タンパク質 7、グルタミン(アミノ酸)

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 グルタミンは、体内で合成される為、非必須アミノ酸として扱われる。
 筋肉に最も多く含まれるアミノ酸で、筋肉の約 60% はグルタミンからなっている。そのため「筋肉にプールされている」と表現する場合もある。
  
 
 グルタミン ( glutamine:Gln ) とグルタミン酸 ( glutamic acid:Glu、塩はglutamate ) は可逆的に変化する。
 通常の呼吸が足りているときはグルタミン酸を合成する側に偏っている。呼吸が不足する際はその逆と言える。
 グルタミン酸は分解され、他のアミノ酸合成の際にアミノ基を供与する。
 
 
 グルタミンはアルギニンとともに免疫機能を高めると言われている。
 グルタミンは医療現場でも使われる。
 グルタミンやグルタミン酸は主に小腸、リンパ球、マクロファージでエネルギーとして代謝(消費)される。
 小腸のエネルギーや免疫機能で必要なときは、筋が分解(異化)され、それに使われる。


 グルタミンは、筋の異化作用を押さえると言われていて、筋分解を伴うような激しい運動の際は摂った方が良いと言われる。
 トレーニング等で筋が分解(異化)されると、グルタミンが血中に放出されるが、摂取によりこれを押さえられると言われる。
 骨格筋のミオシンは速筋に多いが、グルタミンはこの消失を防ぐ働きがあるといわれる。

 しかし、グルタミンを摂取しても、主に小腸などの内臓器官で代謝され、また免疫機能に使われる為に、筋及び筋肥大等にはあまり関与しないと言われる場合もある。
 また、運動能力の向上に経口摂取で効果がないことが示唆されている。
 そのため摂取でのメリットでは否定的な研究や意見もある。
 
 また、グルタミン酸は 運動時のアンモニアを処理する為に BCAA より体内で合成される。そのため BCAA を大量に摂取する方が効率的であろう、という研究もある。

 また、グルタミンはアンモニアに分解されるため、トレーニングの事前摂取には向かないと言う意見もあるが、またその逆の報告もある。
 また、アンモニア合成に関してだけ言えば、BCAA での合成も報告されている。

 これらを含め、グルタミンが運動に与える効果については、明確に解明されていないだろう。
 
 
 
 グルタミンはグルコースに変換される。この際にインシュリンの発生は無い。
 そのため、グルタミンは、ローカーボダイエットの際は筋分解を発生しにくい様に作用すると考えられるが、脳に必要なグルコース(約120g / 日)を筋分解で供給するほどのローカーボダイエットは通常は行われないだろうから、このメリットは通常は無いと思われる。
 
 
 グルタミンは 140 度の熱で変性する。そのため刺身などの生の方が摂りやすいと言われる。
 また、グルタミンの経口投与による摂取率は低いと言われ、空腹時が有効とされている。
 L - グルタミンとは、法的な表示で、調味料、栄養強化剤として扱われる場合の表示である。
 サプリメントは、通常小麦タンパク(グルテン)より作られる。

 ここに挙げたグルタミン及びグルタミン酸は、「グルタミン酸ナトリウム(うまみ調味料)」とはまったく別なものである。
 
 
 安全性
- 経口投与の場合は、40g / 日 までは安全性が認められている。
- 妊娠中、授乳中のデータは十分に無いため使用を避ける。
- 神経及び精神疾患の患者においては、神経系に作用すると言われる。
http://hfnet.nih.go.jp/contents/indiv_agreement.html?610


http://ci.nii.ac.jp/naid/110001945788/
http://ci.nii.ac.jp/naid/110002127805/ (有料)
 
 
日清ファルマ 小麦グルテン加水分解物 WGH の研究。澤木ら(順天堂大学) 
http://www.wgh.jp/wgh/000016.php
 
 
 

http://hisajp.info/2008/05/post_728.html

つぎ
http://hisajp.info/2008/05/1bcaa.html
 
 
 
お勧めの本
http://hisajp.info/recommend2.html
 
 

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このページは、hisaが2008年5月18日 08:51に書いたブログ記事です。

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