前頁 http://hisajp.info/2009/03/post_223.html で書いた
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そのため赤道に近い気温が暑いところでは、放熱を増やす為に腹部の皮下脂肪が少なくそれ以外の部位に増えます。
全身は放熱のため、体重当たりの体表面積の割合を増やしたい為に厚みが薄くなります。
また、全体容積を減らす為に身長が低くなるのは暑い地域に現れやすい特徴です。
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というのは、サモアやハワイのような国や地域で肥った人がいるのと全く違っているのですが、これにはいくつかの事情で変わってきます。
体脂肪細胞は、褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞の二つの種類があります。
褐色脂肪は、産まれたときに多く徐々に減り、発熱を司ります。
http://hisajp.info/2009/03/post_208.html
白色脂肪は、産まれたときは少なく徐々に増えます。
これは所謂(いわゆる)皮下脂肪の事で、体脂肪を蓄える働きをします。この状態を皮下脂肪が増えた肥満状態といえる訳です。
この白色脂肪組織には、いくつかの特徴があり、体脂肪を蓄えるために次のような性質があるといわれています。
1、体脂肪を蓄える為に、細胞分裂をし細胞数を増やし、増えたら数は減らない。
2、細胞そのものが大きくなり、細胞内部に脂質を蓄える。
3、増える時期がある程度決まっていて、下記の時期に増えやすい。
・産まれて最初の1年
・思春期の頃
・中年以降
さらに今の詳しい研究では、
4、白色脂肪細胞が増えすぎると、白色脂肪細胞それそのものが脂肪を減らすようなホルモンを出すらしい。
5、もしかしたら、細胞数が減るのかもしれない。
という働きもあるのではないかと言われてきました。
ただ、脂肪量が増えないとそう働かないらしいので、それを期待するのは一般的な条件であればあまり現実的で無い気がします。
これら白色脂肪細胞の性質の、
・白色脂肪細胞数が増える事はあるが、いったん数が増えると減らない。
・その場合は、体脂肪が減るときは個々の細胞が小さくなる。
という性格と、
・増える時期がある程度決まっている。
という性格のため、その増える時期に増やさない様にするのが、現在の研究の範囲では適切な方法でないかと思います。
これは、大抵小学校に上がる前に肥満した場合はそのまま続き、次の中高生くらいのときにたくさん摂りすぎると肥満することは、学生の頃に見られやすいものです。
その後の中年以降の時期にも同様に肥満しやすい時期があります。
さて、最初に書いた件ですが、このような時期に栄養過多になると、熱帯や寒冷のような地域条件を、栄養条件が上回る為に発生する訳です。
要するにどのような条件のなかでも、「栄養を摂りすぎると肥る」と言うまっとうな話しです。
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