初心者のレジスタンストレーニング 30、FAQ 初心者に良くある質問

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 良くある質問や、間違いで多いものを挙げてみました。
 前半はトレーニングの流れに沿って、後半は理論的なものを書く様にしました。

 
Q、ストレッチを先にして、それからウォーミングアップをするようにと教わりました。
A、ウォーミングアップで体温を温め、それからストレッチをするのが正しい順番です。


Q、上げ下げの時間はどの程度にすれば良いですか?
A、その人が上げ下げをコントロールできる時間で結構です。
 通常は片道1〜3秒程度で、上下とも同じ秒数を基本としましょう。


Q、一つの種目を3セット行うとしたら、それを3セット終わらせてから別な種目をするのですか?
A、例えば、スクワット3セット、ベンチプレス3セットのトレーニングプログラムがあったとすると、基本的に、スクワットを3セット終えてから、次にベンチプレスを行います。高度になるといろいろな組み合わせがあります。勉強して必要性が生じてきたらそれらもしてみましょう。


Q、フォームを覚えるときの負荷はどのくらいにすれば良いですか? 書いてある指定の重量が良いのですか?
A、フォームを覚える時期は、楽にコントロールできる重量で行います。
 目安の重量を書きましたが、人により異なりますので、自分のコントロールできる重さで結構です。


Q、フォームを覚える期間でも、慣れてきたら挙上重量は増やすのですか?
A、慣れてくると、重量が軽いと却って分かりにくくなります。
 そのため、自分に自信がついたら、重量を少しずつ上げましょう。
 これは当日に増やして行っても良いですし、次回に増やしても良いです。
 ただし、自分でコントロールできないまで重くしたり、疲れてどうにもならない重量にまで増やすのは止めましょう。


Q、フォーム習得でも疲れてしまい、3セットも出来ません。
A、何が何でも3セットする必要はありませんが、3セットくらいしないとフォームの善し悪しの感覚が掴めません。
 そのため、もうちょっと楽にできる様に重量を軽くしてみましょう。


Q、上げきったときに、関節を伸ばしきっても良いのですか?
A、関節を伸ばしきることを「関節をロックする」といいます。このときは負荷は抜けて筋はリラックスします。そのためこれは、自重でのスロートレーニングではしない方が良いと書かれている事が多いです。
 今回の初心者の段階で覚える事として重要視しているのは、正しいフォームを取得するのが目的で、今後のトレーニングの発展を順調に行う為のステップです。
 そのため、今回は関節のロックの有無は、重要な要素ではありません。

 数秒間休めば続けられそうなら、ウエイトを保持したまま関節をロックして少し休憩をしても良いです。主にスクワットなどで用いられ、ウエイトを担いだままの状態で膝の関節を伸ばしきり、ちょっと休憩します(レストポーズと呼びます)。
 続けられないと思ったら、予定の反復回数に満たなくても一旦それで終わりにしましょう。


Q、終わった後のクーリングのウォーキングやエアロバイクが面倒です
A、心拍数を下げる為にもゆっくりとクーリングをしましょう。
 発生した乳酸等を血流に乗せて運ぶ効果があります。


Q、終わった後のストレッチが面倒です
A、トレーニングをした後は筋が張ることがあるので、それをほぐす事もコンディショニングに重要です。
また、トレーニングをすると体温が上がり、可動域が広くなっているので、柔軟性を向上させるのに良い状態です。


Q、60歳ですが、筋トレを始めたいのですが、効果は出ますか?
A、生理学的に筋肉の変化は年齢条件ありません。何歳から始められても問題ありません。


Q、既往症があります。筋トレは問題ないですか?
A、症状によって異なります。詳しくは主治医の先生、トレーナー等に確認してください。
こちらもご覧下さい。
http://hisajp.info/2008/11/post_134.html


Q、運動神経が無いのですが、筋トレできますか?
A、トレーニングは競技スポーツではないので、上手下手はありません。
 目的に向けた正しいプログラムに沿って本人が努力をすれば、欲しい結果を得る事やそれに近づく事が出来ます。


Q、RM 、rep って何ですか?
A、RM とは「最大限反復回数(Repetition Maximum)」の意味で、最大限頑張ってそれ以上出来ない挙上回数の事を指します。「10kg のバーベルを精一杯頑張って 10 回挙上出来て、もうそれ以上出来ない」という場合は、10kg が 10RM 重量となります。
 rep は単に「回数(repetition)」ということです。例えば、「2kg のバーベルをフォーム練習で 10 回反復した。もっとたくさん出来そうだけどとりあえず 10 回(rep)で止めた」。というような状態を表します。

 レジスタンス運動の負荷は、筋肥大は10RM、筋持久は 20RM、筋出力は1~3RMと、それぞれ目的に応じて RM 回数が解明されていますが、その指定の RM 重量を最大回数まで反復しないと効果があまり出ません。
 例えば筋肥大をしたいときに 10RM 重量を 5rep しても、また 20RM 重量なら何回しても、理想的な効果は出ません。


