トレーニングプログラムの組み立て方32 競技練習とトレーニングの違い

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競技練習とトレーニングの違い

 競技練習とトレーニングの違いを比較してみると、

 競技練習では、トレーニングの様に目的を絞って行う事もあるが、大抵の場合は競技がうまくなる要素を一度に行うものなので、競技練習を行うことで筋力が向上したり心肺持久力が向上したりと、競技技術要素の向上以外に身体的な変化が同時に現れる。
 目的は競技能力の向上である。

 トレーニングの場合は、何か足りないものを強化するなり、優れているものをさらに進めるなりで目的を絞り、それにより更なる競技力の向上を目指すとなる。
 トレーニングの場合は身体に現れる変化を期待する事がメインとなり、その身体の向上により競技能力が向上することになる。
 
 
 
結局は両方必要である

 例えば、野球の練習をしているとする。これはバッティングがうまくなったり、投球がうまくなったりするが、身体がその競技練習の負荷に適応した以降は身体の変化が起こらなくなる。

 そこで不足しているのが筋力なり筋瞬発力だったりすると、同じ競技練習をしていたのでは変わらないため、競技力はそれ以上向上しない。

 その為に何らかの効果的なトレーニングを行うと、「身体能力の向上に伴い競技力が上がる」と考えられる。
 しかし試合や競技練習をしないと、何が不足しているのかが分からない。
 
 
 
競技とコンディショニングとトレーニング

 また、逆に、長距離走の選手などの場合は身体の競技への適合化はどんどん進み、長距離走を行っていると筋肉が減り、骨粗鬆の様な症状が現れる事もある。
 長距離走の場合、必然的に競技練習時間そのものが長くなり、また比較的技術要素の占める割合が高い球技などと較べ競技練習そのもののフィジカル要素が高い為である。
 そのため競技練習そのものが身体へ与える影響の割合が増える。

 また、どの競技においても選手はある程度以上の身体になると、そこから先は身体変化を求めるよりも技術の向上の要素の割合が増えるため、身体的なトレーニング要素は相対的に減る傾向にある。

 競技特性の一部の説明だが、主に球技の類いは野球やテニスでは片側性の動作で(右利きは右半身を多く使う)、水泳やランや自転車やスキーは両面性の動作である。
 また、持久性の競技や瞬発性の違いもある。

 このような特性のある競技を1種類だけ長年行うのはどうしてもバランスが崩れる。
 どうしても「体癖」でやりやすい事を続けてしまう。


 そうした場合に様々なトレーニングをすると、左右のバランスが保たれ、筋バランスや神経バランスが調整され、「怪我の予防に役立つ」と考えられる。

  このような場合は、主にレジスタンストレーニングや、コア(体幹)トレーニング、PNF ストレッチなどををする事が多い。

 しかし慣れた身体に突然変化を入れるというのは選手にとって怖い点もあり、そのようなときに選手は
「身体が重くなる」とか
「慣れた身体以上に筋肉が着くキレがなくなる。それなら現状で磨きたい」
と考える事も多い。


 しかし現実的には、
「たとえハードなレジスタンストレーニングをしたところでも、競技練習を先に行い競技適合の方が強いから、あまり心配する必要はないだろう。
 それよりもコンディションアップの為にレジスタンストレーニングを効果的に使うべきであろう」
と言えよう。

 このような組み合せ方は、競技会の直前に唐突に始めるのではなく、たとえ競技技術を磨いているときであっても、常にこのように正常な方向へ整えるトレーニングをする方が良いだろう。
 
 
 
競技能力の向上の為には

 身体的な変化と競技能力の向上とは、直結する面もあれば異なる面もあり、一概に言えない。
 また、段階によっても異なるし、都度のケースによっても異なる。

 変化が必要なときは恐れずに変化をさせないとならない。

 「今一番必要なものを向上させるにはどうすれば良いか」
を優先順位を付けて行うのがトレーニングである。

 優先順位を付けずにいろいろな目的を同時に求めると変化が遅くなり時間がかかる。しかし
「時間だけ浪費して結局不足していた」となるのは避けたい。

 しかし、その優先順位が間違っていると競技能力の向上に上手く働かない事もある。見当違いな事をやってもどうにもならない。

 そのため「トレーニングをしても意味がない」と言う選手や指導者もいる。そしてコンディショニングすらしなくなり、怪我に泣く事もある。

 「トレーニングをするよりも、ゲームをしている方が楽しい」。
このレベルだとどうにもならない。子供のうちは良いが本気で競技成績を上げるのには、遊んでばっかりではいられない。

 元々全体の時間が限られているから、トレーニングに時間を割けば競技練習の時間は減る。

 競技では、これら競技練習とトレーニングの組み合せを、選手生命内という限られた時間内で最も上手に行えた者が勝者になる。



http://hisajp.info/2009/03/post_224.html


http://hisajp.info/2009/04/post_243.html

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このページは、hisaが2009年3月23日 19:50に書いたブログ記事です。

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