のベースとしてあるだろうから、それぞれで違うのは当然に思う。
アジアの事は次に書こうと思っている。