Q、フォームを覚えるときも 10RM 重量で行うのですか?
A、フォームを覚える時期は、楽にコントロールできる重量で行います。


Q、10RM 重量というと何キロですか?
A、10RM 重量というのは人それぞれ違います。身体の大きな男性は重い物を何度も持ち上げられますが、子供や女の人は1回も持ち上がらないかもしれません。
 そのように 10RM 重量というのは人それぞれで異なります。


Q、筋トレは危険じゃないのですか?
A、正しいフォームで行えば、10RM くらいの重量での怪我や損傷に繋がる事はほぼありません。
 問題が発生するとしたら、間違ったフォーム、重すぎる負荷、ウォーミングアップやクーリング、栄養補給、などが正しくないのだと思います。
 ウエイトを自分の足の上に落としたりする怪我の可能性はありますが、私が指導している限りその経験はありません。

 また、ウエイトを扱っている人の近くを急に横切ったりすると、ウエイトを手放したときに自分の足の甲に落ちたり、その人がこらえて怪我や損傷に繋がる事があります。そのためトレーニングをしている人のすぐ近くは通らない様にしてください。
http://hisajp.info/2008/12/post_158.html


Q、女性です。筋トレをすると筋肉が太くなりませんか?
A、例えばヒップアップを狙う場合は、出すところは出す様に筋肉を付ける必要があります。
 筋トレをしても、筋肥大に適切な負荷(例:10RM でその回数)を掛けないと筋肉は肥大しませんので、不要なところはしない様にするか、負荷を少なくするなどで、トレーニングプログラムを組むと良いでしょう。
 しかし脚を細くしたいから全くしないで良いかというと、そうでもありません。やはり全身の筋バランスを整える様に組む必要があるでしょう。
 脂肪燃焼を計るには、その目的に沿う様に適切にプログラムを組めば良いでしょう。


Q、男性です。ちょっとだけマッチョになりたいのですが、筋肥大トレーニングをするとビルダーみたいになりそうでイヤです。そのため 20RM 程度の方が良いと思うのですがどうでしょうか。
A、筋肥大のスピードはどの程度になるかは自分ではコントロールできません。
 そのため必要なところまで筋肉が付いた時点で肥大トレーニングを止め、それを維持する様にすれば良いでしょう。
 それに、ビルダーの方のように肥大をするには何年も続けないとならないので、始める前から心配する必要は無いでしょう。
 また、20RM 重量では筋肉は肥大しません。


Q、10RM 重量よりも軽い重量の方が安全な気がしますが、どうですか?
A、これは一概にいえません。
 軽いと筋肉が肥大しません。そうすると基礎体力が不足したままなので、その先の行える高度なトレーニングが出来ません。
 20RM 重量程度と軽い場合は「筋持久力」という性質が向上します。
 「筋肉は 60% 以上の出力をしないと変わらない」という性質があるのですが、60% 重量は 20RM 重量になります。

 それより軽すぎると、筋肉に充分な負荷を与えるには何度も反復しないとなりません。
 このような強度は有酸素運動に該当し、身体組成の分解に働くホルモンの分泌が増える場合もある為ため、レジスタンストレーニングに求める効果は得れないとなり、効果と安全を取り違えているとなります。


Q、30RM 重量で 15rep 行うとどうなりますか?
A、これは「サーキットトレーニング」という、いくつかの種目を順繰りに行う場合に用いられやすい負荷です。
 心肺機能と筋力の向上を同時に求める方法です。
 これはこれで良い方法なのですが、充分な心肺機能の向上や、筋肥大やシェイプアップの効果を求めるには、きちんとプログラムを組む必要があり、却って難しいです。
 それなら別に分けて行う方が確実でしょう。


Q、筋肥大には 6RM ~ 15RM 程度の重量という話しを聞くのですが、実際はどのくらいがベストなのですか?
A、10RM 重量を基準にその前後 8RM ~ 12RM 程度であればほぼ同じ効果が得られます。
 それより広がると、あまり向いていないような気がします。
 また、コア種目なのか補助種目なのかで異なりますが、主観的な感想が多く信憑性に欠けるように思います。
 そのため分かりやすい様に 10RM を基準にお勧めしています。


Q、すぐに効果を出したいので、最初から強い強度でトレーニングをしたいです
A、今まで運動やトレーニングをしていなかった人が急に強度なトレーニングをすると、怪我や故障に繋がったり、疲労が溜まったりします。
 また、レジスタンストレーニングというのはきちんとしたフォームで行わないと、効果が出なかったり、予定と違うところに筋肉が付いたりします。
 そのような事を防止する為に、最初の1ヶ月間くらいは習う期間、順応期間だと思って、じっくりと行いましょう。そうすればそれから後の進歩が速いです。
 または、専門のトレーナーに付いてもらってください。


