12月14日11時52分配信 産経新聞
不規則な生活で塩分を摂ると高血圧症になる原因を、京都大学大学院薬学研究科の岡村均教授(システムバイオロジー)らの研究チームが動物実験で世界で初めて突き止め、14日付(日本時間)の米医学誌「ネイチャー・メディスン」(電子版)に掲載された。徹夜をするなど不規則な生活を送る人たちが高血圧症になりやすいことは知られているが、原因は不明だった。今回の研究で、改めて規則的な生活の重要性が証明された形だ。
研究チームは、遺伝子を改変して生体リズムを壊したマウスで実験。ホルモンを出す臓器「副腎(ふくじん)」から、体内の塩分量を一定に保つ作用があるホルモンが過剰に出ていることがわかった。
さらに副腎の遺伝子解析で、このホルモンを作る特定の酵素「水酸化ステロイド脱水素酵素」が通常の5倍以上生まれていることも判明。マウスに食塩を与えると、高血圧になった。
このことから不規則な生活が、すでに高血圧への"準備段階"になっていることが、わかった。
岡村教授は「この酵素は人にもあり、同じ作用をする可能性が高い」と指摘した上で「不規則な生活が不健康になる一面が科学的にも証明された。現代人の教訓にしてほしい」と話している。
最終更新:12月14日11時52分
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