一日の中でのトレーニングの組み立て方
今まで長期的な流れを説明してきましたが、今回は1日の中でどうするかを考えてみたいと思います。
1日の中でどのようにトレーニングを組み立てるか、幾つか法則があります。
1、技術や体力を必要とするものは先に行う(競技練習、スピード、パワー、クイック、最大筋力など)
2、専門種目や主要種目が先、補助種目は後。
3、複合種目が先、アイソレート種目が後
多関節種目 ー> 単関節種目
大筋群種目 ー> 小筋群種目
4、効果を上げたいものは先
5、体幹種目(腹筋、体幹スタビリティなど)は最後
これは、
・技術取得が必要なものは身体が疲れていないフレッシュなうちに正しく身体が覚えさせる事が重要で、筋肥大のような基礎的なものは後でも構わない。
・トレーニングは最初にしたものが最も効果が高い。
・抹消筋や体幹が先に疲れると、正しい姿勢保持が出来ず競技技術の取得が難しくなったり、必要な強度のトレーニングが出来なくなる恐れがある。
という様な事が主な理由です。
そのため、競技選手であれば
・技術取得を主とする時期は、競技練習や競技に直結するようなトレーニングを優先する。
・試合を終えた後の基礎体力の向上期は、基礎的なトレーニングを優先する。
と、ピリオタイズとともに行うトレーニングや競技練習の内容が異なってきます。
プロ野球やスキーのようなシーズンスポーツなのか、陸上のような季節問わず年間に数回試合がある競技なのかによっても変わります。
ビルディングやシェイプアップであれば、競技練習や競技に直結するトレーニング(プライオメトリクスやスピードトレーニング)というのは、他の競技選手と較べると少ないとなります。
具体的にどうするか
1日の運動に費やす時間の違い
競技選手は1日にほとんどを運動に費やすのに対し、学生や社会人競技者はもう少し運動時間が短くなり、体力作りや健康運動の方はさらに短くなります。
それぞれ条件は違っても、トレーニングの組み方の法則は変わらないです。
長時間練習やトレーングをする場合は
「競技練習」 ー> 「競技に直結するタイプのトレーニング」 ー> 「基礎トレーニング」
のように項目の異なるものを一日の中で行い、かつ間に昼食や昼寝が入ったりします。
それに対し、運動時間が短いとどれか一つの項目だけであったりします。
ウォーミングアップ
ウォーミングアップはいくつかの段階に分かれるのですが、
1、全身の体温を上げる。
2、これから行う練習やトレーニングに必要な調整をする。
の2段階になります。
どのようなトレーニングをするのでも、最初はジョグやエアロバイクなどで心拍数を上げ全身の体温を温めます。
次に、野球ならキャッチボールのような肩ならし、卓球なら簡単なラリーなどを行います。
ブラジリアン体操を入れる場合もあるでしょうし、軽めのスタートダッシュ/ストップを入れる場合もあるでしょう。
厳密に言うと、血中乳酸濃度等の話しになりますが、今回は省きます。機会をみて書きたいと思います。
これらウォーミングアップは特定のものをしなければならない訳でなく、身体をこれから行う運動に適した状態にする事が目的ですので、状況により、またその人の体力により変わってきます。
そのため、これから一日中ずうっと競技練習やトレーニングをするような場合は、比較的長めのウォーミングアップとなり、それそのものが何らかのトレーニングの一環だったりします。
これから60分間程度の「筋トレ」をするような場合は、何十分もウォーミングアップをするとダラけてしまうので、5〜10分程度で済ませ、本トレーニングに移行する事も多いです。
健康増進でウォーキングをする様な場合は、サッカー選手のような激しいアップをする必要はありません。
またその日が試合日であれば、ウォーミングアップで体力を浪費するのは避けたいですが、必要な量は行いたいためそのバランスが難しく、高度な競技では「試合日に即したウォーミングアップの練習」というのも必要でしょう。
例えば日本から米国に渡る野球選手は、アップの時間の短さに慣れなかったりします。
また、1日に及ぶ競技練習だとして、昼の休憩の後のアップはどの程度すれば良いかと言うと、その日の一番最初ほどみっちり行う必要はないでしょう。
競技練習や本トレーニング
それぞれ必要な項目を法則に則り行います。
こういうものは、きちんとした考え方に則り事前に組み立て、適切に調整する必要があります。
行き当たりばったりでは効果が薄くなるでしょう。
それぞれの内容は、改めて書きます。
クーリングダウン、栄養補給
クーリングダウンは体温を下げる事、全身に回った血液を心臓の負担を少なく戻す事、筋肉中の乳酸等の除去(洗い流し)等が目的です。
実際の競技では走った後もダラダラと歩いたりしていますが、例えば発車間際の電車に走ってとび乗り身動きできずにゼイゼイしている状態が心臓や身体には良くない訳です。
そういう風にならない様に、運動強度を弱める必要があります。
クーリングダウンは俗にいう「整理運動」だけでなく、プールで泳いだり、冷たいシャワーを浴びたり、アイシングをする事までを含みます。
そのため、運動を強度に行った場合は、このような方法で熱を取るのも翌日に疲れを残さない為にも有効です。
これは「筋トレ」を強度にした場合にも良い方法です。
その後に適切な栄養補給を行うところまで運動の一環だと考え、しっかりと行う様にしましょう。
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