トレーニングというのは何か目的があってする事だから、ある意味、治療やリハビリと同じような面を持つ。
治療は病気や怪我を治す事で、リハビリは治療を終えてから機能を回復させる事だ。
例えば骨折していたとすると、まず医師が骨折を治療し、次に療法士がリハビリを行う。
これには「骨折の治療と、低下した機能の回復」という明らかな目的がある。
これで骨折が延々と治らなかったり、運動機能の回復という目的に達しない方法は、ダメなのである。
次にスポーツとして考えてみよう。私の好きなスキーとしよう。
これが競技スキーであれば、「成績の向上」というものが目的になる。
その方法として、競技練習を重ね技術を洗練させたり、映像解析したり、トレーニングで体力を上げたり、といろいろな方法があるが、
「成績の向上」という目的を達しない方法は、ダメなのである。
スキーの楽しみ方は人それぞれである。
例えば、ゲレンデで他の人よりはかっこ良く滑りたいとか、ウエアを新調とか、ゲレンデで焼き肉とか、恋人同士でイチャイチャしたいというのも良い。
ダメというのはない。
次にトレーニングを考えてみよう。
トレーニングは何か別な目標の達成の為に行うものである。
競技の為に行ったり、ビルディングやシェイプアップの為に行ったり、宇宙飛行士のトレーニングの類いもある。
そこには明確な目的があり、トレーニングの為のトレーニングというものはない。
トレーニングを効率的に続けるのに最も効果的な方法は、目的に確実に達する事である。
生理的な機能は誰もが標準的な幅で向上するものだから、成績が平均的な指標に沿って向上しないのは、やり方が間違っている。
トレーニングにはいろいろな方法があるが、それぞれの時点で適した方法は異なる。
それをきちんと選択できないと、目的に近づくのが遅くなるか、一生届かない。
競技選手やビルダー、シェイプアップの為にトレーニングをしている人で、目的に近づかなかったり、一生届かない方法は、ダメなのである。
何が正しいかというと、目的に近づく事が正しい。