Q、栄養は何か特別な物を摂る必要がありますか?
A、初期の段階では通常の食事で問題ないでしょう。
 ただし、思ったより疲れているので、運動直後に早めに糖質を 0.7g/1kg、タンパク質をその 1/3 程度摂って下さい。
 徐々に勉強してください。


Q、トレーニング直後に栄養を補給すると、せっかく消費したのが無駄になる気がしますが、どうでしょうか。
Q、痩せたいから、トレーニング後の栄養補給は要らないと思うのですが、どうでしょうか。
A、レジスタンストレーニングで使うエネルギーは、主に筋肉の中の筋グリコーゲンという糖質です。
 これは使った後に補給しないと、筋肉を分解して使った糖質を補充しようとします。これを糖新生と呼びます。
 また、トレーニングの初期の段階ほど身体の慣れが少ないので、弱い強度でも糖質の消費が多くなり、そのためそれを補給しないと疲労や筋分解が多くなる可能性が高いです。

 今回の初心者の期間のトレーニングでも、少なく見積もっても 200Kcal 程度の運動消費にはなるので、上記の量の運動後の摂取をしましょう。
 そうしないと、筋肉を分解して栄養に補充しますので、トレーニングの効果が無くなるどころか、筋肉が痩せて衰えて行きます。筋肉痛もひどくなりやすいです。


Q、筋肉を付けるには脂肪も同時に増えるといわれました。それは嫌なので栄養を少なくすれば筋肉だけ増える気がするのですが、どうですか?
A、それは現実的には相当難しいです。
 結果的に上手く行く事もありますが、このような質問をされる方はそもそもトレーニングの経験が少ないでしょうから、ほぼ不可能です。
 まず、筋肉は増えるには充分な栄養が無いとなりません。子供が大きく育つときに、栄養を与えないで身体が大きくなるかというと、それは無理な話しです。
 身体が大きくなるから、それに合わせて筋肉が付くと考えてください。
 これは大人も同じです。
 また、たとえ脂肪が増えたとしても 1 ~ 2% 程度です。
 肥大期で身体を大きくして、減量期で脂肪だけ減らすのを数回繰り返せば、半年程度の期間でだいぶ良い身体が手に入ります。


Q、肥満ってなんですか?
A、明確な定義は無い様です。
体脂肪率が男性 30%、女性35% 以上(成人)の事を指す事が多い様です。
BMI を指標とする場合もあります。


Q、BMI なんですか?
A、ボディマスインデックス Body Mass Index とは、体重と身長より計算する指標です。
 体重 kg / 身長m / 身長m (体重÷身長の二乗)で、
18 未満を痩せ気味、18~(22標準)~25 を標準、25以上を肥満傾向、30以上を肥満、35以上を高度の肥満
としています。

 ただし運動選手の場合は、 BMI が 25 を越えていても体脂肪率が低い場合が有ります。
例えば野球選手などで身長 180cm 100kg とすると、BMI は約 31 になりますが、体脂肪率は標準(15%)程度が多いです。
このような場合は肥満とは呼ばないでしょう。


Q、痩身ってなんですか?
A、広義では体重を軽くする事全般を指します。減量とほぼ同じ意味です。
狭義では明確な定義は無い様です。

 高度肥満状態から痩身を行う場合は、体脂肪率率を男性 30%、女性35% 以下(成人)にする事を指標としていたり、または BMI で 30 未満とする事とする場合が多い様です。


Q、ダイエットとはなんですか?
A、ダイエットとは、食事療法の事を指します。
「痩身の為の食事療法(ダイエット)」という言い方が正しいです。
 ときどき「自転車でダイエット」というような記述を見かけますが、「自転車で食事療法」という意味不明なもので、専門家はそういう間違った使い方はしません。


Q、肥大期、減量期ってなんですか?
A、比較的トレーニングで使われる用語で、肥大期とは身体全体を大きくさせる時期で、減量期とは身体全体を小さくさせる時期を指します。
 運動やトレーニング上では、なるべく筋肉を増やして、脂肪を減らす様にしていきます。
 これを繰り返して理想の身体を手に入れます。


Q、トレーニングや身体に良い食事を続けないと、理想的な身体は維持できないのですか?
A、ご自信の理想をどこに置くかでしょう。
 理想を得たり維持するには、その為の努力が必要です。
 理想とする身体が、健康的なものやスポーティーなものだとしたら、運動やトレーニングが大事でしょう。
 
 
 
 用語はこちらをご覧下さい。
http://xn--hex348a.jp/modules/smartfaq/
 
 
 

http://hisajp.info/2008/12/post_163.html

次回より、シリーズを変えて連載していきます。

このブログ記事について

このページは、hisaが2008年12月 6日 18:20に書いたブログ記事です。

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