タンパク質 9、クレアチン

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 クレアチン [英]Creatine (=メチルグリコシアミン)

 クレアチンはアミノ酸ではないが、アルギニン、グリシン、メチオニンの3つのアミノ酸から合成されるものである。

 ATP 代謝回路の最も速いエネルギー源で、50m 走、ジャンプ、投擲、重量挙げなど数秒で完結する運動のエネルギー源となる。

 およそ 8 秒間ほど、その強度の運動が出来るクレアチンが体内に保たれている。使うと再合成されるがそれには数分かかるといわれる。

 サプリメントとして、1980 年代に東欧で使い始められた覚えが筆者にあるが、明確ではない。

 このクレアチンが筋肉内に多く保存されていると強強度の運動が長く継続できると言われ、短距離走や自転車などで疲労困憊になる迄の時間が長くなる、1RM 重量が増えるなどの研究結果がある。

 運動面で直接向上させる働きが認められ、またトレーニングで用いると負荷を上げられる為にトレーニングの密度が増し、その結果成績が向上すると考えられる。

 また水素イオンを中和すると報告されている。
 
 
 クレアチンは食材には少なく、1kg の肉で 5g 程度と言われる。そのためサプリメントから摂取することが多い。

 クレアチンを摂取する場合は、クレアチンローディングという方法でクレアチンを体内に溜め込む方法をとる。この結果、体内で数十グラム (20〜30g)程度増えると言われる。

 筋に保有される物質の為、体重と筋量で摂取量を計算する場合もある。その目安は、70kg未満 (2g / 1回) 、70〜100kg (4g / 1回)、100kg越 (8g /1回)となっている。
 最初は 1日4回程度を目安として数日間(5〜7日程度)行い、その後はメンテナンス期間と言い 1日1回摂取を継続する。

 大量に摂っても保有量が増加するものではない。

 運動後に摂ると良いと言われる。ローディング期間中は1回はそのようにすると良いと言われる。

 炭水化物と一緒に摂ると良いという研究結果がある。

 酸性物質とは一緒に摂らない。クレアチンリン酸になる為。

 また保水作用が増えるため、ローディング、メンテナンス期間とも、通常より水分が必要となる。
 アルコール、カフェインは脱水作用があるため、相反する場合がある。それほど気にする必要も無いだろうが控えた方が良いと言われる。
 

 常温もしくは粉末(結晶)では吸収率が低いと言われ、レンジでチンして摂取をする場合もあるが、この研究は不明だ。
 
 
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評価:
・短期間の激しい運動の繰り返しの際に、運動能力(特に筋肉の)を高める目的での経口摂取は有効性が示唆されている。多数の研究から、クレアチンはある種の激しい運動に有効という結果が得られているが、他の運動には効果がないという報告もある。(健康な若い人において)単回の運動よりは、短期間に最大の運動を繰り返し行う場合にもっとも有効であると思われる。またより長い時間、意図的に有酸素運動と無酸素運動を交互に行う場合に、効果が高いとされている。有酸素運動での効果はないとされている。高齢者でも効果はみられないという報告がある。慢性的に用いるよりは、短期間に使用する方が効果が高いとされ、ほとんどの研究では20g/日を5日間摂取して効果を見ている(66)。
・運動習慣がない健康な高齢者16名(平均年齢70.4歳)(試験群8名)を対象とした二重盲検試験において、クレアチン5-20gを8週間、毎日摂取させ、同時に筋力トレーニングを行ったところ、レッグプレスの1-RM(最大挙上重量)が増加したという報告がある(2005233484)。
・高齢男女39名(65-85歳)(試験群21名)を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、レジスタンス運動と共にクレアチン5g/日、共役リノール酸6g/日を6ヶ月間摂取させたところ、脂肪量の低下、除脂肪量、膝、胸、腕の筋力の増加がみられたが、血漿クレアチニン値も上昇したという報告がある(PMID:17912368)。
・男性ボート競技選手20名(平均年齢19.4歳)(試験群10名)を対象とした二重盲検試験において、クレアチン20gを6日間、毎日摂取させたところ、2,000mローイングのタイムが向上したという予備的な報告がある(2001164499)。この現象については更なる検証が必要である。
・活動的な成人20名(平均年齢21.7歳)(試験群10名)を対象とした二重盲検試験において、クレアチン20gを6日間、毎日摂取させた結果、間欠的自転車スプリント運動の3回目以降の結果が向上したという報告がある(2000257664)。
・大学ラグビー男子選手17名(平均年齢19.5歳)を対象とした二重盲検試験において、クレアチンサプリメント20mgを3週間、毎日摂取させた結果、膝屈曲筋力と無酸素性運動時の疲労耐性が上昇したという報告がある(2000210625)。
・さまざまな筋ジストロフィーをもつ成人および小児において、筋肉の強さと日常の活動を向上させる目的で経口摂取は有効性が示唆されている(PMID:10802796) (PMID:15159476)。毎日クレアチンを8週間摂取したところ、筋力と日常的な活動にやや改善がみられたという報告がある(66)(PMID:10802796)。

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その他:
・トレーニングを積んだ運動選手の能力を向上させる目的には、経口摂取でおそらく効果がないと思われる(66)。
・60歳以上の人の運動強度や体格の改善の目的には、経口摂取でおそらく効果がないと思われる(66)。

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安全性:
・適切に用いれば、経口摂取で安全性が示唆されており、連続摂取で5年まで安全という報告がある。
・妊娠中・授乳中の安全性については充分なデータがないので、使用を避ける。
・多量摂取は副作用が出やすくなり、危険性が示唆されている。副作用としては、胃腸の痛み、吐き気、下痢が報告されている。
・腎疾患の既往症がある人、糖尿病患者などの腎機能不全のリスクが高い人は、使用を避けたほうがよい。

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail548.html

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http://www.e-tyozai.com/kbic/kureatin.html

http://www.page.sannet.ne.jp/grand-ma/docjoc/dj001.htm

http://www.pharm.tohoku.ac.jp/~soutatsu/dds/research/r_index.html
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http://hisajp.info/2008/05/1bcaa.html

つぎ
http://hisajp.info/2008/05/post_732.html
 
 
 
お勧めの本
http://hisajp.info/recommend2.html

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このページは、hisaが2008年5月20日 13:44に書いたブログ記事です。

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