体脂肪の付着する部位は民族によって異なります。
民族というよりは、「活動する地域の温度」という方が正しいです。長年その地で暮らしていくうちに、やがて遺伝的要素に含まれてきます。
内臓の発熱は人体の発熱の多くを占める為、暑いところでは放熱が多くなる様に腹の皮下脂肪が薄く、寒いところではそれが増えるという特徴があります。
そのため赤道に近い気温が暑いところでは、放熱を増やす為に腹部の皮下脂肪が少なくそれ以外の部位に増えます。
全身は放熱のため、体重当たりの体表面積の割合を増やしたい為に厚みが薄くなります。
また、全体容積を減らす為に身長が低くなるのは暑い地域に現れやすい特徴です。
逆に寒冷地では、内臓の放熱を少なくする為に腹部を中心に皮下脂肪が着きます。
また全身も大きくなり、放熱を減らす為に形状は球体に近くなります。
身長が高いのは寒い地域に現れやすい特徴です。
中間の温帯の日本などは中間の性質を持ちます。
身長、肩幅はそれぞれの民族で極端には変わらないですが、肥り具合や見た目が変わる訳です。
また、女性は男性と較べ、妊娠や授乳などに備え体脂肪率が高いですが、その分は主に乳腺や臀部の脂肪として付着すると考えられます。
また脂肪の最低必要な脂肪の割合はどの民族でもほぼ同じ様で、そのため暑い地域に近いほど乳腺と臀部の体脂肪比率が上がります。
そうすると、乳腺と臀部に脂肪が多めにつき腹の部分が薄い地域と、全身にまんべんなく着く地域に分かれることになります。
熱帯地域の女性に、乳房とヒップが大きくウエスト比が細い傾向が現れるのは、こういう生物学的な理由がある為です。
寒冷地域の女性が大きいのもこの為です。
それぞれが必要な理由によってそうなっています。
こういう遺伝要素が何代程度継続するかですが、本人が環境の反対の地域へ移ったとしても、その代ではあまり変わらない気がします。子供、孫の代で、また混血化によって、また環境への順応によって、その地域性が発現してくる様に思われます。
また、現時点でそれぞれの特性が全くないのかと言うと、だいぶ前までさかのぼればどちらの遺伝子も混ざっていると思われるので、それぞれの地域の特性に合致しない固体を見かける事もあります。
それぞれの自然環境に適合した身体が生物としては正しい進化ですが、見た目要素は自然環境に適合しているかどうかは問わないものが多いです。